2017/04/10 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 訓練施設の片隅で、いつもの様に大の字に転がっている七生の姿があった。
普段と違うのは、その周囲に様々な白兵武器が転がっている事と、

「……ハァ……ハァ……よし、次は……と。」

平時なら先に気力が尽き、遅れて体力が果てるのだが
今日この日に限っては指一本動かす体力が無いながらも七生の瞳からはまだ気力が窺える点だった。

ぎしぎしと軋む関節を無理やり動かして身体を起こすと、半ば這う様に自分の荷物のもとへ向かう。
脱ぎ捨てられていたジャージの上着から愛用のスマホめいた通信端末を取り出して、再び床にくずおれる様に転がった。

「……ハァ……はー……あ。」

震える指でどうにか操作し、動画を再生すると端末を床に置いてそれを眺め始める。

東雲七生 > 端末に映し出されているのは過去行われていた学園内の模擬戦の様子。
アーカイブに保存されている様々な試合の記録を閲覧するのは、本格的に身体を動かすようになる以前に行っていた“訓練”だ。
重石の様な倦怠感を纏った全身は微動だにしないが、真紅の双眸だけはやけに爛々と画面を見つめていた。

「ふむ……なるほどなあ。」

一つの試合を、一人に集中して見た後は巻き戻して最初から。
今度はもう一人の動きを瞬き一つせず見つめる。息遣いまで見落としてなるものか、と言わんばかりだ。

体勢はだらけきっているのに、異様な集中力と威圧感を醸している姿が、そこにある。

東雲七生 > 「うわ、この試合長いな……1時間半か。」

思わず感心の声が漏れる。
そんなに長時間、人間と戦うのは七生には難しい。
幾ら人並み外れたスタミナを有しているとはいえ、全力で動けばあっという間に体力は底を尽きる。手足の短さを機動力と手数でカバーしているのだから無理もない。

「マラソンみたいに、戦いながら休めたら良いんだろうけどなあ。」

そんな事をすればどうしても隙が出来てしまうだろう。
少しばかり回復した身体をごろごろと動かしながら七生は思案する。

ご案内:「訓練施設」にVJさんが現れました。
VJ >  
演習場にはいくつかの訓練施設がある。
体育館や武道場にも似た実にシンプルな部屋から、神と魔王が本気で争ってもまず壊れないとされている強固な結界が張られた部屋。
そして――、小型ながら地震かとも思えるような衝撃と、間近で轟いた雷鳴よりも巨大な爆音は、その『神と魔王向け』の施設から、演習場全体へと響き渡った。

東雲七生 > 「ほわっ!?」

ごろごろと転がりながらも真剣に戦闘記録を眺めていたが、
突然の轟音と震動に思わず顔を上げる。
一体何事だと部屋の中を見回して、音と振動の発生源が今居る室内では無いと判るやよろよろと身を起こして立ち上がった。

「爆発……だよなあ、事故とかじゃないと良いけど。」

半裸にジャージを羽織って部屋を出ると、音がした方へとまだ少しだけおぼつかない足取りで向かった。

VJ >  
すると出会うのは通路になるだろうか。
不服か、あるいは悩むように唇を尖らせて、部屋を出てくる彼女。
扉の奥からはまだ残響が聞こえる気がするかもしれない。

「んー……ん、あら、大丈夫?」

腕組みして小さく唸っているところで、よろりとこちらへやってくる、推定生徒。
衝撃音を気にしてやってこられたとは夢にも思わず、むしろ相手の状態を気にかけ、首を傾げた。

東雲七生 > 「あ、あの!
 ええと、俺は大丈夫っすけど、今何か凄い音しまなかったっすか!?」

通路で鉢合わせした女性に訊ねる。
どうやらたった今通路に出てきた様に見えるが、今の爆発音を意に介していないような素ぶりだ。
もしかして気付かなかったのだろうか、と首を傾げる。
あるいは、

「……ええと、あの…もしかして、今までそこの部屋に?」

未だに若干空気の震えを感じる。
おそるおそる女性の背後に位置する部屋を指さした。

VJ >  
問われて、傾げた首が更に捻られたが、途中で得心がいったのか。

「ああ、もしかして外まで聞こえてた? 結界が吸収した感じだから大丈夫だと思ったんだけど……!」

やや慌てたように、出てきたばかりの扉を開いて中に首を突っ込む。
がらんとした部屋。元々何もないし、今ももちろん何もない。

「……うん、多分大丈夫、きっと壊れてない」

結界がどうのといった魔術的なことはあまり分からない彼女なので、語尾は不安げである。
扉を閉め、改めて東雲に向かい合った。

「ええ、今までここの部屋に。ちょっと……実験をね」

多分、演習場の利用理念から少し外れる実験を。

東雲七生 > 「聞こえた聞こえた。」

ぶんぶん、と音がしそうな勢いで首を振る。
というか、先の自己鍛錬のせいで首から下は必要以上に動かない。意思表示をするなら首から上だ。

「……いやまあ、でも別に、事故とかじゃなかったんなら良いんだ……けど。」

ひょい、と確認する彼女の後ろから覗き込む様に七生も部屋の様子を確認する。
どうやら、問題は無さそうだ。

「……実験、っすか?」

VJ >  
「……」

事故じゃなかったかと言われたら怪しいところだ。そんな表情で、安堵するような東雲から目を背けた。
こほんと露骨に咳払いをして。

「そう、実験。君はちゃんとした訓練かしら、一人で無理しちゃ危ないわよ」

露骨に話題を逸らすことにした。
追及されて困ることでもないけれど。

東雲七生 > 「俺は自主トレ……っす。
 ええと、日課じゃないな……週一くらいでやってるんで、そこまで無理じゃないと思うんすけど。」

とはいえ生まれたての小鹿の様な状態で言ってもあまり説得力に欠ける。
まあ何も無かったなら良かったっすよ、と特に被害も無いのを喜びつつ。

「それでええと……先生、っすよね。
 始業式で見かけた気が。」

生憎と名前までは覚えていなかった。
元々人の名前を覚えるのは苦手な方である。特に女性は。

VJ >  
「日課のほうが理想的だと思うわ。
 思い出したようにキツくやるよりも、毎日少しずつやったほうが速く伸びる。
 まあ伸ばしたいところ次第だけど。座る? 折角だからスポドリでも奢ってあげましょう」

 ちょっと歩いたら休憩スペースがあったはずだと指差し示し。

「はァい、先生よ。ヴェイパージェイル。ポーラちゃんって呼んでね」

 始業式は多分ほぼ立ち寝していたので記憶はない。

東雲七生 > 「流石にこれは毎日やってたら体壊しちゃうんで。」

というか精神が先に折れる。間違いなく。
日課は日課でちゃんと基礎鍛錬をしているので問題は無い筈、と告げた。

「ヴぇいぱーじぇいる……ぽーらちゃん?
 ええと、苗字がヴェイパージェイルで、名前がポーラなんすか?
 あ、頂きます。ごちっす。」

きょとんとした顔で小首を傾げて。
指示された休憩スペースへと小鹿の足どりで進んでいく。

VJ >  
「壊れたら壊れた分だけ強く治るってのもあるみたいだけど……
 身体が出来ていない時期にやるのはちょっとオススメしないかしら」

説教半分独り言半分。
心が先に参る、というようなことを口にしていたら、多分心こそ積極的に折って行けと断言しただろうけど。

「あー、うんうん、そんなところ」

姓やら名やらの概念を久しく聞いたというような。
先にベンチへ座ることを促し、ずらりと並んだスポーツドリンクから一つ選んで、ガコン。
あまり冷えていない。代謝のことを考えて、である。

「強くなる用事が? 専門は実技だけど、暇つぶしにお話きかせてもらおうかしら」

暇つぶしと断言する辺りがアレである。

東雲七生 > 「う……
 まあ、無理のない範囲でやってるから、大丈夫っす。
 あんまり病院とか保健室とかの世話にもなりたくは無いんで。」

間違いなく安静を言いつけられる様な事をしている自覚がある。
そして安静にしてると落ち着かないから避けようとしている。そういうこと。
そんな事を毎日行えるほど、気が触れてるわけでも無い七生であった。

「……ふぅん。
 あ、あざっす。

 ……ええと、もう殆ど趣味みたいなもんすね。
 体動かすのは好きなんすけど、あんまりスポーツとかだとしっくりこなくって。」

というかルールがややこしくて。
スポーツドリンクを呷りながら、スポーツ少年みたいな笑みを浮かべて答えた。
神話に出てくるような相手に勝たなきゃならないんですよ、なんて説明は口に出来るものではない。
あるいは、七生自身スポーツの類と同等に思っているのかもしれないが。

VJ >  
「ま、一人で歩けているから大丈夫なんでしょう」

自分はミネラルウォーターを買う。

「趣味で身体を虐めるのは個人的には健全ではないと思っているけど。
 ……そんなにない話でもないか。
 筋トレが趣味って人は腐るほど見てきたけど、とりあえずね、決まって女の子にはモテないけど、それは大丈夫?」

前歴のことをふと思い返しつつ、頭に浮かぶ無数のマッチョ。水がしょっぱくなった気がする。
夢に出てきそうな黒光りを脳の片隅に追いやりつつ。
可愛らしい少年の顔にマッチョが重なり、彼女は少し悲しい表情になった。