2017/07/24 のログ
ご案内:「演習施設」に神代 理央さんが現れました。
■神代 理央 > 授業も終わり、校内に残る生徒も疎らになった夕暮れ。
人気の無い演習施設に足を踏み入れれば、取り敢えず他人の姿が見えない事にほっと息を吐き出す。
「…さて、折角カフェを断念して作った訓練の時間だ。有意義なものにしなくては、な」
小さく息を吐き出すと同時に、目を瞑って精神を集中させる。
普段は特に意識することなく行っている召喚だが、今回は「必要な火砲を必要なだけ召喚する」を目標に異能の制御を行おうとしていた。
暫くして、自身の周囲から這い出る様に金属の異形が耳障りな金属音と共に現れるが、無理矢理詰め込まれた様なその砲塔は―
「……先ずは、成功…いや、辛うじて赤点回避といったところか。時間がかかりすぎるし、均一性も無い」
自身がイメージしたのは「弾幕を張るための機関銃」
確かに召喚された金属の塊達は針鼠の様に細長い銃口を突き出してはいるが、大きさも太さも不揃いだし、普段の倍以上の時間をかけなければならなかった。
始めたばかりならばこんなものか、と諦観じみた溜息を一つ。
ご案内:「演習施設」に柊 真白さんが現れました。
■柊 真白 >
(たまには全力で動いておかないといざという時に困る。
訓練施設は人が多かったので、人が少なそうな演習施設へとやってきた。
人が全くいないと言うことも無いかもしれないが、それならそれで外から見えない建物か何かを作ってしまえば良いだけだ。
そう思って施設に入る前に、音を聞いた。
顔を若干しかめて、何事かと覗き込む。)
――あなたの異能?
(いつも通りの細い声で遠くから声を掛ける。
それでも彼には実際の距離より近くから聞こえることだろう。
歪な金属の塊に近寄り、触れようと。)
■神代 理央 > 気配察知だの、鋭敏な感覚だのを持ち合わせている訳では無い。
召喚した己の異能の出来と、使用感覚に意識を集中させていたのだから、そもそも演習施設に誰かが入室した事すら気付かなかった。
故に、突然此方に投げかけられる声には驚いた様に―若干の警戒心を滲ませて―声の主に視線を向ける事になる。
思っていたよりも距離がある相手の姿に、その表情は幾分困惑を滲ませる事になるが。
「……その通りだが、訓練中に突然声をかけてくるのは感心しないな。何かの表紙に子供を傷つけたのでは、目覚めが悪い」
随分と目立つ服装の――実家に飾られていたフランス人形の様だ――少女に、不機嫌さと困惑さを入り混ぜた様な口調で声をかける。
召喚した異能に触れようとするのを止めはしないが、じっと警戒する様な視線を貴女に向けているだろう。
■柊 真白 >
(こちらは足音も異様に小さい。
癖と言うか職業病のようなものだ。
彼が気付くのが遅れたのも尚更だろう。
召喚物の表面を撫でるように手を動かす。)
それは失礼。
――何これ、機銃?
(あまり感情の篭っていない言葉で謝罪の言葉を述べる。
彼の実力のほどは定かではないが、それでもそうやすやすと傷付けさせはしない自信はあったが、それはそれ。
針金のような細い突起は中心に穴が開いており、つまり何かを撃ち出すものなのだろうというところまでは推測できた。
が、それは機銃と言うにはあまりに歪。
大破した機械に銃身と手足を生やしたような、そんな印象を受けた。)
■神代 理央 > 謝罪の言葉を述べる――大して感情が篭っている様子は無かったが――少女に、構わないと答える代わりに小さく手を振る。
そのまま少女の行動を眺めていたが、醜悪な金属の異形に浮世離れした格好の少女が触れている光景に何だか自分が場違いな様なもどかしさを感じる。
芸術的な才能を持った者ならば、この光景をアートとやらに出来るかもしれないが…生憎、そんな豊かな感性は持ち合わせていない。
「お前の言う通り、世間一般的に機銃にカテゴライズされる銃器だ。疑問符をつけられる程見栄えが悪いが、弾を撃つ事は出来る。それ以上は求めないからな」
正体不明の少女に答えを返しつつ、少女との距離を詰めようと足を進める。その瞳には、未だ僅かな警戒心を灯しているだろう。
■柊 真白 >
ふうん。
(触って撫でてもそれが「ひしゃげた機械に銃身と手足が付いている機銃」と言うこと以外はわからなかった。
元よりそう言う解析系のスキルも持っていないし、必要も無い。
どんなものでも使い方わかって使えればそれで良いのだ。)
――柊真白。
一年生。
(彼の顔を見れば、その瞳に警戒の色が見えた。
なので聞かれる前に自身の名前と学年を告げておく。
最近名前を聞かれることが多かったのでと言うことも理由のひとつ。)
あなたは?
■神代 理央 > 此方の答えに興味なさげな返答を返す少女。
単にこの不愉快な形状の異形に興味があっただけなのだろうかと考えていれば、突然名を名乗った少女に思わずきょとんとした様な表情を浮かべる。
それがこの少女の名であり、唐突に自己紹介されたのだと事実を咀嚼するまで、その表情は続いていただろう。
「……神代理央。お前と同じ1年生だ。まさか、同級生だとは思わなかったよ」
改めて少女――柊真白の姿を眺めれば、蒼玉が溶け込んだ様な長い銀髪と、服装に似合わぬ長刀に視線を奪われる。同級生にしては随分と小柄だなと自分の事を棚に上げて考えていたが、この演習施設を訪れたからには何らかの異能か魔術の素養を持つのだろう。
「お前も訓練に来たのか?俺の異能は場所を取りがちだし喧しいからな。邪魔になると言うなら、此方が場所を変えるが」
同級生となれば、譲り合いの精神を取り敢えず見せておくべきだろう。尤も、その口調と態度は傲岸不遜そのものではあるが。
■柊 真白 >
よく言われる。
(背丈を理由に小さく見られることには慣れている。
職業柄有利にも働くことではあるのだし。
彼の名前と学年を聞いて機銃に視線を戻し、もう一度手をおいて。)
別に気にしなくて良い。
――それよりこれ、動くの。
(訓練、と言うからには、流石にガラクタを生み出す異能と言うことも無いだろう。
何より彼が機銃と断言したからには、機銃としての役割を果たすのは間違いない。
更に視線を彼に向け、)
私が、付き合ってあげても良い。
(傲慢な物言いの彼の更に上から、そう告げた。)
■神代 理央 > 「…動く事は動くが、見ていて余り気持ちの良いものじゃないぞ」
実際、数も形も歪な金属の足が地面を踏みしめる姿は、控えめにいっても化物だし、そもそも鈍重だ。
溜息混じりに返答するが、次いで投げかけられた言葉を聞けば、その瞳に微かに興味と愉悦の色が灯る。
「…へえ?俺は別に構わないが、随分と物好きな女だな。自己研鑽の意識が高い、と褒めるべきなのか?何にせよ、御相手頂けるなら是非ともお願いしたいものだな」
彼女の力の正体が分からない以上、控えめにいっても勝算があるとは言えない。
しかし、己の力を振るって戦うというのは闘争心と嗜虐心を大いに刺激する。彼女を見下ろして、愉しげに笑みを浮かべるだろう。
■柊 真白 >
そう言うのは、慣れてる。
(今まで何度も見てきているし、そもそもこの島では珍しくも無い。
左手に携える鞘に入った長刀の角度を僅かに変えた。)
先に言っておく。
――最近こう言ってばかりだけど、
(パチリ。
神速の居合いで近くの機銃の脚へと抜き打ちを掛け、その刀が鞘に戻った鍔鳴りの音。
普通の鉄と同じような強度しかないのなら、見事に両断出来るはずだ。)
――人を見た目だけで判断しないほうが良い。