2017/10/22 のログ
ご案内:「訓練施設」に神代 理央さんが現れました。
■神代 理央 > 障害物も何も無い、無機質な白い壁と床で覆われた訓練スペース。
前方に己の従属物たる金属の異形を従え、無音の空間で小さく息を吐き出す。
《――モードD87。レベル24。仮想敵の出現数は秘匿。プログラムを開始します》
機械音声がアナウンスを告げたと同時に、銃や警棒を構えたマネキンが無数に出現する。
表情の無い彼等は、各々が武器を構えると少年と異形へ攻撃を開始する。
「…可能な限り撃滅し、此方に近寄らせるな。但し、己の戦闘継続を最優先にせよ」
主の命を受けた異形は、大きく前へ足を踏み出すと、身体から突き出た砲塔を敵に向けて斉射する。
小型の敵に対応出来る機関砲を中心に召喚した異形は、此方に接近するマネキン達を次々と粉砕していく。
しかし、マネキン達はこの部屋では文字通り「湧き出て」来る。
少年の背後に出現したマネキンは、手に持った長剣を勢い良く振り下ろすが―
「……以前ならば、こうなる前に異形を大量召喚していたものだが…成る程。魔術というものも、中々便利なものだ」
落第街で出会った男から得た肉体強化の魔術。
その能力は少年の魔力に寄って十全に発揮され、振り下ろされた長剣は受け止めた少年の手とかち合って甲高い金属音を立てる。
そのまま無造作に手を振り払えば、魔力によって強化された少年の腕は、小枝をへし折る様に長剣を打ち砕き、マネキンはたたらを踏んで尻餅をつく。
■神代 理央 > 後衛である自分に襲いかかるマネキン達を適当にいなしつつ、此方の攻撃―といっても、適当に振り払うだけだが――が当たる相手は魔力を込めて粉砕する。
その間に、前方の敵は異形が轟音と共に銃弾を撒き散らして殲滅する。
本来であれば異形の数を増やし、後衛である自分には敵を接近させないのが己の常道ではあるのだが―
「…こういう訓練もしておかねば、いざという時何があるか分からないからなぁ。もう少し、平和に生きていたいんだが」
前方に出現したマネキンが木っ端微塵に粉砕されると同時に、訓練終了のブザーが鳴り響く。
マネキンの残骸は掻き消え、銃痕が穿たれた壁はたちまち修復され、元の無機質な白の空間へと巻き戻される。
その様をしげしげと眺めつつ、軽く火照った身体から熱を吐き出す様に大きく息を吐き出した。
汗で額に張り付いた髪をかき上げ、理想通りの戦闘が行えた事に満足気に口元を緩める。
ご案内:「訓練施設」にHMT-15さんが現れました。
■HMT-15 > 激しい演習の音に紛れていたからか
音もなくいつの間にか訓練場に現れていた
四つの足を持つ特徴的な機体。
どうやら金髪の少年、理央の訓練を一通り見ていたようだった。
「素晴らしい、隙が無いな。」
少年が訓練を終えたのを見計らって
顔見知りであるのもあるせいかいきなり無機質な声を
ぶつけていく。
弱点を新たな技能でカバーしている理央に対して
感心を抱いている様子。
■神代 理央 > 銃声と破砕音によって轟音が支配していた此の部屋で、他者の接近を察知することは難しい。
それ故、突然投げかけられた言葉には幾分驚いた様な表情と共に振り返る事になる。
尤も、その聞き覚えのある声に対して警戒心は微塵も抱いていなかったのだが。
「…覗き見とは中々趣味が悪いじゃないか、イチゴウ。けど、賞賛の言葉は素直に受け取っておこう。尤も、まだまだ研鑽と習熟の余地はある。今上手くいったからといって、実戦で訓練通りに出来るとは限らないからね」
軽口めいた言葉と共に、同僚であるHMTに笑みを向ける。
己の能力に自信が無いとは言わないが、客観的な評価というものは素直に嬉しく思うものだ。
特に、それが気の置けない同僚であるならば尚更。
「…イチゴウも訓練か何かか?それなら、此方は丁度終わった所だし場所は譲るけど」
任務等で少年と接する者が見れば驚愕する程の歳相応、と言った表情や言葉遣いで首を傾げてみせる。
少年自身も、何方が己の素なのかは正直分かっていないのだが、今は15歳の少年として、同僚である彼と向き合っていた。
■HMT-15 > 「覗き見というものは随分と対象範囲が広いようだ。
学習しておこう。」
声をかけ振り向いたと共にかけられた少年の軽口に
ジョークのような真面目に受け取ってしまったような
そんな返答を返す。
そして少年の言葉の後半を認識すれば
「確かにキミの言う通りだ。戦闘技能は
実戦で役立たなければ意味はない。
実務で試してみる他は無いだろう。」
見た目だけで決めつけ机上の結果だけで満足しない。
それはこのロボットも一緒である。
「ありがとう。
今日はボクの方もある機能のテストをしにきた。
近年、活発化する違反学生及び部活に備え
解禁することとなった。」
理央が年相応の穏やかな表情を見せながら
訓練スペースを譲ってくれた後は
喋りながら軽快な金属音を鳴らして歩き
そのスペースへと下りていく。
■神代 理央 > 「訓練だけで終わってくれれば良いんだが、残念な事に此の島では実戦の機会に事欠かないからね。無駄飯食いをしている暇はなさそうだ」
軍隊とまでは行かずとも、治安維持機構である風紀委員会や公安委員会が戦力を保有しているという時点で、此の島の歪な有様が見て取れる。
軍隊は常に無駄飯食いである事が理想だとは、誰が発した言葉だっただろうか。
そんな事を思いながら軽く肩を竦める。
「ほう?それは僕としても非常に興味がある。もし良ければ、邪魔にならない場所で見学させて貰いたいものだが」
異形を消滅させつつ、彼と少し離れた場所に陣取って声をかける。
機能を解禁させるとなれば、秘匿事項も出てくるかも知れない。
支社からは何としてもその機能を報告せよとがなり立ててくるだろうが―彼がそれを望まないのならば、彼等に義理立てしてやる事もない。
自分は此処にいて大丈夫かと、声を投げかけて尋ねるだろう。