2018/10/24 のログ
神代理央 > 「ほう?類似品はちらほら見かけた事があるが、設計技師と出会ったのは初めてだな。といっても、俺が見たのは大概違反部活が使用する紛い物ばかりだったが」

感心した様に頷きながら、彼が道具を持っていた理由を把握する。
本来は、という部分が少し引っかかるものの、取り敢えずは追求せず言葉を区切った。

「…笑うことは無いだろう。どうにも、求める機能を備えていても姿形がおぞましくなってしまってな。俺のセンスが無いのか、そもそもそういう類の異能なのかは分からんが…」

溜息を吐き出しながら改めて召喚した異形に視線を向けて――もう一度溜息を吐き出した。

「ああ、聞いたことがあるな。所詮、人型の兵器等巨大化させるメリット等無いと言うことだ。人型であるのは、人と同じサイズで戦場を可動出来る事に意義があるのだから」

僅かに肩を竦めて彼の言葉に答えつつ、再び異能を発動させる。
次々と召喚される盾の異形と、以前から召喚している四足歩行の砲塔を背負う異形。それらが陣形を組み、攻撃態勢を整える様を見てこんなものかと小さく頷いた。

白鈴秋 > 「まぁ大体はそうだろうな。どちらかというえば正規より違法ルートの方が価値が高いだろうし。まぁ技術としては高が知れてるのがほとんどだがな」

 類似品を思い出して少しだけ笑ってしまう。
 そして笑うことは無いだろうというのには悪いと答えた。

「別にこれを見て笑ったわけじゃねぇよ。お前の自分で作っておいてってのに笑っただけだ。俺から見るとかなり良い作品だと思うぞ。不必要なのはほとんど省いてるわけだからな」

 相手が溜息を吐く姿を見てもう一度少し笑いそうになるが。それはなんとか抑えておこう。
 
「それに、二本足だと大砲を撃つには相当高い技術がいるんだとよ。まぁたしかにメリットは……カッコ良いくらいかもしれねぇな人型ロボットは」

 隊列を組む異形たちを眺める。
 隣の彼はこんなものかというが……これと敵対すると考えると相当に恐ろしい物がある。

「もうホログラムで強化したブリキ魔獣じゃ進行も出来そうにねぇな?」

 前の練習ではほんの僅かには進めたが。そうも行かないだろうなと少しだけ思い。そう冗談っぽく付け加えてみた。

神代理央 > 「…ふむ、設計技師にそう言って貰えると少しは努力した甲斐があったというものか」

彼の言葉に、僅かに口元を緩める。
良い作品だ、と己の異形を評される事など、これまで無かった事なので少し気恥ずかしい気もするが。

「…まあ、こいつらの実戦テストを行って、どれだけ前衛を固められるか試してみなければ分からんがな。押し止める壁くらいにはなってくれると良いんだが」

小さく肩を竦めつつ、彼の言葉に笑みを浮かべる。

「…しかし、今夜は色々と助かった。何分、一人では形作るのに難儀していたところでな。今度会う時は、何か礼をさせてくれ。幸いにも小金は溜め込んでいるからな。予算に糸目はつけんよ」

と、今夜彼から授けられたアドバイスに礼を告げる。
実際、彼の的確なアドバイスが無ければ未だにホラー映画の敵役を量産していたかも知れない。そう思うと、戦力足り得る人型の異形を召喚出来たというのは、本当に大きな進歩であった。

「生憎、今夜はもう遅いし引き上げるが……そうだな。次会う時までには、コイツらが貴様を満足させられる様に、きちんと戦術も組み立てておこう」

そう告げると異形達を消滅させ、制服を翻して出口へと向かう。その途中、一度だけ彼に振り向いて―

「……俺が言うのもなんだが、もう少し表情を柔らかくしたらどうだ?折角良い顔立ちなんだ。そう怒った様な顔をしていては、色々と損する事もあるだろうさ」

随分と失礼な物言いだが、自分としては気を許した相手だけに告げる細やかな冗談の様なもの。
無論、それを彼が理解してくれるかどうかなど、傍若無人が服を着る己がついぞ気にする事はなく、言いたいことだけ言って鼻歌混じりに立ち去って行くのだろう。

ご案内:「訓練施設」から神代理央さんが去りました。
白鈴秋 > 「俺の場合機能面でしかみえてねぇから。見た目の保障はしねぇぞ」

 そんな事を言って少しだけ笑うだろうか。
 実際見た目は……まぁ個人的には嫌いではない。

「いらねぇよ礼なんて。別にほしい物なんてねぇし、金に困ってるわけでもねぇからな……修理屋で稼ぎはそれなりにある」

 軽く手をふるってお礼なんていらねぇと言い切るだろう。
 実際金でほしい物などそうは無いし、仮にあるとしても……ある程度の物ならば仕入れることは簡単だ。

「ああ、楽しみにしておく……が、表情は余計だ、好きでこんな顔してんじゃねぇよ」

 なんとなく冗談っぽいというのは理解したので、軽く笑いながら見送る。
 彼が居なくなったのを見届けると自分は足をホログラムの機械へ。

「さて、俺もここへ来た理由くらいははたさねぇとな。話だけして帰ったら何しにきたかわかりゃしねぇ」

 そうして機械を操作し自分の考えた練習プログラムを実行する。それが練習になるかは……言わずもがなである。

ご案内:「訓練施設」から白鈴秋さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に柊真白さんが現れました。
柊真白 >  
(訓練施設の一室。
 設定されているのは路地裏よりも尚入り組んだタイムアタック用のコース。
 所せましと障害物が並べられ、まっすぐに走り抜けられる個所はほんの僅か。
 その僅かな直線すらも数メートルもないと言う極限の障害コースを、)

――。

(苦も無く走り抜ける。
 距離にしておよそ五十メートルの距離を淀みなく駆け抜け、ゴールのボタンを叩くように押す。
 タイムは八秒弱。
 五十メートル走としては遅いが、数メートル先すら見えない入り組んだコースの走破タイムとしては破格。)