2018/11/26 のログ
ご案内:「訓練施設」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 >
「さって、と…随分久しぶりな気がするし、訓練もちゃんとやっとかないとな…」
ベンチにバッグとコートを置いて、軽く上半身の柔軟をしながら訓練施設の一角に歩いてゆく少女
異能制御訓練の一つ
特にテレキネシスなどといった念動力の精度を高めるためのエリア
なんのことはない、ランダムかつ次々に出現する目標に向けて、精確に力を向ければ良いだけの訓練
非常にシンプルだが、異能の力を行使する上でのスピードや、距離感や位置情報の認識、把握、力の規模の調節…などなど
様々な要素が複合されている訓練である
自身の持つ力は完全に使いこなせればならない
さもなくばそれはただの危険な代物…異能者の命題である
■雪城 氷架 >
パネルを操作しつつ、訓練の開始
バタン、と音がして最初の目標が出現する
球体の形をしたデコイに向けて、意識を集中する
すっと片手を掲げ、掌を目標へと向ける
異能の行使にこの動作は必須ではない、が…氷架は遠くの目標に力を使う場合、
こうすることでその距離感の把握、意識の集中を高めなければまだ上手く扱うことができなかった
「───…んッ」
集中力が最大に高まる
と、同時───軽快な破裂音と共にデコイは爆炎に包まれ破壊される
そしてすぐさま、次の目標がランダムな位置へと出現する
即座にそちらへも掌を向け、再び集中する
要は、これの繰り返しである
出現してから力を精確に発動させるまでの時間が短ければ短いほどよい、というわけだ
■雪城 氷架 >
「(次…──、次っ……)」
位置の把握
意識の集中
力の加減
──発動
ただひたすらその繰り返し
訓練施設の一角に小さな破裂音が響き続ける
「───あっ」
10回を超えた頃、デコイが横に吹き飛ぶ
中心を外した位置が爆発していた
疲労と、集中力の低下が、焦りを、失敗を招く
…続けざま、次の目標は更に大きく外して…
「っ…!」
その次のデコイは、根本から炎に包まれてしまった
■雪城 氷架 >
「ッはあ、…はぁ……───」
パネルの訓練中止の操作部分へと手を伸ばし、タッチする
まるで全力疾走した直後のよう、心臓が跳ね馬のように鼓動を刻んでいる
異能の力を連続して使おうとすると、いつもこうなる
集中力を保って、精確に力を行使できるのは、身体が保つ数回が限度
それも大きな力を使えば、大きな規模に力を及ばせれば、たった1回でもこうなってしまう
身体への負担が大きい……というよりも、少女の身体が弱いのだ
■雪城 氷架 >
僅かに身体をフラつかせて、その場にぺたんと座り込んだ
──氷架の異能の力は強力なものである
原理・構造こそシンプルな力であるが、それ故に、強い
異能者である少女の身体を壊しかねない程に強力な力として行使することもできる
力ある異能とは何か
それはきっと、抑止力なのだと氷架自身は考える
核兵器があくまでも抑止力として国が所持するように
大きすぎる力は使われてはならない
そして、正しく使う必要がある
『手元が狂う』では済まされない
「(……まぁ…ちょっと……気持ちも、わかるよ)」
"制御薬"なんてものに手を出してしまう異能者が多いのは、理解できてしまう
■雪城 氷架 >
ただでさえ一度、自分の力は利用されて、暴走させられて、大きな被害を出している
周囲の大人からの目線は、危険な爆弾と見るようなものと同じ
異能者が集まる此処、常世の島では大きな力を持つ異能者も多くいる
けれど実際に事件を起こしてしまった者と、そうでない者との差は…当然のように在るものだった
どれもこれも、自分が異能の力を制御しきれていないのが悪い
自分の力について無知すぎた、不勉強が過ぎた
自分は危険な人間なのだと、理解していなかった
此処に、来るまでは
「…だからってクスリになんか、逃げないけどな」
ふぅっ、と大きく息を吐いて、立ち上がる
高鳴っていた鼓動も落ち着いた。──もう一度、訓練施設のパネルを起動させる
ご案内:「訓練施設」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 昨夜の研究施設摘発によって、実働部隊に損害を受けた事を考慮した委員会上層部は、落第街等の巡回任務に支障が無い範囲で部隊の再編成を図っていた。
その煽り――というよりも、摘発任務に参加していた自分も当然対象に含まれ、取り敢えず危険のない任務が割り当てられる事となった。
「…だからといって、校内の巡回と言うのは些か退屈過ぎるんだがな」
与えられたのは、校内施設の巡回任務。
理由も無く残っている生徒や、体調不良者がいないか確認しながら散歩同然の巡回を続けていた。
「……と。まだ施設の利用者がいたのか。一応声だけかけておく――」
実習棟から訓練施設へと足を踏み入れ、未だ設備が稼働していることを確認すると、巡回に来たことだけ声をかけておこうと施設内に足を踏み入れる。
そして、無造作に施設内に足を踏み入れれば、パネルを起動させている少女の姿を視界に収め、おや、といわんばかりに動きを止めるだろう。
■雪城 氷架 >
「(1つ、2つ──3つ、4つ──……)」
次々に起動するデコイを、爆炎が弾け破壊してゆく
的確に、球体の中央から──
7、8、9……
数が重なり──13を超えたところで、なにもないところに爆発が起きる
「ッ───………」
大きな溜息をついて、パネルの終了操作を行って……
かくん、と両膝をその場についた
■神代理央 > 「…訓練熱心なのは良いことだが、無理をしすぎるのは感心しないな」
デコイが弾ける様を、見事なものだと邪魔をせぬように眺めていた。
しかし、両膝をついた彼女の姿を見て、幾分呆れた様な口調と共に彼女の方へ歩み寄るだろう。
「…立てるか?随分と疲労している様に見えるが」