2015/06/10 のログ
ご案内:「転移荒野」にロウゲートさんが現れました。
ロウゲート > (また負けてしまったか………)

転移荒野のすすけた夜空を見上げながらたゆたう半透明の姿
その姿は幽霊のようで、だけど存在は確りとしていた

それでも、意思だけはどうにも、この世には無いようだ

(自分が強いなどと自惚れたつもりはないが……)
眼を伏せる、思えば負けっぱなしだ
時としてここは負けておくだとか、少し遠慮して見せるとか
そういった配慮が必要な瞬間は間違いなく存在している、勝てば官軍とは早々いかない

無論、だからといって勝利するなと言っている訳でもない
そんな事を真剣に語るのは馬鹿だ

最早物理肉体を構成していない精神体では、どうやって思考すべきかも思い出せないが
それでもただ考えていた

ご案内:「転移荒野」にルナさんが現れました。
ロウゲート > 無制限に敗者を許してくれるほど世の中は甘い形にできてはいない
だからソイツの器に見合った勝利と、妥協できる程度の敗北

そのラインを見極めて行動するのが充実した人生を送るコツではないだろうかと
こうしてアストラル体になって、敗者として漂う身としては思うのだ

(では…これからどうするかな……)
精神を冥界に逃がす奥の手は、勿論代償として物理肉体をどこかへ持っていかれたので
まずは肉体の確保が必要だ、俺の体はどこに行ってしまったのやら…

(参ったな…)
この体では早々動く事もままならない
もはや痛覚も掻痒感も感じないというのに、ポリポリとこめかみを掻く

ルナ > ふわりふわり 少し疲れた様子の少女が荒野をのんびり歩く。
視界の端に幽霊のようなものが見えて足を止めた。

ロウゲート > 「やあ、お嬢さん…良い夜だね、風邪には気をつけて…
 ああそうだ、少し聞きたいのだが…この辺で俺の体を見なかったかい」

半透明に青白い形の、いびつな魔力とエネルギーだけでこの世に留まる姿は
もしかしたら見るものにとっては幽霊のようにも見えるかもしれない
実際、幽霊であると言われても否定をする手段は持ちえない

だから、見られてしまったのなら、堂々と声をかけるべきだと思うのだ
「もしくは…そう、死んだばかりの、新鮮な死体でもあると、助かるのだが……」
幽霊の口から付いて出る不穏当な言葉、だけど、口元はニコリとアルカイックスマイルを浮かべる、悪い幽霊ではないよと言う様に

ルナ > ちらり、と。声をかけてきた幽霊に目を向ける。

それから今度は荒野を見渡す。
それは少女の『異能』。
荒野全体を検索し、目の前の幽霊の体か死体を探す。
荒野の中に反応はあるだろうか。

ロウゲート > 「なるほど、あっち…か?」
両腰に手をあて、少女の瞳の行く末を眺めていた

不思議な少女だ
彼女がなんらかの道を指し示すようにどこかを見たとしても
それを不思議と疑う気にはならなかった
この学園では、奇跡なんて履いて捨てるほど存在する
自分も、そのひとつなのだから、これはきっと思し召しか何かだろう
主は快く与する物を救うという、信心深い甲斐もある。

「ええと……すまないね、今はお礼できるような物は持っていないのだが…
出来れば、付いてきてくれると助かるんな……
そう、そうだな…とりあえず、俺が恐くは無いんだね?」

少女の反応を伺うように、自身を指差して確認
流石に目の前に幽霊がいてノーリアクションというのは豪胆だ
俺なんて自分が幽霊になったと判っただけでも気分がかなり沈んだというのに…
それとも浮世離れしているのか…なんにせよ、わからない少女だ

ルナ > どうやら、何かしらの反応があったようだ。
そちらに道を示して歩き始めた。

ちらりと幽霊の姿を見るも、怖がっている様子はない。

ロウゲート > 「俺の言葉が聞こえないか?それとも、答える術が無いか…」
自分には声帯が無いのだ、テレパシーが全く聞かない相手では会話も成立しない
だが、それとはもっと別の所に、この少女が淡白な反応である理由があるのかもしれない

「まあ、探求は肉体が戻ってから、だな…」
何も無い荒野を歩く、どうやら少女はまだ道を示してくれる様だ

生身の時は人を傷つけたり、人を裏切ったりしていたというのに
今はこうして、他人の親切に縋ろうとしている、おかしなものだと思いながら
歩いていると、目の前に何か黒いものが落ちているのがわかる

「ええと…これ、だろうか……」
身を屈めて覗き込む
それは、一匹の黒猫のようだ、何も無い荒野をさまよい続け、その体は痩せ細り
今にも命の炎が消えようとしていた

その黒猫を見て、それから、ルナを仰ぎ見た

ルナ > 無言で頷く。その猫はもう助かる術がないようだ。
静かに猫に手を合わせ、幽霊のほうを見た。

ロウゲート > 「まあ…贅沢は言っていられないな…
 この体ではいずれ空気に溶けてしまう…」
ハハ…と肩を震わせ、他人事のように笑えば
ルナに会釈し…

そっと死にかけの猫の死体の、その腹に手を添える
眼を閉じた。

流れ込んでくる
母親の猫の腹にこぞって乳を吸いに行く光景
母猫が目の前で人に殺される光景
スラム町でゴミを漁る光景
猫の記憶が、フラッシュバックして

自身のアストラルと、猫のエーテルが混ざり合っていく

「うん……中々不便なものだな…」
ぱち…と眼を開け、体を起こした
およそ1日ぶりの、体に血の通う感触だ
死にかけた黒猫の体に宿った俺は、生まれたての子鹿のようにヨロヨロと立ち上がる

ルナ > どこから取り出したのか。
少女は小皿を取り出してミルクを注ぐ。
それをそっと黒猫の前に置いた。

ロウゲート > 「ああ…これは気を使ってもらって……
 すまないな…有機体はこれだから、困る。」

どこから、なんて。
そんな無粋な事は聞かなかった

荒野に一人と一匹
慣れない舌使いでミルクを飲む黒猫がいる

「やはりミルクはコップが一番だ…
 肉体を戻したら是非蜂蜜を入れて…くっ…」
ペロ…と掬う様に舐め取る
体内に活力が少しだけ戻ってくるのを感じた

ルナ > ミルクをなめる黒猫を座って見つめる。
他にえさらしきものを探していたようだが、チョコレートが見つかってあわててしまいなおした。

ロウゲート > 「いや、もう十分頂いた…
 いずれ返しに行こう………こう見えても俺は義理堅いんだ」

ふら…と立ち上がる、2足歩行は無理だ、ストン、と地に足をつけて4本
スタスタと歩き出し

「俺の名はロウゲート…オカルト研究部に席を置いている
 何か困ったら言ってくれ…一定のリスク以内なら…どうにかしよう」

くる、と振り返り、少女の顔を見た

「ええと…君の名前は…聞けるのかね?」

ルナ > 「ルナ。」

そっけなく、小さな声で呟いた。

ロウゲート > 「なるほど、ルナ、可愛い声だ
 いずれ美人に育つだろう、それまで…
 まあ、真っ直ぐに育つ事だ、寄り道をすると、こうやって荒野で漂う羽目になる」

ニヒヒ、と唇を吊り上げようとする、猫の表情筋はうまく動かせない
そして礼を言うように眼を伏せると、タタッ……と走り去っていくだろう

ルナ > 去っていく猫をじっと見つめる。
猫の姿が見えなくなった後もその方向をしばらく見ていたようだ。

その後、少女はふっと姿を消す。
辺りにはわずかな光の粒子が漂っている。

ご案内:「転移荒野」からルナさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からロウゲートさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に悠空深雲さんが現れました。
悠空深雲 > 草木も眠る深い夜闇に、小さな明かりが灯った。
いや……それは、灯りというには、奇妙に過ぎた。

それは輝きではなく、欠損。
それは空間のゆらぎ、世界にあいた小さな穴。

白い、空白。

悠空深雲 > "この場所"ではそう珍しいことでもないだろう。
空白は一度大きく周囲の空間を侵し広がると、螺旋を描いて螺子繰れ、消えた。

音もなく訪れた世界の異変は、再びまた、音もなく去っていった。
この世界に、一つの異物を残して……

悠空深雲 > 「っう、あ……今のは、いったい? 何が、起こったの…?」

小柄な体躯、まるで絵本に描かれる村娘のような古めかしい衣装を着た少女が、不安げにあたりへと目を向ける

悠空深雲 > あたりに広がるのは、暗い夜闇
かろうじて少女が感じ取れたのは、荒れ果てた大地のザラツイた硬さと、心もとない沈みかかった赤い月明かり

それだけでも、少女に、ここがさっきまで自分のいた森ではないのだと気づかせるには十分だった
「転移……した?」

悠空深雲 > 「どう、しよう。どうしたら……」

ぎゅっと胸元で手を握り、少女は不安げに呟きを落とす。
見知らぬ場所への恐怖と不安、常軌を逸した異常事態への混乱。
知らずの内、少女の目尻にじわりと涙が浮かんでいた。

だが、ここは転移荒野。
学園の中でも、上から数えたほうが早い危険域だ。

悠空深雲 > グルルルアアアアア!!!
「ッ!?」

咆哮、それと同時、闇の中からナニカが襲いかかる。
黒い毛並み、白い輝き……牙のようなもの。
かろうじて少女は身を捩ってその脅威を逃れる。

四ツ足の獣。正体は不明だが、そう見えるものが、いる。

悠空深雲 > 襲来した暴威に、少女の体が強張る。
身をすくませた『エモノ』の気配を感じ取った獣が、爪牙を突き立てんと襲う。

「……っ、《Rek Emjis》!!」

少女の叫びに、如何なる力が宿っていたのか。
獣の牙が少女の柔肌に届く直前、力を失ったようにフニャリと崩折れる。

悠空深雲 > 獣……狗、のようなものは、ぐーすーと大きな寝息を立てて眠っていた。
「よ、良かった。……魔術は、使えるのね」

乱れた動悸と、切れ切れの息を整えながら、少女は立ち上がる
「ここは危険みたいね。……どこか、安全な所を探さなくっちゃ」

悠空深雲 > ……獣の寝息を残して、転移荒野に束の間の静寂が戻ってきた
ご案内:「転移荒野」から悠空深雲さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > 小さな竜が、転移荒野の平野に静かに舞い降りた。
後ろ足で立ち上がると殺気を孕んだ眼差しで辺りを見回す。

テリメーラ > 彼女の接近で辺りには動物を始め、生き物の気配が感じられない。
竜は目を閉じて、周りの音に耳を澄ます。

遠くで草を揺らす小動物の音が聞こえる。
目を開き、そちらを見やるが、姿は見えず。

再び空へと飛び上がり、獲物を探すことにした。

テリメーラ > 少し低めの空を飛び、音がした方を重点的に探す。

・・どうやら、想定とは違った、イノシシが見える。
大人とはいえないが、テリメーラにとっては十分なサイズ、むしろ狩ることが難しいのではと思われる。

一撃で仕留めれば抵抗されることなく無事狩ることができるだろうか
相手に感づかれないよう高度を上げて思案する。

テリメーラ > 狩りに置いて無茶は禁物・・
だが、成長には挑戦も必要だ。
ぐるぐると空を旋回し思い悩むこと数分。

腹を括ったようだ。
最近彼女に起こった変革が背中を押したのかもしれない。

高度を少し下げ、イノシシに狙いを定める。
緊張の瞬間、まだ気づかれていないことを祈りながら、イノシシ目掛け急降下する!

テリメーラ > イノシシとの距離は残り数m
首筋に噛み付こうと大きく口を開く・・・

が、自然もそう甘くないようで。
すんでの所でイノシシは逃げ出す。

運動神経の悪い彼女がそれに対応できるはずもなく、戸惑っているうちにずべしゃっと地面に叩きつけられてしまった。
全身の打撲と擦り傷。

悔しそうにイノシシの居た方を見るが、あっという間に居なくなってしまった。
伏せたまま、ぐるるるる・・とのどを鳴らす。

テリメーラ > いつまでもしょげていても仕方が無い。
再び立ち上がり、新たな獲物を探そうとする。
しかし、右前脚に力を入れたとたん、鋭い痛みが走り、思わず声を上げる。

どうやら着地の際に捻ってしまったようだ。
狩りには失敗する、着地も失敗する、その上脚を捻って動けない。
自分のダメさ加減にあきれ、その目にはじんわりと涙が浮かぶ。

テリメーラ > 一度人間に変身して・・
と姿を変えようとするも、体が縮むのに合わせて脚が引きずられるように動き、ひどく痛む。

八方塞がり、というやつだ。
このまま夜になればどんな生物が現れるかわかったものではない。
竜とはいえ、まだまだ子供。
力も弱く襲われればひとたまりも無い。

テリメーラ > 耳を澄まし、自分の近くに敵対生物がいないことを確認する。

左脚を使って雲を出せば、移動できるだろうか。
しかし迂闊に雲で移動すれば他のドラゴンに見つかれば自分が捕食されてしまうかもしれない。
移動速度の低い雲では見つかった時点で命が危うい。

テリメーラ > やはり無理矢理にでも一度ヒトの姿に戻って、移動すべきか。
ヒトならば後ろ脚が動けば、この場所から逃げることもできるし、体が小さいのでこそこそと隠れて進むこともできるだろう。

ぎゃぅぅぅ・・とうなり声を上げながら痛みをこらえて人へと変身する。

テリメーラ > 小さな少女に変わった竜は
「いだいよぅ・・・」
と赤くはれ上がった右手を押さえながら立ち上がる。泣いている暇は無い、早くこの場から逃げなくては。ぐしぐしと涙をぬぐい、町の方へと歩いていく。

テリメーラ > 突如、草むらから音がする。
音からすると大きさとしては狼くらい・・だろうか。
擦り傷から流れる血の匂いをとうとう嗅ぎ付けられたようだ。
もちろん戦うことなどできないので、逃げる手を考える。

頭が悪い動物なら視線さえ遮ってしまえば何とかなるだろう。
動かすことのできる左手で、自分とそれの間に、雲の壁を作り出し、反対側へとこっそりと移動していく。

テリメーラ > 逃げられたかな、とこそこそ移動するテリメーラ。時々後ろの様子を見て確認しながら姿勢を低く保ち進んでいく。

しかし、匂いで追ってきている相手には関係が無かった。狩人らしく静かに回り込み、少女の行く先に先回りする。

テリメーラ > ガサリ、という音にテリメーラが気づいたときには遅かった。イセカイから紛れ込んだであろう魔犬がテリメーラ目掛けて飛び掛る。
首を食いちぎろうとテリメーラを押し倒し、息を荒げ、ガチガチと歯を鳴らしている。
何とか雲で相手との距離を保っているが、テリメーラとの距離はわずか数cm、やもすれば噛みつかれてしまうかもしれない。

テリメーラ > 「やめて・・・やめてよ・・」
懇願するように泣きながら、雲で相手を押しとどめる。
闇雲に増殖するは雲は相手の顔を覆っていく。
そして、雲は相手の鼻から口から気管に入り込み、塞いでゆく。
ついには、窒息、空気を求めばたばたと暴れまわったあと、倒れてしまった。
自分では何が起こったか解らず、恐る恐る近寄って確認する。が、犬が息をしている様子は無い。
何とか脅威は排除したようだ。
とりあえずはほっと一安心。

ご案内:「転移荒野」に悠空深雲さんが現れました。
テリメーラ > 更に言うなら、この戦闘のうちに暗くなってしまったことは彼女にとって状況が悪化した、といわざるを得ない。
人より夜目が効かない彼女は、下手に動けず、結局その場で座り込んだまま動けなくなってしまった。

絶望に打ちひしがれるが、泣けばその声で居場所がわかってしまう。声を殺してすすり泣いている。

悠空深雲 > かさり、と。草むらを揺らす音。
けれど現れたのは――少なくとも見たところでは――人のようだった。

「さっき、人の声が聞こえたみたいだったけど……大丈夫ですか? 誰か、いるんですか?」

そうあたりに目を向けながら、一人の少女が歩いてくる

テリメーラ > 人の声に気づくと、ばっと立ち上がり
「ここ!ここ!!」
大きく手を振る。右腕の痛みなど気にしている余裕は無い。

悠空深雲 > 「! 良かった、気のせいじゃなかった!」
声に気づくと、はっとして駆け寄る。
心細かったのか少し目元が潤んでいた。

「っ、ひどい怪我……待ってて、ええっと、確かこんな時は」

傷を目の当たりにした彼女は、自分の服の裾を噛んで器用に細く千切ると、いくつかの草の葉と一緒に少女の手に巻きつけた。

テリメーラ > 相手(の姿)が人間だと気づくと
「よ゛か゛っ゛た゛よ゛ー」
と大粒の涙を流して顔がぐしゃぐしゃになるくらい泣いている。

また、なされるがまま、治療を受けている。右手を触られるたびに、びくっとして痛みに耐えつつ。

悠空深雲 > 「うん。応急措置だけれど、これで少しは痛みが引くと思う……よ、と、えっ、あう……よ、よしよし。泣かないで、よく頑張った」

急に泣き出されて驚くも、相手が自分よりも小さく見える少女と気付いて、そっと抱いて背をさする。

「大丈夫、もう大丈夫だから……」

それこそ子を抱く母のように、優しく、言い聞かせるように。

テリメーラ > こちらからもぎゅっと抱き返してしばらくえぐえぐと泣いている。今はひっくひっくとしゃっくりしているが、もう少しすれば呼吸も落ち着くだろうか。

鼻水と涙でひどいことになっていそうだ・・。

悠空深雲 > よしよし、と背を撫でながらされるがままになって。
泣きつかれて彼女自身は大分冷静になれたのか、次第に表情のこわばりが解けていく。

「あらら……うん、大丈夫。安心していいよ」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの服は……丸一日歩き通していたように元からよれて泥だらけのすり傷まみれだったから、今さら気には止めていないようだ

テリメーラ > 一回離れて、深呼吸。
自分の服の袖で顔をぬぐうと

「あの、あの、僕、帰れなく、なっちゃって・・・」
しゃっくり交じりで自分の今の状況を説明する。

一応仲間が増えて少しは気分が変わったものの、戻れるだろうか、という不安はぬぐいきれていないようだ。

悠空深雲 > 泣き止んだことに、ほっと安心の吐息をこぼすも、束の間。
帰れない、という言葉を聞いてにわかに慌てふためきだす。

「えっ、き、君も!? ……って、ああ、そっか。怪我をして、一人じゃ帰れなくなっちゃったのね」

けれど、説明を聞いて、どうやら自分の「帰れない」と彼女の「帰れない」が別だと気付いて、なんとか落ち着きを取り戻した

「私も、実は迷子になっちゃって、何処に行っていいのか分からなくなってたんだ。……その、帰り道とか、分かるかな?」

テリメーラ > 「えっと、たぶん向こう・・だと思うんですけど・・」
だいぶ落ち着いてしゃっくりも止まったようだ。と、大体の方向を指差す。
彼女は夜目が利かないため見えないが、うっすらと町の明かりが見られるかも知れない。

「もしかして・・お姉さんも・・迷子・・?」
まさか助けに来た相手が自分と同じ境遇にあるとは思わなかったようだ(元はといえばただの勘違いだが)。なんだかその体はぷるぷると震えて、下手に刺激すればまた泣き出してしまいそうな雰囲気さえある。

ご案内:「転移荒野」からテリメーラさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
悠空深雲 > 「えっ、あ、うん……いや、えっと! その。私は、ほら、道がわからないだけだから。ね? だ、だから、大丈夫。道さえ分かればコッチのものだよ! お姉さんにまかせなさいな!」

正直に言ってしまいそうになった所でその"爆弾"に気付いて、慌てて虚勢を張る。
妙な必死さだとか、首筋にたれる冷や汗だとかには……気づかれていないといいなぁ

テリメーラ > 「本当に!?」
本当に200歳も生きているのか、果てしなく単純、ちょろすぎである。虚勢を信じ切って、目を輝かせて深雲の顔を見ている。
「僕、お姉さんに合えて本当によかった!」
とにこにこと笑っている。

悠空深雲 > 「う、うん。……私もよ。私も、あなたに会えてよかったよ」
ほ、と内心で胸をなでおろしつつも、こんな幼い少女を騙したことにチクリと良心を痛めながらも、ふわりと微笑んで。
……まさか彼女も、目の前の少女が自分よりも二回りは年上の同類だとは気づいていまい。

「……ああ、そうだ。まだ私たち、名乗ってすらいなかったね。
 私は、ミクモ。貴方は?」

テリメーラ > 「僕はテリメーラです!よろしくお願いしますミクモさん!!」
にこにこと自己紹介をする。

変身しきっていない尻尾が喜びを表してにょろにょろと左右に動いている。

悠空深雲 > 「こっちこそ、よろしく。テリメーラちゃん」
握手しようと出した手は……右手を怪我していたな、と思い出して。そのままくしゃりと頭を撫でて。

(……しっぽ?)
いや、自分のいた世界のも尻尾のある子はいたかなと思いながらも、視線が吸われる

テリメーラ > 目を閉じて嬉しそうに頭を撫でられている。なんだかちょっと子犬っぽい雰囲気。

爬虫類のような真っ白の鱗で覆われたしっぽ、頭に生えた角、もしかしたら自分自身との共通点を感じるかもしれない。

悠空深雲 > (ひょっとして……いやいや、まさかね。そんな偶然)
小さく頭を振って思い当たった「真実」は忘れて、

「それじゃあ、陽が落ちきってしまわない内にいこっか。
 ええと……歩けるかな? ダメなら、背負っていくけど」

その時はお姉さんに任せなさい、と力こぶ(出来てない)。

テリメーラ > 「あ゛っ・・」
良く考えたらわざわざ上空を移動しなくても地面すれすれを雲に乗って移動すればよかったんじゃないか・・と今更気づく。

そうと気づけば話は速い。
「あの・・」
と言いながら、左手から雲をだし、二人が詰めて座れる程度の大きさの雲を出す
「これに乗っていきませんか・・?」

雲は地面から60cm位の高さに浮く綿雲のよう。
触ることができるし、二人分の体重なら耐えられるだろう。特別重くなければ。

悠空深雲 > 「雲……?」
急に現れた雲にきょとんと驚く。
ぺたぺたと作り出された雲に触れて、そういう魔術なのだろうと納得したようだ。

「へえ、結構しっかりしてる……凄いね。 なら、お願いしてもいいかな?
 とっても助かるよ。歩き通しで、実は結構つかれてたの」

願ってもないことと、にっこりと微笑んで尋ね返した
重さは……一般人と変わらないから、多分大丈夫

テリメーラ > 「痛いの直してくれたし、助けてくれたし、お返しです。」
オヤスイゴヨーです、ふふふ、と笑って見せると、小さな雲で台を作ってよっこいしょ、と座り乗る。


「ホントはもっと高いところに行ければいいんですけど、この近くはドラゴンも居て危ないって聞いたし・・」
と心配そうに夕日が沈み始めた空を見上げる。

自分自身もそうだし、話しかけている相手もそうだ。という突っ込みはさて置き、同じ種族であっても話し合いもできずに襲ってくる輩もいるのは人間も一緒、特に彼女はその様な環境で育ってきた。

悠空深雲 > 「どう致しまして。それじゃあ、ありがたく」
あまりスペースを取らないよう雲の縁に腰掛けて。

「あんな大きな口で囓られたくは無いものね。……吐息(ブレス)に焼かれるのも御免だし、それなら見つからないように、こっそり帰りましょうか」

しー、っと人差し指を口元に立てて、いたずらっぽく微笑んで

「心配しないで、もしドラゴンが襲ってきても、ちゃんと逃げられるようにお姉さん頑張ってみるから」

テリメーラ > 静かにね、と言われると真面目な顔でこくこく、と頷く。
「それじゃーしゅっぱつしんこーう」
と小さな声でささやく。
イメージに反して、最大速度は自転車精一杯こいだくらい、時速20㎞ほど。

「いくら頼りになるお姉さんがいても、襲われちゃったら怖いですもんね」
とその時のことを想像して、ぷるぷるっと震えつつ。
危ない時は、僕もがんばりますからね」
と頼りにならなそうなのが、とんとん、と胸を叩いて見せる。

悠空深雲 > 「うん、なんにも無いのが一番だ」
言ってから、ああそうだと思い出したように。

「テリメーラちゃんは、ここが何ていう場所なのか知ってる?
 私、気が付いたらここにいて、右も左も分からないんだ」

テリメーラ > 「え、えと、えと、常世学園って言う学校の島です。私は他の世界から来たんですけど・・。」
もしかしてミクモさんも?と付けて首をかしげつつ。

悠空深雲 > うん、と小さく頷いて。
「いつの間にか、ね。けど、そっか、『他の世界』か。
 本当に、テリメーラちゃんに会えてよかったよ。私達が似たもの同士で、良かった。……ちょっとね、心細かったんだ」

あはは…と笑ってはいるけれど、よくよく見れば、何処か疲れて見える。

「ありがとう、テリメーラちゃん。改めて、これからよろしくね」

テリメーラ > 「僕も寂しくて、怖くって、入学した日にぴゅーって逃げちゃったんです。
でも話してみるとみんないい人ですよ。
きっとミクモさんもすぐたくさん友達ができますって!」
何て言いつつ、自分も友達ができたのはつい最近の癖にエラそうに語る。

とちらりと深雲の方を見ると、どことなく疲れていそうなのに、珍しく気づけたようだ。
「あの、ミクモさん、しばらく寝てますか?」
と心配そうにそちらを見ている。

悠空深雲 > 「え、あ、あはは……実はその、あんまり。医者の不養生みたいで、ちょっと恥ずかしい話だけど」

どうにも気が張っちゃってて、と空笑い

テリメーラ > 「危なくなったら、必殺技がありますから!ゆっくり寝ててください」
僕に任せて!とちょっと鼻高々。
雲から出てきた紐(細い雲でできている)が深雲の腰辺りをしっかりキャッチ。
抵抗するそぶりを見せれば止まるが。

悠空深雲 > 「うぅん、だけど悪いし……ふぁ、っと、と。
 うぅ……ごめん。少し、うつらうつらさせて貰うよ」

緊張の糸が解けたためか、あくびを抑えられなくなって。
ありがとう、と雲の命紐を受け入れて、船を漕ぎ始める。
大分限界だったらしい。

(何かあったら……多分、気づけるし、ね………zzZ)

テリメーラ > こくこく、と頷くと、引き続き雲を飛ばしていく。
次に目覚めるころには学生街の外れ辺りに激突しているだろうか。

テリメーラの居眠り運転のせいで。

ご案内:「転移荒野」から悠空深雲さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に悠空深雲さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」から悠空深雲さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からテリメーラさんが去りました。