2015/07/22 のログ
深雪 > 「貴女が誰かに負けるなんて想像もできないわね。
 ・・・・・・昔なら、その相手はもう欠片も残ってないでしょう?」
くすくすと楽しげに笑う。
今と昔,今でも十分に魔力に満ち溢れているのだろうけれど、昔は、それどころではなかった。
「・・・・・・あら、でもどうせなら、人も沢山居た方がいいじゃない?」
それにしても会話内容が酷い。

そう・・・昔であれば、この話題に触れただけで,消し炭にされてもおかしくない。
それが,随分と丸くなったものだ。
「貴女はそうかもしれないけれど・・・・・・まぁ、いいわ。」
右手を取れば、そのリボンに宿る強大な魔力と、複雑怪奇な術式。
これを排除するにはそれこそ膨大な魔力と、それを正確に制御できる魔術知識が必要だろう。
・・・・・・並大抵の人物に、これを外す事ができるとは思えない。

「大丈夫よ・・・・・・もう諦めてるわ。」
その腕に宿るは、世界を終わらせる力。
永遠に失われてしまった、その力。

蒼穹 > そだねぇ…。でもま、手加減したってのもあるんだけどさ。
…そだね…戦域ごとまるまるぶっ壊れてたんじゃないかなぁ。
んで聞くけど、まさか私の前以外でもそんな物騒な事言ってるのかい?
(どうせ誰もいないのだ。悠々と彼女との再会を楽しむと共に、いつも通りに破壊談義でも楽しみたいのだが。
残念ながら、互いに力と言うものを失っている。彼女は異能のその力。己は魔術のその力を。
個人を敵に回して負けることはないが、社会を敵に回したら…多分負ける、気がする。)

…おいおい、変わんないねー。
人数の問題じゃない。"楽しい"かどうかだよ。そうでしょ?
質より量って言葉があるじゃん?ってまぁ、ミユキは欲張りだし質も量も欲しいって言うんだろうけどー。
(つんつん、と半笑いで茶化すように頬を突っついてみる。会話内容がこれなのに。)

…なにさ。
もしかしてアイツに復讐でも企んでるのかい?
(睨むように取った右手に括られたそれを見据える。解いてやろうとしたって無駄。
物理的に剥がすなど不可能だ。空間にも時間にも、ありとあらゆる術式でくっついている。
一つ二つ解いたとしてすぐ元通り。魔力の面では多分いけるが制御できる知識なんてない。
下手なパズルゲームより複雑に絡み合った術式。まるで南京錠の様に何重にも何重にもロックされている。
それを確認した後。)
…はぁ。
(溜息を吐いた。いっそぶっ壊してやろうかと思うが。これを壊すだけの魔力を注いだら付けてる本人にも大きな害を及ぼすだろう。
上手くできている。必要とされるのがあくまで魔力量だけなら、己にこれを壊すことをするだけなら不可能ではないが―――
これは、無理だ。知識が足りない。圧倒的に。
具体的に言うなら、難関な物理学の問題を解くのに算数が出来ていないのと同じくらい。)

―――ごめんね。
(気遣わし気に右手を離して、呟いた。小さく頭を下げる。)

深雪 > 「貴女、昔からそういう所あるわよね・・・手加減してみたり,そのまま負けてみたり。
 ・・・・・・私にはそれの何が楽しいのか、ちっとも分からないわ。」
少女は肩を竦めて、苦笑を浮かべた。
それから、黄金色の瞳を僅かに細めて・・・
「・・・で、もし私がこの島を沈めたいなんて言ったとして,誰が本気にすると思う?」
社会を敵に回せば・・・いや、この少女は強大な個人を敵に回しても、恐らく勝ち目は無いだろう。
けれど、それを怖がっているような様子は、すこしも無い。

「ふふふ、確かに量より質かもしれないわ。
 けれど、小さな相手でも沢山いたら・・・きっと、楽しいと思うわよ。」
楽しそうに笑いながら、少女2人が虐殺の話しをしている。
傍から見れば、そんな話をしているだなどと、気付かれないだろうが。

「・・・・・・そうね。
 貴女だって、裏切られたら同じようにするんじゃなくて?」
無理矢理に引き剥がそうとすれば、この少女の手首を、それどころか、この少女の命を引き剥がしてしまうだろう。
貴女の破壊の力をもってしても、このリボンだけを破壊するというのは至難の業だ。
仮に、本人に傷を付けずに破壊したとしても、これだけの魔力量が解放されれば、無事ではすまない。
やはり、爆弾を解除するかのように、1つ1つ、丁寧に外して行くほかなさそうだ。

「・・・・・・いいのよ、ありがと。」
右手を引っ込めてから、優しく微笑んだ。

蒼穹 > …何でだと思う?
(ふ、と、己は楽し気に小さく笑う。
答えは一つ、"楽しいから"。その楽しさを彼女が分からないのは、彼女の性質に依るものなのだろう。
楽しさを求めて歩く己の在り方は、彼女はいやという程知っているはずだけれど、
各々の「楽しさ」と言うものの考えには若干の相違がある。)

ま、少なくとも私は本気にするけどさ。
…実際には無理だよね。…残念なことに。
(彼女には、きっともうその力がない事を自覚しているし、その諦めもついているのが伺える。
「誰が本気にすると思う?」という質問の答えは、きっと彼女が一番分かっているかもしれない。
それでも、相変わらず不敵に、上品に物怖じもせず振る舞うのは…冗談?強がり?本音?)
無茶しちゃダメだよ。
(きっと本音だろうと思う。それ故彼女が無茶をする事が目に見えたのは、気のせいか、はたまた―――。)

極論を言うけどさ…アリを踏み潰して楽しいって思うのかいミユキは。
それより、幾等かサイズがあって呻いてくれる方が私としては楽しいって思うなー。
勿論ワラワラ逃げ回ってくれるのも楽しいっちゃ楽しいんだけど。
(結局どっちつかずだね、とウインクして笑って見せる無邪気な様。
誰もいないからと調子に乗ったか、古い御友達に会えて心を開ききっているか。
何にしても、彼女と己の所謂暗黒面というものが垣間見え始めた会話である。)

…そうだね。
私は、虐めるだけ虐めるかなぁ。それだけの事をミユキはされた。
私は思うよ、よくそれでも平静のまま、私の前に出てこれたって。
(感慨深そうに告げる。彼女が腕力と言う意味でも、精神的な意味でも強い事は知っている。
けれど、ここまで強かったんだと改めて思う。
忌々しい鎖のようなリボン。一触即発の危険性を伴うそれを、どうやればいいかなど、
破壊を司る己でさえも分からない。)

…どう、いたしまして。
(苦渋を隠して、不甲斐ない、本当に不甲斐ない邪神―――何が邪神だよ、と内心で己を嘲った。)

深雪 > 「・・・負けることの何が楽しいのかが、分からないのよ。」
きっと、その言葉は貴女の想像通りの言葉だっただろう。
圧倒的な力を持っていながら、それを自ら制限し、あまつさえ敗北することさえある。
そんな貴女の姿を,力を抑制されている少女は,理解できずにいた。

「そう、私が何を言ったって…冗談にしか聞こえないでしょう?」
少女はどこか寂しげに、けれど、確かに笑った。
冗談であるつもりもない、自分より強い相手への恐ろしさなども、微塵も無い。
「・・・今はまだ、それでいいのよ。」
人間の社会には臥薪嘗胆という言葉があるらしい。いつか必ず、この枷が外れた日には。
今という時間を諦めている半面に、いつの日か再び力を取り戻すことを、夢見ている。

「やってみたら、案外楽しいかもしれないわよ。
 貴女も小さなころ、アリの巣とか突いてみたことあるでしょう?」
くすくすと笑う。抵抗できない相手を一方的に嬲るというのも嫌いでは無い。
けれど、確かに貴女のいう事も尤もだ。
「・・・でも、そうね。抵抗くらいはしてくれた方が、楽しいかもしれないわね。
 必死に剣を振るってくる子を、踏み潰してあげる・・・なんて、悪くないわね。」
誰かがこの会話を聞いていたら、妄想か何かの話か、もしくはそういうプレイの話だとでも思うのだろうか。
先ほどの少女の言葉にもあったが、この言葉を聞いて、本気にする者はそうそう居ないだろう。

「ふふ、1人で過ごすのも退屈なのよ。
 トラブルメーカーの貴女が近くに居たら、まだ、少しは刺激的な日々になるのかしら?」
繰り返す日常、何の価値も見出せない授業。
この少女が人間やその文化を見下していることが要因かもしれない。
このリボンが外れれば、全てを終わらせてやろうと思う。全てを焼き尽くしてやろうと思う。

けれど一方で、この島で出会った“人間”の事を思う。
僅かな間だったかもしれないが、愉快な時間を与えてくれた。
「・・・でも、これで良かったのかもしれないわ。」
このリボンがあるからこそ、彼らと話ができる。このリボンがある限り、人間として生活する事ができる。

蒼穹 > あっはは、だよね。
(思った通り。そういう所、何一つ変わっちゃいないと逆に安心さえする。
持ち合わせた強さに、絶対の自信とプライドを持ち、敗北を良しとせず蹂躙したがるその性質。
意地っ張りで勝気なさが。)
折角手に入れた玩具は、大事にしたいでしょって話。
…ま、私も大分変わってね。楽しいのは玩具で遊ぶだけじゃないって分かり始めたんだけど。
(気紛れで、飽きっぽいなのは周知の事実で。多分「また変な遊びを始めたんだ」くらいにしかとられないだろうか。)

そう…だね、残念ながら。
(なんというか…同調して笑うことが出来なかった。無表情に―――いつも、無邪気に笑う己であれば一層浮き彫りになるだろう―――ただ、無表情で頷くだけ。
けれど―――)
"今"は、か。…うんっ。
(その言葉を聞いて、漸く表情が解れた。
いつかその先、それがいつになるかなど己には勿論、きっと彼女自身にも分からないだろう。
彼女は"今"を諦めているけれど、"未来"を諦めている様子はまるでない。
なら、良い。絶望して折れないなら。未だ希望を持てるのなら。例えそれが、破滅の力であろうとも。)

いやぁ、やったよ?私。っていうかやりすぎて飽きちゃった。…もうほとんど覚えてないけどね。
(この場における「アリ」とは一体何の事をさすのだろうか。
何にしても、話している内容は無邪気な少女の悪戯に近いが、実際はと言えば、語るまでもない。)

おうおう…分かってるねぇミユキ。
抵抗されてなんぼじゃない?だから、抵抗させる。んで、ある時は負ける。…ってそれが分かんないかなぁ。
…なんちゅうシチュエーションだいそれ。ゾクっとくるね。
でも、恨みがないヤツにそれやるのはなぁ…。
(大分、己も変わったものだ。対し彼女は彼女のまま。
剣を振るってくる子を踏み潰して"あげる"というその言い方が、実に彼女らしいと思った。)

あっはは、私は暫くトラブルメーカーはお休みでね。
でも、愉快なことがありそうだったら言いなよ。昔の好、何でも力を貸してあげよう。
あ、それと刺激を求めるにしても落第街には行かない方が良いね。個人的な見解だけどあそこは面倒。
安全を考えるなら歓楽街の危ない所をお勧めする。暇つぶしには丁度いいよ。
(つらつらと愉快気に言葉を並べる。刺激がお好みなのは相変わらず。
勝手気ままでサディスティックな彼女はきっと歓楽街で甚振り歩くのが楽しそうだと思う。)

はいはいはーいっ、あんまり破壊衝動を巡らせなーいっ。
もうちょっと楽しみな?最近…って言っても大分前だけど!私おもちゃを壊さず遊ぶ方法覚えたよ。
(そういう、何かを壊したい、とか、殺したい、等と言った感情に己は敏感であった。
もっとも、彼女はそれを隠すこともなく表に出しているので察せるのだが。
まぁまぁ落ち着きなさいと言わんばかりに、その美しい銀の髪を、桜の花びらを払うことにかまけてなでなでしてやろうとするのだった。

―――実際、己がどうしたいかなども分からないのだけれど。)


そうなの?…そう。
なら、暫くはぶらついてるのも良いかな。
(己とて、人間の姿で、人間の様に血を出して生活している。
何かを壊すこと以外で、楽しいと思える時間は、それによって得られた。
人間が持つ、心情と心情の駆け引きによって。)

深雪 > 貴女の感覚は、やはりというか、まだ理解できないようで、
「・・・殺さないように虐めてるってことかしら?」
そんな封に首をかしげていた。
けれど、玩具で遊ぶだけが楽しいことじゃない、という言葉には、思い当たることが無いわけではない。
この少女はというと、貴女とは対照的に拘り始めたら徹底的にこだわるタイプである。
もしアリの巣を潰し始めたら、冗談抜きで世界のアリが滅びるだろう。

「あら、もう覚えてないくらい踏み潰してるのに、“恨みがないヤツ”1人は踏み潰せないの?」
本当に、変わったと思う。昔だったら嬉々として踏み躙っていたはずだ。
この島での出来事が彼女を変えたのだろうか…まだ、そこまでの実感は湧かない。
「・・・・・・負ける振りをして遊んでる、のとも違うのよね。」
やはり、理解できないようだ。
希望を見せておいてから奈落へ叩き落すのも・・・正直あまり趣味ではないが。

遊び場のアドバイスを受ければ苦笑が漏れて、
「貴女、何だかんだと随分遊び歩いたのね。
 歓楽街か・・・もし、退屈過ぎて世界を滅ぼしたくなったら、行ってみるわ。」
物騒な言葉と、苦笑を漏らす。
冗談であると誰にでも分かるような発言だが、少女は決して、冗談としては言っていない。
・・・そして、それは貴女にも伝わってしまった。
隠すことなど微塵もしていなかったので、誰でも気付いたかも知れないが。
「・・・・・・玩具を壊さずに遊ぶ方法?」
髪をなでられれば、僅かに微笑む・・・壊さずに遊ぶ方法、という興味深いワードには、やはり、食いついた。
玩具、という表現が適切であるかどうか分からないが、自分にも、何人か、この島で出会った相手が居る。
壊してしまいたいかと言えば、そうは思わない相手も、居る。

蒼穹 > …それもあるかな。
壊れたおもちゃじゃ遊べないよね。…ううん、分かんないかな。
壊したいもの、そうでないもの、色々あるんだ。ああ、変わっちゃったかな、私。
(元々、互いに理解の及ばないところはあったが、己は益々彼女と違った方へとベクトルを進めている。
それが災いして、更に理解し難くもしているのだろうし、己の考えが彼女に簡単に分かってもらえるものとも思わない。
ただ、一つ思うのは少し彼女の中に変わらない芯の強さと、変わろうとしない頑固さを垣間見た気がした。)

…ふ、あはは、おっかしいよね?…うん、自分でも分かってる。変わっちゃったなぁ…って。
(思わず、自嘲めいた笑いがこぼれた。散々踏み潰して来た己が何をと。)
でもさ、勿論島に来て変わったってのもあるけど、色々あったんだよ、あれから…ね。
(ま、何時しかお話のタネにさせてもらおうかなっ、なんて付け足した。それが、何時になるかは分からないけれど、
己の考え方は、様々な意見に晒されて、変わったのは確かで。)

ああ、…負けるフリもするんだけどさ。
勝っちゃうと面白くない事もある。負けを認めた方が良い事もある。
人付き合いってのをする上では、そう言うのも大事なんだってさ、あっはは、ミユキには分かんないだろうけど。
(彼女は、希望など見せない。彼女は、決して引くことを知らない。そして、彼女は、負ける事だって知らないだろう。
最後のその時でさえ、"奴"に抗い復讐を果たしたのだから。)

ううん、そだね。
落第街は本当あそこはつまんない。そうだね…ミユキくらい力があったらまぁオドオド逃げ出すんじゃない?
たまに、相手の力量を見定めることも出来ないヤツはいるけど。
歓楽街ってのは遊びに浮かれたバカが多いからね。遊びあるくのに退屈はしないさ。
あ、そうそう、ゲームセンターという施設があってね。
(これが中々楽しいんだよね、と彼女の冗談を当然の如く受け入れて話を続ける。
彼女はそう言う人物だし、それ故に時折ウマが合うのが心地良い。)

…そうそう、っていうか、玩具っていうけどさ、たまーに、その高貴な目を下げて御覧?
あんまり上から見てたら気付かない事も多いんだよね。
そうだね、私があれ以来変わったとすればそこかな。
誰でも見下すってんじゃなくって、誰でも対等として見ようとしたから。

つっても、落第街だの歓楽街だのにうろついてる話しも通じないオバカちゃん達は玩具なんだけどさ。
先に力を行使するんじゃなくて、話し合いをしてみるって、結構楽しいよ?
良くも悪くも人付き合い、さ。こうやって私とは話すけど、他の人にもやってみたらいいよ。

力を取り戻したら、結局キミにも私にも世界丸々でかい玩具になり下がりそうだけどさ。
(艶やかな触り心地である。撫でれば流れる様に手がすくわれていく感触が心地良い。
さらさら、と撫でながら彼女の表情を見遣る。
彼女は何であれ見下しがちだ。それでは、つまらないだろうと思う。
それから、自身の話も交えながら言葉を紡ぐ。彼女がこちらに来て、どんな体験をしたかなどは分からないけれど。
銀髪の一房を手で掬って。)
結局さ、楽しけりゃ良いじゃん?
(お決まりの台詞を。)

深雪 > 「……全然分からないけれど、少しだけ、分かるわ。」
壊したいものと、そうでないものがあるのは分かる。
だが、良く考えればどうなのだろう…可愛いらしいものも、愉快なものも、自分の手で壊したら、もっと可愛らしく、愉快なのではないか。
そうとも思ってしまう…まだ、変わるには時間も経験も足りないようだ。
「変わったと思うけれど、それで良いんじゃないかしら・・・だって貴女、けっこう楽しそうよ?」
変わってしまった旧友を見て、寂しい、とは感じなかった。羨ましい、とも、まだ感じることは出来なかったが。
「そうね…きっと、こうやって話す時間はいくらでもあるわ。」
それもまた、長い時間の中で定まっていくことなのだろう。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ただ、この少女、負けることに関しては、どうやらそう容易くは納得してくれなそうだった。
今、誰かに敗北したとしても、力を取り戻せば必ず復讐する。そう心に誓うだろう。

「ゲームセンター・・・? 私、まだあまり人間の文化に詳しくないのよね。
 この間も、猫カフェ、というものを教わったけど……今度、連れて行ってくれる?」
まったく想像はできていないだろうけれど、きっと、貴女に連れられれば、貴女に言われれば、少女はどこへでも行くだろう。
相容れない部分もあるが、確かに、少女は貴方を信頼しているようだった。

「目を、下げる…?」
従順で可愛らしい人間や,愉快な人間は何人か見てきた。だが、彼らが自分と対等だと思ったことは無い。
人間など、腕を一振りすれば塵と消えるような存在だ。取るに足らない存在だ。
そんな相手と話し合う、などと、今の自分には想像もできない。
人間とのやりとりを想像すれば、可愛がる、遊ぶ、壊す、どうしても、自分が上位に立とうとしてしまう。
簡単なようで、難しい・・・けれどそれを、蒼穹はいとも簡単に言ってのける。

「楽しければ…ふふふ、相変わらずだけれど、そのとおりね。」
結局は、その言葉に尽きるのかも知れない。
やがて、いつの日か、この世界を滅ぼすことになるとしても。
玩具も知り合いも全てを焼き尽くす日が来るとしても。

それは、今ではないのだから。

蒼穹 > …?
少しだけ、か。でもさ、ちょっとわかってくれたんなら、うれしいかも…っ。
(全然なのか、少しは、なのか。曖昧な表現に首を傾げる。
彼女は、壊すことばかりに愉悦する。己もそうだし、それを否定する気にはなれない。
何でもかんでも壊せばいいと、そう思っていたのはいつの事か。)

あっはは、うん、楽しい。…楽しいよ?
楽しくなければ楽しくすればいい。それだけじゃん。楽しくない要因をぶっ壊せば良いんだよ。
そ、だね。…もうミユキはこっちに定住するって決めたのかい?
(変わった己と変わらぬ彼女。それでも、また共にする時間があると聞けば、
嬉しいし、楽しいことには変わりがない。いくらでもある、と聞いて蒼い瞳は爛爛とする。)


あはは、意地っ張りだなぁ。でもさ、それもミユキなんだろうね。
そういえば…ミユキは、負けたこと、ある?
(多分、「ないわ」と即答されるだろう。もしあったとしても、彼女はそれを負けと認めない。
若しくは、負けた過去があっても、結局勝ったという今を以って敗北を塗り替えているに違いがない。)

お?ノリ気ですなミユキちゃんよ。
もっちろん、行こう行こうっ、是非とも。
…ねこかふぇ?…え、なにそれ。
(取り敢えず、ゲームセンターには連れて行く算段。保護者というか、姉妹というか、ただの親友というか。
時折、どちらが引っ張って行くかも逆転することもあるけれど、今回は己が教示する側だと知れば一層調子よく言う。
互い、理解が及ばないのは良く知っているし、理解が及ばないからこそ、楽しいのだ。)

そうそう…。
今は、それが出来るでしょ?歩いただけで地が揺れる程の莫大な力を持っていたし、
睨んだだけで百獣が逃げ出す以上の威圧感を持っていたけれど。
変に上に立とうとするとつまんないよ?…どうして私がこんな事考えてんのか私でも不思議なんだけど、さ。
(きっと、不可解なのだろう。この考え方は。
言う事は簡単だけれど、理解することはきっと彼女にも難しい。
どうしてこんな考えを持ったか、そのきっかけは―――とうの昔に忘れてしまった。)

相変わらずって言うなー。
私の名台詞だぞー。
(わしゃわしゃとまた、銀色の髪をなでながらちょっとブーイング。
けれど、同意してくれたのなら、頷く。快く。
"今"を大事にする、衝動的で刹那的、莫大な力で、破壊を悦楽する彼我。
こんなに似た性質の物が、どうしてここまでくっきりと互いに違っていると分かり合いながらも、
不可思議ながらこうして信頼し合っている。)

深雪 > 「ほんと、単純に言ってくれるわね・・・?
 楽しくない要因を壊すなんて、そんな器用なこと、貴方にしかできないわよ。」
少女は、肩を竦めて苦笑を浮かべた。

「負けたこと? ・・・・・・無いわね。」
ここまで予想通りな反応も珍しいだろう。
まさに即答であった。今後、この島で何かが変わるかもしれないが・・・

「上に立とうとしないっていうのは、まだ、私にはよく分からないわ。
 ・・・・・・人間と、対等に話す・・・か。」
不可解であった。人間は敵ではないが、自分達と同等ではない。
それを意識改革するのは、だいぶ、時間がかかりそうだが・・・
「・・・ふふふ、貴方らしいわ。名台詞って自分で言うあたりも、」
・・・この世界を、人間との会話を楽しむことくらいなら、自分にもできそうだ。
ひとつ、自分の中で納得したのか・・・小さく頷けば、腕を伸ばして貴女の髪を、同じように軽く撫でる。

「話が出来て本当に良かったわ・・・・・・そろそろ、行くわね。」
柔らかく笑みを見せて、少女はそうとだけ言い・・・貴女に背を向けた。
もう振り返ることもしない。銀色の髪を靡かせて、少女は去っていった。

ご案内:「転移荒野」から深雪さんが去りました。
蒼穹 > あっはは、私は何でも壊せるからね。
一体ミユキは何が楽しくないっていうのかな?私が壊してやろうじゃん。
(言ってみなよと、促すような目線を。)

…だろうね。
だから、分からないのかもね。
(きっと、そこから違うのだろう。
彼女が、負けと言える負けを経験する日が来れば、或いは変わるのかもしれない。)

あっはは、そうだよね。
そもそも、壊しちゃう側と壊される側だったもん。
上下関係じゃなくって、玩具と遊ぶ者の関係だから…益々難しいだろうね。
ま、悩むと良いさ。悩まないとならない事だって、あるんだから。
(撥ね退けず、考えてくれる。それだけで良い。
己の言葉ならと、多少なりとも受け入れてくれれば、無理にとも言わない。
本人なりに悩んで、結論を出してくれれば良いのだから。)
そう、そういうとこは変わらないんだね…ありゃっ。
(さて、勝気な彼女が己を撫でてくれたのはいつ以来か。それももう忘れてしまったけれど。
先程銀の髪がはらりと舞った様に、蒼い髪が小さく揺れる。)

…同じく。出来ればまた会いたいな。
うん、いってらっしゃい。あっ、ちょ、メアド…!
あー…行っちゃったー。んま、何時でも会えそうだね、この分だと。
(惜しむらくは、何らかの連絡手段があったらよかったと思ったこと。
彼女とゲームセンターなりに赴くのはいつの日か。

たまには花見も悪くはない、そんな気分で、一人怪奇な季節外れの花見を始めた。)

…変わんないなぁ、ミユキは。
(仄かな桃色の花びらは、彼女のリボンの色を想起させる。
あれだけ立っておきながら、丸くなったと思ったが、根底は変わってなかった。でも―――)
良かった。
(それだけは、言える。
願わくば、また会いたい。会ってあれ以来どうだったか、話をしたい。)

ご案内:「転移荒野」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に駆藤 栄Qさんが現れました。
駆藤 栄Q > じりじりと真夏の太陽が照りつける、荒野の一画。
気温は35度を超えようかというエリアで、大きな冷却装置を傍らに置き、
実験をする白衣のダルマが居た。

「しかし暑いな 朝からずっとやっているが 流石に堪える」

しかし、高温環境での動作確認も立派な仕事だ。
よく冷えたジェルで時折体を冷やしながら、何やら地面の一点を見つめている。
そこには大きめのサボテンがあるばかりだが……?
熱された体に冷却材が当てられれば、ジュワッと音がして湯気が上がる。

……と、ダルマの視線の先。
今までサボテンのように見えていたそれが動き出し、『ウィーーーン』と音を立てて形を変え、やがてトゲトゲの体をした人型機械が現れた。
ダルマはゆっくりと人型機械に近づき、温度計をかざすと、「現在の表面温度:120℃」と表示される。

「ム 動作自体は問題ないようだな」

駆藤 栄Q > この栄Qの肉体は高温環境、高放射環境にも耐えうる。
それは自身に宿る異能≪マキナライズ≫を研究し、性能を上げに上げた結果であるが。
しかしそれでも廃熱と冷却の効率化、また高熱の利用は、機械にとって越えなければならない壁の一つであろう。その解決に至るアプローチはさまざまであるが。

サボテンから変形した人型機械。──サボテ○ダーのようにも見えるそれは、名前はまだないが、
わかりやすくテンダーとしておこう。
グローブを両手に装備し、シャドーボクシングのようにしきりに動かすテンダーは、設定した通りに動き始める。表面は何かを焼けそうなほど熱されているが、今のところ動作に支障はなさそうだ。

「では 格闘訓練に移るとしよう あの枯れ木がいいな」

駆藤 栄Q > テンダーが駆動音を立てながら、二本の足で荒野の凸凹を歩き出す。
ひょろりと立つ枯れ木の杉近くまで寄ってくると、その拳を振り上げた。
設計通りならば、日中の間に表面を通して蓄熱したものを攻撃に転化、炎熱の鉄拳を放つはずだが。
──振り上げて、蒸気のようなものを頭部の穴から噴き出し、動作を停止させる。
その光景を眺めていた栄Qは、やれやれと肩を──ほとんど首と一体化していて目立たない肩だが──すくめた。

「また不調かね どれ こんどはどうなった?」

駆藤 栄Q > 栄Qの指先からフックが先端にあるワイヤーのようなものが伸びてテンダーに絡まれば、ずるずると引きずり出して冷却装置のそばまで移動する。
大型のファンを起動させ、冷風を当てながら腕部を覗けば、筋肉の代用である伸縮ケーブルの外縁部分が溶けてギアが露出していた。

「ムム 熱導関係がうまくいかなかったか 帰って見直さないといかんな」

冷却装置とテンダーを蒼く光る指先で研究所に転送すると、まるい体を揺らしながら、荒野から去っていくだろう。

ご案内:「転移荒野」から駆藤 栄Qさんが去りました。