2016/07/11 のログ
蕎麦屋 > 一通り動いた辺りで。ぴたり、と再び止まった。
最初から最後まで、立ち位置だけは一切変わらず――

「――帰りますか」

暗闇の中をほてほてと、迷いなく。
人の居た証は、罅割れた大地だけ――

ご案内:「転移荒野」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にバラルさんが現れました。
バラル >  
 岩の上に腰を預け、人型のキャンディを舐めている少女のような何か。
 脚をぶらつかせながら、涼むように夜風を受ける。

「ふぅーー………大分暴れ終えた気がするけれど、
 次はどうしましょうねぇ……。」
 
 それなりに喧嘩と呪いをばらまいたつもりだ。
 故に、概ね程度には名前は売れただろう。
 このまま続けても良いが――そのように思案を続けている。
  

ご案内:「転移荒野」に黒星さんが現れました。
黒星 > 開拓村の方から、真っ白な姿がゆっくりと荒野に向かい。
真っ直ぐにバラルの座る岩の方へと歩いていっている。

時折、吹く風に帽子を飛ばされないように片手で押さえながら、何も無い荒野を迷う事無く真っ直ぐに、だ。

軽く背中を丸めて、面倒そうな足取りで  ……だから、歩みも緩いのだろう。

バラル >  
「……んぁ?」

 やる気が無さそうにこちらへ近づく白い影。
 緩く鈍やかに靡くそれを眺めれば、興味を示して視線を注ぐ。
 逃げたり、隠れたり、そういうことはしない。
 

黒星 > やがて、岩の前まで辿り着くと大きく息を吐いてバラルの方を向いた。
サングラス越しでも分かる赤い目で、何度も、主にまぁ髪の色やを確認してから口を開く。

「いやぁ、もう街の中かと思ったら最後はここかネ。
 探し回って疲れたヨ。

 そちら、最近に街で妙ちきりんな呪いを撒いて歩いてるお方で間違いないかネ?」

質問という形は取っているが、断定しているような口調ではあるけど。

バラル >  
「それは御苦労様かしら? ――えぇ、その通りだけれど、そうねぇ。
 折角だから、確かめついでに私の名前を言ってみてくれないかしら?」

 妖艶に――ねっとりとした 纏わりつかせるような視線で黒星を見つめる。
 胸元に手をかければはだけさせ、誘惑――の形をした挑発を乗せて問うだろう。
 

黒星 > 「ほんとにねえ、アチコチ歩き回らされてえらい暇かかったヨ。

 いやぁ、違うと言ってもキミが道にバニーガール放っていくの見たんで間違いないんだけどネ。」

ごそごそ、とスーツのポケットに手を突っ込みながら認める発言に対して、頷く。

そうしながら見せ付けるような胸元に、こちらに送られる視線に良く分かるように 嫌そうに 顔を顰めて見せた。

「暑くて脱ぐんなら、他所でやってくれんかネ。
 いやココでやってもいいけども、誰か見てるわけでもないからネ。」

最近は特に暑くなった夜だというのに、黒星の顔には汗一つ無く、青白い顔のままであった。

バラル > 「あら。私を知らないの――残念ねぇ。」

 問いへの答えが帰ってこなければ、残念そうに溜息を一つ返す。
 間を置いてから、改めて見据える。

「――それで、御用は何かしら?
 汗一つ掻かない冷静さは素敵だけれど、そろそろ用件を聞いておきましょう。」

 一旦 挑発や誘惑の類は止まる。
 やや真面目な態度を作ってみせて、改めて問うか。
  

黒星 > 「あぁ、ゴメン、なんだっけ、ええとキミの名前だっけネ?
 全然知らんけども、じゃあ先に聞いておいていいかネ?
 何だか魔王だかって話は聞いてるんだけどネ?」

先に聞かれた質問に、さも忘れてたという風に、今更に答えを返す。
勿論忘れていたわけじゃなくワザとであるけど。

ポケットから出したのは、武器でも何でもなく、一枚の写真。
先日、目の前で捨てられたバニーガールにされた女子生徒が一応、寝台なのだろうか?のようなものに寝かされている写真で。

「イヤ、汗掻かないのは体質だけどネ。
 まあ分かってると思うけど、コレだヨ、生徒がエライ難儀してるんだヨ、お陰様でネ?

 だから優しい教師である私は、ナントカするためにキミを探してたってワケなのだヨ。

 もうキミも大分遊んだだろうし、解き方を聞きにきたんだヨ。」

汗を掻かない、自分の顎を撫でながらに写真をぐっと前に出した。

バラル >  わざとらしさには僅かに眉を顰め――

「魔王バラル。そう名乗りましょう。
 いたいけな女の子を怪しげな寝かせるなんて楽しそうじゃない。
 参考にしましょうか。」

 解き方を教えろ、と 来れば。
 不興を覚えたような不機嫌な態度から一転。
 愉快そうに笑みを浮かべ――

「何だ、そんなお話。解け ではなくて 解き方、なのねぇ。
 ――ふふ、いいでしょう。教えてあげましょう。」



「【大切に想ってくれる人からのキス】」


「――王子様のキスで解けるわよ。なんたって、由緒正しい魔王の呪いだもの?」

 ――本当は他にもある。
 禁書のあるような書庫で、彼女にまつわる文献を探せばいくつか出てくる事でもある。

 魔王バラルはそれらを隠し、
 【大切に想ってくれる人からのキス】こそが解呪の鍵である と、それだけが真実かのように言ってのけた。
 

黒星 > 「魔王バラル、いやあ探しはしたんだけどね、見つけられんくてネ?
 いやあ失敬失敬、もう忘れないから大丈夫だヨ。

 これでも丁寧に扱ってる方だと思うヨ、あんなトコロに捨てられてたオチとしてはネ。
 五体満足、被害無しとか幸運に過ぎるじゃないかネ?

 まぁ、他の子は色々面白おかしい末路になってるっぽいヨ。」

売られたり買われたり、とまぁ、行方不明になったものも多かろうて、と。
半笑いを浮かべつつ写真はポケットに戻し、少しズレたサングラスを指先で押し戻る。

「解けと言っても素直に解きぁしないだろうしネ。

 ばら撒いてる位だし、それをどうにかしようと右往左往するのも見て遊びたかったんだろうと思っているんだヨ。
 悪魔やその辺って、そういうの多いしネ。

 だからまぁ、私も回答を得て、困ってる生徒がソレにバタバタする姿で満足して貰おうというおハナシだヨ。
   そんな、アッサリ吐くとは思わなかったけどネ?」

さくっと出てきた回答に若干の疑惑を持つ、が、その真偽は今考えることではないので保留。

バラル >  
「ふふ、そうかもしれないわね。
 うさぎ小屋でも立たないかしら?」

 意地悪そうに鈴のような声を出して転がす。
 少なくとも話になる程度には増やした つもりだ。

「これでも迷うよ。だからこそ乞われれば教えるぐらいの事はするわねぇ? その位の余裕はないとダメと思わない?
 力づくで回して貰うのも好かったけれど、面倒くさがって引き下がられたら退屈だしぃ――
 ――少しぐらいは生還者に畏れる あるいは 怒って貰わないと困るもの。」

黒星 > 「落第街の売春宿にゃあ新商品入荷のハナシが幾つか出てたヨ。
 そーいう意味じゃあ、人生急転直下の子も多いんじゃないかネ。」

救われないヤツのが多いだろうね、とおかしそうに笑った。
白い、長い犬歯がちらっと見えただろう。

「私は魔王じゃあなくて、ここじゃあ教師だからネ。
 そちらサンの流儀は知らないヨ。

 ぶっちゃけ、迷ってる生徒の一助になるぐらい程度のハナシが聞ければよかったんだけどネ?

 多少、荒っぽい事もありえるかと思ってたけど、面倒が少ないならそれに越したコトぁない、ありがたいヨ。

 あとまぁ、キスしてくれる相手が居るといいねえってトコロかネ。」

回復した相手が怒って、襲ってこればそれもまた面白い、とか思ってるんだろうな、とは思っている。

バラル >   くす、世間話をしているようにえと、笑みを浮かべる。
 その後に続く言葉を受ければ――
 
「あら 残念。
 ――えぇ、精々王子様探しに右往左往して貰いましょう?」

 くく、と、それはもう意地悪そうな口ぶり。
 あっさり零したのも、これらと復讐を想定としている故のものもありそうか。

黒星 > 「私んトコロは、あんまり魔王とか悪魔とか居なくてネ。
 文化の違いってヤツだから、仕方ないヨ。

 まぁ、遊んで回るっていうトコロは分からんでもないけど、ココじゃあ私はあんまり派手に遊ぶわけにもいかんのでネ。」

だから、仕方ないね、と軽く首を振る。

「あぁ、すっごいどうでもいいんだけども、キミってドコに住んでるのかネ?
 いや、また何ぞあったら探し回るの面倒なんだヨ。

 今回、キミ探すのに一週間くらいかかってるんだヨ。」

バラル > 「……仕方ないわねぇ。
 仕方ないから講義を受けに行く事にしましょう、センセイ?。」

 少し歩いて近付いて わざとらしく顔を覗く。
 そして、場所とくれば――厭そうな顔をした。
 
「――どうでもいいなら教えてあげないわね。
 魔王を軽く扱うと呪うわよ。精々とても不運に見舞われる程度にしてあげるけれど。
 それとも巨乳淫乱バニーとかの方がよかったかしら? ――あの子の性格もちょっといじっておけばよかったわねぇ。」

黒星 > 「     キミ、生徒だったのかネ?」

講義、と言われたら。
覗かれる顔は、物凄い嫌そうなしかめっ面だった。

というか、この魔王は生徒だったのか?
だったら講義受付るなってハナシを通しておかねばならない、面倒だから。

「本当、割と呪いとか飛んでくるんじゃあないかって気もしてたんだよネ。
 だから私が出てくることになって……キミ、バニーガールが好きなのかネ?

 それとも、何か思いいれでもあんのかネ?
 どっちにしても、私に向けられるのはゴメン蒙るから、そろそろ帰ってラーメン屋にでも行くけどネ。

 なんだったらついてくるかネ?
 教えてくれたお礼に奢ってあげるヨ。」

こないだろうな、というのが分かった上で。
じゃあもう帰るという意思表示。

用事は済んでいるのだし、後は呪われない間に離れてしまうべき、だし。

バラル > 「生徒よ。」

 今の所はそうだし、起こしている場所が場所もあり、表立って何かを仕掛けられてはいない。
 とは言え、そろそろ登校したら事情聴取や回りくどい風紀委員顧問辺りに出くわすかもしれない 程度には認識しており。

「流れを汲んだものを挙げただけよ。
 幼児めいた狐っことかの方がお好みだったかしら?
 メイドさんや巫女さんとかも作ったけれど……」

 あくまで流れを汲んで分かりやすいものを挙げたとのこと。
 ……とは言え、その割りにバニーガールが多い気もする。
 やはり何か拘りがあるのかもしれないが、大したものではないのだろう。

「そうねぇ――蕎麦なら付いていくわよ?」

 本気で無さそうな誘いには、中途半端に乗る気を見せる。
 軽い冗句に軽い冗句を返した ような具合だ。
  

黒星 > 「そうか……   生徒だったんだネ。
 まぁ、じゃあ後は風紀と公安と仲良くネ。

 私は通報したりしないけどネ。」

どう考えても生徒という選択肢は浮かんでこなかったから、大分、意外そうだった。

「私はガワよりは中身を重視したい派でネ、服装とかは割と気にしないヨ。
 若い肉でも歳食った肉でも、料理すれば何でも美味いからネ。
 
 ぁー……蕎麦ねえ、あの蕎麦屋にキミと行ったら面倒そうだから、他ならいいけどネ。」

魔王を目視する時に居た蕎麦屋は蕎麦を食う以外ではちょっと。

じゃあオツカレー 位の軽いノリで手を挙げて。
踵を返して元来た通りに歩き始める。