設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
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参加者(0):ROM(1)
Time:02:21:34 更新
ご案内:「山奥・廃寺跡」から伊弦大那羅鬼神さんが去りました。
ご案内:「山奥・廃寺跡」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■伊都波 悠薇 >
「……っ」
咆哮から舞い散る、小石――風圧に体をこわばらせながら……
でも、特別。その行為と表情に”抱くものはなく”
「……これ、も、じ?」
刻まれているものの、それに気づいて。なんの意味があるのかと、考えて――
「――はぁ……」
何も知らない。識らない。だから――識らねばならない。
あのときのようなことを、繰り返さないように
「今日はコレくらいにしておこう」
静かに立ち上がり、ゆっくりと帰路につくのだった
その文字をメモに、とって
■伊弦大那羅鬼神 > ━━視線に、気付いていないわけもない。何せ鬼は先程からずっと貴女がいる方を見ているのだから。
向けられ続ける無遠慮な視線に、鬼の眉間に、確かに皺が寄るのが見える。
そして、間違いなく貌を見せていた鬼は貴女がいる場所へ向かって。
メリメリと如何にもな不機嫌の顔を”作って”。
「ッグゥアアアアアァオォッ!!!」
━━━━ここ迄で最大の威嚇の声を放った。周囲に軽く風が吹き、車のクラクションよりも音量がある。音量以上の質量さえあるような、渾身の”威嚇行為”。
…………それで逃げ失せるならば、ただその後は視線を送りながら見つめるのみ。
━━それで逃げなければ。
「…………ッヴ、ゥ、ア」
…………意味を明確に持った、三つの音。鬼が何かを、訴えかけて。
ゆらりとその姿は、襤褸を引き摺りながら、寺跡の中へと引き返していくだけだ。
…………近くの石畳だったものだろう、石片。ただ風化して刻まれるには鋭過ぎる溝。
何かが刻まれている。
『 '/ `/ ┳┓ 』
■伊都波 悠薇 >
「――……」
一瞬、見入った。魅入った。
そして、見送る。
こちらから干渉して、なにかできるわけじゃない。
でも”アレ”は何かが違う。違うと同時――
あの鬼は”彼の敵”ではない可能性が、濃くなる。
しかし、鬼について、詳しいわけじゃない。
だから――もっと鬼を識る必要がある。
鬼を、オニを。そして――”彼”を
動きが止まってしまったことに、慌てて、行動する――
――視線に気づかれた? これ以上は危険? ここにいてもコレ以上の収穫はない? いや、でも――……
ドッドッド……
心臓が、やけに、うるさく感じた
■伊弦大那羅鬼神 > ━━━━━━かたん。
「……ヴァ」
……どこかで、風にでも倒されたような音だった。寺の廃墟の中。
木材とは違う何かが動いた音だ。鬼が視線を遣って意識が遠ざかる。
……人から関心が離れるというところも、らしからないが。
これ以上の行動が読めないそちらから意識を外した鬼が、振り返り、体の向きを変えた。
……遠くでひゅおうと、低い風鳴りがあった。
そして━━━━木々を激しくゆらす、初冬の空風が吹き荒れる。
風が雲を裂くと共に、鬼の横顔から襤褸を剥ぎ取った。
殆ど人と変わらないような形の貌が晒されて。
片目が無いという情報が先に入り、そして。
━━━━肌の色が或いは人に近ければ、精悍な顔つきの青年に見えるだろう横顔と。
……白く染まり、伸び切った後ろ髪が靡き、
その中に、名残のような赤色があることが見えた。
「…………グ、ゥウゥ」
伸びた犬歯が唇からはみ出して、凶悪な貌に伺えても、きっとそれがもう一度貴女に振り返った時に分かるだろう。
”それは人を知っている。”
”それは人の脆さを知っている。”
”それは人の弱さを知っている。”
”それは人間への敵意を知らない。”
■伊都波 悠薇 >
「――っ」
逃げない。逃げてたまるか。
ここで逃げたら”隣に立つなんてありえない”
かつて、熊から逃げた自分は姉に何を”押し付けたのか”
今日、この鬼がいたことに感謝する。
自分はちゃんと、その資格があるのかどうか――それを感じ取れるから。
だから、”退かない”
けれど、違和感。おかしい。こちらは”ただあるだけ”を意識してる。
敵意はなく、それに関わろうともせず。
もしそれがこちらに向って来るのであれば話は別だが、そういうわけでもない。ただ”見ている”
本能に逆らっている? それとも――別な何かが、この”場所”にあるのだろうか。ここから、離れない、離れたくない理由が。
ここを”守ろうとする理由”が
何故――?
いや、推測に過ぎない
探索を続ける。この鬼は”別”、なのだろうか。では別になった理由は?
疑問は尽きない、尽きないから――探す。”彼”を、探す
■伊弦大那羅鬼神 > 「……………………ヴゥゥ……」
唸り声だ。犬が威嚇するようなものに似ている。しかし、犬よりも断然に与えられるものが違う。
向けられる目が、貴女を追っていた。鬼は貴女に意識を向けていた。
向けられている。知覚されている。
━━━その向けられる感覚の中で、違和を抱くだろう。
「…………グ、ゥ」
……鬼ならば。何故それは人を見ている。威嚇している。有り得ない。鬼とは人間の何倍もの力を持つ。鬼は人間を喰らうものであって、威嚇するものでは無い。
そうであると認知させる鬼が、そうでないと認知するしかない行動を目の前で起こしている。
それは、本当に鬼か?
━━━━かの青年が、死に至らしめられたという鬼なのか?
「…………ヴアァウッ!!」
吠える。そこに居るほどに鬼にとっては意識を向けるものとなりうるらしい。寺跡の中から威嚇をし続ける鬼は、しかしただ、それ以上をしようとはしていない。
■伊都波 悠薇 >
「あ……」
分かる。わかった。見れば、分かる。”コレ”だ。
コレが、そうだ。直感する、確信する。
コレが”鬼”。姿が問題ではない。服装が問題ではない。
その”在り方”が、”鬼”――
息が、しにくい。心臓が鳴り止まない。汗が、止まらない。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
でも――
――退いちゃ、ダメだ
敵意は、なく。恐怖を、”ならせ”
「……ふーっ」
そういうのは”想定内”。生きて帰れるかは”未定”だけれど
「ハァ……」
白い息が、先程より濃く、空気に揺蕩う。
そして”気づいていないか”のように、”彼”を辿る
――一体、どこで”果てた”?
■伊弦大那羅鬼神 > ━━━━嗚呼、近くまで来ている。誰かが来ていると。
その存在は悟ったのだ。だから、ぎし、という音に反応したのは来訪者だけでは無かった。
「…………ヴ、ゥア…………」
━━━━寺の奥の暗闇から、それは酷くゆっくりと姿を現して、来訪者へとその容貌を晒した。
それは貴女の視界にも入り、同時に張り詰める空気の圧迫感を感じ取らせる。
襤褸に包まれた躰はおよその情報を覆い隠す。
しかし、並の成人した男よりも大きいこと、そして襤褸を抑えている手が、鋭い指先と爪を持った、岩肌のような黒褐色の肌色をしていること。
襤褸の奥から聞こえる声が、決して人間の聴覚に言語として訴えられることの無いしゃがれたような声であること。
そして、襤褸の奥から覗く、赤色の目が、人間には得られない鋭さを持っていること。
━━━━鬼だと、直感に訴えさせるには、それらだけで事足りるのだ。
■伊都波 悠薇 >
彼は、ここで果てた。”死んだ”
”死”を選んだ。
何故? 彼はそれを推し量れなかったのだろうか
それとも、それをわかっていても”行かねば行けない理由”があったのだろうか
戦いの後――もう、消えてるかもしれない、風化した景色を見つめ、触れて
「……ひどい場所」
何も”わからない”から、そう呟いた。
整っていないのは、誰もここに入って来ないからだ
入らないからだ、忘れたいからだ、忘れられているからだ
だから――
「――……」
崩れ去った”建物”の一部に、触れて
ぎしぃっと言う音に――
「……ッ!!?」
敏感に反応した
■伊弦大那羅鬼神 > 「……………………ゥ」
……鬼が微睡みから醒めたのは、ふと。山の中の冷たい匂いの中に、僅かな別の芳香を感じ取って。
蹲るように寺跡の中に転がしていた身を起こし、その襤褸の奥、眠気に未だ揺れるような目が開いた。
遠くから一人、やってくる気配に動く。片手が床に触れて、ギシリと音を立てた。
…………近づいてくるのか、遠ざかるのか。様子を伺うように、視線を寺の外に遣る。
━━━━廃寺は、外からは完全に無人の領域であるように、吹き抜けた風が時折どこかしらを軋ませて音を立てる。
まるで、役目を終え眠りにつく鎮魂の木碑の鼾のよう。
■伊都波 悠薇 > ――そこに来たのは、一人の少女だ
前髪で表情は見えず、ただ制服に、マフラー。そして――ベージュのコート。
地味な見た目の少女が――山登りにはあまりに不適切な格好で。
歩みを進めている――
――記録、記載、記述、記憶。それらによると、ここが正しい
ここは、そう。彼が――死んだ場所。
だから――
「ハァ……」
たどる。
歩いてきたから体温が上がっているのか。白い息が、宙に揺蕩う
ご案内:「山奥・廃寺跡」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊弦大那羅鬼神 > ━━━━すっかりと、空気が凍てつくような気さえするような、初冬の夜。
生き物たちの息は寒冬の帳によって穏やかに潜み、それ故にただ、風が朧な雲をかき混ぜる余韻に木々や寺跡の木材を揺らす。
…………その中で、一人だけ。
「…………グ……………………ゥ」
━━━━ただ一つだけの息、声。
今日も鬼は、ただ怠惰に、しかし底づくことのない微睡みに佇む。