2015/11/04 のログ
■石蒜 > 千代田の声、そして座り込む気配を背中で感じ取る。
この相手に下手に隙を晒すのは危ない、そう考えて振り向きはしなかった。
「顔見せで人の古傷をほじくり返すか、クズが!」千代田があれほど苦しんでいたのを、まるでなんでもないことのように言う態度に、腸が煮えくり返る。
「そんなとこまで行く必要はない!今ここで討ち取ってやる!!」即座に反撃が来ても対処できる程度に、相手が離れたところを見計らい、思い切り振りかぶって刀を投擲した!
それは真っ直ぐ、首を狙って横回転をしながら筑紫へと襲いかかる!
■千代田 > 首を狙い飛来する刀を、筑紫は飛行軌道を逸らし、サイバネ腕で抱えた缶状装置を用いて防御する。
その刃は缶状装置の堅牢な外壁をいとも容易く切り裂き、緑色の液体を溢れださせた。
表情にはなおも哄笑を浮かべつつ、内容物を失った缶状装置を放り捨て、
筑紫は石蒜の背後へと回り込むように飛行。千代田が間に挟まる形とすることで、不用意な攻撃を避ける狙いだ。
一方、地に座り込んでいた千代田はその気配を感じ取ると、接近する筑紫と反対方向へ跳躍。
付近の木陰に転がり込み、身を隠すように座りつつ、ヘッドギアを操作して収納ポータルを展開し、何かを取りださんとしていた。
■石蒜 > 「ちぃッ!」避けられたならば軌道を操ってさらに攻撃出来たが、防がれては望めない。食い込んだ缶状の装置ごと捨てられた刀を、手元に呼び戻す。
千代田が身を隠したのを視界の端で確認すると、地面の小石を左手ですくうようにしてまとめて拾う。
小石を親指に乗せ、指弾として親指で弾こうとして…。
「…ッ」指の動きがついていかず、バラバラとこぼしてしまう。
「……!」ままならない左手に歯を噛み締めながら、飛行する相手を睨み反撃に備える。
■千代田 > 「……残念だ。"媒体"が壊されてしまってはどうしようも無い」
異能を発現するための媒体である缶状装置を破壊された筑紫は、石蒜の周囲を高速で飛び回りつつ呟く。
千代田が木陰に隠れたことで、彼女を盾にするという当初の目論見通りの行動も封じられ、
否応無く石蒜と対峙せざるを得なくなったその顔には、かすかに焦りが浮かんでいた。
筑紫は石蒜の背後へ回り込み、そこから鋭い蹴りを浴びせんとする!
その頃、千代田は収納ポータルから数本のナイフとオートマチック拳銃を取り出し終えていた。
そのいずれもかつて畝傍が使用、ないし保管していたものだ。
ナイフを握り締めたまま木陰で石蒜の様子を見守りつつ、虎視眈々と機会を窺っていると、
千代田は先程感じたものに近い奇妙な感覚を覚える。
しかしそれは先程のような苦痛と不快感を伴うものではなく、どこか暖かさのある――
■石蒜 > 高速で飛び回る相手を、その場で回転しながら見据える。一瞬でも視界から外せば、攻勢に転じてくるだろう。それはこちらも同じ、標的が完全に自分になっていることに、僅かながら安堵を感じていた。
トラウマを見せつけられようと、攻撃を受けようと、自分なら全く問題ない、石蒜は"享楽主義者"なのだから。
直後、相手が速度を増して視界から消えた。そして背後に気配!
振り向 遅 蹴 快ッ♥
横腹に蹴りが突き刺さる。骨が軋み、快楽と衝撃が胴を貫く。
「取ったぁッ!!」異能によって痛みを快楽に変換、よって体の動きは少しも鈍らずに対処できる。
蹴り足を右脇で挟むようにしてホールドしようとする。相手が足を抜くのが遅れれば、そのまま背後に倒れこむようにして、足を折りにかかるだろう。
■千代田 > 「…………ッ!」
突きだした足を脇で取られ、筑紫は背中から勢いよく地面に叩きつけられる。
衝撃で右サイバネ翼は根元から折れ、左サイバネ翼もまた損傷し部品が周囲へ四散する。
「かは……ッ」
苦痛のあまり、思わず声をあげる筑紫。だが彼女もただでは終わらない。
足を取られた状態のまま両脇腹のサイバネアームを伸ばし、
その先端に備わる、先程まで缶状装置をしっかりと掴んでいた鋭い爪で攻撃を仕掛けんとする!
だが――右脇腹のサイバネアームが伸び、続いて左脇腹のアームが伸びかけたところで、
飛来したナイフが筑紫の左脇腹に深々と突き刺さった。千代田が投擲したものだ。
千代田は立った状態で木陰から二人の様子を――そして筑紫を、まじまじと見つめている。
■石蒜 > 伸びてきたアームに、覚悟を決める。致命傷でなければ自分は戦える。どんな攻撃を受けようとも、それは快楽にしかならないのだから。完全に破壊するまで、足を離すつもりはない。
伸びてきた右のアームが深々と肩をえぐる。「ぐっ…♥」肩を走り抜ける快楽と熱に息が漏れた。
続けて伸びてきた左のアームが、途中で止まる。
見れば、筑紫の脇腹にナイフが生えている、それが飛んできたであろう方向に居るのは。
「千代田…?」千代田、のはずだ。でも、何故だろう。何か違和感を覚えて、戦闘の最中だというのに、千代田をじっと見返す。
■千代田 > 石蒜から向けられた視線に気付いた『彼女』は、暖かい微笑みを返す。
眼帯で覆われたその左目からは――先程まで溢れ出していた灰色の炎が、今は出ていなかった。
「"オレンジ色"……まさか……」
脇腹から鮮血を噴き出させ、もはや満身創痍の筑紫は細い声で呟く。
「ボクは……」
口を開いた『彼女』の言葉。それは千代田のものではなかった。
畝傍の人格が、その精神の深い闇の中から帰還を果たしていたのだ!
「もう、にげない」
■石蒜 > 「あ、ああ……。」その笑い方、その目線。ずっと、ずっと待ちわびていたもの。
「畝傍!!」その名を呼ばう。石蒜の一番の、親友の、仲間の、恋人の名前を。
筑紫の足を放り出し、肩の出血もそのままに、畝傍のもとへ駆け寄る。
「畝傍、畝傍!」飼い主に久方ぶりに再開した犬のように、飛びついて抱きしめようとする。
■千代田 > 「くっ……覚えていなさい」
足を放り出され地面に転がった筑紫は、這いつくばりつつその場から逃げ去ってゆく。
そして畝傍のもとへ石蒜が迫ってくると、抱きしめられた上で、自らも石蒜を抱きしめた。
「ただいま……シーシュアン」
かつての暖かい微笑みと言葉。それが今再び、こうして石蒜へと向けられる。
その後、石蒜の肩の出血に気付いた畝傍は。
「シーシュアン、けがしてる……だいじょうぶ?」
少し心配そうな表情で、彼女を見つめた。
■石蒜 > もはや筑紫のことはどうでも良かった。明確な敵として認識はしたし、次会った時も容赦はしないが、今は畝傍のことが最優先だ。
「おかえり、おかえり、畝傍。良かった…お帰り……。」痛くならない程度に抱きしめる腕に力を込め、畝傍の香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「大丈夫、石蒜は痛いの平気だから。あ、でも血がついちゃうね。」心配そうにこちらを見る畝傍には、満面の笑みで返すと、流れ続ける血が畝傍の服に付く前に、離れようとした。
「千代田は、まだ居る?消えてないよね。千代田とも仲良くなったんだ、最初ちょっと避けてたけど、仲直りしたんだよ。まだ居るよね?」ここに向かう時に覚えた不安を思い出して、確認する。千代田も大切な家族だから、やっぱり消えるのは嫌だ。
■千代田 > 「ボクは……シーシュアンがだいじょうぶなら、それでいいよ」
自身の血が付着する事を案じて距離を取ろうとする石蒜に、畝傍は微笑みながらそう告げる。
そして千代田の行方について問われれば、
「うん、きえてない。チヨダもまだ、ボクのなかにいるよ」
再び人格交代に伴って自らの精神の奥に戻りこそしたが、消えてはいないことをはっきり伝えた後。
「そっか……シーシュアン、チヨダともなかよくなれたんだね」
さながら娘の成長を見守る母親のように、そう呟く。
「≪……もう。戻ってくるなら戻ってくるとはっきり仰ってくださればよかったですのに≫」
再び畝傍の左目から灰色の炎が溢れ、辺りに聞き覚えのある声が響いた。
「……ごめんね、チヨダ」
畝傍は軽く笑いながら、それに応える。
かつて畝傍の精神の奥底にいた千代田の声は、畝傍自身にしか聞き取ることはできないものであった。
しかし今は、畝傍と石蒜の両方に聞こえるように声を発している。
一度ヒトに目覚めた異能は消滅しない。しかし、何らかの要因でその性質が変化することはありうる。
畝傍の異能、その力の断片たる千代田もまた、石蒜とサヤとの暮らしの中で何らかの変化を得たのであろうか。
それはまだ、はっきりとはしていない。今明らかなのは、こうして畝傍の人格が戻ったことだけだ。
■石蒜 > 『おかえりなさい、畝傍さん。』刀からサヤの声が響く。石蒜ほどではないが、サヤも畝傍を心配していたのだ。声からは安堵が伺える。
「いいの?じゃあもうちょっと。」血が付いてもいいと言われれば、にへらぁ、と緩んだ笑みを浮かべてもう一度抱きしめる。
そして、千代田の声が響けば「千代田の声だ!聞こえる!」と嬉しそうに反応した。
「良かったぁー、あのね、千代田も畝傍と仲良くなりたいって言ってたよ。意地悪なこと言ってごめんなさいしたいって。」後半は石蒜の推測だが、畝傍の不在を千代田も案じていたことをバラしてしまう。特に意図はなく、とにかく畝傍が居ない間のことは何でも伝えたいのだ。
『やっぱり四人分の会話になってしまいますねぇ。』とサヤも少し楽しそうに笑いながら言った。これから二人、いや四人の部屋は騒がしいことになりそうだ。
■千代田 > 「ただいま、サヤ」
刀から聞こえる声にもまた、笑顔で答え。
石蒜が再びこちらの体を抱きしめてくれば、畝傍もまた彼女の身体をぎゅっと抱きしめた。
そして、畝傍との交信が途絶えていた間の千代田の言葉について、石蒜から畝傍へ告げられれば、
「≪なっ、千代田はっ、そんな≫」
灰色の炎と共に、どこか照れるような声が漏れた。
「そう、だったんだ……。ボクもこれから、チヨダとなかよくできたらいいなって、おもう」
そう答えた後、サヤの言葉を聞き。
「そっか。ボクとチヨダと、サヤとシーシュアン。よにん、だもんね」
合わせて四人になっていたことを再確認する。
■石蒜 > 「あはは、千代田が焦ってるの初めて聞いた。仲良くしてね。」いつも躾け役として石蒜の上位に立っていた千代田に、思わぬ反撃が出来て笑い声をあげる。
「うん、四人だね。」
『ええ、四人です。』確認するように、二人も呟いた。
「もう帰ろうよ、皆の家に。あのね、あのね、額縁に入れる絵、完成したよ。帰ったら入れて飾ろうよ。」手を握って、ゆっくりと引く、家路に向かって。
■千代田 > 「あの絵……できたんだ。うん、かえろ。かえって、絵もかざって……ごはん、たべよ」
石蒜に手を引かれながら、彼女の歩幅に合わせてゆっくりと歩き、帰路につく。
畝傍が以前見た時には描きかけだった絵も完成したとなれば、それを見て飾るのが今から楽しみになった。
橙色の少女は、こうして再び日常へと回帰してゆく――
■石蒜 > 「うん、帰ろう。皆で一緒に!」
ずっと願っていた、当たり前の日常を取り戻すことが出来た。
彼岸花の少女の日常は、愛しい人とともにまた動き出すことだろう。
ご案内:「常世神社・鎮守の森」から千代田さんが去りました。
ご案内:「常世神社・鎮守の森」から石蒜さんが去りました。
ご案内:「コスプレ喫茶『バタフライ・エフェクト』出張所」に加賀背 雄さんが現れました。
■加賀背 雄 > (”触媒”を使うのは未だに慣れない。 自分の身体にオプションが生え、
あまつさえそれに感覚があるというのはなんとも落ち着かない。
大きな房状の尻尾を左右に振る。 三角形の獣耳を動かす。
一応触ってみる。 感覚フィードバックもある。)
オッケーです。 そういえば、これって他の人も使わないんですか?
(魔術的に装備品と人間の魂をつなぎあわせ、
さもそれが肉体の一部であるかのように錯覚させる”触媒”。
お店が独自ルートで手に入れたものだというが、
他の人が使うのも見たことがない。店長に聞きながら、
着替えをさくさくとすすめていく。)
■加賀背 雄 > はあ、なるほど…… 使えるかどうかは相性の問題がある、と。
人によるってことですね。 僕は運がいいのか悪いのか…
(おへそが見えるようなシャツに、ローライズなデニムのショートパンツ。
なんだか露出箇所が多い気がする。 指先には赤いつけ爪。
それに柔らかく波打つ黒髪のウィッグ。 あと…首輪。
『まるで付け慣れてるみたいにぴったりだね―!!』という、
店長からのありがたくないお言葉を受け、なんとも言えない顔になった。)
つけたことはあんまり無いですけどね。 じゃあ、今日もやりますか!
(気合を入れると、大きな房状の尻尾が左右に振れる。
感情が顕になるみたいでちょっとおもしろい。
それはさておき、お仕事開始だ。 接客は自分、
ワゴンで行う調理や衣装貸出は店長。 いつもの組み合わせ。)
■加賀背 雄 > いらっしゃいませー。 コスプレ喫茶『バタフライ・エフェクト』でーす。
今ならレンタル割引しています。 常世祭の期間だけですよ!
(かくして呼びこみ。 コスプレ喫茶というと、いかがわしいイメージだったり、
なんとも入りにくそうなイメージがあるので、まずは表に立って、
何をするのか、どういう店なのかを説明しなければいけない。
一生懸命通行人の皆さんに呼びかける。 チラシも配るし、
説明もする。 お客さんだったら接客もする。 なんだかんだで忙しい。)
■加賀背 雄 > まー、こんなもんかなあ。
(流石に祭りも終盤とあってか、興味がある人はだいたい利用しているか、
あるいは自前で用意しているようだ。 あまりお客さんが来ない日だってある。
用意してあるベンチに腰掛けて、ゆっくりと尻尾を揺らしながら人の波を見る。
どこにいたのかわからないけれど、常世祭は盛況でない日がなかったことは驚嘆だ。)
……
(つい人混みの中にヨキ先生がいないかな、と探してみたりする。
自分のことを知ってくれている先生の事を考えると、尻尾が勝手に左右に動いた。)
■加賀背 雄 > (そういえばこの前は女の子と歩いていたし、
その後も別の女の子と歩いていたという目撃情報も耳にした。
なんでヨキ先生のそういう話ばっかり入ってくるのかわからないけれど、
聞くたびになんとも座りの悪い感じになる。
もしかしてと思うことはあるけれど、大人としての憧れを、
なんかそういった感情と勘違いしているかもしれないわけで。)
…いやいやいやいや。
(まさか自分が?本当に? 愛とか恋とか、そんな感じのやつを?
しかも先生に? もしかして女装してたのは、
本当は女の子の立場になりたかったからとか?
口で否定してはみるものの、爆発が連鎖するように、
思考がチェインしていく。 一度加速がつくと、
もしXXならば、という考えから次のもしにつながっていく。
思考の綱渡りだ。 ろくにお客さんも来ないので、
延々と続けていられたのはいいことなのか悪いことなのか。)
■加賀背 雄 > (くるりと回した尻尾を抱きしめる。 なんだか温かいし柔らかいしで心地よい。
お客さんもいないわけで、なんとなくそんな事をしてみたい気持ちだ。
場所が家ならそのままベッドに倒れこんでごろごろ転がっていただろうけれど、
天下の公道でそんなことするわけにはいかない。)
店長、今日お客さんいないみたいですけど、どうしますー?
(はっと我に返ったところで、店長に呼びかける。
命令は「撤収」だった。 安堵のため息をつく。
なんだか今誰かに会ったら絶対変な反応しそうだったし。
早々にワゴンの中でお着替え。 ”触媒”を使って装備した尻尾と耳は、
しばらく取れないのでそのまま。)
ご案内:「コスプレ喫茶『バタフライ・エフェクト』出張所」にヨキさんが現れました。
■ヨキ > (農業区の有機野菜で作られたジュースを片手に、学生街を歩く姿がある。
一日予定が空いているのをこれ幸いと、今日は見物人のひとりとして常世祭のあちこちを巡っているのだった。
自分が女生徒と連れ立って歩いていたことが噂になっているとは、夢にも思っていない。
まさか人から人へ伝わるほどの話ではないと、根っから考えているのだ)
「……バタフライ・エフェクト?」
(通りがかった前のワゴンの看板を見遣って、足を止める。
客引きの姿でもありはしないかと、周囲をきょろきょろと見渡した)
■加賀背 雄 > あ、しまったな…ズボンそのままのやつだった。
(”触媒”で尻尾を取り付けているから、普通のズボンが履けない。
それを忘れて、普通のやつをはいてきてしまったのだ。
とりあえず来てきた服はリュックに詰めて、淡い桃色のコートを羽織る。
コートにナマ足って寒そうなんだか暑そうなんだか…それはともかく、
しょうがないからこの衣装のまま帰ろう。 尻尾を一振り。)
店長ー、この衣装借りてきまーす。 お疲れ様ですー。
(挨拶をして外に出た途端、ぴくんと獣耳が動く。
拡張された聴覚が、声を捉えた。 声の方向に走る。)
ヨキ先生っ! お久しぶりです!
(ものすごく目をキラキラさせながら、周囲の様子を見ているヨキ先生に駆け寄ってご挨拶。
尻尾は興奮と喜びを示すように千切れんばかりに振れている。
ふすふすと鼻を鳴らしているその様子は、まさしく人になついている犬かなにかのようで。)
■ヨキ > 「――ああ、やっぱり居た。
こんにちは、加賀背くん」
(駆け寄ってくる雄の姿を見つけて、にこりと笑う。
お疲れ様、と会釈して、相手が着用している耳や尻尾を見る)
「この店を見かけて、君が居るのではないかと思ってな。
今日は犬……オオカミかな?
……すごいな、本当に動いているみたいだ……」
(右から左から物珍しげに、頭上の耳やばたばた動く尻尾とを眺め回す)
■加賀背 雄 > はいっ、こんにちは! ここ、今出張店舗なんです。
常世祭だから、学生さんの利用があるかもしれないって。
ほら、衣装とか小道具とか、ちょっとした時に使ったりするじゃないですか、それで。
(ヨキ先生と話しているだけですごく気持ちが弾む。嬉しい。
尻尾が動くのを止められない。 幸せオーラがぱあーっとあふれてそうな顔。)
これですか? ”触媒”といって、道具と人間を魔術的にくっつけるんだそうです。
だから思った通りに動きますし、感覚もあるんですよ。
(くるんと反転して、相手にお尻を向ける。
房状の尻尾が激しく左右に動いているところを見せて、
誇らしげに胸を張る。 もちろん自分が開発したわけじゃない。)
■ヨキ > 「なるほど、それで出張を。
確かに常世祭は、毎日大騒ぎだからな。
それにしたって、随分と楽しそうな顔をしているではないか。
よほど仕事が順調か……それとも何か、良いことでもあったかね?」
(生徒の明るい顔を見ていると、自分まで表情が緩んでくる。
“触媒”の説明に感心して聞き入り、背を向けた雄の尻尾を見下ろした)
「はは、本物の耳や尻尾のようなものか。
ここまでよく動いているとは、えらくご機嫌だな。
ヨキの尻尾はむやみに動かぬよう躾てしまったが……、
自由に動いているのを見ると気持ちがよいな」
(ヨキの尻尾。どうやら、普段どおり凝ったフォルムのローブの下に隠れているらしい。
傍目には、影もかたちも見えない)
■加賀背 雄 > ええと、ヨキ先生とお話できたから、かな… その、なんていうか、
本当の事を知ってるの、先生しかいないので、なんていうか…嬉しくて。
(ヒミツを共有するものであり、自分の正体を知るもの。そしてなにより、
知ってなお教師でいてくれる相手を好ましく思わないわけがない。
尻尾をふりふりしながら、照れくさいとばかりにに笑って。)
いやー、さっきからなんていうか、全然止まらなくて…えへへ…♥
(表情は緩みきっている。 尻尾もほめてもらえるし。
ヨキ先生の尻尾、ときくと、確かにと頷いた。)
先生の尻尾は…あんまり外に出さなくても平気なんですか?
(窮屈だとか動かしにくいとか、そういった理由で尻尾を露わにする人はいる。
ヨキ先生もそうなのかしら、と首を傾げて問いかけた。)