2016/07/06 のログ
綾瀬音音 > 日本って北と南に長いじゃないですか、だから気候とかも地域で全然違いますしね。
今でこそ飛行機で一日で移動できますけど、昔はそういう訳にも行かなかったから、文化を均一にするのは無理だったんじゃないかな、とか。
でも楽しいですよね、同じ国でも色々な風習があるって。
(私は北の出身ですけどね、と笑って付け足して。
自身は日本から出たことはないけれど、それでもテレビやらなにやらで知る機会はあるし、この島に来てからは異界の話を聞くこともある。
違うことを楽しむ、と言う楽しみだってあるのだ)

無為に過ごせるほうが平和で良いんじゃないかなーとは思いますけどね。
現状に不満があるって意味じゃないですけど。
とてもじゃないですけど、人にお勧めできるような生活ではないですし。
……余り褒めると本当に照れるのでやめて下さい……
(ちょっと困ったように――勿論満更ではないのだが――笑いつつ。
生活に気をつけているのは事実であるし、体調面、学業面では結構頑張ったと自分でも思う。
やることは増えたし、それこそ“普通”の生活からは大分離れつつあるが、それでも特に辛いとかは感じていない。
ちょっと忙しい日常――非日常が、日常とすり替わりつつあるだけなのだ。
勿論入り口なのは理解しているし、これから先はどうなるか解らないが、今目の前にあることを片付けるのが先決である。
今はまだ、その“普通”がどれ程貴重なものかは理解していなかったが――。

ご希望は、の言葉にも一度頷いて。
うーんと一度だけ唸って、今は取り敢えず置いておこう)

夏くらいなら帰らなくても……と思ったんですけれど。
先輩がそう言うなら帰ります、久しぶりに家族に会いたいのは事実ですしね。
………………顔合わせたらそれこそ勘ぐられそうなんですけど………、特に音色ちゃん……。
でも、そうですね。
心配させないほうがいいですね……、うん。
(言われれば納得したので、チケット取らないとなぁ、とぼんやりと思いつつ。
家族の顔を思い浮かべて――ほんの一瞬、影がよぎるがそれもすぐに笑みに埋もれるように
店員が置いた自分の注文分を手繰り寄せつつ)

どう、ですか。
私たちはちょっと特殊だからなぁ……。
ちょっと待ってくださいね。
(と、バッグに入れていたスマホを取り出して、少し弄ってから。
はい、と見せた画面は、全く同じコートを着た――冬に撮ったものだろうか――鏡合わせのようなポーズをとっている、同じ顔の少女が二人、のプリクラの画像だ。
パッと見綾瀬音音という少女が二人いるようにも見える)
ご覧の通り、一卵性双生児なんです。
だから、魂と身体を分けた片割れっていうか……。
どちらが私か分かります?
(なんて悪戯めかした笑いが口元にある。
違いがあるとすれば、左側の少女に小さなピアスがあるくらいなのだが、気づくかどうか)

五代 基一郎 > 「そういうのもあって中継点が作られたりしてたんだけど、そうだよな。南と北まで行くと大違いだしな……緯度と経度で会わせるとわかりやすいんだけどさ。」

遥か昔から国家の統治にあたってそういった問題を解決する動きはいくつかあり国家事業として進められてきたわけだが
それでも現在に残るまでの慣習や文化はどうしても差異が出てくる。
その土地の気候の違いが農耕からの行事に影響しているのではないか、と専門ではないので素人考えでぼんやり思う。

実際現在はさておいてかつて聞いた話だと東北の北方端あたりと中国北京あたりの緯度は同じだ。
であればもう、と思うのだがそれを綾瀬に言うのもなと思う。
中々にあそこは寒いのだが……

「そうかな。でもその平和ってその人だけのことだし現に他は……
 あ、いやそうだな。まぁ……薦められる生活ではないけど。
 まぁほら出来た人は褒めないとね。それが当然とかもっと良く、というようなのは俺は好きじゃないからさ。
 ね。」

綾瀬のその、言葉に最初たった一瞬ではあったが即決するような否定の言葉が口を出て
だがそれらは途中で止まり、また何か鸚鵡返しのように同意してから言葉と話題を変えていく。
言葉は続かなかった。無為に日々を過ごして、何になるんだろうか。
それが平和というならばそれが自分以外の他を棄てたものであって
だから他人事として平和と言っていられる。自分の身にそれが降りかかるまで気に留めようともしないのが人々なんだというような
言葉は、続かず。
そこで打ち切るように止まり、また取り留めのない話に戻っていく。


「色々環境が変わりつつあるから、だからこそ会っておいて方がいいよ。
 自分がどこにいたのか、どこから来たのかわかるしね。
 ……帰る場所でもあるしさ。いつか帰る家じゃないのかなそこは。」

そう薦めつつ、綾瀬のいう姉の名前だろうか。というよりも姉により
勘ぐられるとは一体どういう事なのかと、歳の近い両親以外の家族だからわかることなのだろうか……と
思っていたら、綾瀬が出したスマホの画面を見れば顔が驚き……
というより声に出すならば「えぇ……?」というような顔で応えた。

「成程そういう……ことなの、か。」

どうも歯切れが悪いのは兄弟がいなかったというより
確かに双子ならと医学的なものや経験的に何も知らないなら即断できそうだが
大変容以後の話でもあるし音音の言うように魂を分け合った存在なのかもしれない。
冗談ではなく、綾瀬音音と音色があれば言葉など不要なのかも……

「…………」

細かい違いを見逃さないように、と眼鏡を再び取り
眉間に皺を寄せるように綾瀬のスマホの画面を凝視する。
すれば当然、なんとか探す様に目を泳がす。泳がせば左側の少女の耳に目がいく。
ピアス、双子であるたために区別を付けるためのものだろうか。
であれば今綾瀬音音という少女はピアスを付けていないから右が音音
で左が……

と思うかもしれない。これは罠だ。なんの罠かはわからないが。
だが考えれば、それは双子が同じ空間にいて区別できればというためのもの。
現在音音は常世島にいて、おそらく音色という姉は本土。
つまり区別する必要はない……であるならば、音音がこの撮影の時期には
ピアスを付けていたかもしれないが外している可能性を否定する材料はない。
撮影したのは入島前だろうか。であるならば耳に穴を開けるタイプなら穴がふさがっていてもおかしくはない。
そうではないタイプなら、元からわからない話である。
風紀やそういった事柄の役職にいたためか、完全にそういった思考に入ってしまった。
しまったらもう即断できるわけがない。

「冬服も似合うね綾瀬君は」

アイスティーに口を付けて、完全に文字通りお茶を濁す。
氷を回すのだから、濁ったと言えるかはさておき。

綾瀬音音 > 気候が違って真っ先に違ってくるのは作物とか、後は建物……?
緯度と経度までは考えたことないですけど。
(土地が違えば様々なことが変わってくる。
自分の住んでいた地域からここに来ただけでも――ここが特殊なのを置いておいても――大分風習やら気候やらは違うのだ。
自分とて専門ではないので、面白いなぁ、程度の話ではあったのだが)

―――――。
それでも、平和って思える環境は悪いことではないですよ、他の何処かで悲劇が起こっていても。
……いや、だから照れるんですよ。あんまりそんなに褒められたことないから、嬉しいんですけど――!
(否定の言葉を耳にして、それでもへらっと笑ってそんな事を口にして。
言わんとしていることは解る。
それでも、無為に過ごすことはでも悪いことではないと思うし、それが当然である環境ならそれはそれでやっぱり悪いことではない、と思うのだ。
だって、それはとても幸せなことであると思うから。
自分と、自分の認識できる範囲が平和ということは。
己は傷ついていないし、大切な人も傷ついていないということだ。


とは言え、後を引かないように続けられた言葉は軽いものである。
嬉しいが兎に角照れる。
照れ隠しにアイスティに口をつけてからフォークを握ろう)

そういうもの、何ですかね。
自分のルーツといえば確かにそうなんですけど。
――帰る場所、かぁ。
そうですね。やっぱり実家に戻ったら
「ただいま」
ですしね。
うん、そうします。
帰って家族に顔見せてきますね
(うん、と笑顔で頷いてから。
スマホを見せた男の顔は想像通り、でニンマリと口元が上がる)

そう言うことです。
魂を分け合った、って言うのは大げさですけど、やっぱりある程度はもう1人の私みたいなところはあります。
なんだろう――いろんなことが何となく“解る”ことはやっぱりあります。
(とは言え、今は離れているし、あっちはそれこそ“平和な日常”を謳歌しているはずなので、そこまで共鳴めいたことは無いのだけど。
異能とも魔術とも言えない、そんな同一性)

――――――――。
(あ、一生懸命考えてる。
つぶさに画面を見ている先輩をみやりつつ。
そんな事を思う。
然しながら一生懸命考え過ぎではないだろうか、ちょっとした2分の1のゲームなのである。
一卵性双生児である自分たちなど、間違えられた所で怒りも何もしないのに。
 
ピアスに気づいたようだったが、それでも悩んでいる。
いつまで悩んでいるんだろうと思った矢先、出てきた言葉に)

あ、先輩ごまかした!!
いつも苗字呼び捨てなのに君までついてますし!
大体からどっちも綾瀬ですからね!!
ここに写ってるの両方綾瀬ですからね!!
(と、深刻な風でもなく騒ぐのである。
とは言え、そこ迄大きな声ではないのだが。
要するに見分けが付かなかったのかと理解すれば、スマホをしまいつつ。
それからベリータルトをぱくついた。
それはそれとして美味しい)

五代 基一郎 > 「そうだね。大体収穫祭等が関わってくるんだよね。お祭りってそういう普段は我慢していたからの発露だし」

それは今の宗教が広まる前からあったもので、そこに根付くために
各々それに合わせて慣習ができたというのが一般的だねという話をしながら。
季節によって変わるが、そう変化するのは日本とあと少しぐらいなもので……と
ちょっとした雑談を交えつつ……

「……そうだな。でも、俺はどこでも悲劇なんて起きて欲しくはないな。
 
 うん、そうだな。なんか出来る子だからそれが当然となってたのかな。
 まぁよいではないか。よいではないか。」

だから、少し。何かこびり付いた血のようなものが剥がれてしまう。
自分だけよければいいのかと。自分は傷ついても……誰かが傷かないようには出来ないのかと。
それが、少し。どうしても譲れないものか何かが出るが、もうそれ以上は続けず。

だから、まぁ先輩としてではあるが。良い子を褒めるという形で終わらせておく。
特に何かあったときに何かしたわけではない。だがだからこそ普段がんばっている子は褒めるのだというように。

「大切だからさ、やっぱり。そういうただいまを言える場所。
 なんとなく一人で暮らしてるとそう思わない?いやホームシックとか
 実家が懐かしいという気分にはならないかなって」

自分には帰る場所がないが、それでも帰る場所がある人には帰ることの大切さを知って欲しい。
遠い話かもしれないがいつまでもある場所ではない。
いつか代わるものが出てくるとしても、その場所はただ一つしかないのだから。

魔術でも異能でもない、何かしら天性のものか。
同一性のものを抱える双子ならそれこそ感じ取るものはあるかもしれない。
普通の人からすれば、異質なもの……マイノリティが分かりやすいように
自らと同じ体や精神……ごく近似値にあるのであれば、もしかしたらもう何か察しているのかもしれないなと思う。
だがだとしても何と言えばいいのだろうか。気を付けろなんて言うことでもない。
そう思うとある種、わだかまりを生んでいるのかもしれない。
かといって何も言わないのもよろしくはないと思う。
何がしかと思うが……



「いやだって、わからないって!こうほら……色々可能性!そう可能性を考慮しているんだ。
 様々な可能性を。君達がこう………ほら色々。
 それに容姿でいえばほぼそっくりだしその……お姉さんのほうも似合いますね冬服。
 
 いや、違う。そうじゃない。そうじゃなくてそう……そう
 実際に会えばわかる。実際に会って二人並んでたら間違えないから。
 間違えないよ本当に、絶対。わかるから。」

完全に誤魔化していたわけだが途中何か言ってはいけないような
流れにしてしまった気はする。どうも普段のような調子ではなく、若干どころではなく
何か焦ってしまったが。焦ってまた何かいらないことを言ってるような気がしてしまっている。

「とりあえずそう……そうだね、そう。帰省するときは綾瀬姉君へのお手紙預けるかな……」

ようようチェリータルトに手を付けつつ話を切り替えるように呟く。
先の結論でもないが、言えないことでもあり綾瀬音音に言わせるにはという部分もある。
が故に規制の際に不和になっても何がしかになってもと思う。
綾瀬自身のコンディションが帰ってきたら……というものではなく
単に家に帰るならそれなりに凄しやすくあればいいと思ったまでであるのだが。

綾瀬音音 > ああ、それはなんか聞いたことがあります。
お祭りの日だけは色々はっちゃけられるっていうか……。
(そんなことを頷きつつ。
宗教の発現やらなにやらまで話が来ると大きな話の気もするが、集落で同じものを崇める、と言うものの大切さは解る気がする)

――私もです。起きないに越したことはないと思います。

う……そういうわけではないと思うんですけどー。
うぐぐぐ……
(その言葉には、素直に同意する。
悲劇は起こらないに越したことはない。
だけれど――。
それ以上は口には出ない。

褒められてとうとう唸りだした。
顔が少し赤らんできたのを誤魔化すように俯いてアイスティを口に運び。
こんなにまっすぐ褒められたら、本当に照れるしか無い)

流石に最近は少なくなりましたけどね。
こっちに来た当初はよく思いました。
ご飯も基本1人だし、ただいまって言っても何も帰ってこない寮の部屋とか。
やっぱり家族は大切ですし
(頷いて。
男の事情を知るわけではないのだが、そう言うホームシックめいた物が先輩にもあるのかと思って、やっぱり聞けずに終わる。
両親と片割れの顔を思い浮かべれば、今度は自然と笑うことが出来た)

(“何か”を気づかれている可能性は考えていないわけではないけれど。
言葉にしなければある程度は“確定させることはない”。
現状を言った所で最早どうにか……と言うことでもないし、だから自分はこの事柄については言葉を噤むつもりであったし、そこはどれ程訝しまれてもそれで突き通すしか無いことだ。
一番近い存在だからこそ、言いたくないことでもあるのだし。
心配させたくないのとは、ちょっと違うのだけれど)

解らないならそう言えば良いんですよ!
一発で確信持って言い当てられた人なんていないですからね!?
可能性って言ってもただの2分の1のゲームなんですから!!
実は音色ちゃんの方がちょっとだけ可愛いんです、これは本当に
(ここはちょっと自慢気だった)

……………目の前に私達がいて、それで間違えたら私は多分先輩を凄く怒ります!
今の比じゃないに怒ります!
いや怒ってるわけじゃないですけど!!

………………………本当ですね?
(あ、先輩かわいい。
普段冷静な先輩が慌てるのがおかしくて、たたみを掛けてしまった感はあるが。
実際中学時代の同級生は完全に見分けが付く人はいなかったし、母親でさえ時折間違えたくらいである。
なので間違えても気にはしないのだが――。

二人並んで、と言われるとちょっと本気さが増した。
本当ですね、と念を押す顔は、拗ねたような、ちょっとばかり疑うような、伺うような――そんな気配。
間違えませんよね、とじぃとその顔のまま見つめる。
見つめてる)

……?
音色ちゃんにですか?
別に構いませんけど……
(一体何の手紙だろうかと首を傾げつつ。
別にお手紙くらい幾らでも預かるのだが、不思議そうに頷きつつ。
先輩の心遣いは解っていない)

五代 基一郎 > 「なんとなく安心するもんだよね。なんでだろうね。」

人間一人じゃないと安心するからなのか。
そんな人間臭いというものだが、感傷もここ最近特に思うようになった。
だから綾瀬の言う事はわかる。わかるし、とてつもなく懐かしくなるのは今はどうにか封じたい。
余計なものが湧き出ている気配がある。
寮って食事別々なんだ……と思いつつ、また何か微妙な面持ちのまま
ぼんやりとアイスティーを口に。

悪い言い方になるならば、先に言った通り付け入る隙を与えないことが重要である。
だが与えすぎなければそれはそれで対象の行動を誘発する。
適度な情報開示が必要なのだ……と言うかもしれない。

ただ、そういうことではなく。
そうただ……家族がいるなら心配を掛けさせたくないという
ささやかな話ではあるのだが。


「いやでも怒ってるじゃない……」

本当に聞こえるか聞こえないかみたいな弁明にもならない言葉が出る。
大体どっちも同じ顔でどっちが可愛いとかないじゃない、とか
もう何言っても何かこう何かなんだろう。実際わからないなぁで濁しておけばよかったのかもしれないが。

何か失言がとても多かった気がする。
何か色々弁明ではないが対する言葉をと思うが今完全に余計なことを言えば槍玉にあげられそうなのは間違いないので
極力少なくなんとかやり過ごすしかあるまいというのが押さえてくる。
あと間違えたら、と言うけどその場でわからないと言っても怒られそうな気がする。
ほぼ確信めいているが。

「間違えません。間違えなずどちらが綾瀬音音か当てることを誓います。」

ほぼ神への宣誓のようなものである。
誓って私は云々のように。しかしなぜここまでしなければならないのかと思うが
実際何か並んでいれば、同じ仕草であろうと見分けられる気がする。
したが確証はないので何故そんな気がしたのかはあれなのだが。
自身の異能の類だろうかとも思うが……まさかなと

「先に聞いておくんですよ。並ばれたときに見分ける方法を」

何を書くのか綾瀬に言っても逆に、であろうし。
そこははぐらかすように……若干冗談めかして応え。

実際どうやって見分けたものかと苦心しつつタルトをつつくのであった。

綾瀬音音 > ん――大切な人が傍にいるから、じゃないですかね

(大切な人がそばにいると言うだけで、それだけで自分の一部分は確かに満たされるのだ。
それは多分他の物――物質的な豊かさや金銭的なもの――では満たせなくて、ぬくもりのあるものではないと満ち足りない部分なのだと思う。
寮については自分の所はご飯は時間内であれば自由だし、半分以上は自炊であるとか、そんな理由である。
微妙な顔にちょっとだけ笑う。
安心させれればいいなあ、なんて)

(そこまで考えが行き届くわけでもなく、
もう気持ちは既に帰りのチケットやら家族へのお土産や、この先輩へのお土産とかそんな事に気を取られているのだが。
取り敢えず姉に関してはどうにかする、と言う決意はある。
ある意味では両親以上に大変な相手なのだ。

とは言え、家族に会えるのは純粋に嬉しいのである)

――怒ってません。
ちょっとだけ拗ねてるんです。
ちょっとだけ。
(聞こえてる。
怒ってるというよりは、素直に言うのであれば拗ねているのである。
もー、そこで何で誤魔化しちゃうのかなぁ、的な雰囲気。

後、その場でわからないと言っても確実に相当に怒るかもしくは拗ねる。
それはこの状況から見ても間違いないだろう。
解らないで済む状況は既に終わっているのである。
男からすれば不本意かつ理不尽なことだろうが)

――――――なら良いですけどー……
(納得したのか否か。
じっとした視線のまま、そう言うと一つ頷いた。
間違えられたらそれはそれで本気でショックを受けるのだろうに、多分本気で双子の同一性を駆使するのだろう。
誓って間違えないと言っているのだから、大丈夫なのだろう。
言った、と言うよりは言わせたといったほうが正しいような気がするが)

――!!
あ、それずるい……!
(はぐらかされたのは解ったので、態とらしく目を見開いてみせたりして。
さて、そんな機会があるのならどう出し抜くか……とか出し抜く必要もないのに考えつつ。
後は呼び出したもう一つの本題。
来期の授業選択の話なども交えつつ、タルトと紅茶を楽しむのであった。

密かに見分けの付け方は教えないようにと、姉は釘を刺さないとと思ったのは内緒である)

ご案内:「喫茶店」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「喫茶店」から綾瀬音音さんが去りました。
ご案内:「女子寮・高峰司の部屋」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 > 「はい、お待たせー」

部屋に漂う食欲を唆る匂い
凛霞はたまに高峰司の部屋へと遊びに来ていた

その時々で、他愛のない話をしたり、
こうやって手料理を作ってあげたり

今日はお手製の麻婆豆腐
熱いうちにどうぞ、と
自分と司、二人分の小皿の中央に大皿を置いて笑いかけた

ご案内:「女子寮・高峰司の部屋」に高峰司さんが現れました。
高峰司 > 「おう、待たされた」

小さく笑って、そんな軽口をたたく。
信頼した者、心を許した者にしか決して見せない、柔らかな顔。
そして、そのまま麻婆豆腐に手を付ける。
美味しい。
美味しい、と言う感覚がまた、凄く新鮮で。
食品は栄養補給としか考えていなかった司にとって、料理はマズ過ぎなければ何でもよかった。
だが、美味しいという特別を感じられるようになったことにも、心境の変化があるのだろう。

「ホント、オマエなんでも出来るよな……」

感心しつつ、パクパク。美味しい。

伊都波 凛霞 > 「ふふ、おいし?」

ぱくぱくと続け様に食べてくれる様子を見て満足気に微笑む

こういう表情を見る機会も結構増えてきた
出会った頃とは比べるべくもない

自分も口に運んでみて、その出来栄えに大満足

「子供の頃から色々やってたからね。
 …体の方はどう?変わりない?」

少しだけ、心配そうな声色
烏丸秀の言葉がずっと、心の奥底に残っている
"高峰司は、ウィルスへの適合率が低い。放っておけば、いずれ化け物に──"

高峰司 > 「ああ、美味い。これが美味いって感覚なんだなって感じ」

アタシは味とかどうでもよかったからなー、と言いつつパクパク。
自分の感性が広がって行くのを感じる。今まで目を向けてこなかったことに、目が行くようになった。
それがいい事か悪い事かは、分からないけれど。

「体、な……何ともねーんだ、不気味なくらいにな」

体に言及されると、沈んだ顔になり。
現状は特に変化がない。だからこそ恐ろしい。
沈黙の臓器と呼ばれる膵臓と肝臓は、沈黙するからこそ病状の悪化に気付けない様に。
変化が無いからこそ『どこまで進行しているか分からない』。
それが、恐怖だった。

伊都波 凛霞 > 一色しかなかった司の表情
それが今はいろんな色に彩られている
それが素直に嬉しいし、二人で絆を創れて良かったと思える

でも、それを壊すものが、存在して

「……そっか」

異常はないと言う
でも、ウィルスが消えてなくなりはしない
根絶しない限り、こうやって司の表情を曇らせる結果になる

「司ちゃんは怒るかなって思ったんだけど…」

意を決して、口にする

「烏丸くんに、協力してもらうことにした…。
 あの人、普通じゃないネットワークもたくさん持ってるし、
 正規じゃない方法での検査とかには、きっとツテがあるからと思って…」

高峰司 > 「…………」

烏丸。
その名前を聞いて沈黙する。麻婆豆腐を食べる手も止まり、動きが完全に止まる。
その顔に浮かぶのは……泣きそうな、そんな表情。

「オマエ、なんで……」

それが出来てしまうのが彼女の強さかも知れないけれど。
自分を堕落させようとし、妹を狙う男を。何故他人のために頼れるのか。
それをさせてしまう自分の不足も痛感し、怒りよりも先に後悔が渦巻く。
自分が先走って、一人で釣り出されなければ。
自分が迂闊をして、こんなウイルスを仕込まれなければ。
烏丸と凛霞の接点を、作り直させることなんてなかったのに。

伊都波 凛霞 > 「そんな顔しないでよ」
苦笑する
気持ちはわかるし、その気持ちがまた、刺さる
嬉しい棘として

「私は、今まで陽の当たるところばかり歩いてきたから、
 とてもじゃないけど自分だけでできることは少なかった。
 でも友達を助けるためなら、少しくらい影のかかったところへ踏み込む勇気くらいはあるつもり」

そう言って、メモを取り出す

「私も在籍してる保険課にね、
 …烏丸くんはマッドドクター、みたいな言い方をしていたけど、腕は確かな…そんな人がいるの。
 名前は雨宮雫…東方の医療術に精通してる人なんだけど…、
 その人なら、ちゃんと司ちゃんの検査をできるかもしれないし、
 もしかしたらウィルスを抑制する薬くらいは調剤できるかもしれない」

高峰司 > 「…………」

辛そうな顔をしつつ、話を聞いて……その内容を精査する。
この場で考えるべき事柄は、高峰司の得意分野……利害関係、だ。

「(烏丸のクズは毛ほども信用できねぇ。が、アイツは馬鹿じゃねえ。
欲が皮被って歩いてるようなケダモノだが、理性はある。思考能力がある。利害を感じ取る知性がある。
そして、アイツの目的は凛霞の妹、悠薇。そこへの接点を持つためにも、アイツは凛霞を裏切れない。
アタシを罠に嵌めるって事は、凛霞を裏切る事だ。凛霞はそれを許さねぇ。それはアイツにも分かるはず。
つまり、アイツの主目的……『伊都波悠薇を掌中に収める』のための利害によって、アイツはアタシを害せない)」

脳内で思考を駆け巡らせる。
これが、高峰司と烏丸秀の取引であれば一切信用しなかっただろう。
だが、間に伊都波悠薇の姉である伊都波凛霞が入ってきた場合、利害関係が大きく変質する。
烏丸秀は伊都波悠薇の姉である伊都波凛霞を裏切れない。
だから、伊都波凛霞の親友である高峰司を、裏切れない。

「……少なくとも。オマエを間に入れてなお出してくる名前なら、腕は確かなんだろ。
ここでアタシを嵌めるのは、凛霞を裏切る事になって、アイツの主目的に沿わない結果になるからな。
ああクソ、アイツの伝手を頼るなんざ反吐が出るが……やるしか、ねぇか」

それでも。
マッドと言う但し書きがつくのが非常に気になる。
『マッドだから仕方ない』と言う保険を付けて、伊都波凛霞を誤魔化しつつ高峰司を始末する一手かもしれない。
だが、ここは賭けに出ないといけない場面でもある。
既に自体は、悠長を許してくれない状態にあるのだから。
だから。
親友が一歩影に足を踏み入れた、その覚悟に倣い。
底の見えぬ沼に、一歩足を踏み入れる覚悟を決める。

「わかった。雨宮雫、だな。ソイツにアタシの体、預けてやる」

伊都波 凛霞 > 「……それもあるけど」

小さく肩を震わせる

「ごめんね。
 妹紹介するっていう約束…もうしばらく、ダメかも」

顔を俯せて、小さな声で言葉を続ける

「妹が……司ちゃんと同じ、ウィルスを……」

何でもいい、縋り付いてでも前に進まなければならなくなった、大きな理由
大事なものの、2つ目が人質になった

「注射された……」

それは同時に、烏丸秀が本気で動く理由ともなったのだ

高峰司 > 「…………」

愕然とする。
いや、それは分かる話だった。
マネキンの主目的は、この姉妹。自分は撒き餌でしかないのだから。
……だが。
そこで沸き起こったのは、壮絶なまでの、殺意。

「マネキン……あの野郎。チリも残さねぇぞ……!」

部屋中のルーンが鳴動する。
怒りのままに放った魔力に反応し、僅かに暴走したのだ。
マネキンは、やってはいけない事を繰り返した。
伊都波凛霞を、追い詰めた。
それだけで万死に値する。情状酌量の余地はなく、苛烈なる火葬が確定した。

「……アタシは正直、妹の方はどうでもいいんだけどな。
だが、それなら……ああクソ、そう言うことかあのクソ野郎」

そして、その裏にある烏丸秀の意図も読み取る。
つまり……高峰司をモルモットにするつもりなのだ。
高峰司に『マッドドクターに診察される』と言うリスクを負わせ、伊都波悠薇にその恩恵だけを与えようという策略。
だがそれは……一方で、リスクはある物の腕は確か、と言う証明でもある。

「アタシがモルモットとはな……クソ、ムカつくがやるしかねぇか」

本当に、もうやるしかない。
腹立たしいが、手は着々と潰されている。
自分がリスクを踏むことで、結果的に凛霞が笑える未来が訪れる可能性があがるのなら。
それくらいは、やってやろうじゃないか。

伊都波 凛霞 > 「………」

申し訳無さや、不甲斐なさ
あらゆる情けなさを孕んだ表情で、ただ俯いた

「天秤にかけたわけじゃないよ…。
 でも、時間ないのは司ちゃんのほうなの。
 検体として、すぐに対症療法でも何でも、初めなきゃいけないのは司ちゃんなの」

もちろん、あらゆる利害がそこには存在する
烏丸秀は妹を検体として雨宮雫の下には差し出したくないだろう
その上で自分はどうか
どちらも秤にはかけられないものの、より治療が急がれるほうを…という選択

司の目には、どう映ったのだろうか
それが少しだけ怖くて、顔を上げられない

高峰司 > 「いい。妹の方にやらせるっつったら烏丸のヤロウが余計な手を出しかねねぇ。
アタシが先にモルモットになって、対策の初手になるのが合理的だ」

それは当然の選択なのだから気にするな、と。
魔術師らしい合理性を示す事で凛霞の迷いを払おうとする。
その目に怒りや嘆きはなく、粛々と現状を受け入れる冷静さがあった。
……実際の所、既に最悪の恐怖は味わった。
なら、そこから一歩進むための策に、贅沢は言っていられないだろう。

伊都波 凛霞 > 「それでも、そういう言葉を使うと、心が痛むよ」

モルモット

司にしてみれば文字通りその通りなのだろう
けれどその言葉の持つ意味は余りに人間的でなく…

「……司ちゃんに何かヒドいことしたら、私がぶっ飛ばしにいくから」

ぐっ、と拳を握る
同じ保険課の生徒であろうと容赦はしない

高峰司 > 伊都波凛霞らしからぬ、過激な言葉。
それに小さく苦笑しつつたしなめる。

「だから、オマエがそう言う言葉使うなっての。らしくねーぜ?」

だけど。
そんな似合わない言葉を使ってくれる事が、少し嬉しくて。
苦笑の中には、照れ隠しも混じっているのだろう。

「でも、そうだな。オマエがそう言ってくれると心強い。凛霞が目ェ光らせてくれんなら、アタシも安心して体を預けられる」

言葉の中に含まれるのは、深い信頼。
全幅、と言ってもいいであろう、強く深い信頼がそこにはあった。

「……じゃあ、ついで。アタシも一つ、頼んでいいか?」

そして。
自分も一つ覚悟を決める。
悪手かもしれない。だが、これくらいは我儘を言っても、大丈夫だろう。
何より……多少の悪手、凛霞なら踏み越えてくれる。そんな信頼が、そこにはあった。

伊都波 凛霞 > 「す、少しでも司ちゃんを安心させたくてやってるの!」

らしくないと言われれば少し頬を赤くして、
それは自分でも重々承知しているのだった

「…うん。
 でも身の危険を感じたらちゃんと抵抗して、
 できないようなら念話でもなんでもいい…助けを求めて」

それだけは念を押す
腕は信頼できる、つまり人格は信頼出来ないということである

「…いいよ、何でも言って?」

高峰司 > 「はは、分かってるよ」

くす、と笑って。
その気遣いが、心の底から嬉しかった。

「ヤバイ、って少しでも思ったら助けを呼ぶ。あれなら、監視の召喚獣を出しとくさ。
で、頼みなんだがな……」

言いつつ、スマートフォンを取り出し、メール画面を開く。
そこには……マネキンからのメールがあった。

「……呼び出された。ヘルヴォルの事も触れられてるが、アイツは単に護衛で連れてくにはピーキー過ぎる。
オマエを狙ってる以上、下策かもしれねーが……アタシ一人で乗り込んで、二の舞になるのはもっとマズい。
危険だが……守って、くれるか?」

伊都波 凛霞 > 「……どうかな。
 妹は狙われてたけど、私本人に用があるかどうかは…まだ不透明だよ。
 それを確かめる為にも…拒否する理由はないかな」

要請には笑顔で応える

少しでも心強くありたい、そう思って快く引き受けた
自分はまだ彼との会話が少なすぎる

「…片付けるね。
 ごめんね、なんか重苦しい話しちゃって」

食器を重ねて、洗い場へと立つ

高峰司 > 「はは……なら、大丈夫だ。何も怖くねぇ」

小さく笑う。
ちょっとばかり強がりも含むが……それでも、なんとでもなる気がしてくるから不思議なものだ。

「いいさ、必要な話だった。アタシも手伝うよ」

立ち上がって、少しでも手伝おうと。

伊都波 凛霞 > 「ん、お願い」

好意は笑顔で受け取るもの
まだ不慣れそうな感じの、そんな様子も微笑ましく、

決断の時を控えた二人の時間は過ぎてゆく──

ご案内:「女子寮・高峰司の部屋」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「女子寮・高峰司の部屋」から高峰司さんが去りました。