2015/06/06 のログ
■五代 基一郎 > 「お涙頂戴の三文台詞で君をやる気にさせるのは忍びないからさ。嫌でしょそういうのは」
肉汁とソースが混ざった液体に浸った付け合せを咀嚼しながら呟く。
その言葉の真偽はさておき、俺は役者になるつもりはないなぁともぼやき
「公安と風紀が表立って争う事態もそうだけど、実態的な証拠が掴めていないというのと
それが如何なる流れになるとしても、拳を振り下ろすように下せばどうなるか恐れているのさ。
自分に責任が覆いかぶさるのは嫌だとさ、もちろん責任だけじゃあないだろうが」
合間にセットでついてきたコーンスープを飲み、ひと息つくと続け
「そう。今回は矢面に立ってもらおう。知ってるかはさておき君の名前は影響力が確かにある。」
レイチェルが顔を上げれば対面に座る男はナイフとフォークをどけて、君の目を見ていた。
が、その注文を聞けばえっそれ食べれるの?と目を動かし。
呼び出しボタンで店員を呼べば
「特大カイザーパフェ一つ、あと食後のチーズケーキを」
追加注文を復唱した店員が戻れば、また話は戻り
「ただ今回は事情が事情だ。この一件以降も”公安は悪の根城であり常に日陰に存在する”とか
”風紀委員は暴力でねじ伏せる強権的委員会”なんて尾が続けば秩序云々の話じゃない。
この学園組織自体の崩壊を招きかねない」
食い終わった皿を店員が片づけやすいようにテーブルの通路側に寄せて、カップのアイス緑茶を啜り、続ける。
「西園寺君が派手にやってるのもあり”公安は悪”だという認識が一部から広がりつつある。噂程度で収まってるけどね。
流石にあの指名手配の件はやりすぎた。影響がでないわけがない。
独断による暴走で片付けられるだろうが……これはとてもよくない。
本来あの連絡局が異質な立ち位置であって、公安は学園組織に必要なものだ。表と裏があって社会の治安を守れる。
組織的な重要性は確かにあるし、今ある特別教室もきちんと機能しているよ」
そう続けていると、特大カイザーパフェとチーズケーキが運ばれ
それぞれの前に置かれた。尚空になった食器はついでに片づけられている。
「この一件解決するなら風紀と有志だろうが、この件で風紀が鬼の首を取ったが故に暴走するのもよくない。
ロストサイン以降大きな出番がなかったんんだ。ここぞとばかりに活躍すれば
風紀委員だからと”今の連絡局同様”強権を振るい始める者が出るのは火を見るのは明らかさ。
そうなれば遅かれ早かれ次の鬼は風紀に移る」
鬼の首を取るように、チーズケーキにフォークを差し入れた。
どれもこれも、斬られるのはいつも目の前にいるものでその上など知ったことではないのだ。
「だからこそ、風紀委員会”も”その影響が少ないよう決着をつける必要がある。
今回の強制捜査、考えたやつは独断の捜査で風紀への風評を貶めようと思ったものだろうがこれが好機になるんだ。
なにせあれは個人の独断専行ですと張れる人間がここにいるんだ。
風紀委員会の命令系統無視してやろうが、いつもので済む人材がさ。」
■レイチェル > 「……まーな」
頬杖をつき、五代の方を見やる。
「公安と風紀がやりあう事態そのものがマズいってのはまぁ、確かにその通りだろうよ。で、証拠……の方だが、つい先日手に入れたばかりだぜ。誰に渡すか悩んでたとこだが、まぁ渡すなら
あんただな……」
クロークの内からテープレコーダーを取り出し、机の上を滑らせた。そのテープレコーダーは、薬を『研究区』に運べと言っている会話と、『歓楽街に流せ』と言った西園寺偲の声が収められているものだ。
「ま、実際そう思われても仕方ねーと思うぜ。一部の人間の行動が目立ってたらその集団全てがそういう色眼鏡で見られちまうもんだ。特別教室が機能してるってのは意外だな。あの薄気味悪い男の居るとこだろ……?」
教室で出会った、室長補佐代理のことを思い浮かべ。
「確かに、その可能性は否めないな。五代先輩の言う通りだぜ。鬼のバトンを受けて渡して、結局はその繰り返し――いや、繰り返す前に、マジで学園が崩壊しちまうのかもしれねーな」
肩を竦めた後、やはり腕組みをし。
「公安で目立ってる西園寺偲に対して、風紀で目立ってるオレが打って出ることで、互いにとってその影響を最小限の、うまく行きゃ個人単位のものに留められるかもしれねー訳か。ま、悪い話じゃねーな。しかし、矢面に立て、だなんてすげーこと頼んでくるもんだぜ。別にオレはいいけどよ。寧ろ、張り切って打って出てやるとこだが――あ、パフェこっちだぜ」
机の上に置かれたパフェは、とんでもない大きさのものだった。生クリームに、果物がどっさりとつめ込まれたそのボリュームは、人によっては見ているだけでもお腹が膨れてしまうかもしれない。
■五代 基一郎 > レイチェルが滑らせたテープレコーダーにポケットから取り出したイヤホンを付けて耳を傾ける。
再生する内容を把握した後、イヤホンを外してレイチェルに返した。
「テープ自体に証拠能力はないと言っていいな。異能を使えばいくらでも改竄できるし、作ることもできる。音声データもか。
こういうのの性能が上がれば上がるほど、逆に立証性には欠けるんだよな……
出所は未見不君だろうけど、そういうことだよ。聞こえてる?未見不君
あんまり手出しすぎると、立場どうのの前に安全保障できなくなっちゃうよ」
ここにもあることを見越して言葉を続ける。これを聞いた彼女がどう思うかはさておき。
最もこれが加工されたものではないことは未見不の性格からして明らかではあるが、現状それなりの処分が下された者からの出所な上に
それを隠しても出所不明の噂話程度に処分されるだろう。
内々に知っているものからすれば、踏み込むに足るものだが。
「奴もあれでいて仕事熱心さ。表の風紀だけじゃない。悪知恵の働く生徒に裏で”監視されている”と意識させることでそもそも成り立ってるんだ。
奴がいる第二だけじゃない、第九だって今も働いてるさ。
実態はそういった連中が多いさ。権力が欲しいなら別のやり方がある。
君らが思うより勤勉な連中が多いよ、裏方の仕事ってのはさ」
チーズケーキを半分まで食べ、ゆっくり茶を流してまたひと息続ける。
同じテンポで、とくに急ぎもせず。味わいすぎもせずというように。
「どちらをも裁く権力はないんだ。濁って濁って、共倒れどころか学園全体が腐るのは早いよ。思ってるよりずっと流動的だ。
だから早急にケリを付ける必要があるのさ。
無茶なお願いなのは承知だよ。最悪君も人柱になれつってるようなもんだしさコレ」
最もそうならないだろうし、そうさせるつもりもなかったが。
目の前の見ただけで胸焼けしそうなパフェに圧倒されるもので、チーズケーキに差し込むフォークを躊躇う。
「だがいくら君でも単身乗り込むってのは危険すぎる。だからさ、有志の協力者に手伝ってもらおうよ。
強制捜査にも書いてあるじゃない。有志の協力者。
ちょっと探すのは難しいかもだけど、俺が動けない分がんばってほしい」
そしてテープレコーダーのようにレイチェルへ向けて流されたPDA……携帯端末の立体画面には
風紀員のみ閲覧可能な情報データの報告案件19
そのうち指名手配された2名がマークされていた。
情報が正真正銘正しいのものなら恐ろしい話だが、そんなものリストに張り出されたじゃじゃ馬達を見ればわかりきったことだ。
「あとこれ最後の話でまったく別のことだけどさ。最近の大きな事件あったじゃない、これ。
表立って動くにしてもやる事は当日まで少ないし、君も探ってみたらいいんじゃない?指名手配犯の実働捜査だしさ、見つけたり逃がしたり最悪捕まえちゃうこともあるかもしれないさ。ほら危ないだろう凶悪なテロリストとか……何をするかわからないし?」
暗に彼らと繋がりを持つか、引き込むか、または確保と言う名目で保護しろとか。そういった風なニュアンスでレイチェルに問いかけ。
チーズケーキを食い終えた。口を緑茶で注ぎながら、砕氷をさらに口の中で砕く。
「探すなら未見不君とか協力してくれるんじゃないの?そういうの得意中の得意の上に今回協力してるじゃない彼女
事情聴取できると思うけど」
■レイチェル > 「ま、それもそうだな。じゃあちょっとした『後押し』に使わせて貰うさ」
返されれば、それを再びクロークにしまい。
「へ~……仕事熱心ねぇ。認識を改めておくことにするぜ」
そんなことを言いつつ、特大パフェに手をつける。
あーん、と口を開ければ、普段は目立たない牙がちらりと覗く。
ぱくり、と。口を閉じてパフェを味わうその顔は、普段は見られない年相応の少女と言った顔だ。数度スプーンですくっては口に運んでいたが、はっと我に返って五代の方へ向き直った。
「うかうかしてはいられねーよな。……ま、一応言っとくが、戦闘でどうこう、ってのはそう心配しなくていいぜ。やばい状況になったとしても異能があるし、人間よりはタフな身体なんでな……確かに、流石に単身となりゃ辛いかもしれねーがな。ま、もう少しだけ時間はある。協力者を捜してみるさ」
そう言って、スプーンですくっては食べ、すくっては食べ。おそらく大人の男が2、3人がかりで食べるようなものだろうが、それをぱくぱくと凄いスピードで食べていく。
最後の一口をスプーンの上に乗せて、名残惜しそうに視線をやった後に、あむっとたいらげ。
流されたPDAを片手で受け取り、目を通す。
「凶悪犯にその逃亡幇助ねぇ……で、違法薬物、か」
少し思案するように顎に手をやるレイチェル。ややあって、
五代の方へと顔を向ける。
「そうだな。この件、ちょいとオレも動いてみるとするぜ。任せな、五代先輩」
その意図は汲みとったらしい。こくこくと頷くと、PDAを投げて返した。
「あ~……ま、そうだな。考えとくわ」
その提案に対しては少々じとっとした目になるが、一応頷いて見せた。
■五代 基一郎 > 羞恥に気付いたか対面の男の様子を見るため向き直ったレイチェルが見たのは気のない欠伸をしてカップをテーブルの端に退ける男の姿。
これでにやついた微笑みでも見せれば花があるか、青春かとでもいうようなものだが
そもそも話している内容がきな臭い上に、この男に色気は見えない。
もっとも食べるものや食べる姿、普段の行動からして女の子だなぁと思っているわけだが口に出すのは憚られる。
そういうのが厳しい社会なのだ。必然的にそういうことに口は少なくなるものである。
男はいつも厳しい立場にいるわけで。
「異能についてでも見越してるのが彼女、西園寺偲だよ。
この前の落第街路地裏でも能見君来なかったら厳しかったように思うよ。
いくら公安の彼女の部下や彼女自身戦闘能力に欠けると見えても、油断はしてはいけない。
今度はまさしく二度目だからね。対策考えずに招くほど馬鹿じゃないよ。
副委員長だからね、彼女。あとはそうだなぁ……どこに乗り込むかも目星つけないと。
乗り込んだら本人居なかったじゃ思う壺でしょ。最近彼女が招いたり接触した公安や風紀以外の人間を探すと何かわかるかもしれないかな」
投げられたPDAを受け取り、懐にしまうと乗り気ではないレイチェルを見ながら伝票を取って立ち上がる。
「首突っ込んだのが運の尽きだよ。とことん付き合ってもらおうじゃないの。何、すぐ終わるよ。
彼女自身がどう動こうと、個人的動機から介入したんだ。
彼女から発せられるこの件の情報の信頼性は今や地の底。どうこうできるなんて誰も思ってないさ。
優秀なガードもいるんだ。まぁひどい目には合わないだろさ」
例の二人を探すために協力させようというのにこの言い方である。
関わらせるのだから、もうひどい目にあっているといってもいいのだが。
「あ、もっと食べる?ここテイクアウトもできるけど……」
と。公然の密会の終わりだろうことを告げながら伝票が挟まれたボードを揺らしながら問いかけた。
所謂区切りの挨拶のようなものだが、なんだか目の前の少女がもっと食べそうなイメージがうまれたのもあって聞いてしまった。
■レイチェル > 「ま、確かに連続で異能使ってた所にオーバー・ロードだったからな。一人じゃああはいかなかったかもしれねぇのは確かだ……が、なに。次は二回目、そいつはオレにとってもそうだ。オレだって無策で挑む訳じゃねぇ。準備だって整えていくさ。出来る限りはな。見せてない『手』もある。決着をつけるなら、使うのも吝かじゃねぇ」
スプーンを置くと、五代が立ち上がったのを見てレイチェルもすっと立ち上がる。
「いや、いい。あんまりご馳走になるのも悪ぃし。十分エネルギーは補給したさ。ありがとな、五代先輩。決着ついたらまた奢ってくれよ」
そう言って、軽くウィンク……をしたのだが、眼帯をつけている為に少し長めの目瞬きをしたようにしか見えないだろう。
「じゃ、帰るとするか」
クロークをばさり、と翻すレイチェル。
■五代 基一郎 > 「色々任せるんだ。財布ぐらいなら、いくらでも軽くするさ。」
その”任せる”と言う言葉にいくつかの意図を込めて。
または感謝か、それとも己自身の手が出せないが故に苦労を掛けるねぎらいか。
他の意味などわからぬが、左目を一度瞬かせて応えた。
「次は俺も挑戦してみるよ、特大カイザーパフェ。一日抜けばなんとかなりそうだ」
次の予定を作りつつ。決着はつけてまたという意味も込めて。会計を済ませれば出口へ向かった。
出れば気のない欠伸と、伸びをして。軽く手を振ってレイチェルと別れた。
すり減った革靴で道路に見えない足跡を、新たに付けながら……
ご案内:「カイゼリア」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「カイゼリア」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「ワクドナルド」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (隅っこの方の席でフライドポテトをかじっている。待ち合わせには若干早いか)
(テーブルの上にはポテトとバニラシェイク)
ご案内:「ワクドナルド」にレイチェルさんが現れました。
■レイチェル > 「よ。貴子」
軽く、親しみを込めた口調で、レイチェルが手を挙げながら
近寄ってきた。
いつも通りの制服に、クローク姿だ。
「すまねぇな、待たせちまったか?」
■佐伯貴子 > レイチェルか…
特に待ってないが…なんか、やりきった感がすごくてな…
(向かいの席をポテトの先でチョイ)
やれるだけのことはやったような気がする…
■レイチェル > 「報告の件か、いつもお疲れ様だぜ」
レイチェルはといえば、ハンバーガーに加え、
新発売のトマトシェイクをトレイに乗せている。
貴子の対面の椅子にどかっと座ると、足を組み。
「悪ぃな、そういうの、全部任せちまって」
■佐伯貴子 > 戦闘ができないから仕方ない。むしろ実働を任せてしまって申し訳ないと思っている。
人には向き不向きがあるからな…
(ポテトの袋をレイチェルの方にも向ける。どうぞ、というように)
あー…何から話そうか。私の話は殆ど報告に出しているからな…
■レイチェル > 「適材適所ってやつ、ではあるのかもしれねーけどな」
ふむ、と頷きつつ、ポテトを勧められれば遠慮無く手を伸ばす。
「何から、か。そうだなぁ……あ、とりあえずオレ、強行捜査に顔出してくるぜ。見たろ? あの書き込み。近々行われるっつー捜査。ちょいと五代先輩に頼まれちまってな。ま、頼まれなくても行ってたがな」
■佐伯貴子 > 不自然ではなく今こういう流れがあるのだからそれでいいのかもしれない、と思う。
(自分もポテトをつまむ)
あれか。やはり実行されるのか。今日の私の報告で確実になっただろうが…
五代先輩も動いたのか。それは大事だ…
(よく知らないが過去に何かあったらしい人物。彼が言うのならそれは必要なことなのだろう)
頼むから死なないでくれよ…
(まっすぐ相手の目を見て言う)
■レイチェル > 「ま……そうだなぁ。あの報告は確かに、強い追い風になったのかもしれねー」
ポテトを一本口に咥えながら、窓の外を見やっていたが、
視線を感じれば、貴子の方へ顔を向ける。
「任せとけよ、ヴァンパイアは不死身の怪物だぜ?
ま、心配してくれてありがとよ」
冗談っぽく笑う。実際のところ、レイチェルはダンピールであり、別に不死ではないのだが。少しでも安心させる為に、そんな
ことを言ったのだろう。
ご案内:「ワクドナルド」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「ワクドナルド」にレイチェルさんが現れました。
■佐伯貴子 > あれが本当なら、最悪公安は…あるいは公安の一部は、違法薬物を取り扱っていることになる。
強制捜査しなければ逆にこちらの職務が成り立たない。
(相手の言葉にふっと笑い)
頼もしいな。そうでなければ日々島をうろついているこちらも報われないというものだ。
そして能見先輩だが…私の体調を心配したり、励ましてくれたりといつもどおりなのだ。
でたらめな報告を上げてくるとは思えない。その点についてはどう思う?
■レイチェル > 「おそらく公安全体って訳じゃねーだろうが……少なくとも、西園寺偲が率いてる奴らに関しては、違法薬物に関しちゃ真っ黒だろうな」
そう言って、頷き。
「ん~……どうだ、ろうな。なんつーかな。確かに、表面上は悪いようには見えねー。見えねーんだが、どうにも話してて違和感があるっつーか……なんか考えてることが達観し過ぎてるっつーか……あー、悪ぃ、なかなか言葉で表し辛ぇ。とにかく、あんまり良い感じはしねーぜ、オレとしてはな」
そう言って、うーんと小さく唸りポテトを口の中に入れた。
■レイチェル > 「あと、オレあいつに撃たれたしな。身内を撃つような奴は、どんな理由があれあんまり信用してねーのさ」
そんなことを付け足し、ハンバーガーに口をつけた。
■佐伯貴子 > ああいった資料が出てきた以上、公安も一枚岩ではないのだろうな。西園寺か…取り逃すなよ。
(命令ではない。強い願いだ)
達観している学生は珍しくないが…まあ優しすぎるところはあるな…
確かに言葉にしてみると問題はないのだが…撃たれた!?
(若干声が大きくなる)
それはないだろ…いや君が嘘をついても仕方ないが…そうか…
かなり怪しいな。
■レイチェル > 「ま、何処も一枚岩じゃねーだろうさ。公安《あっち》も、風紀《こっち》も、な……ま、やるだけやってみるぜ。また西園寺偲とやり合うことになるだろうが、こっちの異能を直接見られちまった以上、次は奥の手を出さないといけねーかもしれないな」
声を大にする貴子に対し、無言のままに人差し指を自分の唇にあてがい。
「お陰で西園寺偲を取り逃しちまった……いやまぁ、その後助かったとこもあったけどよ。まぁ、少なくともオレは信用はしてねぇぜ」
そう口にして、ハンバーガーをぺろりと平らげる。
■佐伯貴子 > ここで二人で話している時点でそのとおりだ(苦笑する)
奥の手か…私の能力が必要になったらいつでも言ってくれよ。
(その心配はないだろうが、と付け足し)
(相手の行動に従って声をひそめる)
西園寺のために撃ったのか、君のためを思って撃ったのかでも違ってくるが…後者はもっとやりようがあるだろう。
最悪、能見先輩は西園寺の味方だ。油断…するはずもないか。
(言いかけて訂正し、バニラシェイクを手に取る。すっかり溶けたそれを喉に流し込む)
■レイチェル > 「貴子の異能っていやー、あの有名な強化だもんな。強化にゃ代償が必要って噂があるが……例えばオレの異能を強化するとしたら、どんな代償が必要なんだ?」
とそこまで言って、はっと気付いたように手を小さく振る。
「ああいや、強化してくれって訳じゃないんだ。ただちょっと、興味本位でな」
そう言って、トマトシェイクを流し込む。が、数瞬後には苦虫を噛み潰したような顔になっていた。
「……不味ぃ」
■佐伯貴子 > 代償など必要ないよ。(何気なさそうに言う)昔力がほしいといってきた輩に「私に素手で勝てたら」という条件を出しただけだ。
それに尾ひれがついて代償が必要、という話になったのだろう。
まあ簡単に強力になられても私の責任になるしそんな噂がある程度でいい。
(相手の表情を見て、思わず吹き出す)
頼まなくてよかった…
■レイチェル > 「なーんだ、そうなのかよ。オレはてっきりすげー代償を要求されるもんだと思ってたぜ。……ま、今のところは、貴子の力は借りずに済みそうだ。でも貴子の気持ちはありがたく受け取っとくぜ。さんきゅーな」
そう言って、にっと笑う。
「しっかし、その異能で、しかも風紀委員って立場だ。貴子はオレの心配をしてくれるが、寧ろオレからしたら貴子の方が心配だぜ。西園寺偲の部下共もそうだが……色々なところから狙われるんじゃねぇかって、な」
笑われれば、少し不貞腐れたような顔をするが、すぐに真顔に戻り、そんなことを口にした。
■佐伯貴子 > 私の力は使い方を間違うと下手な戦闘系異能より面倒を起こすからな。今のままでちょうどいい。
君なら大丈夫だと信じているが…戦場で力になれないのが少し悔しいのだ。
(苦笑する)
むしろ風紀委員だから狙われずに、利用されずに済んでいると思うぞ。
一般生徒の制服を着ていたら白いワゴン車に連れ込まれてスラムの一角で能力を強制されるところが、この制服を着ていれば下手な組織は手を出してこないからな。
それに、力を使うなら風紀委員のような…まあ、人の役に立つことをしてる相手に使いたいからな。
(だから君にさっき言ったのだ、と付け加える)
■レイチェル > 「違いねぇな。やべぇ奴らをぽんぽん生み出せちまう訳だからな」
もういい、と言わんばかりにシェイクの蓋を閉めてトレイの隅に追いやる。
「……ま、それもそっか。だが、目をつけられやすい能力なのは間違いねぇ。さて、少々長居しちまったかな。そろそろ店を出るか……と、その前に」
クロークの内に手を入れる。
そして一つの箱を取り出し、テーブルの上を滑らせた。
「威力が増すように弄ってある。持ってけ、必要ねーかもしれねぇが、用心するに越したことはねぇ」
もし箱を開けば、その中には一挺の銃が入っていることだろう。
いつもレイチェルの使っているテーザーガンと同じものだ。
■佐伯貴子 > (いつの間にかポテトもシェイクも空になっていることだろう)
ご忠告痛みいるよ。ん…
(箱を手に取る。ずっしりと重い)
武器か?これでは立場が逆だな…だが礼を言おう。ありがとう。
(苦笑し、真剣な表情で感謝を伝える)
〈オーバーロード〉を相手にすることはないと思うが、万が一ということもある。
では帰ろうか。
■レイチェル > 「前にオーバー・ロードとやり合った時に、オレのテーザーが効かなかったからな……それを見越して、出力を弄った。それだけで完全に無力化することは難しいかもしれねぇが、逃げるだけの時間は稼げる筈だ」
そう言って、トレイを持って席を立つ。
「トマトシェイク、二度と頼まねぇ……地獄の産物だぜ、こりゃ」
そう言って、シェイクの残りをだばーっと捨てて、包み紙も捨て、貴子の方へ向き直った。
「じゃあな、くれぐれも用心しろよ」
そう言ってから背を向けてクロークを翻し、片手を挙げて去って行った。
■佐伯貴子 > そこは能見先輩の報告に従って逃げるさ。
(箱をバッグにしまいトレイを持って立ち上がる)
何事も無難なところを攻めるのは基本だぞ。冒険しないと手に入らないものもあるけどな…
(おかしそうに笑いながら)
お互い様だ。強制捜査、気をつけてな。
(トレイを片付けると、レイチェルより遅れて店を後にした)
ご案内:「ワクドナルド」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「ワクドナルド」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「和食懐石「漣」」に正親町三条楓さんが現れました。
■正親町三条楓 > やって来たのは高級和懐石。
顔パスで個室を取ると、特製あんみつを頼む。
他にも汁粉、アイス、和風パフェなどもあるだろう。
――本来は、そういう店ではないのだが。
ご案内:「和食懐石「漣」」に『室長補佐代理』さんが現れました。
ご案内:「和食懐石「漣」」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > (……甘味処……!?)
■『室長補佐代理』 > 図書室での騒動のあと、2人の女子と共に店に現れた男は、どっかと個室の隅に腰を下ろしてみたらし団子を食っている。
「アンタの紹介って時点で財布には決してやさしくないとは思っていたが、予想以上だな。まぁ、予算で落とすからいいけどな」
■『室長補佐代理』 > 「おう、谷蜂。好きなもん頼んでいいぞ。式典委員会との接待ってことにするからな」
■正親町三条楓 > 「え~、でも、美味しいですよ~?」
あんみつといえども、高級懐石の一種。
葛餅と抹茶をふんだんに使った高級品である。
嬉しそうに匙を進めながら。
「あ、どうぞご遠慮なさらずに~」
■谷蜂 檻葉 > 「え”っ。 好きなもの……って……」
どれもこれも親元を離れて食べる値段ではない。
が、ここまで来てしまったら逃げるのも遅すぎるので覚悟を決める。
「じゃ、じゃあこの 『天むす』と『揚げアイス』お願いします……。」
(※揚げアイス:天ぷらアイスとも。 外はサクサク中はひんやり甘い。)
■『室長補佐代理』 > 「おう、値段もカロリーも剛毅だな。その意気だ」
店員に「俺も同じものを」といって、ついでに茶も頼んでおく。
「で、式典委員長。話ってのはなんだ?」
■正親町三条楓 > 「あ、揚げアイスいいですよね~、オススメですよぉ」
にっこり笑い自分の分も頼む。
ここの揚げアイスは目の前で女中が揚げてくれる本格派だ、きっと気に入るだろう。
「――さて、お話ですけどぉ。
最近、公安の皆さんと風紀の皆さん、大変そうですねぇ」
■『室長補佐代理』 > そう切り出されれば、口元を袖口で拭いながら、不敵に微笑む。
「まぁ、色々あってな。概ねの状況はアンタの知っての通りだ。その件で、何か腹案でもあるってのか?」
■『室長補佐代理』 > 「あと、コイツの前で喋ってもいいのか?」
そういって、谷蜂を左の親指で指差す。
「まぁ俺にとっては聞かれて困る話でもないがな」
■谷蜂 檻葉 > (私は御飯を食べに来ただけ奢ってもらうだけ御飯を食べに来ただけ奢ってもらうだけ……)
摂取カロリーと目の前で始まる不穏な会話を前に心のなかで念仏代わりに唱えている……。
■正親町三条楓 > 「あ、大丈夫ですよぉ。公安さんも、私たちも、やましい事なんてなぁんにもありませんもんねぇ?」
にっこりと谷蜂に笑いかける。
そう、やましい事など何も無い。
「腹案という程でもないですけどぉ。
公安の皆さんと風紀の皆さん、大変そうですのでぇ。
ここは、式典委員会主催で、仲直りパーティーなんてどうでしょぉ?」
■『室長補佐代理』 > 「ほら、不安のあまり自閉的リピートはじめちまった」
などと、谷蜂をからかってから、そう提案されるとこれまた左肩だけで肩を竦める。
「どうといわれても……俺が音頭をとってる話じゃあねぇしな。所詮は俺もしがない中間管理職にすぎねぇよ。それに、生徒会まで一枚噛んでるんでね。難しい話だとおもうぜ。やるなら全部済んでからだろうな。そんときは、俺が頼まなくても式典委員の出番になるだろうよ」
二本目の団子をまるで串焼き肉のように噛み喰いながら、何でもないようにそう語る。
「俺よりも公安副委員長やら風紀の連中にいったほうがいいんじゃねぇか? まぁ俺以外だと面倒になるかもってのはわからんでもないがね」
■谷蜂 檻葉 > (遅れてきた天むすにかぶりつく)
「……!!!」
(目を輝かせて、もくもくと食べ進めている……)
■正親町三条楓 > 「あは、生徒会を『噛ませている』の間違いじゃないですかねぇ?」
どうせヴィクトリアあたりだろう。
目の前の男は、あの不良管理局長ならいくらでも転がせるだろうから。
「ええ、西園寺さんや風紀の皆さんにも言うつもりですけどぉ――言っても西園寺さんが『パーティーに出られなくなったら』、とてもとても悲しいですからぁ」
あんみつを掬いながら言う。
「あ、谷蜂さん、お代わりしてもいいですからねぇ。
ここの天むす、とっても美味しいんですよぉ」
■谷蜂 檻葉 > 「!!? ほ、本当に注文しちゃいますよ…!」
いそいそと人を呼んで追加の天むすを頼む。揚げアイスは〆だ。
「あ、私みたいな一図書委員にはどうぞお構いなく…」
■『室長補佐代理』 > 「おいおい、谷蜂、そんなに焦んなくてもいいぞ。とりゃしねぇよ」
自分にもきた天むすだが、あんまりうまそうに食うので自分の分も谷蜂の皿に移してやる。
そうしている間に、委員長にそういわれると、これまた意味深に口端だけを吊り上げて笑う。
「さて、何の話だかな。まぁ、そうだな。副委員長が『不幸』にあったらと思うと、俺も胸が張り裂けそうな思いだよ。ま、何にせよそのパーティの話。そっちで何とかしてくれるってんなら、俺は『暇があったら出席』くらいはさせてもらうよ。『約束する』」
目の前の女性に対して、それをクチにすることは、絶対の契約を意味している。
「ただ、いなかったら勘弁してくれよ。俺にも色々と都合があるからな。必ずいけるわけじゃないのはあらゆる意味で了承してくれ。『あらゆる意味』でな。いつだって席についてられるわけじゃねぇからな」
■正親町三条楓 > 「はい、もちろんですよぉ。無理強いをするつもりは全くありませんからぁ」
にこにことしながら頷く。
相変わらず手強い男だ。こちらの交渉を先読みして先手を打ってくる。
『自分はここまで譲歩したのだから、あまり要求してくれるな』というところだ。
およそ可愛げというものがない。
「ですからぁ、西園寺さんが無事出席できるように、頑張ってくださいねぇ。
あの子はぁ、『生徒会から公安に行った人間』なんですからぁ」
つまりこういう事だ。
この事件の幕引き、どんな結末になろうとも西園寺偲の更迭、または逮捕は避けられない。
だが、その追求を強めすぎ『全て西園寺偲の独断でやった』という事になれば、今度は『西園寺偲は公安の人間か、それとも生徒会にも責任を負わすべきか』との論争が持ち上がる。
楓にしてみれば、そんな面倒な事の仲裁はごめん被る。
分かりやすい形に『公安と風紀がそれぞれ内部で協力し解決する』形を求めたいところだ。
■谷蜂 檻葉 > (貰った天むすもやがて食べ終えると、見計らったようにやってきた揚げアイスに取り掛かる)
「あふっ……ん、……ん、ん。……んむ!!」
(静か、とは言いがたいが最低限の感嘆符だけで感動しながら食べ進める。)
■『室長補佐代理』 > 意図を汲み取れば、目を細め、茶を啜る。
実際、これはありがたい話だ。
本来どこかの誰かがやらねばならない仲裁を受け負ってくれるというのだ。
その代わりに、『なるべく式典委員会がやりやすいよう穏当に進めろ』という要求である。
公安と風紀の必要以上の対立を面白く思っていないのはこの男も同じことである。
故に、この要求は非常に飲み込みやすいものであり……そういう形に目の前の女が切り分けてくれたパイなのだ。
「副委員長も色々と苦労があるようだしなぁ……まぁ、なんにせよ、アンタみたいなイイ女にそう言われちゃあ、俺としては無視できない話だな」
そういって、曖昧に頷く。
流石にこれを口約束はできないが、同意は出来る話であるし、努力も出来る話だ。
ただ、結果が出るかどうかは、流石にまだわからない。
■正親町三条楓 > 「あはぁ、話がはやくて助かりますよぉ」
これで良い。
もう、西園寺偲自身ですら、己の身の保身など既に考えない段階に来ているのだろう。
彼女自身の目的は分からないが、楓の目的――『非常連絡局を解体し、公安と風紀のバランスを取る』事は達成されそうだ。
「安心しましたぁ。私もぉ、責任を感じていたんですよぉ――西園寺さんを公安委員長に紹介したのはぁ、私ですしぃ」
どうしてあんな悪い子になっちゃったんでしょうねぇ、よよよと泣きまねをしてみせる。
非常連絡局解体の為の人柱。
それを用意したのは他ならぬ自分。
ならば、その目的が達成された後の後始末くらいは手伝ってしかるべきだろう。
幸い、得意分野だ。
■谷蜂 檻葉 > (何を言っているのか。裏のうの字も知らぬまま茶を啜る彼女には察する事どころか各組織の立ち位置すら見えてこない。)
「……ズズッ」
(けれど、きっとそれがこの学園の在り方なのだろう。 表《日常》と裏《非日常》の境界線の薄いこの学園で、今もまたアイスと油のように融け合う寸前で留まっている。)
■『室長補佐代理』 > おそらく、ただの『証人』だの、話を聞いている『第三者』だのの、いうなれば非常時の取引材料として連れてこられたであろう谷蜂に若干同情しつつ、これまた自分の分の揚げアイスをそっとくれてやる。
しかもこれまた、実はかなりの権限を持っている図書委員会の末端である。
図書委員会の精鋭部隊……特に図書委員会執行部『焚書官』などは学園でも有数の戦力の一つなのだ。
「とりあえず、事情は呑み込んだよ。アンタが俺のよく知っている類の『善人』だってこともよくわかった」
意味深にそう呟いて、口端を吊り上げる。
「まぁ、話もすんだところで茶会の続きでもするか。それとも、まだなんかあるか? 式典委員長さん」
■正親町三条楓 > 「そうですねぇ、では最後にひとつだけぇ」
にっこり笑って谷蜂を見る。
「今日あった事、話した事はぁ、私が許した人間以外の誰にも言わないと『約束』してくださいねぇ?」
それでしたらいくらでも食べていいですからぁ、と付け足す。
変に勘繰られたりあらぬ噂を流されるよりかは、こっちの方がよっぽど確実だ。
それに、いざという時には証人としても使える。一石二鳥だ。
契約遵守<ミスラ・ジャッジ>は誰も逃さない。