2015/08/15 のログ
五代 基一郎 > 「故にアルベールの件、何か事が起こる前にとさ。」

二度目は許されない。
加えて、前回とシチュエーションが違う上に対策をするには
数を出すことができない。ロストサインという組織ではない、それはもうないのだから
公的にすることもできず。
出来ることは限られている。

■新雲竜>「”繰り返し”は許されませんな」

マスタークラスが、凶悪犯をどうとしてもグランドマスター……奴を
そのままにすることは第二の組織を生み出しかねない。
奴こそ、次でどうにかせねばならない。
恐らくこの焦燥は誰にも理解できないものだろうが、だからこそ胸に留めておかねばならない。
それを動かすための意志という炎にくべる薪には出来る。

「うちらでもメンバーの選定は既に始めている。
 まぁ問題のあるのしかいないが、だからこそってところかな。
 
 他にも二年前に大破した”プロト”を改修した”ナイト”が完成したって報告が”同盟”から来た。
 今関連するユニットと共に装備として申請してるもんで、許可はもう取り付けてるから
 手続きと並行して島に輸送中だ。
 まだ万全とは言えないし、今度やり合うときはそれこそ奴も俺も
 準備が整ってからとなると思う。二元前のような不意のではなく……恐らく全力で戦うことになるな。」

二年前にグランドマスターとの戦闘で大破した”プロト”の改修。
急な事態故に奥の手としていたそれを出したものの、それは完膚無きまでに敗北した。
故に一度島外に方舟……”アーク”により輸送し、修復をとしていたが
思っていた以上に時間がかかった。関連装備のフィッティングや二年間での更新作業もあった故だが。

それがどこまで通じるかも不明だが……出来ることが全てつぎ込んで、そこからようやくというのがあの相手だ。
少しでも甘く見ては、二年前と同じ轍を踏む。

五代 基一郎 > その後も現状の報告や、連絡する事項を伝えて会合を終わらせた。

必要な状況がこなければ、とも思うが来ることが明らかな場合。
しかもいつくるかわからないのであればそれこそ出来うる限りの話は必要である。

いつかまた共に、とも思うがその後にどうなるか……どうなってしまうか。
一瞬よぎるが。それこそ先に言われた通りのこととなる。

故に、勝つのだと。後がないとし芯を新たに打ち……自宅に戻るのであった。

ご案内:「法世寺」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「しゃぶしゃぶ処「御龍亭」」にリビドーさんが現れました。
ご案内:「しゃぶしゃぶ処「御龍亭」」に六連星 葵さんが現れました。
リビドー >  
「急に呼び出して済まないね。ここの支払いはボクが持とう。
 そうだな、お気に召してくれると良いんだが。」

 葵の内心を知ってか知らずか。
 肉の入った重箱を開いて火を通す準備を済ませ、葵を見据える。

「で、何か飲むかい。ああ、キミは未成年なんだからノンアルコールで頼むぜ。」

六連星 葵 >  
[〉葵はとても居心地悪そうに困惑していた。
[〉目の前にいる人物から手紙一つで呼び出され、気づけば個室で鍋を囲っている。
[〉話がある、という見ず知らずの人物からの誘いに乗ったのは、「エルピスについての話がある」と手紙に書かれていたからだ。

「あ、ええと。僕はイチゴミルクで……」

[〉飲み慣れたドリンクを一つ注文する。
[〉緊張した面持ちで相手を見る。緊張しているこちらと比べれば随分とリラックスしている風に見える。
[〉何とも、どう声をかけていいか分からない。
[〉思考が頭を巡り、うまく話を切り出せない。仕方なく、頭にあった疑問を相手に投げる。

「ええと、リビドーって、本名? 不思議な名前」

リビドー > 「……ふむ。」

[〉 本名か、と、困惑がちに聞かれれば、残念そうな眼を見せた。

「困ったな。てっきり以前のエルピスとの模擬戦の時に、上から名前ぐらいは聞いていると思ったのだが、
 話を聞いていなかったか。或いは、聞いて忘れているのかな。ま、改めて名乗っておこう。

 常世財団英雄開発科副主任 リビドーだ。……後はまあ、教師もやってなくはないね。」

[〉一つ溜息を付き、備え付けられた電子端末でイチゴミルクとジンジャーエールを注文する。

六連星 葵 >  
「んー。僕そんなに覚え良くないから。ごめんなさい?」

[〉一応目上だ。丁寧に頭を下げる。
[〉その上で今一度相手を見る。確かに名前を聞いた覚えはあると思い出す。
[〉とはいえ質問の答えをもらっていないので、なんともそれ以上は苦慮するしかない。
[〉そもそも常世財団という日本にある組織で名前が外国名の名義あたりなのだから、葵はそこに疑念を挟むしかなかったのだが。

「そんな人が僕に? どうして? 面会を?」
「僕はエルピスとはその、友達として付き合いはしてもらってるけれど」

[〉まして、食事を奢られるような何かをした覚えもない。
[〉一番彼女が心当たりがあるとすればエルピスとの模擬戦で、何かしらの評価を彼女が得たのかもしれないというぐらいだ。
[〉兎にも角にも、葵にとっては戸惑うしかない状況なのだった。

リビドー > (困ったな。)

[> 内心で眉を顰める。
[> エルピスを通してエルピスの行動を一方的に監視している以上知っている事はある。
[> 困惑されているとなれば話をするにも難しい。

[> また、"本来葵が済む世界"の常世財団は日本に在る、日本の組織であるが、
  この世界の常世財団が絶対にそうと誰が言い切る事が出来るだろうか――?

「おっと、名前だったな。そんなに名前が疑問かい?
 ……いや、単に世話になっているから話を聞きに来ただけさ。
 カフェテラスだったか、キミの家だったか、アイスキャンディーをごちそうになったそうじゃないか。」

六連星 葵 >  
「ああ、いえ。別にそこまで、はっていうと嘘になるかもしれないですけど。
 エルピスもそうだけど、コードネームなのかなって。
 ほら、秘密の組織なんですよね? 一応」

[〉葵のコードネームが「スプリングブリーズ」であるように、組織で利用する符号は往々にして存在する。
[〉だからこそ、その固定概念からか葵はリビドーに投げた。が、それが相手を困惑させているだけと見ると、慌てて顔の前で手を振る。

「あ、別にこう、怪しがってたわけじゃないんですよ。職業柄っていうと変ですけど、ちょっと疑問に思っただけで」

[〉そして、呼び出された理由についてアイスキャンディーのことを切りだされると、更に当惑して

「うええ? アイスキャンディーたしかにあげたけど、その御礼にこれは高すぎますよ!?」

[〉目をぱちくりさせた。もちろん「世話になっている」というところも大きいとはわかるのだが、それはお互い様というのが葵の認識だ。
[〉だからよもやアイスキャンディ1本でここまでの接待を受けたのか、と考えすぎた自分を恥じつつ、予想外の展開に目を回しそうだった。

リビドー >  
「常世財団は大規模な財団だ。
 異国どころか異世界から来てたっておかしくはあるまい。
 ま、今の所は伏せさせて貰うよ。」

[> 冗談めかして笑ってみせる。
[> が、内心では思考を回している。

( この態度は天然か、それとも計算尽くのものか。)

「いやいや、そこでも、他にも彼が迷惑掛けただろう? 個人的な礼だよ。
 で、一つ聞きたいが、"――彼はどんな悩みを抱えていたのかな?"」

リビドー >  
(ボクに食って掛かる素振りを見せない、か。
 ――あの時は性質上、上手く傍受できなかったが、相談内容はおそらくアレだろう。
 てっきり食って掛かるか乗って来ると思ったが、
 そこは知らなかった事と、育ちの良さが出ているな。或いは、そこも含めて強かか。
 秘匿による腹芸だったら賞賛ものだが…。)

[> 既に届いていた飲み物2つの内のジンジャーエールを取り、軽く呷る。

六連星 葵 >  
[〉そこでようやく合点がいったように頷く。
[〉そういった方面にまったく頭が回らなかったらしい。日本にあるのだから日本人ばかりいるという意識があった。

「あ、なるほど。そうだったん……ですね」

[〉うっかりタメ口になりかけたのを抑える。心のなかで「セーフ!」と叫びながら、
[〉リビドーを注視する。まるで少年のような外見で、中性的な印象さえ受ける。余裕のある表情から年長者としての風格を感じる。
[〉同時に何か考えてそうだ、とも思った。少なくとも16の娘にただ何の理由もなく鍋を奢る人ではないだろうと。
[〉葵は頭の回転こそ悪いが馬鹿ではない。何の理由もなしに相手が奢るということはないのが「社会として当たり前の慣例」の一つであるのも、理解している。だから問う。

「僕を呼び出した理由、そのアイスキャンディの時のエルピスとのお話した内容とか、だったりするんですか?」

[〉「彼」とリビドーはエルピスを呼ぶ。彼らにとってエルピスは男性として扱っているのか。
[〉モグラたたきだ。何かを解決すればまた次の疑念が頭をもたげてやまない。

リビドー >  
「ふむ。まどっろこしくなってきた。
 ――"エルピスを作ったのはボクだと言っているんだ"」

 実際には訂正が必要なものの。そう言い切って見せる。
 遠回しな言い回しが通じないと見れば、短気だ、コイツ。

「エルピスの近状や様子を"キミから見て"どうだったを聞きたいのが一つ。
 ――でまぁ、相談の内容は察しが付く。"あの場での会話は読み取れなかったが"、
 カフェテラスやそれ以外のエルピスの行動で察しが付く。時期からして、そうだな。自分に自信が持てない、疲れた。
 自分がどの様な存在であるか、そもそも自分が自分なのか確証すら持てなかった辺りだろう。
 
 ……まあ、もう一つはその答え合わせに来た訳だ。あのまま聞いても良かったが、趣味ではなくてね。
 エルピスは少々、調整中でね。あと少しだが、明日の朝までは掛かる。」

六連星 葵 >  
[〉この少年がエルピスを作ったと聞くと意外であるという言葉しかでてこない。
[〉もちろん事前にそうであることは知っていたが、「知識とある」ことと「実際に体感する」ことは別である。
[〉だからまじまじと眺める。

「本当に君……貴方がエルピスを」

[〉感嘆というほうがあるかもしれない。色々言いたいことはあるのだが、それよりもこの小柄な少年が自分など及びもつかないような頭脳を秘めていることのほうに心の焦点は向いている。
[〉しばし説明を聞くと、内緒にしようと黙っていたことに対して、おおよその見当をたてられた。
[〉大体その通りの内容に、葵は困惑をした。
[〉同時に「時期として」という言葉に、葵はそちらのほうが気になった。

「それについては僕はエルピスが「喋ってもいい」っていわない限り、保護者とか開発者でも内緒だよ。
 迷惑な話だろうけど、僕にとってあの子は友達で、その子の悩みをたとえ親でも話す気はないから」

[〉明確に回答を拒否する。
[〉エルピスは個人だ。モルモットではない。そう示す必要が自分の友人としての付き合い方だと、葵は考えていた。

「その上で聞くのがずるいって思うけど、エルピス、今は元気……なの?」

リビドー > 「ああそうとも。その通りだ。
 ……はは、あまりまじまじと見つめられると照れてしまうよ。」

 冗談めかしながら肉に火を通ししゃぶしゃぶを食す。
 一つ舌鼓を打てば、次の話題へと入った。

「そうかい。軽薄に零したら面白かったのだが。
 ……ん、ああ。先週辺りからとある教師が生徒に発砲し殺人未遂絡みの事件を起こしたのは知っているかい。
 風紀委員なら報告書を読んでいるかもしれないな。その教師に食って掛かって四肢を融かされもしたが、
 ま、今の所は死んではいない。明日の朝まで調整中ではあるがね。」

 軽く、態とらしく肩をすくめて見せた。
 強引に追求する素振りは、見せない。

六連星 葵 >  
[〉食べないのは不味いかと箸に手をかけたところで、体が硬直する。
[〉リビドーは今何と言ったか? 「四肢が溶かされもしたが死んでははいない?」
[〉重傷だというのか。鍋など啄かずに今すぐエルピスの元に駆け出したい気持ちになるのを抑える。

「報告は……知らないんだ。僕は夏休み中、ずっと……個人的な、調べ事を。
 風紀の仕事もだから、休ませてもらって……。
 ……ッ それだけ、簡単に言えるってことは、エルピス、すぐに、治るん、ですよね……?」

リビドー > 「……キミに意地悪しても仕方ないか。
 治った後の再調整だよ。全く、キミも小動物みたいな奴だ。」

 溜息を一つの後、
 牛・豚・鯛。3つの具材が葵を迎えている。

「さて、それ以外でキミが聞きたい事は無いかい。
 それとも、解剖でもしてみるのかな。」

六連星 葵 >  
[〉葵にもアンドロイド用の血液は流れている。
[〉久方ぶりに「血の気が引く」話に狼狽えたが、無事との一言に大きく肩を落とし、息を吐く。

「はぁぁ、よかったぁ……」

[〉ようやく箸を一つ動かす。
[〉鍋を包みながら話すべきじゃないと葵は頭を振るう。
[〉聞きたいはことは色々とある。だがそれらは全て「エルピスと一緒に聞かねば」意味がない。
[〉だから聞くとすれば自分自身にしか関わらない部分に、自然と集約した。
[〉美味しいお肉なのだが、今ひとつ、口が味の良さを頭に伝えてくれない。

「リビドーさんは……どうして、エルピスを作ったの?
 僕は母さんが子供を作れないから、生み出した子供。
 でも、エルピスはそうじゃない。
 兵器として製造された。
 それ以上の理由も、気持ちも、あるいは、願いが……
 ないのかなって、僕、ずっと、気になってた」

リビドー > 「兵器として、と云うのは語弊があるぜ。
 寧ろ、何故兵器だと思ったのかがボクとしては知りたいな。キミはエルピスに何を見た?
 そう決めつけるモノがあるのだろう? それを聞かなければ、間違った答えを返してしまうかもしれないな。」

 平然と食事を進める。
 その表情に陰りはない。

 ――ふと、何かを思い出した様子で箸を止めて、葵を見据えた。

「ただ一つ、往年のロボット漫画風に云うなら、そうだな。
 第e型試作型英雄機エルピスは、英雄にも悪魔にもなるぜ。」

六連星 葵 >  
「僕は……兵器だよ。どんな飾り付けをしたって、人を殺す機能をつけた無機物は、兵器だから。
 だから僕は、エルピスを兵器「でもある」と、思ってるよ」

[〉それが矜持でもあり、立場の認識だ。
[〉殺傷能力を有するものを内包し、それを行使することができる被造物であるという自覚だ。

「ちゃんとそういう自分も自覚しないと、人と一緒に、住んでいけないからね」

[〉見つめ返す瞳の意思に揺るぎはない。「教育の賜物」というより、義務感が強い。
[〉それは葵を生み出した母親への恩返しの価値観であり、敬意の表れなのだ。

「英雄にでも、悪魔にも……。
 でも、じゃあ。どうして……エルピスはそんな自分に納得してないのさ。
 僕、そんなのおかしいと、思う」

リビドー >  
「否定はしない、が、それでも意見が違うな。
 エルピスが兵器"でもある"と云うのは、キミの定義で言えば同意だが……流すか受け止めるかキミの判断に任せよう。
 
 ……人を殺す機能をつけたものは何だって兵器だ。強化された人間も正しく兵器であり、
 殺人技術を身に付けたキラー・エリートや軍人だって、兵器だと思わないかい?」

[> 確かな意見が見て取れれば、その顔に興味と好機を浮かべるか。
[> "やっと食事が来た、と。"

「キミが被造物で良かっ……いや、これは無粋だな。
 率直に聞こう。兵器でなければ、自覚しなくていいのかい。人は人を殺さないと、人は兵器でないと言えるのかい。
 あるいは、兵器でなくとも人は十分に人を殺せるのかい。なら、兵器なんて要らないんじゃないか?」

[> 極論を自覚し重ね、意地悪に問う。
[> この程度の極論で黙るようなら、残念だと。

「そりゃ、自分が何者なのか分からないからだろう。
 天使なのか悪魔なのか英雄にもなれる――何にでも成り得る可能性があるから、不安なんじゃないかい。
 自分はこうであると決めつけてしまい、その上不安も何も感じなくては、それこそただの機械だ。」