2015/11/02 のログ
ご案内:「異邦人街・商店街」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──10月31日。
それは世間一般ではハロウィンの当日として広く認知されており、それはここ常世島でも同様であるらしかった。
数日前、学校にて話題が持ちきりだったこともあり、
七生も何かしらの仮装はしておこうかと準備だけはしておいたのだが。

「……んー、一人で仮装してもなあ。」

と、小さく溢したのが昨日、10月30日の夜のことだった。

東雲七生 > 不意に零した呟きを拾った相手が居た。
ここ数ヶ月寝食を共にしてきた深雪である。

しまった、と思っても時すでに遅く、
七生は深雪にハロウィンの説明をして、仮装する旨を伝えたところ。
それならいっそ深雪にも仮装して貰おう、と

──そういう事になって、今日に至っている。

ご案内:「異邦人街・商店街」に深雪さんが現れました。
深雪 > 普通なら、何も知らない少女を仮装させるなら問題は山積みである。
まず、ハロウィンという行事について理解させること。
そして、仮装という概念について理解させること。
さらには、それを承諾させること。

けれどそれらの問題は、思いのほか容易に片付けることが出来た。
そもそも内容を理解していなくても仮装は可能であるし、
彼女には仮装の最大の敵であろう、羞恥心などというものは無いに等しい。

「………それ、何のつもりなのかしら?」

既に仮装を済ませている貴方を見て、少女は楽しそうに笑っていた。

東雲七生 > 「何のって、ウェアウルフって言ったでしょ!……一応、だけど。」

むすん、と少しだけ不機嫌そうに眉根を寄せて口を尖らせる。
七生の頭には狼の耳の付いたヘアピンが着けられ、ついでにズボンの尻にももふもふの尻尾が着けられていた。
髭を頬に描くかどうか悩んだが、そこまですると狐と間違われてしまいそうなのでそれは避けたらしい。
本人いわく、人狼のつもりらしいのだが。

「それよりも!俺の事より、深雪の仮装だよ!
 ……今夜から明日の朝までの間に仮装して行くと半額になったりする店がいっぱいあるんだから。」

そう言いながら、じー、と深雪の姿を見つめる。
連れ出して来たまでは良かったものの、実際どんな姿にさせるかとなると、案が思い浮かばない。

深雪 > 「七生の場合…なんだか犬男って感じよ?」
くすくすと笑いながら、耳を避けてその頭を撫でようと手を伸ばす。
もしかして、狼の姿に変わる自分を意識してこんな衣装を選んだのか。
敢えて聞こうとも思わないが、そんなところも可愛らしい。

「詳しいのね…私にはさっぱりわからないわ。
 狼に変身するのじゃ駄目なのよね?」

誰かを驚かすのならそれが一番手っ取り早いのだが、どうも何か違うらしい。
周囲にもちらほらと仮装している人たちがいるが、どれも、誰かを驚かすためのものというようには見えなかった。

東雲七生 > 「……知ってる。」

言われなくともそんな気はしていた。
でも、だけど、誰が何と言おうと狼ったら狼なのだ。
たとえ自分を撫でる相手が仮装なしで狼に変化出来るとして、その相手からの評価が犬だったとしても。


「……そしたらお店とか入れないじゃん。」

変身すれば良いという深雪に対して頬を膨らませる。
行事の成り立ちを説明する必要があったので、仮装する意味なども説明したのだが。
昨今に至ってはただ単純に仮装する事自体に意味があるらしい。驚かせるのは、もはや二の次だ。
それに、深雪が変身した後の色々な面倒を考えるとやっぱりそれは避けて欲しいと思う。

……主に衣類の問題があるので。