2016/09/15 のログ
水月エニィ >  
「時間を稼ぐ事は出来るけれど、ちょっと相性が悪いわ。
 浄化術とやらを仕込んでも、多分やり切れないわ。」

 小さく首を横に振る。
 ……本質的に勝てない。そもそもエニィ自身があのような思念を背負うが故に否定し切る事は出来ない。
 だがエニィ自身は勝ってしまっている。あちらの仲間とは認められていない。
 故に、黒い塊は呪いに同調はすれど牙は剥く。

 ……例え浄化術を仕込んだとしても、非常に厳しいものとなるだろう。
 エニィの言葉も諦観ではなく確信として「やりきれない」と口にする。

 とは言え詠唱を始めてしまえば、一度は時間を稼ぐことにする。

「……つぅ!
 別の手段を講じた方がいいかもしれないわね……!」
 
 黒い塊は増長する。
 大斧は屋上一帯を薙ぎ払う程となる。
 ……大剣の要領で受けの構えを作り、彼へ凶刃が届く前に何とか受け止めた。
 
 

寄月 秋輝 >  
「勝たせますよ」

言い切る。
隣に大斧が迫り、それをエニィが防いでくれる。
それを認識しながら、迷いなく。

彼女一人では難しいとしても、こちらは相性がいい人間だ。
忌み子とはいえ神社の子、腐っても神性を持つ者、浄化の光の使い手。
負けるつもりは欠片も無かった。

「ではそろそろ。
 その布を剣に見立てて振るってくださいね」

カン、と地面を鞘の先で叩く。
その瞬間、エニィの布に光が満ちる。
浄化の力、布都……すなわち斬る、という意志そのもの。
まるで神器のような光の神性と断ち切るための力を注いでいく。

「……次は梅雨払いは僕がします。
 ぶった斬ってください」

水月エニィ >  
「……私がやらないと、ダメかしら。」

 強い光が布に宿る。
 東洋のものの神性が宿り――見立てとしては確かに成す。

 厭な予感はしている。
 正直な所で言えば、晴らしはすれど手にかけたくはない。
 貌に迷いを浮かべて構えを直す。
 

寄月 秋輝 >  
「それに僕はあと三日は絶対安静なので、出来れば。
 どうしてもだめなら、もう少し時間を稼いでください」

残りの魔力を高める。
大規模魔術の使える余裕、あと二回分。

(剣が使えないとなると、『太陽』は無理だな)

そうなると、あとの術は限られる。

「……成仏してください」

刀に魔力をとどめる。
もう少し発動にはかかる。

エニィがいつまで耐えられるかにかかっているが。

水月エニィ >  
「ちょ、なんでここにいるのよそれ!?
 安静にしてなさい……!?」

 驚愕のままに狼狽し、文句を口にする。
 しかしそうまで言われてしまったら、もうやるしかない。
 例え厭でもやらなくてはならない。

 ……本人にその気はなくとも、負傷を盾にされては断る事は出来ない。
 おまけに自身が原因となる負傷ならば、水月エニィはそう思う。

「ああ、もう、そんな事言われたらやるしかないじゃない……ッ!
 ……知らないわよほんっとうッ……!」

 宿した力をそのままに駆け出し、
 半ば自棄のような声をあげて剣を叩き付ける。

 斬れはせずとも効果は絶大。
 黒い影は一撃の元に形を崩し、その場に落ちた。
  
「これでいいのよね……。」

 弱った顔を見せぬように夜空を見上げ、呟く。
 ……その最中、黒い塊は縋る様に水月エニィの中に沁み込んでいってしまったが。
 

寄月 秋輝 >  
「銃で撃たれた傷は、四日やそこらで治るものではありませんでした。
 でも察知したら、来ないわけにはいかないじゃないですか」

くすっと笑う。
優しい女性だ。

悪態をつきながらも、その布剣を振るって影を消滅させた。
術は成功、彼女も十二分に強かった。
ふぅ、と一つため息をついて。

「……ありがとうございます。
 でもあとはエニィさんですね。
 ああいうのと戦ったあとは、後処理が必須です」

待機させた術を起動する。

神性そのもの、浄化の力。
静かに静かに、あるべき場所へ帰ってほしいと願う力。

「祓いたまえ清めたまえ。
 あなたの魂に平穏を」

ふわり、光でエニィを包む。
取り込んでしまったであろう、残りの影を浄化させる。
斬りつけた影たちも、残らず浄化していくだろう。

水月エニィ >  
「それは駄目。」

 確かな意志を以って、浄化の光に"叛逆"した。
 ……晴らされない願いは届かない。

「貴方がしたならそうする責務はあるでしょうけれど。
 私にさせたのだから、せめて私に背負わせて弔わせて頂戴。私の矜持を踏み躙らないで頂戴。」

 相手は魂ではないし、命でもない。思念だ。
 それでも望まぬ力づくを成したのだ。
 この思念は私のものだと言わんばかりに口を尖らせる。 

「だって、そうじゃなきゃ……あまりに……無様、でしょう?
 迷惑を掛けてまで来たい気持ちは仕方がないけれど……此処から無理矢理にするなら、呪い殺すわよ。」

 皮肉を口にし、慈しみと怒りと哀しみを露わに睨み付ける。
 無理矢理にやろうものなら噛み付かれそうだ。 
 

寄月 秋輝 >  
ぴたりと術の展開を止める。
まとめて自分の内側に、その魔術の魔力を回収した。

「構いませんが、その分の処理は確実に。
 妖に近い悪意の塊ですが、また集まればああなりますから」

くるんと刀を回し、腰に吊るす。
周囲を霊視で見渡す。
まだ点在しているらしい。
あれらも浄化しておかなければならない。

「あなたのプライドを護った結果、今回と同じことが起きたら、寝てても叩き起こして、次は確実に浄化させますので。
 わかっていると思いますが、それがあなたの負う責任ですよ」

見逃した結果、次の悪夢に繋がるなどとまっぴらだ。
本当ならこの場で全て消してしまいたいのに。

ふわりと浮いて、屋上の端へ。
ここから一番近い者たちを浄化させにいかねばならない。

水月エニィ >   
「ふん、その時はやってみなさい。
 それで勝ってこそ本当の勝利かもしれないわね。
 悪意であっても人が思念。迷えるからこそ少しばかりの恩赦はあるべきよ。
 ……ええそうよ。どの道、これらに還る場所などないことは分かっている。」

 苛立たしそうに語気を粗くする。
 影響は出ているのかもしれないし、出ていない素なのかもしれない。
  
「……ああ、罰を決めたわ。
 今から行かず、四日間は絶対に安静にしていること。
 そうでなければ、武器も魔法も異能も技術も使わずに臨む事。

 さっき見た限りでは何人もいた。怪我人が行かずとも十分よ。
 ……それとも、自分の手でしないと気が済まないのかしら?」
 

寄月 秋輝 >  
「いいですよ、では武器も魔法も異能も技術も使わずに行きましょう。
 これで罰はしまいですね?」

端から体を離す。
飛んでいけないなら、歩いていくしかない。

「自分の手でしないと気が済まない?
 当然でしょう。
 他にも『恩赦を』なんて言って悪意を浄化させずに置いておくような人が居たら困るので。
 体一つでもいいから、僕が言って成仏させないと気が気じゃない。
 明日以降、学校であんなものが溢れたらなんて考えたら、今日中に、僕が非情に徹してやらないと」

屋上の扉を開け、そこから一歩。
約束通り、技術を断っている。
事前の記憶はあるが、どこに奴らがいるかの細かい情報はもうわからない。

きっとこちらの世界に来て、一番というほどに険しい顔をして。

「それは優しさでもなんでもない。
 ただ混沌を招くだけの悪意だ」

水月エニィ >  
「正義の元に争うような無慈悲な弾劾よりはマシよ。
 ……誰もを信頼せず、自分で成したい所は一緒ね。」

 溜息の後に、見送りながら声を掛ける。
 ……今は少しばかりの余裕がある。お願いを聞いてくれている以上、
 侮蔑にだって苛立つものは覚えない。

「ええ。認めましょう、貴方の正義を。貴方の行動も善意なのでしょう。
 ……その上で私の正義だって認めさせてあげるわ。だから臨むのならば間近で見ると良いわ。
 貴方が認めない隣人の心も、赦さない弱者の叫びも、そんな能力が無い方が良く見えるでしょう。」
  
 

寄月 秋輝 >  
目を細める。
異能は切っても、体質的に夜目が効く。
近くには居ない、感覚でよくわかる。
経験は、体に叩き込まれた感覚は嘘をつかない。
時にそれは、異能や魔術よりも鋭敏。

「弱者の叫び声なら、いくらでも聞いてきましたよ。
 自分の声も、大切なものの声も、僕が斬ってしまった人の声も。
 ……助かりたいという言葉を何度も」

唇をかみしめる。
悪意は、ゼロから悪意なのではない。
苦しみ、あがき、報われぬままに膨らんだ感情だと秋輝は知っている。

「……だったら、僕は……少しでも助けたい。
 こんなところをさまよっている子たちを、少しでも綺麗なところへ帰らせたい」

振り返り、悲しげな表情を見せる。

「……あなたと僕の『恩赦』は、あまりに離れすぎていた」

歩いていく。
小さな靴音が、だんだん離れていくだろう。

水月エニィ >  
 正義と手段の違い。それが諍いを産む事は良く分かっている。
 そのような歴史は知っている。
 ……彼に助けられ/与えられた勝利によるものか、不思議と以前ほどは激情しない。

「その上で臨むなら、止めるものはないわ。
 ……ええでも。それならば尚更そうして頂戴。
 勝たせれくれて、改めて思ったの。……勝てる程の力は、弱かった私を忘れさせてしまう。」

 震えるような声を確かに耳にし、頷く。
 それでも取り消さないし、曲げはしない。

「勝ち続けていない私には分からないけれど……
 ……いまだけでも考えは変えないわよ。」

 勝ったことが無い。
 故に斬り続け、正義を成し続けた気持ちが水月エニィには分からない。
 
「また会いましょう。
 会いたければ会えるでしょうし、会いたくなくても相対するでしょう。」

 聞こえるか聞こえないか、いるかどうかすら分からない距離で小さく零し。
 彼が去るまで時間を置いて立ち去った。
  

ご案内:「夜の学校・屋上」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「夜の学校・屋上」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「寄月家」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
色々あって事件の末。
なんとか怪我はせずに帰ってきた。

のだが、何故か玄関のドアがブッ壊れていた。

侵入者かと思って中を調べたりもしたが、どうやら何か盗られたとかいうわけでもないようだ。
訝しみながらも、ドアをとりあえずたてかける。
開けっ放しでは不用心にもほどがある。

(……しかし誰がこんなことを?)

悩む話だ。

寄月 秋輝 >  
というのも、ドアの破壊のされ方だ。
外に開くはずのドアが内側にあった。
普通侵入するなら、邪魔にならない外に放置しそうなものだが。

ついでにドアノブだ。
何故か内側のノブが粉砕されている。
外側ならわかるのだが、内側だ。

(レンファさんが壊したとも思えないし……)

本当によくわからない。

がたがたとドアをはめて、とりあえず扉の形にしておく。
明日業者を呼んで直してもらうしかあるまい。

「……なんで?」

もう一つ首をひねっておいた。

ご案内:「寄月家」にアイリス(RK1115)さんが現れました。
アイリス(RK1115) >  
街中にさらには山間まで駆け抜けて最速とも言える早さで落第街から寄月家までたどり着く
彼女の足を持ってすれば電車を使うよりもショートカットを駆使して走り抜けた方が早い
その代償にバッテリーをかなり使ってしまったが主の危機の可能性を考えれば安い物である

そうやって帰ってきてみれば寄月家は今までと同じにたたずんでいた
否、おかしい

自分がドアを壊してしまったはずである
不覚ではあるがその後片付けをした覚えもない

それが体裁を整えるように玄関にはめ込まれている

「・・・・・・侵入者」

そっと臨戦態勢を取る

寄月 秋輝 >  
ひとまずドアは出来た。
これでよし、と息をついて、ひとまず茶でも飲もうとするのだが。

何やら駆け抜けるような凄い足音。
しかも近くで立ち止まった音。

(……犯人は現場に戻るとはいうが、まさか……)

実際下手人が帰ってきたのだが、それが我が家のメイドとは知る由も無く。
刀を手に警戒態勢。
腹の傷が開かないことを願いつつ、ドアを外に向けて思い切り蹴とばし、先制攻撃をしかける!

アイリス(RK1115) > ドア手前でぴくりと立ち止まる
木の板を一枚隔てたすぐ向こうに人の物音
そしてあちらもこちらに気付いている気配
逃走時に遭遇したか

(―――このままではかち合う)

相手の人数がわからない状態でそれは避けなければならない
立てこもられでもしたらことである
主の家を戦場にするなど許されることではない

そう判断するやいなや飛び上がり玄関の軒に張り付く
とそれと同時にドアがはじけ飛んだ

留守を守るのはメイドのつとめ
主が生死不明だろうとそれは変わらない

鞘をつけたまま刀を抜きはなち軒を蹴る

不届きな輩に天誅を下そうと―――

寄月 秋輝 >  
刀剣の振るわれる、風を斬るような音。
それに向きを十字に合わせる形で、刀を振るう。
万が一、人体に直撃しても斬れないようにはするのだが。

オリハルコンの刃と、単分子ブレードがかちあう。
折れない刃と、ブレードが接触する凄まじい感触。

「ってぇ……!」

完治したとは言い難い腹に響く。
痛みに耐えながら、玄関からわずかにバックステップで距離を取る。

そこで、ようやく相手の顔を見れた。

「……アイリス……?」

呆然とした顔で、名前を呟く。
少しだけ諦めかけていた、我が家のメイド。
帰って来たのだろうか。ようやく。

アイリス(RK1115) >  
完全に機を制したと思われる攻撃をなんなく受け止められる
それ以前に通常人間が予期しない頭上からの攻撃に反応して見せた

(これは―――かなりの手練れ)

かかげた腕で顔はよく見えなかったがとてつもなく腕が立つのは今の交差で身に染みてわかった

そして即座に距離を取られる
それは屋内に再度入られることを意味する・・・!

「逃がしません!」

着地と同時に体を捻り地面を蹴る
そうして一瞬でその距離をつめ―――

「ご主人・・・様?」

と、気付けば空中で呆けた顔をさらしていた

寄月 秋輝 >  
「アイリス……っ!」

脇腹が痛み、体を起こせない。
血が出ている感覚は無いが、痛みは明らかにぶり返してきた。
飛んでくるアイリスを受け止めることもかなうまい。

おちてくるメイドを、待つしかない。

アイリス(RK1115) >  
こちらも流石にこの距離で急制動もかけられず
空中で身動きが出来るわけもなく

(止まれない・・・!)

刀を手放すしギュッと目を瞑ると
そのまま秋輝の胸へと飛び込んだ

寄月 秋輝 >  
魔力で体を覆い、身体能力も強化して、出来る限り衝撃を減らす努力をする。
なんとかなると信じて。

飛び込んできたアイリスを抱きとめる。
120キロほどの体重に、あの重さのメイド服。
当然凄まじい衝撃が体を襲う。

今度こそ腹の内側で傷が開き、内出血するのだがそれには気付かず。

なんとか抱きとめたまま、微笑んだ。

「……おかえりなさい、アイリス」

アイリス(RK1115) >  
ほとんど体当たりに近いそれを見事受け止めきって見せたのは流石と言うべきか

「は、はい・・・
 ただいま帰りました」

まるくなり抱き留められたまま応える
おずおずと顔を上げ目が合うとそこでようやく微笑んだ

ロボットにも緊張の糸という物があるのかはわからないが
張り詰めていたものが解けたのだろう
ぐったりとその身を預ける

寄月 秋輝 >  
「帰るのを待っていましたよ……」

ぎゅっと抱きしめる。
待ち続けた恋人に、ようやく出会えたかのように。

「手荒なことをしてすみません。
 怪我はありませんか?」

むき出しの背中を撫でさすりながら尋ねる。
メイドとは気付かず、刀を振るってしまったのだ。

アイリス(RK1115) >  
「はい大事ありません
 ご主人様こそお怪我は・・・・・・」

自分を受け止めるときにうめき声を聞いたような気もする
有効打は入っていたようには見えなかったが何か他に怪我があったのかも知れない

主人を盗人と間違えるなんて、と申し訳なさそうに縮こまる
それどころか早とちりで慌てたあげくドアを壊したのも自分である

怒られようとも言わねばなるまい

「その・・・・・・ドアも・・・・・・」

寄月 秋輝 >  
「大丈夫……とは言えないかもしれませんね。
 ちょっと色々あって、怪我で入院していたので」

少し困ったように笑う。
この話をしたら、またこの子は責任を負ってしまいそうだ。

「……ドア?
 ああ、最初から壊れていましたし、僕が蹴とばしたんですから気にしないで。
 アイリスにドアが当たらなくてよかったです」

気にしないようにと言うが、どこまで通じるか。
まずはアイリスが落ち着くまでこのままでいたい。

アイリス(RK1115) >  
「そんな!
 それじゃあ退かないと―――」

と慌てて立ち上がろうとする
ドアを壊したのが自分だと言いそびれてしまったがそれにもまして主人の怪我の方が大事だ

が起き上がろうとして、腰が砕けたようにへたり込む

「申し訳ありません・・・・・・
 ずっと全力で駆け回っていたもので・・・・・・
 強制休止モードに入ります」

メンテ明けであること、夜間であることも災いした
ほとんど充電できないまま戦闘行動に入ったためにバッテリーの大半を使い果たしてしまったのだろう

完全に力を抜いたように覆い被さる
今は感覚器程度しか動かせない

「その・・・・・・重くはありませんか?
 どけていただいてかまいませんので―――」

うつむきがちに応えた

寄月 秋輝 >  
「ずっと全力で……って。
 まさか今夜ずっと?」

それはさすがに疲れるものだろう。
仕方がない。

「大丈夫、重くありませんよ。
 ……でも少し大人しくしていてくださいね」

全身を再び魔力で覆い、アイリスを抱いたままふわりと浮く。
飛行魔術を展開したのだ。
150キロの女性を抱えるだけなら、普段の訓練と変わらない。
万全な状態だったらの話だが。

腹の傷跡が死ぬほど痛む。
脂汗を浮かべながら、アイリスを連れて寝室まで飛んだ。
普段彼女が充電している場所へ。

「……っふ、ぅ。
 今日はゆっくり休んで……明日から、また仕事をしましょうか」

微笑んで見せる。
アイリスの帰還、喜びで痛みは耐えられる。

アイリス(RK1115) >  
「はい、その・・・・・・いても立ってもいられず」

島を横断するような距離をやすまず走っているのだ
当然と言えば当然かも知れない

そうしていればお姫様だっこで運ばれてしまう

「そんな!いけません!
 そのあたりにおいて置いてもらえれば朝陽ですぐに動けるようになりますから」

そう言っても聞く主ではないのだろう
今の状態では暴れることも出来はしない
あれよあれよという間に寝室へと運ばれてしまった

「はい・・・・・・ありがとうございます」

窓際へとそっと下ろされる

自分の定位置へと戻ってきた
そう感じるのだった

寄月 秋輝 >  
「……こういう時、女の子は甘えておくものですよ、アイリス」

定位置にアイリスを戻し、自分もベッドに腰かける。
待っていた人が帰ってきたことが、これほど落ち着くとは。

「ではお互い、今日のところは休みますか……
 風呂もまだですが、明日にしましょう。
 僕も帰る前に動いてしまったので……」

ぐっと伸びをして、ベッドに横たわる。
すぐに微睡んでくるが、最後にアイリスにもう一度笑みを向ける。

「……おかえりなさい。
 僕を心配してくれたこと、嬉しかったですよ」

そう囁き、目を閉じた。

アイリス(RK1115) >  
女の子扱いというものに違和感というかむずがゆいものを感じる

「甘える・・・ですか」

なかなか難しいことを言う
ともあれ主人もつかれているようだ

話もまたこれからたくさん出来るのだろう

「はい
 ただいまかえりました、ご主人様
 おやすみなさい」

そういって彼のまどろむ姿をみつめて微笑んだ

ご案内:「寄月家」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「寄月家」からアイリス(RK1115)さんが去りました。