2015/07/14 のログ
ご案内:「転移荒野のまだ比較的安全そうなところ。」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > ただただ広い原っぱの上、
てっぺんまで昇ったお日様を隠す様に白い竜が飛んできた。

おもむろに原っぱへと降り立つ竜。
夏の入道雲の様な真っ白な鱗に覆われて、どこかで見たことあるかもしれない羊の角と、リボンのついた大きな尻尾。
体長は2mってところだろうか。

その眼は、爬虫類独特の鋭さを持ち、目の奥には殺意にも似た炎を灯す。
気が立った竜にあてられて、小さな動物達は震え、逃げ出す。

そう、彼女に取っては今日は決戦の日。
遂に“やる時”が来たのだ。

テリメーラ > 普段は大人しく物静かな彼女だが、今日は別だ。
地平線まで響き渡りそうな雌叫びを上げる。

「ぎゃおーーーーーっ!!」

字にすると何だか可愛らしいが、多分間近で見たら失禁するほどの迫力はあると思う。
まだ大丈夫と羽を休めていた近くの鳥たちが騒ぎだし、飛んで逃げだす。

それだけ今日は気合が入っているのだ。

テリメーラ > (よしっ!行くぞっ!!)
腹を括り、空へと羽ばたく。
向かう先は、商店街。

遂に因縁の対決。
もしかしたら血を見られるかもしれない。
そう、ドラゴンが町に向かってすることなどただ一つ…。

ご案内:「転移荒野のまだ比較的安全そうなところ。」からテリメーラさんが去りました。
ご案内:「商店街 電気屋さん」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > と、言うことでお空の上でいつもの姿にチェンジ。
商店街前で乗ってきた雲からひょいと降りる。
平日お昼の商店街とはいえ、夏休みも始まって人だらけだ。

(まだ目的地についても居ないのに…これだけ人が多いと緊張しちゃうな・・・)

踏まれちゃわないように、いつものクッションの代わりにリボンのついた尻尾をギュッと抱きしめ、あっちにふらふら、こっちにふらふら、人をよけようとして逆に邪魔になりながら進んでいく。

テリメーラ > もう何回謝ったのか、人を避けようとして逆にぶつかりそうになること十数回。
たった50m程の距離しかなかったのにもうへとへとだ。
帰りたい。

やっと目の前に現れたお店の自動ドアが何だか楽園の扉に見える。
まだゴールどころかスタートにすら立っていないのに。

テリメーラだって知っている、このドアは勝手に開いてくれるヤツだ。
こう、ココに立てば。
(・・・あれ?)

開かない。
首を傾げる。
やっぱり開かない。
ちょっとジャンプしてみる。
やっぱりぜんぜん開かない。

いつもならスッと開くはずのドアが全然開かない。
中に人もたくさん見えるからお休みではないはずなのに。
自動ドアを開ける係の透明人間さんが自分に気付いてないのかも。

抱えていた尻尾から手を離して、気づいてもらえるように両手を上げて大きく手を振ってみる。

テリメーラ > ぎゃああああああ!!
テリメーラ > 大凡少女の上げる悲鳴ではない。

が、仕方がない。
尻尾を通りすがりの誰かに踏まれてしまった。
こんなのってないよ。

慌てて尻尾を抱えなおして、じんじんとする踏まれたところを眺める。
大声を上げた恥ずかしさと、尻尾の激痛でジワリと涙が溢れそうになってしまう。
まだ初めてのお使いは始まったばかりだ、こんな所で挫けてはいけない、と口を結ぶ。

ピンチの後はチャンスあり。
大声と自動ドアの前で奇行を繰り返す異邦人を見て、店員さんが駆け寄ってきてくれた。これなら自動ドアも開きそうだ。
まずは一歩前進。

ご案内:「商店街 電気屋さん」にルフス・ドラコさんが現れました。
ルフス・ドラコ > とてとてと、至極平凡で平和な音を立てて満腹の少女が商店街まで歩いてきた。
早寝早起き、三食しっかり取り、適切な運動とちょっとした着火が有れば半日くらいは正気が持つもので、意外と人中で暮らせるものだと思う。

とは言えこうして人間との違いを自覚しながら暮らしていると異邦人への眼の向け方も変わってくる。
特に……自分と同じ、龍については。
いえこの島で初めてみたんですけど、あの子って龍じゃありませんこと?

どのみち目的が有って歩いていたわけではなく、電気屋に入ろうとする小さな少女の後ろにさり気なく向かう。
ドアに並んでいるふり。

テリメーラ > 少女と営業妨害を心配して駆け寄ってきてくれた優しい店員のお兄さんに「ダイジョウブ・・ダイジョウブデスカラ・・」
と必死に誤魔化しつつ、入店していく。

まだまだ尻尾には鈍い痛みが残るし、店内には人も多いのでしばらく抱えたまま。

ルフス・ドラコ > 「……いやいやそんな、まさか見た目通りの年齢とか」
どうも世慣れしていない雰囲気を感じる。
世慣れというか、人界慣れしていないというか。
そもそも踏まれるくらいで痛そうなしっぽを、わざわざ抱えなくてはいけないということは……

「そこの、かわいいリボンのしっぽをお持ちのお嬢さん」
「何かお手伝いしましょうか?」
気づけば、声を掛けていた。一人で居るなら手を貸す、いつもどおりの行動方針で。

テリメーラ > 声をかけられた。
聞き覚えの無い声だなぁ、と後ろを振り向く。
やっぱり見たことの無い人()だ。

自動ドアも開けられず、尻尾を踏まれて慌てふためく自分を心配して話しかけてくれたのだろう。
けど、手伝ってもらうことがあるかな、と考えると・・・
「あ、えと、だいじょうぶ・・・です?」
無いと言い切れない。
自分の事なのに語尾が疑問で上がっている。

ルフス・ドラコ > ちらちらと、悪戯心が疼く。
悪戯心であるうちならまだマシか。
この身に宿る赤龍は縄張り争いなんて本能の持ち合わせもあるし、
ついでに言うと、幼気な者をいたぶるのに一ミリの呵責もない。

……つまり悪戯心として発散したほうがいいのだから、別に悪いわけではない。合理的な判断。
本能に負けたわけではないです。

「ほんとうに大丈夫ですか?」
「周りをよく見てないと、また尻尾を踏まれてしまいますよ。
…だって、いつまでも持っていたら腕が疲れてしまうでしょう」
平坦な表情は変わらない。瞳が少しだけ紅く揺れる。

「探しものが終わるまで、何回踏まれてしまうか…わからないですよね?」
少しだけ上げた口角に、牙が覗いたような錯覚を覚えるかもしれない。

「是非とも、手伝わせて欲しいのですけれども」

テリメーラ > 「ダイジョウブです!意外と軽いからー」
違うそうじゃない。
でも実際尻尾に着いたリボンのお陰で大した重さは無い。
それに、もう今日は死んでも尻尾を離さない。
いや、死んだら離すけど、あの痛みは軽くトラウマになりそうだった。
うっかりはなすなんてことは絶対にない。重くてもだ。

「それに、汚いから持ってもらう訳にもいかないですし」
身長の割に大きな尻尾は、人間の姿をしているときいっつもずりずりと引きずられているため、ところどころ泥がついていたりする。
それを見ず知らずの人に重いから~なんて持ってもらうのも忍びない。

と、2つほど理由を挙げて、ちょっと下手な笑顔で説明してみたたものの、
せっかくの親切心をむげにするのも申し訳ないなぁと思う。

「でもせっかくだから・・・」
とは言っても、何を手伝ってもらおう。