2015/07/15 のログ
ルフス・ドラコ > 「あら、見た目に依らないものですね」
厚鱗に覆われてるわけでもないからなのでしょうか、とか呟きつつしげしげと眺める。
その尻尾を抱えている少女ごと、上から下まで。
可愛らしい服に可愛らしいリボン。奥ゆかしい性格。
……美味しそう。

「その可愛い洋服が汚れてしまうより、私が手でも洗うほうがいいかな、とも思いますけれど…」
ルフスの服装は半袖である。元よりラフに使うための服装なのでそれほど気兼ねはしない。
気兼ねしているのはこのちいさな少女の方だ。
これ以上気を使わせるのも悪いし、そのうち機会が有れば、と判断を先延ばしにした。

「ええ、せっかくですから。…何か探してるなら手伝いますよ。
任せてください、人間歴なら十年選手です」
ただしブランクが十年あります。

テリメーラ > なんだかじっくり見られると恥ずかしい。
尻尾の先っちょをぴこぴこと動かしてしまう。

・・・でも、自分の中の野生が、この心をくすぐる様な違和感は恥ずかしいだけじゃないぞ、と警告を発しているような。
まぁきっと気のせいだろうと流してしまうが。

「えへへ」
自作の服を可愛いと言われてはにかみ。
重要なのはそこではないが。

「でも、大丈夫です。コレも替えがありますから。」
とやっぱり尻尾を持とうという提案は断る。
服の心配までしてくれるなんて、親切な人だ、とは思うもののやっぱりこれを持たせるのは忍びない。

しゅるしゅると尻尾を自分のお腹辺りに巻きつけると
「そのかわり、お手伝いお願いしますね。
ケータイデンワって言うのを探しててー」
と手の平からもくもく雲を出して成型。
あっという間にガラケー(形だけ)を作りだす。

「こんな形のやつなんですけど。」
とにこにこ笑いながら貴方の方にそれを差し出す。

ルフス・ドラコ > 揺れるしっぽを見つめるその眼はどういうものかというと、
踊り食いとして船に乗せてお出しされた海老を見てるような目でした。

「なるほどなるほど。…見た目に依らないものですね」
今度は少女自身について。
服が必要と言われて一着しか持っていない異邦人は確かに存在する(常世調べ)
かく言うルフスもその類であり、魔術処置と隠し道具が目一杯施されたディアンドルめいたこの服、一張羅である。他の服の替えは有るけれど。しかし。
尻尾を踏まれて右往左往していた第一印象とは裏腹に結構そこそこデキる子なのでは…?
……美味しそう。

「そうなのですか、ケータイを。」
差し出されれば、受け取る。
……上部がひとかたまりで、下部がさいの目切りされたおとーふのようなそれは、自分の記憶の中の携帯電話と確かに一致する。
「こんな形のやつは探していないのですね?……あ、触ると危ないですよ」
受け取った右手と逆、左手に炎でただの板…スマホの形を作り出す。
「まあこれは最先端機器ですからね、初心者が使うには難しいかもしれません」
※彼女が話しているのはWindowsMobileと呼ばれたスマホのことです

「とはいえ、どっちにしても売り場は向こうですね。
…あ、そうそう欲しい機能とか有ります?GPSとか防水とかFelicaとか…」
つま先立ちして売り場案内を見つつ、手で行く先を指さした。
意外と、話しだすと早口に。

テリメーラ > 目線には再び違和感。
ちょっとだけ、なんだかおかしいぞと思い始めたが、2回目だし、まだ気のせいレベル。

「この服もさっきのと同じ雲で出来てますからね」
ふふん、となんだか自慢げだ。
見た目は本当にただの薄い布に見えるし、良くできているといえば良くできている。

「わぁすごい・・!」
貴方の左手に現れた炎を見る。
彼女は自分にとっての雲と同じように炎を扱うことができるのだろうか。
と見とれてしまう。おっとっと、それじゃなかったと首を振って。

早口の彼女の説明を聞いても、何だか謎の単語が多い。
良くわからないまま貴方についていくように売り場を目指す。
「でもただの板みたいな・・・先生に聞いたのとは違うかも・・」
「とりあえず、電話とか?できればいっかなって思ってます。
お友達に、悪い人に襲われたときに使いなさいって言われただけだあから。」
機械に慣れていないことは自分でも良く知っている。
そんな難しいケータイなんて使えるハズ無いだろな。
先生に聞いた形の携帯電話を探すことにしよう。

ルフス・ドラコ > 「雲を操れるんですね、羨ましいです。
私の炎はそういう風に使うと、その…不便なので」
椅子に座れない、電車に乗れないなどが挙げられる。
先日ディアンドルがボロ布になった時に検討はしてあったのだが、そんなことはさておき。

「あまり見たこと無いタイプの竜のお嬢さんなんですね。
ウチの地元では火か氷か雷の御三家が鉄板でしたけれど。」
そして大体ブチのめしました、という後半部分はとっておく。
レアな子で美味しそう。いえ、まだレアにしたわけではないですけれど。

「なるほど。電話だけ出来ればですね、それでしたらどれを選んでも大丈夫ですけれど……」
「悪い人に襲われた時、場所を簡単に教えられるのがじーぴーえす、という機能なんですよ」
「それと、その雲がもしも普通の水分を含んでいるのでしたら…通常の携帯電話は水に弱いので、防水にした方がいいかも、ということになります」
ひとつひとつ、丁寧に。
欲求を解消する方法を紹介することで、その欲求を生み出す。それが販売戦略というものである。

「それで、フェリカというのはおさいふがですね…」
売り場について、はたと気づく。
「そういえば、お嬢さんはお財布、持っていますか?」
デキる子さんなこの竜の子なら、忘れたということはないだろうけれど。
……金額の想定が下回っている可能性はある、と値札を見た瞬間に思い出したのだ。

ちなみに言いつつ、先ほどのGPSと防水のついた機種を探そうとしたらだいたい付いていたので隔世の感を感じている。
そして種類がだいぶ少なくなっていたので想定していた選択時間が大幅に短くなった。

テリメーラ > (それもそっか・・・)
炎を服やら乗り物にしちゃったら大惨事だ。
そう意味では雲でよかったかも知れない。

(っていうかもう竜ってバレちゃってるし・・・。)
これはもう人間の振りをする方が無理かもしれない。
わかってたことだけどちょっとしょんぼり。

「珍しいだけでそんなにたいしたモノではないですよぅ」
えへへ、と頭を書きながら照れている。
なかなかうれしい。

てこてこと歩いて売り場に着き、並びまくる画面を見て
「テレビかと思ってた・・・」
とぽつりと呟きつつ。

「でもそれなら、じーぴーえすとか、ぼうすい、くらいはあってもいいかもしれないです。それは必要そうですしね」
こくっくと頷く。最近の電話はすごく便利だ。というか。
電話って電話だけするものだとついこの間まで思っていた便利すぎてびっくり。

「あ、お金はありますよ」
とパーカーワンピのお腹のポッケをごそごそ。
取り出したるは現ナマ。束になっている。コレは完全に子供が持っていていい額ではないヤツだ。100枚はある。
・・・よってお金の心配は大丈夫そうだ。

ルフス・ドラコ > しょんぼりした後に照れ始める様を見ていると、
今泣いたカラスがもう笑うって感じでたいそう可愛らしく思えて、
ついつい撫でやすそうな頭に手を伸ばしてしまったり。
「竜から見て竜がわからなかったら驚きだと思いますけれど」
なにしろわかりやすかったので心情を推察しつつの言葉。
「そういう眼で見なければ可愛らしいお嬢さんですよ。もちろん竜としても可愛らしいですけれどね」
大した可愛さじゃないですかー、とか言いながら撫でられたら撫でている。

「……いえ、テレビも、見られますよ」
混乱を招くので言わないほうがいいかなと思いつつ、
でも混乱してるところみたいなあという気持ちを抑えられず、ルフスの口から言葉が漏れた。
「まあ初めのうちは簡単でわかりやすいところだけ覚えれば大丈夫ですから。
防水とかGPSは自分で何かするような機能でもないですので」
慌ててフォローしつつ、さきほど選んであった携帯を二、三機種挙げる。
「この中から、あとは好きな色とか形を選べば大丈夫だと思いますよ。」

「そうしたらあとはお会……計…」
不意に後ろを向いた。次に、テリメーラの体を覆い隠すようにしながら左右を確認。
「しまってください。……出来れば、早く。私の眼に毒なので。」
平坦だった表情がちょっと焦っている。

テリメーラ > 「え、お姉さん竜だったんですかッ!?」
と驚愕。
まっっっっっったく気付かなかったご様子だ。
びっくりついでに一歩下がって、なでなでを避けてしまう。
(他の竜には気を付けろって言われたけど、あんまり悪い人じゃなさそうだけどなぁ・・・)
なんて戸惑ったり。
・・とりあえずはお店の中では暴れられないだろうし、何より親切にしてもらってるし、きっと大丈夫だろう。きっと。

それはさておき携帯の話へ。
「テレビもできる・・?」
案の定ちょっと混乱し始め。
テレビですら良くわかってないというのに。
というか、自分の見たテレビは、白黒で、もっとどでかかったのに、いつのまにかこーんなに小さくなってるとは。
もしかしてからかわれてる?なんて疑ってし合う程。

そのうえ、じーぴーえすとかの話もされちゃうと、単語だけで混乱しちゃいそうだ。

「え、えと、うん、わかんないけど、使い方わからなかったらお友達にきいてみよっかな。」
ということで納得することにした。
どうせみんなに番号を聞かなくっちゃいけないのだ。それは知ってる。

「じゃあコレの水色にします!」
なんだか画面が小さくて使いやすそうなヤツに。
そして、自分の髪と同じ水色に。
ふふふ~とご機嫌だが、無表情だった貴方が焦っているのを見て、慌ててお金をしまうだろう。

ルフス・ドラコ > 「……え?」
平坦な表情から口元がぽかりと開いて息がこぼれた。その隙間からは牙の幻影が…多分今は見えない。
「え、なんとなく分かるものじゃありません?ほんとに?」

確かにこの島に来てから初めての竜との遭遇、
地元じゃブイブイやってましたがもしかするとあそこの竜の固有の能力というやつなのでしょうか。
あ、これってもしかして、今の私ってお上りさんっぽい?
私が芋っぽいから同族だと思いたくなかった的な行動を取られていて、実は今の今まで引かれていた…?
「わ、私の方が都会っ子に侮られていた…?」
……初対面でなんだか強引に親切心を押し付けようとしたのもそれっぽい。
開いた距離を埋められずに平坦な表情のまま愕然とするルフスである。

「そ、そうですよね、お友達が居るんですしね、そちらの方に聞いたほうがよろしいですよね…」
ショックが抜けない。
「それじゃ、お店の人にある程度話をつけてきますから…
さっきのお金はしまっておいてください、絶対です、絶対ですからね……いけませんよ……」
そのままスーッとカウンターの方に向かうと、何やらあれこれ話している。
規約をテリメーラにわかりやすいように掻い摘んだり、プランをほとんど通話のみの最安値にしたり、という打ち合わせをしている。
ショックが抜けていないのか、顔つきは変わっていないがなんとなく話し方が重苦しい。

テリメーラ > 「な、なんだかごめんなさい・・」
急に申し訳なさそうな顔に変わっていく。
お腹に巻き付けていた尻尾を抱くようにして、リボンで口元を隠す。

「ボクは他の竜にあんまり会ったことが無いから…」
竜もそれぞれ、と言ったところだろうか。
少なくとも彼女にはその様な能力が無かったみたいで。

なんていっていたら無表情のまま、見る見る暗いオーラを出していくお姉さん。
悪いコトしちゃっただろうか。でも何が原因で?
とりあえず謝るしか無いような、なんて混乱気味に思考がぐるぐる。
「あ・・えと・・あの・・・」
なんて言っていたら、ルフスさんはカウンターの方に言ってしまった。

ちょっと自分の行いを反省しながら、帰りを待つとしよう。
やっぱりだめだめだなぁ自分、と大きくため息をついて。

ルフス・ドラコ > カウンターからルフスが手招きをしている。
もしもそちらに向かうならば、大方の話はついたらしく、
店員から『それじゃあ此処に名前を書いてくださいね、お支払いは現金で……』
とトントン拍子で対応を受けるだろう。

横に座っているルフスはと言うとなぜだかテリメーラから目を背けている。
(つい……つい、GPS機能の設定の時に自分の端末に情報が来るようにしてしまったんですがこれって確か大変イケナイことに思えますね…!)
反財団企業連合ハントマンズギルドから連絡用に支給された端末は大変イケないことが出来てしまう端末であった。
と言うか間違いなくいけないことである。

だが待ってほしい、
もしもお腹が空いていたり寝不足だったりした時に不意にこの子と出会ってしまうようなことがあったら?
その時起こりうる悲劇を防げるのは、テクノロジーの力なのではないか……?

契約が済んで、テリメーラが携帯を無事に手に入れたなら。
「……実は、私の方から言わなければならないことが有ります」
その顔つきは先程と同じく重苦しく、話しづらいことを話そうとしているようだった。

テリメーラ > 学生証を見たり、入学のときの書類を見たりして、マネして文字を書いていく。
ひらがなしか書けないので、時々店員さんにいろいろ質問したり首を傾げたり、おーっ声を上げてこくこく頷いたり。
それ以外には、お陰様で滞ったりすることも無く、あっという間に契約が終わる。

まさかGPSで位置を漏らし続けることになるとも知らず。
・・・充電するところがないので多分最初の2,3日後からずぅっと電源ついて無さそうだけどね。

やっとこさ、スマホの契約を終えて一段落。
「お陰様で助かりましたお姉さん!」
なんて言って大喜びでそちらを向くが、急に切り出された。

「・・・なんですか?」
と突然の重々しそうな話に首を傾げる。
やっぱりさっきのアレ?
アレって何かわかってないケド、いつの間にかにやってた失礼な言動の話だろうか。
ちょっと恐怖感を覚えつつ、次の言葉を待つ。

ルフス・ドラコ > 「いえ、私はちょっとした親切心からテリメーラさんをお助けしただけですから」
書類を覗きこんでいたので、名前など知ってしまいつつ。
…この親切心が田舎っぽいのでしょうかなどと思いつつ。

「……実は、私もこの常世島に来てから竜に会うのは、テリメーラさんが初めてです」
「なんだかお姉さんぶっては居ますが、ふふ、せいぜい人間暮らしが少し長くて最近だっただけに過ぎません、全く飛んだ面の皮ですね」
ちょっと自嘲的な笑いをほんの少しだけ顔の端に載せて。

「ですから、私もこの島ではいわゆる新入り、竜として暮らし始めてまだ2ヶ月にもならないド素人」
「そこで」
「そこで……どうか私と友だちになって、いろいろなことを教えてもらえないかと思うんです。
テリメーラ……先輩!」

失礼な言動なんのその。むしろそれによって自分の無知蒙昧が暴かれた!とでも言うような。
覗き見ていた学生証からか、あるいはここまでの人間界離れした言動に心打たれたか。
ともかく…竜としての先輩、と。ルフスは少女のことを捉え始めていた―

テリメーラ > ぽかーん
テリメーラ > どういうこっちゃ。
余りにも突然の申し出にぽかーんとしかできない。
ときどき目をぱちくりぱちくり。

どう見ても相手のがお姉さんっぽい。
ボクが先輩?

とは言え、相手の表情は真剣そのもの。
ここで軽々しくイヤ!なんて断ってしまう訳には・・。
落ち着くんだテリメーラ。

「ちょ、ちょっと待ってくださいね」
と両手を突き出してすとっぷ!の構え。

一回深呼吸して頭を整理しよう。
常世島に来たばっかりで、初めて竜に会って、それがボクで、ボクの方が時間長いから先輩・・・でも、ボクさっきまでお姉さんに怒られてたんじゃ・・・。
だめだ、知恵熱出ちゃいそうだ。

「えと、えと、その・・・た、ただのお友達で・・・?」

ルフス・ドラコ > びっくりさせてしまったようだけど……
「でもそうは言いますが、テリメーラ…さん。」
呼び方は一旦保留。そうして再びテリメーラさんの体をしげしげと眺める。
「私が貴女くらいの歳になるには人間として10年掛かりましたけど、
それと比べても二ヶ月ってほら、短いですし。ちょっと長めの山火事くらいしか龍やってないわけですし」

言いはするものの。先程からテリメーラがはっきりとモノを言うことを聞いてきていれば、
いくら知恵熱寸前の状態でもそう簡単には押し切れないと理解できる。
「ええ、勿論。ただのお友達からでも、大歓迎です。」
「そうですね、言い忘れてました、私の名前は……」
龍を相手にして赤龍と名乗るのもどうなのだろうと思うけれど。
でも、この水色の可愛らしい龍に対してなら、十分区別は付けられる気もする。
「ルフス…ルフス・ドラコ、といいます。よろしくおねがいしますね、テリメーラさん。」
そう言って赤龍の少女は笑った。

「ささ、それじゃあこのお友達が携帯に電話番号を登録する方法を教えて差し上げますから」
言いながら、端末を取り出す。傍目にはちょっとビジネスライクなスマホ。

テリメーラ > 小声でごにょごにょと
「確かに今年で215歳ですけど・・・」
と。あんまり自分の年齢は言いたくないのだ。
人間と比べるとあまりにもお婆ちゃんすぎるし。

「でも!人間なら10歳ですよ10歳!
それに、今は2人とも人間の国なんだしほら、人間のルールに従いましょ!」
大人しめの彼女にしてはちょっと大きめの声で。
両手をぶんぶんと縦に振って、何とか説得しようとしている。
自分は世間知らずだし、先輩になってしまっても何も教えてあげられないし、ごめんなさいしかない。

ということで、どうやらお友達からの関係になれたようだ。
ほっと安心。
「良かったぁ・・・ということで改めましてテリメーラです、よろしくお願いしますルフスさん」
と安堵の混じった笑顔を向け、小さく頭を下げる。
ホワイトドラゴンの・・とか言うべきなんだろうか。
まぁ何ドラゴンでも変わんないか、と思ったり。
そうそう街中でドラゴンの姿で会ったりはしないだろう。


「なんだかそのケータイ、カッコいいですね」
なんて言いつつ、楽しげな雰囲気で電話番号を交換するだろう。

ルフス・ドラコ > 「ほら、やっぱりそういう数字をどーんと言わないと箔が付かないという感じがするんですよね……」
初心者特有の具体性のない憧れであった。年数=パワー。
お前より俺のほうが長生きしてるやつ見たことあるぜ、と自慢しあう小学生的な感性でもあり。
その年月の重み、という感覚からははるかに離れた適当さであった。

「でも、そうですね。テリメーラさんがそう言うのでしたら。
…人間のルールに則って、私のことはおねえちゃんと呼んでもいいですよ?」
先程と同じく、笑顔のままで。
そしてかなりの適当さで、ルフスは言ってのけた。
結局のところ、彼女が真剣にお願いした「近くで龍のことを教えてほしい」という一点は達成できているのだから、
あとはテリメーラさんが気を悪くしなければいいと…そう思っている…はずだ。
「ああ、そうそう。ルフスが紅で、ドラコは龍って意味ですから。」
「他人に話すと冗談だと思われる可能性があるのでやっぱりおねえちゃんと付けたほうが実利的にも…」
気を悪くしなければいいと…思っているはずなのだ。

「ええ、このスマホは最新式ですから。いずれ驚きの機能が明らかになります。」
無事に電話番号の交換を終えてから。
いくつか操作をすると、このあたりの地図が表示されて、ある地点にチェックマークが付けられる。
「たとえば、此処は赤竜亭という学生通りのお店で冷やし中華が美味しいんですけれど…」
「ご案内しましょうか、なんて。」
驚きの機能の一つ目は、早速明かされたりする。
折しも時はお昼時、もしも友人の少女が承諾するならば、ルフスはきちんと案内を果たすだろう。
あと、再びしっぽを持つことに挑戦するだろう。
「いや大丈夫ですって、友達ですし」

ご案内:「商店街 電気屋さん」からルフス・ドラコさんが去りました。
テリメーラ > 「じゃあ、ルフスお姉ちゃん・・かな」
なんだかちょっと照れ照れしつつ。
慣れないのと、年齢を言っちゃった手前、ちょっぴり違和感もあるし。
でも何だかちょっと、お姉ちゃんと言われたそうな気もするし、お姉ちゃんなんていたことも無いので、悪い気分じゃない。

すごーい、空から見たときと一緒だ!
とか、ボクの名前はテリがたくさんで、メーラが星っていう意味ですよ
とか、他の驚きの機能ってなんですか?
とかとかとか。
そんな話をしながら、新しくできたお姉ちゃんと冷やし中華を食べに行くのでした。

ご案内:「商店街 電気屋さん」からテリメーラさんが去りました。
ご案内:「常世神社お面屋台」にさんが現れました。
> 「さて準備をし始めよう」

私は葛篭から面を掛ける台の骨組みを組み立てていく。
そして大事に布に包んだ作品の面をそっと取り出し、掛けて飾っていった。

> 今日の面は雪女の面、童子の面、猫又妖怪の面……などなど前回とは違ったものを持ってきた。
納品予定の道化の面は葛篭から出さずにしまっておく。
見せる為にここに出しておいても構わないが出来ればやはり依頼主に一番最初に見せ、その反応が見たいと思うからだ。

> 美味しそうな匂いが漂ってくる。

「……」

匂いの元は向かいの焼き鳥屋からだ。
くっ……テロだ!飯テロだ!!
焼き鳥屋の親父が内輪でパタパタと煽ってくる。

> 『まいどぉー!!』

焼き鳥のパックを片手に自分の屋台に戻る。

「……」

……飯テロに屈して焼き鳥を買ってしまった。
許すまじ焼き鳥屋の親父!!

ふと気づくと向かいの焼き鳥屋の親父が興味深々にこちらを見ている。
私の面の下が気になるのか?

> 残念ながら私はこの狐面を外さない。
なぜなら、この面は口元部分が外れるからだ。

残念だったな!焼き鳥屋の親父よ!!
私は狐面の口元部分を外し、焼き鳥を食べ始める。
ふふふ、焼き鳥屋の親父が少し残念そうにこちらを見ているな!
二重の意味で焼き鳥が美味い。

> なお、この面は在学中でもほとんど外したことはない。
私の素顔を知っているのは一部の教師と親しい友人だけだ。

「……さて誰も面を見る者もいなさそうなので今日はこの辺で閉めるとするかな」

悲しきことかな。
葛篭を開き、順に閉まってゆく。

> ふわりとまたいい匂いがする。
これは焼き鳥ではなく、異能や魔力の匂いだ……。

とても美味しそうだと感じてしまうところがやはり私は人ではないのだなと自覚させられる。
……だが私は人を喰らおうとは思わない。
それは単に私自身が非力だからではない。
美味しそうであっても私のほんの僅かに混じった人である部分がそれを許さないからだ。

> 「さて、また来月……と言いたいところだが、納品しなくてはいけないからな。
 彼が出来上がったこの面を気に入ってくれるといいな……。」

鳥居の前で礼をし、その場を後にした。

ご案内:「常世神社お面屋台」からさんが去りました。