2016/07/02 のログ
ご案内:「転移荒野その先」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「転移荒野その先」に綾瀬音音さんが現れました。
ご案内:「転移荒野その先」にレイチェルさんが現れました。
五代 基一郎 > 前回のあらすじ。

綾瀬音音に所謂戦闘的な技術を修練させるために
レイチェルへその相手を頼む五代であったがレイチェルは今綾瀬が
どの程度何を、というのを知らなかったのもあり
その件についてはまず綾瀬音音に会ってからでも……とした。

そしてその後、綾瀬音音とレイチェルとの顔合わせ等の話をする席を
提案するもそれはただ茶会で何かと話をするよりも実地でどうこうどのようなというものを
知ったほうが速いだろうとあまり人気のない、何かしらあっても問題のない
転移荒野にてとするが三人が合流した先で転移荒野での次元断裂現象に巻き込まれてしまい
常世島のある世界から転移し、別の異界へと飛ばされてしまった。

かれこれ三日。
飛ばされた先での異界で右往左往している中、闇の勢力とこの世界の中世ブリテンのような覇権帝国との
抗争に巻き込まれながら、一路転移する”門”があると呼ばれる
はるか北方、山麗の森にある妖精の湖を目指す一行と帝国軍の一行だったが……

■帝国兵>「闇の勢力"連中"も妖精の湖を狙っているのは明白です。黒騎士”ブラックナイト”が出てくるのも時間の問題でしょう」

「なら夜にあたるのはまずいか。そろそろ日が暮れるからここで野営になるな……」

帝国軍の一行はこの平野部で野営の準備に入ることになった……
三人は宛がわれたテントの前の焚火で暖を取りつつ、休息することが許されている。
五代は慣れた手つきで大鍋で湯を沸かし、茶を淹れ始めた。

「まさか顔合わせと、異能やらについて説明するだけのための日がこんなことになるなんて流石に思いもよらなかったな」

簡易の木製マグに湯気を立てながら、茶が注がれて配られる。
簡素で素朴な味の木の実と小麦粉めいた粉を練った焼き菓子のような兵糧も一緒だ。

綾瀬音音 > (何でこうなった。

と言うのがとても、そりゃあもうとても、正直な感想である。
自分が次元断裂現象に巻き込まれてまさか異邦人になるだなんて思っていなかったし、更に言うならばその先で闇の勢力と覇権帝国の抗争に巻き込まれる羽目になるとはこれっぽっちも思っていなかった。
思うような人間の方がかなり希少だろうけれども。

とは言え3日も経てば、ある程度は順応する。
基本的に順応能力自体は悪くはない少女だった)

(帝国兵の言った黒騎士なんて小説マンガでしか聞いたことない、と思いながらも口にだすことはせずに。
テントの前に地べたに座りながら、慣れた手つきでお茶を淹れる五代からカップを受け取った。
馴染んでるなぁ、とぼんやりと思いながら)

あ、ありがとうございます。
…………人生何処でどう転ぶか解らないですね――……。
帰れれば良いんですけど……。
(お茶を口に運びながら、そんなことを漏らして。
ぽりぽりとここ3日で食べ慣れた兵糧を口に運んだ。
そこそこ美味しいものだし、取り敢えず食べないことにはまず戦闘とかそういう事以前に体力がなくて死ぬ)

レイチェル > さて、レイチェルはと言えば。
ふわぁ、と。
欠伸をしながら頭の後ろに両腕をやって、焚き火に一番近い樹の幹に
身体を預けて空を見上げているレイチェル。
あまりにも突飛な出来事であったが、それにも関わらず結構リラックスしている様子の
彼女の横には、漆黒の大剣が突き刺さっている。

「……ま、帰る為にこうやって行動してる訳だから、今どうこう考えたって
 しかたねーだろ。妖精の湖に行きゃあ、門があるって言うじゃねーか。
 まずそこに行って、ダメだったらダメだったで、その時考えりゃいいさ」
と、綾瀬の言葉に返しながら、軽く、適当に手を振る。

五代 基一郎 > 「闇の勢力が妖精の門を手に入れれば他の世界にも侵攻を始めるだろうしその前に、というところが今の目標だな……」

綾瀬とレイチェルの脳裏に浮かぶかもしれない姿。
先も一行と共にし、たびたび助言をする髭の長い魔術師めいた様相の翁とその言葉。
遥か東方より来たりし冥府魔導に身を落とした古の種族が率いる闇の勢力。
絶大な力を以ってこの世界だけに飽き足らず常闇の皇帝となるべくして世界に覇を掲げた魔王の話を……


それはさておいてである。
レイチェルは初日あたりに五代から「綾瀬の様子を見てくれ」と頼まれていたから……
それが面倒を見るという意味ではなく、この世界での”綾瀬の様子”を観察しろといううものだったが
今ここで違和感のない程度に順応している姿にこそ感じるものはあるだろう。

おそらく最初にみた姿はあの事件の時。
こういった異界の、物騒なものが隣にある世界に似つかわしくないが故に
守らなければならない存在のような雰囲気があった少女が
今ではすぐに順応し、特に何か慌てることもなく……存在している。
元より、いや以前の事件の時もだったが平気で順応していたというのもある。
レイチェルからすれば、最初に受けた印象より今との違い”ギャップ”は大きなものかもしれない。
照らし合わせれば、よりわかりやすく映るものだ。
先に話したものがどういうことかという答えとして成立ほどにだろうか。
戦闘能力はさておいてその精神性はだいぶこういったものがある世界の住人に近くなっていると言えた。

「そうだね。まぁ常世島だけじゃなく、こういうことはそうはないけど
 有り得ない話ではないからさ……それにしてもレイチェルはもうそういうなんというか
 それらしいな……」

正しく異邦人”ストライダー”のようなレイチェルの姿に
そういえばと思い出すまでもなく、こういった生業で生きていたんだなと思い出しつつ。
兵量を齧る。寧ろ常世にいて学生している時よりそれらしいのは問題ではないかとも思いながら。

「……実際、まぁ。人生においてどうなるかはわからないし
 どう転ぶかはわからない。どんな転機があるのかも不明だし……そこで、そうだな
 その時に最善を尽くすことしか出来ないんだろう。当事者も、その当事者に関わった人も。」

これは若干言い訳がましいな……と、自分でも思う。
そうしなければ悪くなっていたかもしれないからと声を掛け、手を取り。
レイチェル然り、綾瀬然りだ。
だがそれが良かったことなのか、といつ誰が判断できるのだろうか。
今も帰るために最善の手を、としているが……

そう考えていれば、そして空を見上げているレイチェルにはわかる。
禍々しい気配が……その存在感を強くして空から迫ってくるのが。


■帝国兵>「黒騎士”ブラックナイト”だ!迎え撃て!!!」

帝国兵の叫びと共に金属の打ち付けられる音が警報として鳴り響く。
飛竜”ワイバーン”にまたがった黒騎士が飛来し、炎の吐息”ドラゴンブレス”でキャンプを焼きはじめる。
そして雄叫びと共に地平線の彼方から黒い影が四足の獣にまたがって列をなして走ってくる……
闇の勢力だ!妖精の湖へ一足先にと出立した帝国軍を平らげに来たのだ!

■魔術師>「オヌシ達は先に妖精の湖へ向かうのだ!ここは我々が食い止める!」

魔術師の放つ光が飛竜を横に殴り、黒騎士を地に落とす。
方々で火が上がり、戦場然とした色に塗り替えられていく……

■帝国兵>「妖精の湖は北、このすぐ先です!」

「ここは彼らに任せよう。俺達は馬だ……馬で行こう。」

この騒動で暴れる馬を引き留め、飛び乗るようにまたがった。

綾瀬音音 > まあそうなんですけれど。
戻れなくて数多の異界をさまようことになったら、って思うとちょっと怖いなぁ、とは思うんですよね……
(まあそれはそれでしかたがないだろう、位の気持ちもあるのだが。
常世島のある世界では帰ることの出来た異邦人、の話は余り聞かないのだ、最悪それはそれで諦めるつもり――覚悟ではない――は、ある。
手を振るレイチェルには頷いて見せつつ。
年の頃は余り変わらないが、敬語なのは以前も今も目上だと思っている為である。
なにせ、こう言う状況では自分は役に立たないだろうし――せめて足手まといにはならなければいい、位の気持ちである)

一気に話が壮大ですよね。
まあ本当に闇の勢力がこっちの世界に踏み込まれたら――
(なんとかなるんじゃないうだろうか、とふと思ったが、そんな事態にならない様に努力することに異論はない。
それに伴い色々な事態が色々なことになるのは目に見えているのだし。
ううん、と唸りつつ)

本当にレイチェルさんは馴染んでるというか、それを言ったら先輩も相当に馴染んでる気がするんですよね。

んー、未来も今もどうなるか解らないっていうのは解るんですが、もうちょっと、こう――!!
ですが、それには概ね賛成です。
結局どうにかするように動くしかないだろうっていうかなんて言うか。

(転機といえば多分黄昏時を選ばなければここに来ることもなかったし、
そもそも今となってはどういう生活を送っていたのかよく解らなくなっているのが現状だ。
多分普通に学校に行って、帰りにカフェに寄って――みたいな生活をしていたと思うのだが。
うーん……とやっぱり唸りつつ、胃の腑にお茶と兵糧を納めていたが、)


―――――!!!
わ、え、ちょ、!!!

(唐突に響いた叫び声と金属音にビクリと肩を跳ね上げた。
見えた飛竜に眉を寄せて、焼き払われていく野営地に唇をかんだ。
余り見ていて気持ちの良いものではない――直ぐ側で火の手が上がらなかったのは幸いである。
焦げた臭いがクラクラとそれだけで鼻孔を焼きそうだ)


――――え、あ、はい!!

(一気に休憩地から戦場へと化した平原に、魔術師の声が響けば、反射的に返事をして、五代の後を追い、馬を何とか引き止める。
たまたま慣れてくれていた馬がいたのは運が良かったとしか言いようが無い。
それに慣れた動作ではないがどうにか乗って、五代の後を追う。
レイチェルの事は心配していない、自分よりずっと慣れていることは言わずもがな、なのだろうし)

レイチェル > 「……怖い、って気持ちも分かるがな。恐怖を抱くなとは言わねーが……
 少なくとも、何かあったとしてオレも出来る限りあんたを守れるよう頑張る。
 だから、ちょっとくらいは安心してくれてもいいぜ」
と、そんな言葉を綾瀬にはかける。
様子を見てくれ、などと頼まれていたこともあり、一応綾瀬の近くに居るように
している。面倒を見たり、護衛をしたり、といったことだけでなく、それこそ彼女
を見定める為に、である。

「……常世に侵攻してきた場合、戦力的には、もしかしたら何とかなるのかも
 しれねーがな。それでも、犠牲は出るかもしれねぇし、何より混乱が起きち
 まうだろう。何とかここで止めてみせたいところだな」
あれこれ考えている綾瀬の心の内を知ってか知らずか、レイチェルはぽつりと
そんな言葉を零すのであった。

「……何か来るぜ」
帝国兵が叫ぶその少しだけ前に、空を見上げていたレイチェルはそう口にする。
帝国兵の声を受けながら立ち上がり、スカートを二三度払い、大剣を手にする。

「恩に着るぜ……死ぬなよお前ら!」
ようやく焚き火で休息をとれる、そう思ったのも束の間。
彼女らの居た場は、今や戦場と化していた。


「……バイクの方が慣れてるんだが、まぁこの際文句は言えねぇな!」
その言葉とは裏腹に、特に躊躇ったりすることもなく、馬を乗りこなすのであった。
大剣をクロークの内にしまえばレイチェルも馬に跨がり、先を急ぐ――。

五代 基一郎 > 「突発的な事例が殆どだからじゃないかな。一度繋がった、繋がったことのある場所なら……確率は高いほうだと思う」

実際常世への門が開いて、としても常世からその先の異世界への門はいつも開いているわけではない。
故に逆にではあるがここで常設されているような門があるのならば……
常世島から再びこの世界へ、というのは難しいがこちらから常世島のある世界に戻ることは
確率的にそう遠くはないだろう。
さておいてそうであっても慣れつつあるのも、またである。
それが良い経験になるかはさておいて。

「争い事はないほうに越した事はないが……そうならないのが世の中の常。
 どこにでもやはり、起きてしまうものはある。」

力があるからそうであるのか、そうであるものが力を手にするのか。
その答えは定かではないがこの休息地が炎に包まれるのもまたそれらのせいか……
炎に包まれる休息地を後に、馬に跨り駆けていく三人。
木々の間がそれなりにある森に入りながら、その先を走って行けば……
霊脈か、何か。神秘的な……そう思わせる湖が見えてくる。

「ここが妖精の湖……」

先導するように馬を走らせていたが、徐々に速度を落として湖に近づいていく。
魔術師の話ではここに彼が持ってきた杖を突き立てれば結界を張ることが出来るらしい。
一時的なものだが、時間を稼ぐには十分で後から再度結界を立てて
闇の勢力の侵攻を防ぐというものだが……

その時、はるか後方からまた別の気配が近づいてくる。
大気を揺さぶり、また飛竜と共に轟音を立てて滑るように……木々をなぎ倒しながら現れるのは

「黒騎士”ブラックナイト”……まだもう一騎いたのか!」

そしてそれらと共に現れるのは、飛竜に乗っていたのか……
骸骨の兵士……竜牙兵。盾と剣を構えて、数体がゆっくりと歩み寄ってくる。

「黒騎士はレイチェルに任せて、俺と綾瀬であの骸骨兵……竜牙兵を破壊する。
 その後で湖に結界を張って、飛びこむしかなさそうだ。
 ……できるな」

現状出来うるだろうこと。
レイチェルはもちろんだが、綾瀬には足手まといどころか一人の戦力として数える。
実践経験はまだないがここで置いておくことは出来ないし、出来たとして難しい。

積んであった……というより乗せて置いた長槍を取ってから下馬すれば
馬の尻を叩いて逃がす様に森へ放った。

「綾瀬、刀と異能を使って迎え撃つしかないんだ。
 結構がんばってくれ。補助はする。
 ……人間相手よりは気が楽なはずだ」

飛竜の咆哮がそれを促すように轟く。

「レイチェルは好きに戦ってくれ。この前のを思い出しながらならば
 そう難しい相手ではないはずだ。黒騎士の気配は濃すぎる。」

綾瀬音音 > ちょっとあれな言い方にはなるんですけど、それを疑ってはないです。
いや本当に何も出来なくて申し訳ないくらいなんですけど――。
……じゃないですね、ありがとうございます、レイチェルさん
(そう言ってへらっと笑いつつ。
三日前から殆ど初対面だったにもかかわらず――五代にレイチェルが言われていることを知っているわけではなかったが――何かと世話を焼いてもらっているので、信頼しているのである。
状況を不安がってはいるが、大きく騒いだり、現状に特に不満を漏らしたりはしていない。
体力もそこまである訳ではないが、それでも遅れないようにと努力はしたし、食事も水分も少ない体力を補うために与えられた分は確りと取っていた。
そういう意味では我慢強いといえるのかもしれないし、順応が早いとも言えるのかもしれない)

上手く繋がっくれる事を祈るしかないですね、やっぱり。

――や、解ってます。それは解ってますけど。
普通の一般生徒もいないわけじゃないですしね。
一番いいのはここで食い止めること、ですよね……
争いのタネはないに越したことがないに決まってます。
(等と言っていられたもの束の間である。


焼ける平原を馬で駆け抜け、森へと入り、馬の制御に苦労しながらも妖精の泉へと辿り着く。
――魔力やそういった類に明るいわけではないが、それでも――それでも、そこに“何か”があるのは十分に感じられる泉に、目を瞬かせて。
速度を落とし止まった馬の首を撫でてやった所で――響く轟音!
現れる黒騎士、骸骨兵――それにコクリと喉を鳴らした。

どうすれば、と五代とレイチェルを見やった所で、言われた言葉に、ぎり、と奥歯を噛み締めた。
五代の言葉は自分を戦力として扱っており、できるか、では無くできるな、である。
質問ではなく、確認。
そう問われて、重ねて言われれば――)

やって、みます

(言葉が震える。
身体だって今にも震えだしそうであったのを何とか足に力を入れてやり過ごす。
人間相手ではないとはいえ、求められていることは破壊すること――殺すことである。
口の中が酷く苦かったが、それを吐き出すことはしなかった。

背中へと鞘ごと引っ掛けていた刀剣を抜いて、構える。
そこまで危なっかしい構え方ではない。
一瞬瞬きをして、前を見据える。
呼気が上がる。
不安定だ、と自身でも解る中で、温度調節の異能を行使する――加減は掴んでいた。
一気に超高温まで持って行き――身体が、幾らか冷える感覚がある。
それで少しだけ、頭も冷えた。

しっかりと、前を、見た)