2016/07/12 のログ
”マネキン” > 【再度の心の本音に反応する様子は無い。真剣な口調で会話を続ける。】
(記憶はしておくがこれ以上の指摘は激昂させるだけだろう。無視しておく。)

…治療法がほしいかね?
ウィルスの治療法はあるぜ。だがただで渡すつもりはない。

(救いは与えておかなければ。)

そうだ。
私が彼女にディアブロ・ウィルスを注入した。

実験の目的を伝えて、君たちが快く我々に協力してくれるとは思っていません。
だからその疑問に回答を与えることはできない。

【手を打ち鳴らす。】


ゲームをしよう。


報酬は高峰司と伊都波悠薇の感染したディアブロ・ウィルスの治療手段。
我々の領域にそれはある。

そしてウィルスとの共鳴を覚えた高峰司、君ならその場所にたどり着くことができるはずだ。
感覚的に、どこにゴールがあるか、もうわかるだろう?

【落第街沖合い海底に方向と距離の反応が集中している。
位置はおぼろげにわかるが、行きかたまではわからない。】

高峰 司 > 「は、手前勝手にもほどがありやがるな。
テメェで仕込んで、それの対処法を得るためにゲームだと?」

心底不快そうに顔をゆがめつつ、間隔を広げる意識で探査してみる。
……成程、あった。落第街沖合海底……海底遺跡、か?

「テメェが切るカードが少なすぎる。アタシらはテメェに強制的にベットさせられ、レイズまで強いられた。
テメェももっと何かテーブルに乗せな。ゲームと言うならそれくらいはやってくれねぇと話にならねぇぜ」

取り敢えずではあるが、挑発気味にそんな事を口にする。
何か本当に乗せてくるとは思えないが、やらないよりはマシだろう。もし何か情報が手に入れば御の字である。

伊都波 凛霞 > ゲーム、という言葉に憤りを感じたのはこちらも同じ
けれど司の前でこちらが先に激昂するわけにはいかない

「ゲームに乗る前に、答えとは言わずとも…説明くらい欲しいんだけど。
 司ちゃんは、貴方のところへ単独で飛び込んで…結果、不幸な目にあっている。
 それを事故として納得はしないけれど、そうなった敬意は理解できる。
 ……私の妹は、どうして?
 貴方とは何の接点もないはずでしょう!?
 どうして妹なの!?理由を言いなさいよ!!!」

最初は抑え気味だった語気も、段々と抑えられずに、爆発する

”マネキン” > 【身体の向きを傾げて落第街のほうを向く。
高峰司の言葉に体の向きを戻す。】

交渉のつもりかい?
あいにくこちらはギャンブラーではなくてね。
しかも地味に何度もこのケースで殺されている身だ。十分なベットは払っていると思うが。

だが、それで君たちがやる気を出してくれるというのなら、考えよう。
何が欲しい?

【手をポケットに入れたまま、向き直した。】


伊都波凛霞。本当に何の接点も無いか?

最初に君と教室であった時に言っておいたはずだ。
君の友人と妹に、異常はないか、と。

電話でも姉妹揃って来た方がいいと、忠告さえしただろう?
理由を言うにはまず君に一つ尋ねなければならない。


なぜ、これだけ伊都波悠薇のことが話題に出ていて、彼女にひとことも伝えることすらしなかった?

【強い口調で問う。】

伊都波 凛霞 > 「忠告…?最初から私の妹に用があったんでしょう?
 だから妹をこの件には近づかせたくなかっただけ。
 貴方がこれを聞かないと口噤む理由にはならないと思うけれど」

射抜くような視線を向ける

この件のことは妹に一言も漏らさなかった
興味をもってしまうと、いけないから
自分に必至について来ようとする妹を、自ずと巻き込んでしまうことになりそうだったから

独りよがりといえば、独りよがりだ

”マネキン” > 【視線に反応を見せることは無い。正面に立っている。】

伊都波悠薇はこう言っていたよ。
姉妹とはひとりぼっちなものだと。

(多少の語弊はこの際無視する。いっそ誤解されたほうがいい。)

心配すると口ではいいながら、その実は肝心なところで突き放す。
それぞれに言い分はあるのだろうが、その矛盾が理由の全てだ。

ああ、理解する必要はない。
おそらく君たち姉妹には理解できない作意が動作しているはずだ。

(理解できるか?いや、理解できまい。
我々の目的は妹ではなく、姉妹だということが。その特性こそが望むべくものだと。)

だから、異常性を理解できないことだけ覚えておくといい。
今はそれ以上は説明しても理解できないよ。

【薄ら笑いを浮かべた。】

高峰 司 > 「は、勝手に巻き込んどいて憂さ晴らし程度じゃ足りねぇっつってんだよ」

言いつつ、内心は冷めている。
こんな稚拙な挑発に乗ってくるとも思っていなかったのだ。本当に単なるお試しである。
が、何が欲しい、と問われれば少し思案し……。

「……アタシらは、そこに行って何すりゃあいいわけだ?
ゴールがある、そうかそうか。だがクリア条件がわかんねぇゲームなんてのはクソゲーだろ。
具体的な結末、クリア条件とクリアボーナスを公開しな」

本当は、それ以前に対応しうる情報が欲しかったが。恐らくそれは絞られる。
故に、確実性を高める方向を取った。
クリアして、得るべきものを得ると言う事の確実性を。

「アタシは、前も言わなかったか?ええ、おい」

そして、その後のマネキンの言い分には苛立ちを隠さない。
確か、記憶が正しければ、丁度自分が捕まったあの時の戦闘中にも言ったはずだ。

「伊都波姉妹がどうであろうと、テメェには関係ねぇ。
歪かも知れねぇ、確かに興味の引く案件かもな?
だがな……テメェが勝手に出てきて、勝手に引っ掻き回していいもんじゃねぇだろうが、クソ野郎」

視線に籠るは殺気。
大事な友達の怒りに呼応するように、その友達が傷つけられたことに強い怒りを放っていた。

『よくも凛霞を追い込んでくれやがったな、絶対償わせてやる』

そんな心の声が、それまでよりハッキリと漏れる。

伊都波 凛霞 > 姉妹が、ひとりぼっち?
妹がそんな言葉を?

……そんなはずはない
子供の頃からずっと一緒で
周りからも仲の良い姉妹だと
学園へ通うようになってからは少しだけ一緒の時間は減ったけれど
それでも

そんな矛盾を妹が感じていたなんてことは
…自分が、知らなかっただけなのか

「………」

押し黙ってしまった
言えることはまだある
説明してもみせずに理解できないというのも腑に落ちない、しかし…

そう、だから
続いた司の言葉に救われた
私達がどうだろうと、この男が遊び道具にして良い道理などないのだから

”マネキン” > 【押し黙った伊都波姉から視線を逸らした。高峰司に身体を向ける。】

ゲームの内容か。

ステージをクリアして最奥へたどり着く。
その間にちょっとした障害とボーナスを用意している。

シンプルなゲームだろう?
ああ、忠告しておくなら無理は通さないほうがいい。

治療手段が吹っ飛んでしまったら、お互い困るはずだ。

【続く言葉に口元が開く。口を閉じて顔の向きをわずかに下げた。】

なるほど、遊びだと思われているのか。
そうなるとそう考えるのも当然だな。

言い忘れていた。
妹にウィルス抑制剤を渡してはいないし、高峰司の分を使用する必要もない。

推測だがおそらく、彼女はウィルスによってバケモノになることはない。
確約はできないが保障しよう。

【”マネキン”はポケットから手を出し、アンプルと財布を投げつけた。】

ききたいことは以上かな?
これが最後の駄賃だよ。

ああ、忠告しておこう。
こんな場所で暴れるのはやめておいたほうがいい。

【スマートフォンを見せ付ける。もう片手はポケットに入れていた。
わずかに後ろに下がる。】

伊都波 凛霞 > ずっと、押し黙っていた
妹がバケモノにならない、と聞いても胸をなでおろすこともなく
ただただ、その場に佇んで、何かを抑えるようにして

「……じゃあ、最後に───」

言葉と共に上げられた顔は、どことなく悲しげな表情で

「…貴方は、私達のことを一体なんだと思ってるの…?」

高峰 司 > 「…………とことん舐めてやがるな」

ギリ、と歯ぎしりしつつ、しかし『それ以上のデータは手に入らない』と言う事を理解する。
これ以上は、突っ込んだ問いをしても誤魔化されて仕舞いだろう。
そのまま、凛霞の問いへの答えを待つ。

”マネキン” > 実験動物。
……とでも答えたら満足かい。

【背後の闇のなかに飛び退る。夜の影のなかから声が聞こえる。
感覚が鋭かったり共鳴があれば位置が分からないほどではない。】

冗談だよ。そんな答えでは怒るだろう?
ありきたりな答えを返すのもよくないか。では… 「糸」 だということにしておこう。

(救世主、などという言葉を使えば警戒されるだろう。
それに高峰司を表現するのにそれは正しくない。
姉妹は我々にとって蜘蛛の糸であり、そして三人はそれぞれ手がかりで繋がりの糸でもある。)

もちろん、学園の生徒で人間であることも理解している。
あの蕎麦屋が人間ではないこともだよ。

では今度は、ゲームのステージであえることを楽しみにしている。

【気配が遠ざかる。】

伊都波 凛霞 > 「………」

最初の答えは、単なる戯れ
その後に男は 糸 だと答えた

色々な捉え方のできる言葉、だが───

「…ゲームだなんだって一見ふざけたように聞こえるけど…。
 固執する理由は、それなりの理由ありき…か……」

小さく息を吐いて
その気配が遠ざかった公園の空を見上げた

高峰 司 > 「……ち、掴みどころがねぇ」

結局、あまり有用な情報は得られず、相手の掌の上と言った所だった。
寧ろ凛霞を連れてきたのは……凛霞の精神を慮るに、失策だったか。

「『悪い、凛霞……これなら、連れてこない方がよかったな』」

気まずそうに口にする。
心の声とダブって聞こえる、率直で素直な言葉を。

伊都波 凛霞 > 「…んーん」
小さく苦笑する

「妹に注射したのが彼で、
 妹が注射されたものがディアボロスウィルスだって、確証がとれた。
 今後のことは不安だけど、それだけでも私にとっては収穫だよ」

…そして、こうやって聞こえてくる言葉は、
嘘や誇張がされたものが一切ない、文字通り司の心の声なのだということが、わかった

「……にしても、司ちゃん私といると隠し事できなくなっちゃったねぇ…」

少し困る?と苦笑のまま

高峰 司 > 「そっか」

小さく笑う。そう言って貰えると、少し気持ちが楽になった。
その後の言葉には、しかめっ面に。

「……やっぱ困るな。腹芸が出来ねぇってのは結構やりづれぇ……っつーか、オマエ何が聞こえてたんだよ!?」

漏れた心の声は、自分では確認できない。
何が漏れてしまったのか、気になって仕方がなかった。

伊都波 凛霞 > 「え?」

何が聞こえてたかといえばちょっと戸惑って

「…えぇと…まぁ、色々と……」

少しだけ顔を赤くして目を逸らした
心の声だもの、司本人に思い当たるものはあるはずだもの
でもそれを口にしたら絶対やばい反応するもの

お姉ちゃんはあえてぼかしました

「そんなことよりもう遅いよ!
 このへんは治安がいいって言ってもこの島は何が出るわからないんだから、帰ろう!」

高峰 司 > 「お、おいこら!そこで誤魔化すな、言えよ、言えってば!」

『気になるし恥ずかしい、一緒にいない時間が寂しいとか聞こえてたらどうすんだって言うか考えるな聞こえる!!』

果てしなく恥ずかしい心の声を漏らしつつ、問い詰める。むきー。

「帰るのはいいけどな、クソ、気になって寝れねぇぞこれ!?」

前途多難である。

伊都波 凛霞 > 漏れてる漏れてる
こんな状況で苦笑以外のどういう表情をしろというのか

嬉しい反面、さすがに恥ずかしい

でもまぁ、今は

「大丈夫、寝れるよ。ずっと緊張しっぱなしだったでしょ?」

マネキン側に譲れない事情があるというのなら、アンプルを使っておけば進行に問題がないというのもある程度信用できる
司もきっとそれはわかっているはず、だから今の司はほんの少しだけでも"安心"できているはずだ

手を伸ばして、自分よりもほんの少し小さなその手を握って

「思ってること全部丸聞こえなんて、
 最初あった頃とは全然別人になっちゃったね、司ちゃん」

でも嬉しいよ
という言葉は、こんな時に言う言葉じゃないのでそっと心の奥に仕舞って
その手を引いて夜の公園を後にするのだった

ご案内:「夜の常世公園」から伊都波 凛霞さんが去りました。
”マネキン” > 【辺りにもう先ほどのフードの男子生徒の気配はない。
高峰司の共鳴にもすでに遠ざかった感覚があった。】

(…自我の消失への恐怖、か。
皆そう感じたこともあった。選択の結果、我々はいまここにある。

あのとき魂を信じたものたちは…救われたのだろうか。信じなかった我々に確かめるすべはない。無意味な問いだ。)

【フードの陰から覗く口の端をわずかにつりあげた。口元を押さえる。】

ご案内:「夜の常世公園」から”マネキン”さんが去りました。
高峰 司 > 「うぐ、クソ、これからどうすりゃいいんだ……」

頭を抱えたくなる。
これからどうするかなど決まり切っているのだが、だとしても無駄に前途多難だった。

「こんなのアタシじゃねぇ……あの野郎、ぜってぇ痛い目に合わせてやる……」

『なんでアタシがこんな目に……』

心の声でも嘆きつつ、それでも素直に手を引かれてその場を後にした。
……安心や疲れを差っ引いても、その日の睡眠は普段よりはるかに遅れてしまった司である。

ご案内:「夜の常世公園」から高峰 司さんが去りました。