2015/10/11 のログ
ご案内:「教室棟/特別講義会場」に浅田扁鵲さんが現れました。
ご案内:「教室棟/特別講義会場」にクローデットさんが現れました。
■浅田扁鵲 > 【特別講義用の教室。
その最前列に並ぶ机に、予め用意されていたのだろう資料が置かれている】
『それぞれ持っていくか、配るかしてくれ』
【そう走り書いたメモと一緒に置かれていた。
http://guest-land.sakura.ne.jp/cgi-bin/uploda/src/aca895.zip】
■浅田扁鵲 >
【教室の中にふらふらと入ってくる、けだるげな表情の男。
その両手にはノートパソコンがあり、今回もまたプロジェクターを用いるだろう事がうかがえるだろう。
そしてその足もと。
後を追うように入ってきたのは、赤い首輪をした、子犬ほどの大きさの、水晶のような二本の角を生やし流線型の鱗を持った、『トカゲ』のような爬虫類。
水色に光を反射する鱗は、艶を持っていた】
「あー、なんかおまけもついて来ているが、気にしないでくれ。
うちのペットなんだが、言う事を聞かなくてな」
【予想されるだろう反応に先手を打ってそう言えば、前回同様パソコンを起動し、プロジェクターに繋いだ。
ホワイトボードに表示されるのは、プロジェクターの起動画面だ】
■クローデット > 前回と同様、授業が始まる少し前に来てノートを取る準備をしていたクローデット。
講師の男が連れてきたトカゲのようなは虫類を見て、やや目を細めた。
(今は脅威ではないようですが…竜種ですか。
まあ、「その時」が来たら恩でも売っておきましょう)
そんなことを内心考えつつ、授業の開始を待つ。
■浅田扁鵲 >
「さて、今回も『東洋思想』についての講義を始めたいと思う。
前回同様、資料を参照してもらいながらの講義になる。
まだ持っていっていない者は、持っていってくれ」
【まだ余っている、多少余分に用意した資料を見つつ、教室を眺めた。
ぱっと見て、取り合えず大よそは持っているようだと確認する。
……数人が立ち上がったが、まあ初めてしまっても問題ないだろう】
「よし、じゃあ早速だが、『陰陽説』に関しての講義を始める。
今回はいきなりだが、話を始める前に一つ質問したい。
この中に『陰陽』についてなにかしら知っている学生はいるか?
知っていればどんな内容でも構わない、手を挙げて話してくれ。
前回話した、右が陰、左が陽。くらいの事でも構わないぞ。
陰陽が関わることなら、どんなことでも構わない、思いつけば話してみてくれ」
【そう質問すると、教室を見回して暫く答えを待つ。
足元のトカゲが教卓の周りをうろついていたが、爪先で小突かれると大人しくなった】
■クローデット > 陶器のように白い肌と、美しく整えられた爪をした手が挙がる。
指名されれば、
「前回の授業でお伺いした、天が陽、地が陰のようなことでもよろしいでしょうか?」
女性らしい、美しい声を講義室に通らせるだろう。
■浅田扁鵲 >
【すっと上がる手を見れば、ああ毎度、目に毒な学生だなあと思いつつ。
その声に少々聞き惚れながらも、いつものけだるげな表情は崩れなかった】
「ああ、それくらいの内容でも構わない。
まあどの程度知っていることがあるか、どの部分に興味があるのか。
それを最初に聴いておきたくてね。
また古典を長々見せられるのも退屈だろう?」
【最後の一言は少々余計か。冗談のつもりなのだろう。
僅かとは言えクローデットに視線を奪われたのが気に入らないのか、足もとのトカゲが抗議するように浅田の脛に噛り付いていた】
■クローデット > 『また古典を長々見せられるのも退屈だろう?』という講師の言葉にくすりと、邪気のない微笑を見せつつ、軽く首を横に振る。
クローデットにとっては、古典は古典で興味深い思考の材料だった。
ただ、読み取りに少々難がある程度だ。
…もっとも、クローデットのような学生ばかりでもないだろうが。
■浅田扁鵲 >
【首を振られれば、少し意外そうな表情を浮かべる。
なにせ、自分は元々古典が大の苦手だったのだから。
とはいえ浅田も東洋魔術師の家系で、治療家の息子である。
幼い頃から散々見てきたせいで、今ではすっかり感覚が麻痺しているが】
「……ほかに質問も返答もなければ、先に進むがいいか?」
【教室の様子を伺えば、誰もが既に聞く姿勢のようだ。
なら最初から順立てて話していくとしよう。
噛り付くトカゲの頭を軽く踏みつけつつ、話し始めた】
「うん、いきなり質問されても答えづらかったな。
凄く簡単に説明すると、陰と陽は、この世界の現象、物質、あらゆるものを二つのグループに分類したものだ。
この陰陽と似た考え方は、様々な文化に見られ、多くの魔術体系に影響を与えているのは、君達も知っている事だろう。
つまり魔術を用いる、修めるにあたって、とても意味のある思想だ。
陰陽の考え方はとても応用の幅が広く、他の思想や世界観とも合わせることが出来る。
これを知れば、世界への理解を深めると共に、魔術や異能の運用において役に立つ事だろう。
とはいえこの講義は、魔術においての実践的な応用方法などを教える講義じゃあない。
例えに使う事や、質問や希望があれば一例として見せるくらいの事はしてもいいが、あくまで理論、考え方の講義だという事を念頭に置いてくれ。
それじゃあ、陰陽について一つずつ説明していくぞ」
【そう告げると、プロジェクターの画面が切り替わり、『陰陽概念の発生』という、題だけがかかれた画面が表示された】
■クローデット > 講師の言う通り、二元論自体は東洋固有のものではない。
善と悪、光と闇、精神と肉体…。
様々な二元論が、哲学、宗教…そして、魔術へと影響を与えてきた。
プロジェクターで投影された映像を見…そして、続きを待つ。
■浅田扁鵲 >
「まずは今回も、『陰陽概念の成り立ち』から話していこうと思う。
陰と陽という考え方がどこから発生したのかだが、これはもう文字を見ての通りだ。
『陰』は丘に、今という禁と同義語、云と言う雲と同義語が合わさった会意文字で、日の当たらない丘の側面を意味している。
そして『陽』は丘に日、勿と言う光が下に放射する様を表した字とが合わさった会意文字で、丘に日が当たっている側面を意味しているんだ。
当時は生活の中心が農業だった大陸では、日当たりのいい土地と水の多い土地に関心が集まったんだな。
こうした陰と陽の代わりに、『雌』と『雄』が用いられる場合もあった。
こっちは牧畜生活の経験から、二つの対立したものが合わさって、そこから新しい生命を生み出すことを見て発想したんだろう。
同様に『剛』と『柔』を用いる事もあったそうだ。
これは動物の雄の性質や、毛の堅さ、日が当たる背中の皮が堅い事から類推したんだろう」
【おもむろに足にじゃれ付くペットを抱き上げれば、滑らかな鱗の背中を見せて『これが剛』、ひっくり返して腹を見せれば『これが柔』と話すと、ぽいと投げるように傍らに落とした】
「こうした雌雄も、剛柔も、後には陰陽の概念に統合されるんだが、重要なのは二つの面があるということだ。
かつての思想家達は、万物が形を取って現れる状態、つまりあらゆる一切の現象には、全て正と反の二つの面を持っていると考えたんだ。
正と反、つまり陰と陽の相互関係を、自然界の全ての現象を解釈する上での基本的な観点としたわけだな」
【投げ捨てられるとやはり抗議するように脛を齧られるが、まるで意に介さず講義を続ける。
『質問はあるか?』と言いたげに教室を見ると、一息置くように言葉を止めた】
ご案内:「教室棟/特別講義会場」に相楽 満さんが現れました。
■クローデット > 「陰」と「陽」の考え方について、文字から説明していく講師の説明を受けて、電子辞書で感じの「陰」と「陽」をそれぞれ調べ、それぞれの部位と説明を照らし合わせながら書き取ってみる。
…右側(「つくり」というらしい)については、何とか理解する事が出来た。
その後、2つの事象の対応についても説明を受ける。
理屈としては理解出来なくはなかったが(ペットらしい竜種の裏表で説明されたおりには、少し笑みを零した)…そもそもの理屈の立て方に、少し意地の悪い興味がわいた。
また、挙手をする。
「…生物の雌雄の差に陰陽を当てはめた部分については…どのような理路で陰陽を振り分けたのか、詳しく説明を頂いてもよろしいですか?」
近代の生物学的に言えば、雌雄の違いは配偶子の違いと、その配偶子の性質から来る違い以上の意味はない。
雌雄の形質の違いは、それぞれの配偶形式について、進化論的にそれぞれの種が「選びとった」ものに過ぎないのだ。
それについて、東洋思想がどのように理屈付けをして、今に至るのか…意地の悪い興味から来る質問だった。
もっとも、表面的には楚々とした振る舞いを崩していないが。
■相楽 満 > しれっと居た少年。
雌雄はともかく、剛と柔の大雑把な説明にはなんともな顔をした。
そんな簡単なことでいいのかと思う反面、適当でもいいんだなとも思う。
あとトカゲっぽいのに目が行く。
なんとなく、ヘビとかトカゲに弱い気がする。
さておき、静かにノートを取り続ける。
■浅田扁鵲 >
【来たな、と思いつつ、予め想定していた範囲に質問が収まってくれたことに、内心でほっとした】
「その質問には、この後で陰陽の分け方についてやるからそこで答えるとしようか。
とはいえ、君達も大よそ予想はついていると思うが。
……流石にこれだけじゃなんだな。
折角だから『雌雄』が何故『陰陽』の代わりに用いられたか話そう。
簡単に言うとだな、『二つで対になり、互いに補い合う関係』だったからだ。
そして雌雄がどうやって陰陽に分けられたかと言えば、あくまで個人的にはだが、『産むのは雌にしか出来ず、生命を生むのは天ではなく地、つまり陰であるから』という説を推したいところだ。
この説を用いると、地が新たな生命を生むには、天の、つまり陽の気が必ず必要になる。
つまり雄は陽、という事になる」
【と、質問に答えて様子を伺った】
■クローデット > 雌の「産む」という特性と、声明を育む地の特性が重ねられたという説で説明を受ければ、納得したようでメモを取る。
(「地母神」と繋がる発想ですか…まあ、妥当ですわね)
平静な表情の裏で、そんな事を考えていたとか。
とりあえず、追加の質問は無さそうだ。
■浅田扁鵲 >
「ほかに質問はないか?
……ないな。よし、次にいくぞ」
【そしてようやく画像がスライドされる。
表示されたのは、『陰陽の対立と統一』と題が書かれただけの画像】
「さて、『陰陽学説』では、世界の本質は『気』であり、陰陽の二気の対立と統一によるものであると見る。
次はこの対立関係と、統一、制約関係について話していこうと思う。
まずはこの表を見てくれ」
【ホワイトボードに映された画像がスライドし、『陰陽の対立関係』と書かれた画像が表示される】
「見ての通り、『陰陽学説』はこうしてあらゆる事柄を二つの側面に二分して捉える。
『対立関係』と言うのは、この二つの側面の相反する一面の事で、統一と言うのはこの二側面が制約し合い、同時に補完しあう関係の事だ。
対立し合うものがなければ、互いに制約することもない。
また、補完しあうこともできない。
陰と陽はこの対立関係が有って、初めて成り立つわけだ」
【するとまた画像がスライド。『陰と陽の属する傾向』と題の振られた画像が映る】
「この対立関係だが、どのように陰と陽に分けているのか。
さっきの表でもなんとなく分かったかもしれないが、一般にはこのような傾向で分類される。
これを見れば特別難しい区別じゃないのが分かると思う。
先ほどの質問の答えは、こっちを見てもある程度伺えるだろうか。
とはいえこれはあくまで傾向であり一部、全部がこの通り分けられてるわけじゃないことは、一応知っておいてくれ。
……さて、それじゃあ早速、君達にはこの傾向に沿って陰陽の分類をしてもらおうか。
分けるのは、君達が持つ『異能』や『魔術』、『性格』の三つだ。
異能や魔術を複数持っていれば、一つでもいいし全部でもいい。もちろん無ければ無いでも構わない。
とにかく、陰陽の分け方を理解するための練習と思ってやってみてくれ。
発表してもらったり、提出してもらうためのものじゃないから、その点は安心していい。
分からない事があったら、手を挙げて呼ぶか質問してくれ」
【そう課題を出すと、教壇から様子を伺った。
話しているうちにも浅田の足元ではペットとの格闘が繰り広げられていたが、一度やや真面目な様子で睨まれると、トカゲは大人しくなった】
■相楽 満 > ぴた、と凍り付いた。
陰と陽に分ける、と言われると思いつかない。
とりあえずノートに
『異能:陽 パワー⇔繊細さ 陰』
とか書いておいた。
一応極大の力を制御するための練習はこなしてきたから、多分これでもいいや、などと軽い考え方。
『性格:陽 軽いとこ⇔たまに怒る 陰』
(……これ陰陽か?)
以前思わず恋人に怒りをさらけ出してしまったことで思ったが、普段は軽くても本気で頭に来たらキレるらしい人間であることがわかった。
ならこれも陰陽かと思うのだが、どっちが陰でどっちが陽かイマイチわからない。
まぁいいか、とペンを置いた。
あとはトカゲを眺める時間だ。
■クローデット > 対立と制約、補完。
東洋思想がバランスを重視する…というのが、第1回の講義と続いて、強調されているようだった。
続いて、スライドの映像で陰と陽の属する傾向を確認する。
前回の「気」についての講義で説明された事に付随して、更に詳しく説明されていた。
そして、個人的なワークとでもいうべきか、自身の持つ「何か」について分類をしてみるよう指示された。
早速、クローデットも取り組み始める。
(分かりやすいのは、四大元素ですわね…
火は温熱であるので陽、風も積極的に動くものですから陽で間違いありませんわね。
地は静止して下にあるものですし…先生も「陰」の典型例としてよく持ち出されますから陰で間違いないでしょう。
水は…動きこそありますが下に流れるものですし、寒冷で陰…でしょうか?
そうであれば、錬金術の分類の熱・冷と一致するところなのですが)
そうして、試しに分類していって…クローデットの得意としている魔術の1つである、白魔術のところで手が止まった。
「………申しわけありません」
静かに、手が挙がる。
「『傷ついたものを復元する魔術』『かつて命であり、動きを止めたはずなのにもう一度動き出した者を地に還す魔術』は、どのように分類すれば良いでしょうか?」
専門家でない講師に「白魔術」と言っても通じないだろう。
クローデットが分類に悩む特性の部分だけを取り出し、具体的に挙げて質問をした。
ちなみに、悪魔を送り返す術は「暗いもの」と対立するので陽、結界の術は相対的に静止しているので陰に当たるのだろうと考えている。
■浅田扁鵲 >
【挙がった手を認めれば、澄んだ声で問われたのは魔術の分類。
問われた内容を考えれば、治癒と対不死者への魔術、俗に白魔術と呼ばれる類だろうか】
「そうだな、前者はどちらかと言えば『機能的』なものだろう。
復元、または治癒となると物質が元に戻ろうとする働きを助ける、つまり積極性があると考える事も出来る
後者は……これもまた他者へ対しての『外向的』な魔術と言えるんじゃないか?
オ――私が答えられるのはこれくらいだな」
【あえて陰か陽かはっきりとは言わず、分類するのに必要だろう単語だけを混ぜて答える】
「……と、一つ補足しておこう。
機能的、というのはつまり働きの事だ。
物質的、と言うのは言葉通り物質の事。
物質はただあるだけじゃ動かない。
なんらかの『働き』があって、運動することがある。
そしてまた、その『働き』によって消費される。
だが、働きもまた、物質が無ければ機能しない。
それぞれにある『機能的なもの』『物質的なもの』という分類はこういう意味だ」
【質問に答える中で、足りないと思った部分を補足する。
そして改めて教室を眺めた】
■クローデット > 「ありがとうございます」
分類のヒントと補足説明を受けて、綺麗な声でそう礼を述べる。
(「機能的」なものも、「外向的」なものも…「陽」に属するものですわね)
そう考えながら、白魔術の主要な魔術系統についても分類を行った。
(…それに、「機能的」と「物質的」の対応は、「精神」と「肉体」の対応にも似ておりますわね)
そんな事を考え、魔術の主要なもののいくつかの分類を済ませ、再び教壇の方に視線を向けた。
■浅田扁鵲 >
「さて……大体できたか?
これが陰と陽の対立関係、及びその分け方になる。
これらはこの後の話でも重要になってくるから、分からなくなったらこの表と図を確認しながら聞いてくれ」
【そうしてまた、画像が切り替わり、『陰陽可分』と書かれた図が表示された】
「さあ、それじゃあさっきの陰陽の分類を、今度はさらに細かくしていこう。
なに特別新しいことを言うわけじゃなく、言葉通り、細かくしていくだけだ」
【そう言って、また赤いポインターを図に滑らせていく】
「これに書いてある通り、陰陽は絶対的な分類でなく、『相対的』なものだ。
だから一日を陰陽にわければ、夜に比べて昼が陽であり、夜は昼に比べて陰、となる。
けれど陰陽はそれで終わりじゃない。
昼の中でもさらに、午後に比べると午前が陽になり、午後は陰とわける事が出来る。
図に有るように、夜もまた前半と後半で陰陽が分かれる。
この図にはないが、もちろん午前の中でもまた前半後半で陰陽を分ける事が可能だ。
このように、『陽の中でも陰に近い』『陰の中でも陽に近い』と、どこまでも陰陽は分けていくことが出来る」
【図の中の午前や午後、夜間の前後を示しながら説明すると、教室へと向き直った】
「これが『陰陽可分』という、事物を無限に分けていける法則だ。
イメージとしては、図に書いたように磁石のような物だ。
どこまで小さく、細かく分けていっても、そこには常に陰陽が存在する。
これこそ、陰陽が相対的なものであるゆえの特徴だな」
【そうして一通り説明をすれば、また用意していた課題を与える】
「よし、今度はさっき分けてもらった『異能』『魔術』『性格』を、さらに陰陽に分けてみよう。
その中でも陰の部分、陽の部分と分けられれば、陰陽の分け方は十分だ。
また少し時間を取るから、やってみて欲しい。
どこか分からない事があれば質問してくれ」
【そして、また言葉を止めて様子を伺う。
極少数が眠そうにしているが、半数以上が真面目に聞いているのを見ると一息つきたくなった。
自分の学生時代に比べると、どうやら随分と真面目な生徒が揃っているようだ、なんて感想を抱いた】