2016/09/14 のログ
ご案内:「学校内」に阿曇留以さんが現れました。
阿曇留以 > 「はぁっ……!は、ぁっ……!」

豊満な胸が上下に揺れる。
疲れ果てているのか、呼吸を乱し、頬を上気させている。
留以に言葉を発する余裕があれば、休ませてくれ、と願っているだろう。
しかし、呼吸を整える暇を与えてはくれない。
そら次だ。そら次だ、といわんばかりに追撃をかけてくる。

「ちょっと……っ!しつこい、わね~……っ!」

黒い塊――妖怪にもなれない、不定形のなにか――が、留以を追い掛け回していた。

阿曇留以 > 事の発端は留以が弱い妖怪を見つけたこと。
妖怪といっても、つまるところ人の残留思念とか、そのようなもの。
御札でちょっと叩いてはいさよなら。
そんな程度で終わる、難しいものではなかった。

が、それが呼び水となってしまった。

妖怪もどきが一斉にあふれ出し、留以に襲い掛かってきた。
その数は数え切れないほど。
一体一体は弱く、取るに足らない存在。
が、いかんせん数が多すぎる。
刀では斬り祓う前に押さえ込まれ、手持ちの御札は数が足らない。

そんなわけで、夜の校舎内で鬼ごっこを繰り広げていた。

ご案内:「学校内」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「ふぁ……ついつい寝ちゃったな。」

昼の授業の疲れプラスアルファから、ついつい放課後に空き教室で居眠りをしていた七生。
目を覚ましてみればすっかり日は落ちて、夜の校舎はしんと静まり返っていた。

早いとこ帰ろう、と廊下に出た彼は、ふとその眉をしかめる。
──学校の中だと言うのに、妙な匂いがする。

「……なん、だろ。」

物理的な臭いがしたわけではない。
校舎内に漂う異質な空気、気配を感じ取ることをそう本人が表現しているだけである。
ともかく、七生は校舎内の異変に気が付いた。

「……あっち、かな。」

鞄を背負って第六感を頼りに廊下を駆け出せば、すぐに異質な存在と少女を発見する。
丁度真正面から駆けてくるそれらを見て、眉を顰めた。

ご案内:「学校内」に水月エニィさんが現れました。
阿曇留以 > 「おにごっこ、だなんて、何年ぶり、かしら~」

笑いながら走っているけれど、正直に言えば疲労困憊。
無駄に揺れる物体と、備え付けの少ない体力は留以の身体に疲労を蓄積させていく。

「――ッ、悪鬼退散っ!」

御札を一枚取り出し、黒い塊に投げつける。
も、一部を爆散させただけ。
まるで何事も無かったかのように、再び形を戻して留以を追いかけだす。


「っ!そこの貴方~、走って~!!」

留以が逃げる方向に、一人の男性。
見ず知らずの人を巻き込んでしまうことに内心で落ち込みつつも、息切れしながら叫ぶ。
もし、留以が彼の近くまで来ても走る様子がなければ、留以はそのまま彼の手を握って一緒に黒い塊から逃げようとするだろう。

ご案内:「学校内」に南雲 海斗さんが現れました。
水月エニィ >  
 
「――何か催し物でもあったかしら?
 文化祭などはまだ先だった気がするのだけど」

 駆け巡る物音。
 野暮な用事を済ませた帰り、地上階へと足を掛けて廊下を見る。
 用事については 言うものではない。
 
 何かやってる。
 駆け回る巫女と少年。
 それらが追って追われているものはとても良く分かる。

「運動会はもっと先よね……」
  
 

南雲 海斗 > 「……あれ?」

夜のお散歩。言ってしまえば、ちょっとした冒険である。
夜の学校というちょっとしたホラースポットにチャレンジするつもりだったのだが……。

「あれ、えっと……」

どたばたと少しうるさい。そっちを見ると……

「お姉ちゃん!?」

自分が姉と慕っている人、阿墨留以が走っていた。他にも誰かいる。

「ど、どうしたの!?」

わたたた、と慌てて駆け寄っていく。

東雲七生 > 何だアレ。
少女を追う黒い塊を見て目を瞬かせる。

獣では無さそうだ、蟲とも違う、少なくとも今まで相手取ったことは無い類のモノ。
状況を観ようとした直後に、少女に逃げる事を促され、戸惑ってる間に手を引かれて走り出した。

「お、おうっ!……アレ、何?」

走りながら、追ってくる有象無象の事を尋ねるも、
新たに現れた人影に、気づくと其方へと目を向けて。

ご案内:「学校内」に滝川 浩一さんが現れました。
阿曇留以 > ぱたぱたと走る。
運動不足から来る体力不足と駄肉から来る疲労と女性特有の駄肉重りの三連コンボは留以を殺しにかかってきている。
そのまま、エニィのほうへ留以は走ってくるだろう>エニィさん

「あら、海斗く……んも、逃げて~!」
知り合いの少年。南雲海斗くん。
まさかこんな時間に学校に居るとは思わず驚きの顔をしつつ、海斗の手も引っ張って走り出す。
とにかく、走る。>海斗さん

「よ、妖怪、とか、そういう類なのだけれど~。
ごめ、なさ。体力きれて、しゃべれな、ごほっ」
辛そうにしながら走っている留以。
なんとか説明をしようとするも、咳き込んで説明が出来ていない。
とにかく逃げようと、男性の手を握って走っている>七生さん

東雲七生 > 「……あ、うん。ごめん。だよね。」

話し辛そうにしつつも、こちらの質問に答えてくれた女性。
その為人をほんの少し理解してからそっと背後を振り返る。

妖怪、と言っていたがなるほど得体の知れない姿はアニメや漫画で見るそれと近しい物を感じる。
妖怪、妖怪か……と繰り返しつぶやいて、未だ引かれる己の手を見て。
そして様々な要因から走り辛そうな留以の姿を見る。

自分が教室を出る以前からこの女性は妖怪のようなもの、を相手に走り回っていたのだろう。
だとしたら、体力は既に尽きかけの筈だ。口ぶりからもそれが窺えた。

──それなら。

「……ごめんっ、その子だけで良いや。」

新たに逃走者に加わった少年を見遣ると、おもむろに握られていた手を振り解いて足を止める。

南雲 海斗 > 「あ、おねえちゃ、一体どうしたの!?」

手を取られてそのまま走りながら問いかける。
単に夜のお散歩のつもりが、よくわからないことに巻き込まれたのかもしれない。

「あっ……」

そんな事を考えていると、もう一人手をつながれていた少年が、それを振り払って足を止めた。
そっちを見ると……謎の、黒い塊。

「あ、あぶなっ……」

詰まりつつも、止まった少年に声を投げかける。

阿曇留以 > 握っていた手が振りほどかれる。
男性の力と、疲弊した身体というのもあって簡単に振りほどかれ。
「っ!だめ、逃げて!」
こちらも思わず立ち止まって、男性に叫んだ>七生さん

滝川 浩一 > 夜の学校に現れる歪んだ空間。
それは何処となく人の形をしており、歪みは人の歩行スピードで移動している。
歪みは立ち止まると突如として透明から色が付き、Tシャツ半ズボンの大柄の少年の姿が露になる。

胸元には何やら六角形のバッヂのようなものを着用している。
これも生成物だろう。中身は精密機械が詰まっており、取り付けられたランプがぼんやりと青い光を放っていた。

「本当に消えてたのか?…実感沸かないな」

頬をかき、その生成物を消し去る。
彼の生成物は所謂、光学迷彩という奴だ。バッヂを取り付けた者を透明にする効果だが、如何せん消えている実感が沸かない。
まぁ、いいかと気にせず歩き出そうとする…が

何やら慌ただしい声が向こうから聞こえる。
物陰に身を隠しながらそちらへ近づき、顔をのぞかせれば少年の手をつないでいる巫女と見慣れた赤髪の少年が見える。
それに、黒い塊。
黒髪のくすんだ赤目の少女は目に入ってないようだ。

水月エニィ > 「……厄介そうね。」

 額を抑え息を吐く。
 人の魂そのものではない、人から零れ落ちた残滓のようなものだ。
 とは言え、それらがどのように振る舞うのかもわかっている。

(――とは言え、全部は無理ね。)

 小さく息を吸う。
 瞳を閉じて、息を整える。
 階段を登った所に位置を取る。

(正しくはなくとも、寄せるだけなら。)

「――■■■、ち、此■がいのならば来. 譁�ュ怜喧縺代い!」

 幽かな声でまじないを口ずさみ、音にならぬように呪い事としての言霊を発する。
 黒い視線の心残りを刺激するように、思念を呼ぶ類の恨み辛みを口にする。
 もしもそれらに呼応する思念があるならば、それらに準ずる思念の一部はエニィの元へと流れるだろうか。
 

東雲七生 > 「良いから行って!
 大丈夫、慣れてっから!」

こちらを制止しようとする少女へと振り返らずに促す。
完全撃破する事は出来ずとも、まあ足止めと数減らしくらいは出来るだろう、なんて暢気に考えつつ呼吸を整える。

こうして腹を据えて見てみれば、どうやら相手は不定形。
一戦交えてみれば、自分の弱点の対処法も見えるかもしれないな、と何処までも楽観視しつつ。

「君らはもっと安全に戦えるとこまで行って!
 へばってる君が止まっても、正直足手まといだし!」

それだけを一方的に告げてから、迫る黒い塊へと視線を向ける。
その口元には僅かに未知との戦闘への期待による笑みが浮かんでいた。

阿曇留以 > 耳に聞こえてくる声。
それが知った声だと気付くのに、数秒ほどかかり。
ただ、その声と一緒に黒い塊の一部が、まるで切り取られたようにごっそりと減る。
「今のこえ、エニィちゃん?」
きょろきょろと周りを見るが、留以にエニィの姿は見えてなかった。

ご案内:「学校内」から水月エニィさんが去りました。
南雲 海斗 > 「え、ちょっと……お姉ちゃん、どういうこと!?」

おろおろとしつつもうぞうぞと近づいてくる黒い塊に目を向けて、びくっとする。
が、直感で『これに普通に対応しても無駄』と判断して慌てて手のひらで払い……

「(水拳……!)」

手のひらから魔力を流し込む技法で打ち払おうとする。
が。

「あ、あれ……!?」

上手く流れない。
まだまだ未熟な海斗では、この状況でしっかり術を発動する事が出来なかったのだ。

「あ、えとえと、どうしよう……!」

困ったまま、留以に手を引かれている。

阿曇留以 > 「~っ!」

確かにへばっている。
正直、すぐその場に倒れて呼吸の乱れを直したいほどに。

「海斗くん、走って!」

男性の忠告を仕方なく受け入れ、海斗の手を引っ張って走り出す。

ご案内:「学校内」から阿曇留以さんが去りました。
南雲 海斗 > 「う、うん……!」

心配そうに後ろを見やりながら、そのまま手を引かれて行った。

ご案内:「学校内」から南雲 海斗さんが去りました。
滝川 浩一 > 「一体…何が…」

目まぐるしく変化する目の前の状況。
奇妙な声が聞こえたかと思えば黒い塊の一部が切り離され移動した。
巫女は少年の手を引いて撤退していったし、残った黒い塊については赤髪の彼が対峙している。

「全く…」

切り離された黒い塊の行方も気になるが目の前の少年が知り合いなだけに放っておけない。
まさか忘れ物を取りに来ただけでこんな場面に遭遇するとは…

とにかく、少年を援護する形で黒い塊に奇襲をかけようと出所を伺う。

東雲七生 > 「よっしゃ、そんじゃ実戦稽古と行こうか……ねっ!」

数の減った黒い塊へと一足飛びに距離を詰めてそのまま飛び蹴りを放つ。
奇襲にも似た速攻は蠢く塊の集団の一部を捕え、文字通り蹴散らした。
──が、小型のモノへと分裂し、単純な数は増す。

「……なるなる、物理が効かないってわけじゃない……か!」

今の攻撃で完全にこちらを敵性と判断したのか、
明確な害意を向けてくる中で笑みを浮かべた七生は、跳びかかって来た固体を裏拳で弾き飛ばした。
それを皮切りに次から次へと黒い塊は七生目がけ飛び掛かってくる。
それらを往なし、躱し、拳や肘、膝や蹴りを駆使して反撃していく。

「ははっ、真面目にやらないと殲滅しちゃうぞ!」

激しい攻防の中にあっても、赤い瞳は愉しげに煌々と燃えていた。

滝川 浩一 > 「…あれ」

黒塊が蹴りにより拡散。次の瞬間黒い塊が少年へ向け猛攻を繰り出すのを見る。
一瞬だけ危ないなどと思ったがそれらをいとも簡単に、しかも愉しそうな声を挙げ対応する少年に情けない声が出る。

滝川少年の頭の中ではあの少年がピンチになったところに颯爽登場!して良いとこ取りする予定だったのだが…
如何せん、あの少年はピンチになりそうにない。

それはそれで安心出来る。
おとなしく彼の戦闘を見る。華麗な身のこなしの彼に少しばかり呆気に取られる