2017/03/11 のログ
ご案内:「廃ビル」に柊 真白さんが現れました。
■柊 真白 >
(日が沈み闇に覆われたスラム街の一角。
誰も使わなくなった廃ビルは、今は不良達のアジトとなっていた。
裏でもそこそこ名の通ったグループであり、ただの不良にしては不釣合いな装備が目立つ。
ただの不良が持つには大げさなほどの装備は、暗にどこぞの違反組織がバックにいる事を示唆しており、だからこそ複数の組織から警戒されている、そんなグループだ。
そんな彼らのアジト――この廃ビルに異変が起きている。
銃撃音や怒声、時折起こる爆発音。
明らかになにか起こっているが、周囲は驚くほど静かだ。
ここでは余計なトラブルに首を突っ込むヤツから死んでいくと知っているのだ。)
(何度目かの戦闘音の後、二階から飛び降りた者が数人。
二階程度から飛び降りたところで死にはしないし、そもそもパワーアーマーのようなものを着ていることが見て取れる。
脱出経路として利用したのだろうが、彼らの殆どは空中でパワーアーマーごと両断されて死んだ。
手や足の切断だけで済んだものも、着地――落下といっても良い――の際にトラップが起動し、多数の杭で身体を壁に縫い付けられて命を落とす。)
■柊 真白 >
(その光景を彼らが飛び降りた二階の窓から眺める影が一つ。
ビルに入ればわかることだが、一階の入り口からその場所まで血と肉片が散乱する地獄のような光景にも関わらず、その白い姿には赤いシミ一つ付いていない。)
ひい、ふう、みい――終わり。
(地面に落ちた頭の数を数え、窓から飛び降りる。
先ほど飛び降りた男達を肉片へと変えたもの――細いワイヤートラップの張られていないところを通り、地面のトラップを踏む愚行も犯さない。
空中に張り巡らせたワイヤーは、あと数時間もすれば酸化してボロボロに崩れてしまうだろう。
地面のトラップも全て回収、廃ビルの武器庫へまとめて放り込んでおいた。)
――。
(その後、ビルの内と外の死体の写真を撮る白い人影。
顔には目の周りが黒く縁取られた白い面を貼り付けている。
この街で調達した認識阻害の効果を持つ面で、装着している限りは装着者の正体を看破されないというものらしい。
そこかしこに転がっている彼らからの依頼を受けたこともあったのだが、彼らは自身に気が付いていないようだった。
効果のほどは確からしい。)
■柊 真白 >
――撮れてる。
(撮った写真を確認し、スマホをポケットへ。
立ち去る前に死体をどうしようか迷ったが、結局放置していく事にした。
長居して誰かに見られるのも面倒だ、この場を後にすることを優先しよう。
音もなく闇に溶け込んで――)
ご案内:「廃ビル」から柊 真白さんが去りました。
ご案内:「女子寮 ***号室」に谷蜂檻葉さんが現れました。
■谷蜂檻葉 > 「―――、ぁ…… んっ……! ふぁ、……う……」
部屋の隅に埃の溜まっている、小汚い。とも言える部屋で、女の喘ぎ声が小さく響いて静かになる。
”彼女達”が部屋で合流してそう時間も経っていなかったが、彼女達を縛るものはない。
ただ、自由に飛ぶだけだ。
「……はぁ…… あー…、休憩、お願い。
ハァー……あっつい……人肌恋しい、って言っても暑苦しいのは無し……。」
ゴロン、と少しばかり一人がもう一人に距離を取る。
身体の至る所が濡れて、髪も乱れて身体に少し張り付いている。
一糸も纏わぬ身体に長い髪は縦横無尽に絡みつき、彼女はソレを鬱陶しそうに払った。
ご案内:「女子寮 ***号室」に比良坂 冥さんが現れました。
■比良坂 冥 >
「──……だめ」
逃がさない、とばかりに、
距離をとる檻葉へとその肢体を遠慮なく折り重ねる
汗ばんだその肌を首筋から顎先へとねっとりと舐りあげるようにして、
灰色の少女は満足げに微笑む
「……まだほんのちょっとしか経ってないよ…?
もっともっと……溶け合わないと───」
そう言いながら少女は蛇のように身体を絡ませ、密着してくる
■谷蜂檻葉 > 「んなぁー……あーつーいー……!!」
そう言って身体をよじらせる―――ようにして、
脚をぎゅっと絡ませるように檻葉からもより密着すると、口元の周りをべろ。と舐めてから覆い被せるようなディープキス。
「(じゅる、…じゅずっ。) ―――ぷぁ、……夜は長いんだしもっとゆっくりしたって良いじゃない。
……どうせ、沢山するつもりでしょ。」
じっくりと彼女の口内を嘗め尽くし、唾液を吸い上げて。
一服するように大きく息をついた檻葉はそう言って指を「5」に広げる。
■比良坂 冥 >
「……離れて欲しくないから」
灰色の瞳に暗い色を宿しながら、ぼそりと呟く
もっと密着して
ずっと離れないで
どろどろに溶け合うまで
夜、夜は長い
でもいずれ明けてしまう
昼夜関係なしといえばそうだけれど
「ん……ぁぷ。
───そういえば、檻葉はもうすぐ卒業しちゃうんだね」
濃密な唾液の交換の後も、その身体に次々とキスを落としながら、
そんな言葉を小さく、耳元で呟く
■谷蜂檻葉 > 「……もー。」
うんざり。というようにも聞こえるし。
仕方ないなぁ。と、どこか嬉しげにも聞こえる声調で溜息をつくと、
冥の頭を抱えこむようにして胸元に引き込んだ。
最近、肉量の増した身体は、いつもよりぺっとりと肌と肌がくっつきあう。
「もうすぐ、って言っても今年1年は間違いなく常世学園には在籍してるわよ。
……それに、進路のことも考え中だし。 『院』のつもりでもう数年はいるかもね。
結局、卒業試験次第よ。 でも、そうね……早ければ今年の暮には本島から出るかも知れないわ。」
冥の囁く様な声に、少し考え込むようにして手を止めると、しっかりとそう答えた。
■比良坂 冥 >
「───そっか」
檻葉の胸元で、その言葉を静かに聞いていた冥
言葉が終わると、小さくそれだけを口にして顔をあげる
「寂しいね。
檻葉はもう、私の一部なのに。
心臓が二つあって、その片方が遠くに行っちゃうような感じがする…」
そう言いながら、ふにふにと檻葉の片方の乳房に手を添える
───次の瞬間
「……離したくないなぁ」
ぎゅうっ───
爪が食い込む程に、その手に力込められる
■谷蜂檻葉 > 「遠くに、って言っても会う方法なんて幾らでも―――」
その言葉にも、檻葉はあまりにも無防備に愛おしげにただ冥の髪を撫でていた。
最も重要な”冥の本質”を忘れたまま。
「―――痛っ―――。 冥、ちょっと。 い、ったぃ……!」
唐突に込められる力に、反射的に冥の手に上から手を重ねるようにして引き剥がそうとする。
■比良坂 冥 >
「そうじゃないよ…」
顔を合わせる時間が減れば…心は離れる
言葉を交わす時間が減れば…身体も離れてゆく
自分以外の誰かと言葉をかわせば、そのときのその心は誰かのもの
同じ場所に居れなくなれば、自ずとその比率は変わっていって……
「……私はもう、檻葉がいないとダメだから。
───私より長く、檻葉と誰かと過ごす時間は、それだけで辛いよ」
引き剥がそうとするその細腕は、少女の力とは思えないほどに強固で、頑なだった
「……私だけの檻葉になってくれる?」
ふっ…とその手の力が抜ける
口の端に歪な笑みを浮かべた少女は、そのまま両手を檻葉の首へと差し向ける
相手の全てを自分のものにする
その意味は───
■谷蜂檻葉 > 「――――、冥……!!」
瞬間。 檻葉の”匂い”が変わった。
発汗量の増えた身体。
先程までの艷事で満ち満ちていた汗の匂い。
それら全てが『変換』されていく。
谷蜂 檻葉の異能。
懸念していた「その時」が来たことを理解した彼女は、直ぐ様対応を選ぶ。
《体成匂薬(オート・アロマテラピー)》
身体の自由を奪う、麻酔にも似た薬効の海。
汗と唾液。既に冥の身体の内外から取り込まれたそれらが、異能によって『薬』に変わる。
■比良坂 冥 >
檻葉の首へと指が食い込む
力を込めて、その命を、心を
全部ぜんぶ自分のものに───
「……え?」
全体重をかけてその命を奪おうとした冥の身体がゆらりとそよぐ
そのまま、身体のバランスを失ったようにベッドにうつ伏せで倒れ込んだ
「………なん、で?
どうして、誰も……私だけのものに、なってくれないの──」
なんで?
どうして?
色々交わした言葉も全部、嘘?
俯せたまま、闇が渦巻くような視線を檻葉へと向ける
■谷蜂檻葉 > 「―――……私だって、こうしたくはなかったんだけど。」
視線すらも呪いになりそうな冥の瞳を受けて、
檻葉は逆に冥の体を仰向けに起すと、そこに馬乗りになる。
「誰も、『自分だけの誰か』なんて持てないのよ。 ……きっとね。」
そうして、近くの棚から小さなナイフ ―――メスを取り出す。
ソレを舐めて磨くようにして唾液をじっくりとまぶすと、静かに冥の背中に「切り込み」を入れた。
「それに私、『思い出の女』って言葉、嫌いなの。」
そこに、彼女の唾液がとろりと溢れていく。
傷口に、直接彼女の体液が染み込んでいく。
■比良坂 冥 >
「そんなことない、そんなこと。
どうして?思い出の中にいれば絶対に裏切られることもないのに、
わかんない、わかんないよ───」
するりと侵入するメスは痛みもなく、
檻葉が今さら自分に何をしようとしているのか
全くわからないといった、どこか困惑の表情を浮かべて……
■谷蜂檻葉 > 「いつか消える『記憶』を『人』だと言うのであれば―――冥、貴女は前提からきっと間違えているのよ。」
そして、指でなぞるようにして傷口を這わせてから十数秒。
表面の唾液は乾き、内部に浸透したモノは、更に変質して冥の体内を巡り……。
「私、まだ生きてやりたいことがあるから 「楔」を打たせてもらうわ。
でも、そうね。 もしも私が死ぬ時が来て、その時まで冥が私の事を思ってくれているのならその時は―――
……あぁ、ダメか。
冥の考えなら、私もきっといつか冥に裏切られてしまうもの。 ……ね?」
最後の言葉は、くすくすと嗤うように。
けれど、「こんなこと」をされたらそうでなくとも彼女は私のことを嫌うかもしれない。
そう思うと、少しだけ胸が痛んだ。
「さて ”手術完了” っと。
麻酔の方は切れてきたと思うけれど、気分はどう? ―――『私の事、独り占めにしたい』かしら?」
異能「体成匂薬」
体内で『嗅覚』を中継して、脳に影響を与える物質を生成する異能。
汗腺から外界に分泌される。
「無臭」の物質は作れず、なにかしらの匂いを持つ。
ただ、生成された物質自体は体内に入れば効果を及ぼすので「嗅がせる」だけではなく「塗る」「混ぜて飲ませる」といった使用方法も出来る。
その能力の幅は既に限界に近いほどに磨かれている。
後は、その「使い道」を広げていくだけ。
……試験も、それを磨く為の方法を選んだ。
ソレよりも早く、使うことになるとは思いたくなかったが。
『匂いと記憶』は深く、密接に関わっている。
「プールの匂い」「病院の匂い」「パーティで食べた食事の匂い」
匂いと記憶は結びつき、記憶と感情が結びつく。
『プールで溺れた記憶』『病院で手術した記憶』『食中毒を起こした記憶』
「恐怖」と「匂い」を結びつければ、仲介された記憶は『匂い』に恐怖の感情を引き出させる。
そして今。
檻葉は「谷蜂 檻葉」を冥の身体に直接覚え込ませた上で、『記憶』と結びつけた。
■比良坂 冥 >
「消えないっ。私は絶対に忘れないのにっ」
どこか必死じみた言葉が溢れてゆく
亡くしたくない、失いたくないという、
手に入れるとはまるで反対に位置する言葉を嫌悪するように、表情を歪めて
今まで自分の求めた、心から好きになった相手は全て自分の中にある
名前も、声も、匂いも、仕草も、癖も、何一つ色褪せることなく生き続けている
……一人を除いて
裏切らない、いつも裏切るのは
抗議の言葉は口から出ることなく、それは終わった
「………」
ゆっくりとその身体を起こす
うっすらと涙の浮かんだその眼で、なんら変わりのない筈の檻葉を見る
「───っ」
トン、と
その背を部屋の壁へと打ち付けた
表情は、先程よりも濃い"困惑"
■谷蜂檻葉 > 「―――効いてるようで、何よりね。」
その笑みは安心というより、どこか寂しげだった。
勿論、檻葉は言葉通り死にたくはない。
それが「あなたを独り占めにしたい」なんて独善的な理由ならなおさらに。
……ただ、それでも。
『自分』を見て、それほどまでに欲してくれる誰かというのを、彼女は求めていたのかもしれない。
「私に裏切るつもりはないわ、冥。 ”私は絶対に裏切らない”
それを、信じてもらえないのであれば……冥が私を忘れないという言葉も、信じられない。」
だからお互い様って事にしておいて。
そう言って、困惑したような冥を見ながら悩ましげに溜息を付いた。
「……さて、どんな記憶と結びついたのかしらね。 冥に嫌われたくてしてるわけじゃないんだけど。」
■比良坂 冥 >
「───何したの、私に何したの!!?」
悲痛な声が部屋に響く
今、目の当たりにしている谷蜂檻葉
そこから湧いてくる感情は先程までのものとは違う
幼少の頃から、先天的な色素異常のせいで学校では一人浮いていた
中学校ともなればそれは激化し、一部のグループは自分を排他的に扱い、暴力を振るった
元々コミュニュケーションが苦手だったことも拍車をかけて、人道的に考えられないようなことをされるのも日常だった
忘れようにも忘れられない、生傷だらけの過去
それと同じ匂いを、目の前の檻葉から感じている
脱ぎちらした服を抱えて立ち上がる、
壁を背にしたまま、檻葉から目を離さずに、その脚を震わせる
「嘘、みんなそう言う、そう言って、私に───!!」
"バンッッ"
まるで逃げ出すように
ドアを勢い良く開け放ち、裸同然の格好で冥は廊下へと走り去っていった
■谷蜂檻葉 > 「……『良薬口に苦し』 か。」
飛び出していく冥が視界から外れる直前。スイ、と手を動かして”姿隠し”の魔術を飛ばす。
ちょっとした認識阻害、「彼女に視線を向けようと思わない」ように仕向ける程度のシロモノ。
とりあえず、冥が寮を出るぐらいは出来るだろう。
「ああ、でもやっちゃったな……これで―――」
『終わり』なのだろう。
あの反応を見るに、そうとう彼女にとって根深い記憶に結びついてしまったようだ。
つまり、今の自分は冥にとって「歩くトラウマ」に他ならない。
「……ん、でも冥の記憶に結びついているんだったら……。」
じわ、と目頭が熱くなりそうになったその時。
ふと檻葉は一つの「可能性」に気がついた。
……もしも、その『夢物語』が叶うのだとしたら。
「――――冥を、自分から変えられる?」
ご案内:「女子寮 ***号室」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「女子寮 ***号室」から谷蜂檻葉さんが去りました。