2017/06/11 のログ
イチゴウ > 「にしても契約一つで殺人が容認されるとは
何事にも例外というのはあるんだな。
それとボクは死体処理屋じゃないから後始末は
キミ自身でやってくれ。人殺しをするなら
後片付けくらい自分でやらないとな。」

こんな事も言っているがこのロボットも
状況次第で殺人が容認されている。むしろ殺人こそが
本来の主任務というべきか。

「それに今回目撃者がボクでよかったと思うよ。
他の風紀委員に見つかってたら面倒な事になってたぞ
彼らは”正義の味方”だからな。」

今のイチゴウにはパトロールという任務が与えられ
行動の自由は任務によって拘束される。
もし彼が任務を請け負ってない状態で
この状況に遭遇したならば
結果はまた変わっていたかもしれない。

谷蜂檻葉 > 「『契約で殺人が容認されている』のではなく、
 我々は『契約によって殺人が否認』されている場所に立っているんですよ。

 彼女は、其処に居なかっただけ。
 戦争だって、『むやみに殺してはいけない』っていうルールが有るんです。
 その”適用外”にいる人が、殺し、殺されていく。

 規律のない世界が恐ろしいからこそ、皆こぞって規律を作っているんです。」

だから、これは例外ではないのだと。

檻葉はどこからか路地の奥からやってきた”ぼんやりした表情の男二人”にひと声掛けて処理しているのを眺めている。

イチゴウ > 「何はともあれボクは任務を請け負っている限りは
人間の決めたルール内で動いている。その中では
自由に人を殺せるというのは例外にあたる。」

このロボットにとってはルールの裏の本質など
関係ない事かもしれない。人を殺すなと言われれば
殺さないし殺せと言われれば殺す。
それが機械の役目でありまた求められている事だ。

そしてイチゴウは死体処理をしている男たちを
適当に見つめると

「なんだアイツらは。知り合いか?
それとも業者かなにか?」

檻葉の顔を見上げなら不思議そうに質問する。

谷蜂檻葉 > 「ではきっと、彼女は『人間でなかった』んでしょう。

 ああ、この方達は”善意の協力者”ですよ。 親切にも、このあたりの処理をしてくれているんです。」

その協力者の表情が存在しないというのは、つまり”そういうこと”なのだ。

「―――さて、それでは私は研究に戻りますからここでお別れです。
 こんな場所ですし、二度会うことも無いとは思いますが。 その時はお手柔らかに。」


そうして、檻葉と名乗った女はヒラヒラと手を振って去っていく。
やがて表情のない男たちもズタ袋に詰めた死体を持って何処かへ消えていった。


やがて路地裏にはいつも通り、気味の悪い静寂だけが残った。

ご案内:「落第街路地裏」から谷蜂檻葉さんが去りました。
イチゴウ > 「ああ・・・なるほど。」

死体を処理している男達には表情がない。
そして檻葉の言っていた事を考えれば
大方の予想はつく。

そうして手を振って研究へと戻っていく彼女を
見つつまたイチゴウもこの路地裏から去っていく。

ご案内:「落第街路地裏」からイチゴウさんが去りました。