2018/11/08 のログ
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」に神代理央さんが現れました。
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」に柊真白さんが現れました。
■神代理央 > 師走が迫る秋の夜。ちらほらと冬服を着込んだ人々を見かける程度には夜風の冷たさが身に染みる様になってきた。
そんな晩でも、己の任務が変わる事は無い。路地裏まで馴染み始めた落第街で、人身売買に携わる組織の調査が命じられていた。
とはいえ、いつもの様に鋼鉄と火力で押し潰す様な事はしない。落第街の一角に聳える廃マンションの一室で『風紀委員の情報を売る』というチープなネタで呼び出した組織の幹部と密会し――
「…自分で引き金を引くのも久しぶりだな。偶には射撃の練習でもせねば、腕が訛ってしまうかもしれん」
玄関を開けて此方の顔を見た瞬間、脱兎の如く逃げ出そうとした幹部の男に数発の銃弾を放ちその息の根を止める。
階下の駐車場では、潜んでいた異形達が護衛の乗った車を鉄屑に変換しており、廊下に待機していた護衛は大盾の異形がその盾で文字通り圧殺している。
「今時口頭で情報を得ようとも思わんしな。外れれば適当に区域毎焼き払っても良かろう」
倒れた男の懐から携帯電話を取り出し、軽く放り投げて弄びながら独りごちる。
■柊真白 >
相変わらずみたいで何より。
(彼の背後から声をかける。
今しがた撃ち殺された幹部は自身の仕事の標的だったのだが、彼に先を越されてしまった。
とはいえ相手は風紀委員だ。
別に先を越されるなとも言われていないし、必ず自分の手で殺せとも言われていない。
失敗したことに変わりはないが。)
関係ない土地だからとそう簡単に焼き払われては困る。
■神代理央 > 「…それは此方の台詞だ。気配を消して人に声をかけるのは如何なものかと思うがね」
突然背後から投げかけられた声に、僅かに警戒心を浮かべた表情で振り返った後、呆れた様に小さく溜息を吐き出した。
そこに居たのは見慣れた白い洋装の少女。仮面をつけているということは、何かしら野暮用があったのだろうかと思案するが―
「…ふむ?それは貴様にも同じ事が言えるだろう。情をかける程、落第街やスラムが愛着を感じる場所では無いと思うがね。それとも、単に仕事がやり辛くなるからか?」
誂い半分、本心からの疑問半分、といった表情で手に持った銃を下ろして首を傾げるだろう。
■柊真白 >
仕事だったから。
(過去形にすることで、言外に仕事がパァになったと言う苦情。
仮面の下でため息を吐いて。)
前にも言った。
ここにも住んでいる人たちがいる。
――それこそスラムのごろつきどもじゃあるまいし。
(ポケットからスマートフォンを取り出し、依頼人に報告。
失敗の報告は初めてではないが、あまり気乗りのするものじゃない。)
■神代理央 > 「成る程。とはいえ、此方も仕事なのでな。次は風紀の情報部よりも早くネタを仕入れる事だ」
愉快そうな口調と共に言葉を返した後―
「別に住むのは構わんさ。此処に住むという事のリスクを承知の上で住んでいるのなら、此方も相応の手段を取るまで。学園は此処の住民に住んで下さいと頭を下げている訳では無いのだからな」
返した言葉は傲慢でありながら淡々としたもの。
落第街やスラムに住む以上、命の危険に晒されるのは当然であり、それを選んだのは彼等自身だと告げる。
「…それでも彼等を助けたいというのなら、避難させるなり風紀委員会に陳情するなりすれば良かろう。それか、風紀に喧嘩を売って一人で戦争するというのも良いかも知れんがな?」
クツリと僅かに口元を歪め、小さく肩を竦めた。
■柊真白 >
確かにここに住むのは自己責任。
だけど、だからと言って何の理由もなく無駄に踏みつぶしていい理由にはならない。
(すべての人を守るのが風紀委員、なんていうつもりもないけれど。
だからと言って、守らなくていいから潰して回る、というのは違うだろうと。)
別にここを守ろうというつもりはない。
風紀に喧嘩を売るつもりもない。
(スマホをしまい、じ、と彼の顔を見る。)
どちらかというと、助けたいのはあなたの方。
(悲しさとわずかな哀れみを含んだ目で。)
■神代理央 > 「無駄では無いさ。大多数の人間が平穏でいる為の処置だ。貴様とて、花壇に雑草が生えれば抜くだろう?大多数の市民の為の治安を守る為なら、市民で無い者の権利等考慮に値せぬ」
フン、と息を吐き出すと、高圧的な言葉と視線を彼女に向ける。
「……などと、こんな場所で貴様と議論していても詮無き事だ。私は忙しい。用が済んだのなら早く――」
その視線が高圧的なものから高慢なものへと色を変え、いつもの口調で彼女に立ち去るように促そうとした。
だがその言葉は、此方を見つめる彼女の視線に気づき、何事かと中断されて――
「……おかしな事を言うものだ。貴様が、私を救う…だと?どういう気の迷いかは知らんが、貴様に救われる程、落魄れた覚えなど無い」
彼女の言葉よりも、その瞳が湛える感情が己の神経を撫ぜる。
己が何よりも嫌う哀れみ、憐憫の色を僅かではあるが彼女の瞳に見出したから。
己の瞳は僅かに敵意を帯び、ゆっくりと足音を響かせながら彼女に近づくだろう。
■柊真白 >
必要があればそうする。
私だって人を殺すことを仕事にしてるから。
けれど必要もないのにそこにある草むらを土地ごと全部ひっくり返すような真似はしない。
(自分の仕事は暗殺だ。
誰かの邪魔になっているから誰かを消す、そんな仕事ばかりだ。
だけど、仕事に邪魔だからと見える人間を全部殺すようなことはしない。
そんな仕事は受けない。)
そう。
あなたは何もわかっていない。
人の命を奪うということがどういうことかわかっていない。
それを知らずにただ雑草を引き抜くように人の命をつぶしていくことの意味を、何も分かっていない。
(棒立ちに突っ立ったまま、憐れむ色は引っ込めず。)