2019/07/14 のログ
ご案内:「屋上」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「早いもんで、もう7月も折り返し……梅雨が明けたら一気に暑くなるんだろうなあ。」

どんよりという表現がまさに最適な空を眺めながら、名無はタバコを咥えながら呟いた。
世間的には連休初日、しかしこうして学校に居るということは名無は出勤日という事である。
今日も今日とて一仕事終えて、一服をしようと屋上まで上がって来たのだった。

「ま、こんな天気で外に出かけたところで、って思わなくもねえけど
 今にも降り出しそうで気が気じゃねえもんなあ。」

タバコの先に火を灯しつつ、やれやれと言わんばかりに肩を竦める。

ご案内:「屋上」にモーントさんが現れました。
モーント > 三つの規則的な足音を連れて、少々息を切らして杖をついた長耳の初老が屋上に現れた。
空模様を仰ぎ、湿った風を感じながら何気なく見回し、先客に気がつく。

「隣、よろしいかな?」

せっかく人がいるのに離れて一服というのもつまらない。
そんな心持で、スーツの胸ポケットから煙草入れとマッチを取り出しつつ、暁へと話しかけた。

暁 名無 > 「おや、誰かと思えば。
 どうぞどうぞ、なんか今にも降って来そうな感じなんで降られる前にさっさと喫っちまいましょうや。」

足音に気付いて振り返れば、一目見て人外と判る男が屋上へと姿を現していた。
掛けられた声に口元に笑みを浮かべて頷くと、新たに一本咥えて火を点ける。

「先生も休出ですかい。
 こんな季節だってのにお互いご苦労なことですねえ。」

モーント > ご苦労様の言にはは、と軽く笑う。

「雨も少しは良いものだよ。水精のレディなんか、会う機会が増えるしね」

喋るに合わせてくわえた煙草が上下に振られる。
バーの名前が印刷されたマッチを何度かこするが、火がつかない。しけっているようだ。

「訂正しよう、あまりよくないな」

片眉を上げて煙草を手に持ち直した。

暁 名無 > 「なるほど。
 まあそう考えりゃ確かに悪いもんでもない。」

へらりと笑って肯定し、ゆったりと吐きだした煙を目で見送る。
そして横目にマッチに苦戦するエルフの姿を見れば、くくっと笑って。

「そりゃあこの時期にマッチなんて使ってりゃ手古摺りもしますわな。
 どうぞ、お使いください。あんま保たないんで早めにお願いしますよ。」

ほい、と指先に魔力で炎を灯し、差し出す。

モーント > 「なるべくこういった道具を使いたいんだが、どうにも……ありがとう」

渋い顔で火を借りてからマッチをしまい、深く吸う。
紫煙の横で吐き出す煙は、肉や魚料理に使われるようなミックスハーブの香りだ。

「湿りすぎているならば、今夜はほどほどに潤った女性(ひと)と遊ぶとしようかな…人間とか」

暁 名無 > 「そこはそれ、臨機応変にって奴ですよ。
 ま、俺の場合魔力回路がすぐ錆びついちゃうんでね、マメに使わなきゃって理由もあるんですけど。」

軽く指を振って余熱を払い、隣人に倣って煙を吸い込み、吐き出す。
此方は何の変哲もない、至ってよくある普通の煙草だ。

「おやおや、御盛んですなぁ。
 俺もそういう歳の取り方をしたいもんですわ。」

けらけらと笑いつつ、大きく頷いた。

モーント > 仕方ないと思いつつマッチを使えなかったのは少し悔しい。マッチをしまったポケットを残念そうに見て、魔力回路の話に確かに、という顔をする。

「体質改善など行わないのかい?私の故郷ではけっこうやっていたものだが、こちらは違うのかな」

種族的には魔術が生命線なので気になる。そういう意味で多少真剣な声色となった。

「まだまだ若いんだよね、私。ああ、よければ仕事終わりにどうだい。君も知っているところかもしれないが」

一緒に、と歓楽街のほうを視線で軽く示して誘ってみる。もちろんいい女性と酒のある場所に、だ。

暁 名無 > 「これでも色々と試したんですがね。
 むしろ試した事が仇になってしまったようで。ははは。」

参っちゃいますよ、と特に事も無げに笑ってみせる。
さほど深刻そうな顔をしていなくても何とかなる程度にはこの世界は易しい様だ。
少なくとも、暁名無本人にとっては。

「おっと、こりゃ失礼。
 ……折角のお誘いなんですが、この後は研究で引き籠ろうと思ってましてね。
 これから期末に向けて忙しくなるんで、まだ暇な時間のある内に済ませたい事がわんさかあるんですよ。」

ぐぬぬ、と渋面で答える様子から見るに、本当に断腸の思い出断わっているらしかった。
ここの所日照りが続いているし、潤いを得たいのはやまやまなんですが、と地獄の底から響いてくるような声音で続ける。

モーント > 「ならば仕方ないね。業火を内包するよりか良いかもしれないが」

煙草を揺らしながら冗談めかしてこちらも笑う。

「ああ……それは残念だ。乾いた日々ほど悲しいものはないからね。首尾よく済ませられることを祈っているよ」

こちらも悲劇といわんばかりに眉を下げ、芝居がかった手つきで額を覆ってみせた。
そうして気付けば短くなっていた煙草を携帯灰皿に放り込んで、軽く襟元を整える。

「さて、私はそろそろお暇しようかな」

暁 名無 > 「まあ、上手いこと付き合っていきますよ。」

幸いにもこの体質で不利益を被った事は殆ど無い。
これからもそうであるという保証はないが、その時はその時、が名無の信条であるからして。

「ありがとーございます。
 頑張ってみますけどねー、まあ没頭しちまう悪癖もあるんで。」

ほどほどに頑張りますよ、と咥えていた煙草のフィルターを口から離せば、そのまま手の内で塵も残さず燃え尽きて。

「俺も戻るとしましょうかね。
 おや、丁度降って来た。ささ、さっさと戻りましょうや先生。」

ぽつぽつと地面を叩き始めた雨粒に肩竦めて、エルフの同僚を校舎へと急かしにならない程度に促すのだった。

モーント > 「私ももう少し頑張ろうかなー……」

実はこちらもかなり仕事を抱えているのは、また別の話。余裕でなく本人に危機感がないのだった。
見る間に増えていく雨の跡を緩やかに眺めて、校舎へ向かうとしよう。

「一服分待っていてくれたのだろうねえ。 お、っと」

頭の上にひやりとした雫を受けて驚いたりしつつ、連れ立って屋内へ入っていった。

ご案内:「屋上」からモーントさんが去りました。
ご案内:「屋上」から暁 名無さんが去りました。