2020/09/02 のログ
紅月 純 > 「物語とかだと一般的なものが向いてないヤツに限って凡人が目にしないイカれたもんが使えるとかあるよな。現実は別としても、試したくなる」

こっちの小説とかは知らんが、似たようなストーリーとかは描かれてそう。
そういうアレを俺も持っていたので無論試した。
結果的にコストはでかいが、人前じゃ使えんそれなりのズルを覚えた。

「そろそろ行くわ。お付き合いどーも」

雨見風菜 > 「確かに、よくある話ですよね」

言ってる風菜自身、性に関する魔術が使える訳で。
ある意味でイカれた魔術ではある。

「ええ、また会いましょう」

紅月 純 > 「じゃぁなー……と、そうだ」

皿を片付け立ち上がろうとして、胸ポケットから紙とペンを出し。

「ほら、連絡先。なんか面白いもん見つけたら教えてくれや」

学生が使う連絡用端末のアドレスを書いて渡す。

雨見風菜 > 「あら、ありがとうございます」

端末のアドレスを受け取る。

「ええ、分かりました。
 とりあえず、また今日中にメール送りますね」

なお、後刻送ったメールにはエロ自撮りが添付されていたのはまた別の話。

紅月 純 > 「おう」

あとで何が起きるかなぞ全く予想できるわけがなく、いつもの仏頂面で皿を返却しに行った。

ご案内:「第一教室棟 食堂」から紅月 純さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 廊下」にエコーさんが現れました。
エコー > 新学期初日、あるいは開始数日間は夏が過ぎて憂鬱な気分になったり、あれをやれば良かったと悲哀交々の感情を発露する日。
人によっては友達と久々に会える事を喜んで抱き合う者もいるだろう。帰りにファストフードへ寄って駄弁る生活が再開できることに喜びを見出す者もまたいる。

「でねでね、音子ちゃんはどんなラヴとかしたの~? 先生に教えてよ~拡散しないから~。
 え、デートして夜景をバックにキスまでやっちゃった!? おっとな~~」

こうして生徒との対話を久々に行うことが何より楽しいと感じる先生もまた存在するのである。
夏休み期間中は副業と課外授業にかかりきりだったからロクに生徒と話をすることがなかった。廊下に備え付けてあるモニター越しに、一般生徒を相手に恋バナをフリながら楽し気に談笑している。
見慣れない人からすればテレビに話しかけることに奇異な目で見られそうだが、慣れた者からすれば一学期からの日常的な光景であった。
生徒とのコミュニケーションを好む非実在性フレンドティーチャー『エコー』はこのように生徒と接しているのだ。

エコー > 頬杖を突きながら自分の顔を模したクッションを肘に乗せ、寝そべる態勢。画面越しとはいえ完全にリラックスしながら聞き入っている。
このクッションも態勢もすべてはバーチャルだから現実と同じ感触は得られないが、あくまで雰囲気作りである。
テレビの位置関係上、高い位置にあったりして見下ろしがちになるから色々困るのである。

「じゃあ今度デート行くの? 扶桑百貨店にアクセと服見てご飯食べるんだ~。良いな~。先生もデート行きた~い!」

複数の女子生徒に囲まれながら恋の話をしたり、とりとめもない雑談をする。常世学園は通常の体系とは異なるが、中身は概ね多感な年ごろの子も多い。
夏にダイエット成功したんだという話には偉いと褒めちぎり、日焼けしたことを自慢する子には「ワイルド~小麦はかっこいいよね」と全肯定する。
染髪してイメチェンした子には驚きはしても否定はせず、可愛くて好きと口にするのだ。

エコー > 「うん、また進展があったら教えてね! 私、応援してるから!」

相談にも乗るからね~と画面から手を突き出す勢いで手を振って恋バナを振った生徒を見送る。

「~~やっぱりここは居心地が良いなぁ。ここに永住したい……。情報室も近いし間借り出来たら嬉しいんだけど、でも校内放送とか丸聞こえになるし、文化祭の放送チャンネルとか筒抜けになるし居住性は良くないよねぇ」

プライベートスペースが一切ないシェアハウスと言えば分かりやすいだろうか。テレビを間借りするということはそういう面倒な状況にさらされるのである。
生徒によく姿を見られるし、人通りの多い廊下だ。廊下を走る生徒の注意がしやすいのはある意味利点だが、そういうのは委員会の仕事だし。

「この調子でもっともっといろいろなことが出来たらいいなぁ」

エコー > そうこうしている内に予鈴が鳴る。休憩時間は終わり、新たな日常の幕は開かれる。

「……次、私の授業だ!」

遅刻遅刻ー! 曲がり角もパンを咥えて走ることも無い、非実在的自己存在は、今日も慌しくテレビをオフにして自分の授業を行う情報室へと向かうのだった。

ご案内:「第一教室棟 廊下」からエコーさんが去りました。