2020/07/05 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に空蝉 藍那さんが現れました。
空蝉 藍那 > 「わっ……っとと、とー!」
体を慣らしがてらパルクールを使用しての散歩のゴールは、教室棟の屋上。
小さな庭園みたいに整えられたその場所に降り立つと、パタパタと両手で顔を扇ぐ。
「はー、街並みが違うとこうもやりづらいかねー。」
渡っても良い場所、掴んでも大丈夫な場所、そう言った諸々の判断基準が殆ど無い状態でのパルクール。
危険極まりないけど、やると気持ちいいんだなこれが。
「ちょっときゅーけー、っと……」
ベンチに腰を下ろして、改めて屋上庭園を見渡す。
「……きれーだなー。」

空蝉 藍那 > 「うーん………………あ、そうだ!」
ぽんと左の掌に右の拳を置いた後、ぱっとその右手に光線銃みたいな、白と桃色を基調とした玩具を作った。
プラスチックの引き金を引くと、ぽぽぽぽぽぽぽん、とシャボン玉が広い銃口から飛び出していく。
「おー、やっぱきれー!」
思い付きでやってみたけど、庭園にシャボン玉ってのが綺麗で、楽しくて、何度も引き金を引いた。
ぷわぷわぷわ。
大量のシャボン玉が屋上から飛んで、弾けて消える。

空蝉 藍那 > 暫く庭園のシャボン玉を堪能していたが、流石に一人だと飽きる。
「せめて公園でしてちっちゃい子でも喜ばせるべきだったかな。」
マスクの下で苦笑しながら肩を竦めた後、立ち上がると屋上を後にした。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から空蝉 藍那さんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 屋上」にレナードさんが現れました。
レナード > 「………すー………」

寝てる。

屋上の一角で、とぐろを巻く…わけにはいかないので、猫のように丸まって寝ている。
変温動物というわけではないけれど、なんだかんだ日向ぼっこは好きなのだ。
ただ、寝てる合間は無防備になるものだから、それとなくすぐに跳び起きる気ではいるようで。
人気のないそのスペースには、どこか爽やかな風が吹いていた。

「……んぅ、……んー………」

もぞもぞ、転がったり、寝返りを打ったり、時々世話しないけれど。

ご案内:「第二教室棟 屋上」に萌良 さだめさんが現れました。
萌良 さだめ > (研究が詰まったときは気分転換に限る。 
 思い立ったら即席を立ち、購買で買ったサンドイッチをぶら下げて屋上へ赴く。
 講義がない生徒たちが思い思いに過ごしているせいか、ベンチにはあまり空きがない。
 うろうろと彷徨ったところでようやく見つけたベンチには、人ひとりが丸まって寝ていた。)

あの…悪いんだけど、ちょっとずれてはくれないか。
寝ているのはわかっているんだが、他に空いてないんだ。
( 相手からすれば小さな女の子に声をかけられているようにしか見えないだろうが、
 れっきとした大人である。 なるべく大人感を出すべく、落ち着いたもの言いで声をかける。)

レナード > 誰かきた。
足音が、そのわずかな振動がそれを知らせてくれる。
だけど今ここは自分の場所…この程度で譲るつもりも、眠りを妨げられるつもりもない。
気にする必要はない、引続き寝入ればよい…
意識の低い低いところで、周囲の状況に対してそのように決定を下す。
すると、次第にその足音が近づいてきて、自分に対して声をかけたものだから。

「………んんぅ……」

如何にも寝起き直前の、ぼんやりとした意識による対応とでもいうか。
その言葉だけでは、起きてやるつもりはまだない。
仰向けだった体勢から、うつ伏せに移る程度で反抗の意思を示したのだ。
この程度で諦めてくれれば、という仄かな希望がそこに混じっていた。

萌良 さだめ > ……。
(動いた。 仰向けからうつ伏せになる形に。
 寝た振りではなく、眠いがゆえの防衛行動のようなものだろう。
 寒いときに体を丸めて、手元のお布団をひっかぶるような、そういった感じのやつだ。
 だが、場所はここしか無いのである。 小さく咳払いしてから、声のレベルをもうちょっと上げた。)

なー。 起きろって。 おーい。 起きろ、起きろ起きろー。
起きないと実力行使するぞ。 耳を狙うぞ。
(さらにアピールしてみせる。 領土割譲は暴力でやったら侵略なのだ。
 あくまでも対話で、穏やかに成されなければならない。
 警告を発しつつ、じりじりと相手に近づいた。)

レナード > 「……んぅー……あと半日………」

起きろ起きろと抗議が始まった。
そんなものに屈しては、縄張り争いに負けてしまう。
ここは自分のものであると断固として対応することが肝要なのだ。
半ば寝言交じりに言葉を返していると…

「っ……!!」

がばっ、と上半身を起こした。
耳を狙うだの耳を襲うだの、そんな聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたからだ。
流石に実力行使に出られてはかなわない。
ぱちぱちと、寝ぼけ眼で何度か瞬きして、虚ろな頭脳を起こしにかかる。
ここからは交渉のステージだ。眠ったままのおつむではやり込められてしまう。

「……なんだしおめーは。
 人が気持ちよくねtふあぁああぁぁ……」

そうして威嚇交じりな意識の籠った言葉を投げつけてやろうとしたら、大きな欠伸が出てしまった。

萌良 さだめ > よし、起きた。 えらい。 耳が弱いのか?
(”耳を狙う”という宣言に体を起こした相手を見て、誇らしげに腰に手を当ててご満悦の表情。
 最早お話をするフェイズであるからして、 やる気まんまんで口を開こうとしたのだが。)

すごい眠そうにしてるな…。 起こして悪かったな。
ちょっとスペース作ってくれたら、寝てくれてていいから。
(流石に眠そうにしてる相手を攻め立てるわけにもいくまい。
 気勢が削がれた感じで、優しげに相手に語りかける。
 悪意があるわけではないのだ。)

レナード > 「感覚器官は大抵敏感だと相場が決まってるし。
 試したことこそねーけど。」

おめめを片手でごしごし、首を左右に倒したり、身体に刺激を与えて少しずつ意識を起こしていく。
さて、それが済んだら領土割譲に関する交渉が始まるわけだ。
先にここを領地としていたことを声高に主張して、そちらの主張を御取下げいただこうかと思っていた矢先に…

「………ぇー。」

寝ててもいいから分けてくれ、とのこと。
もう脳みそはやる気になって起き始めてしまったというのに。
これでは色々興覚めだ。彼女(?)からすれば譲歩なのだろうが、こちらは不満たらたらな声を上げた。

「なんだしおめー、僕を起こしといてそれはねーし。
 ただまあ最初の時と比べたら随分下手に出てることは認めてやってもいーし。」

バチバチにやりあうつもりだったから、拍子抜け。
でも、当初の主張がかなり譲歩してくれているのは理解できた。
そうなったら、自分も少しくらいは譲ってもいいかな…なんて気になったから。

「使いたいなら使えし。
 僕は起きちゃったから、そんなにスペース要らねえし。」

減らず口はそのままに、ベンチに座り直す。
人一人が座るには十分なスペースが確保されたといっていいだろう。

萌良 さだめ > まあそりゃそうだが…。 試したいならいくらでもやるぞ。声には自信があるんだ。
(ニヤリと笑って、ピンク色の口内を見せつけるように小さな口を開けて見せる。
 さておき、相手の不満そうな声にちょっと眼を丸くした。)

起こしといて、とはいうけど…寝てるところを無理やり動かされるよりはいいだろ。
まあいいだろって、最初からお互い譲り合ってれば、両方幸せに暮らせるってもんよ。
(座り直してスペースを作ってくれる相手にぐっと親指を立てた。
 隣にちょこんと腰掛けると、足をぶらぶらさせながら持っていた袋からサンドイッチを取り出す。
 パッケージを開けて一つ取ると、もう一つを相手に差し出した。) 

ほれ、土地代。 俺は座れる、お前は寝てたらサンドイッチが手に入る。 両方得だ。
(眠っていた相手を起こしてしまった都合もあるわけだし、せめてものお礼のつもりだった。)
 

レナード > 「……ふーん?
 ちゃんと見返りの品を用意してるんなら、そう言えばいいし。」

現金な対応だった。
ただ、分けてくれるならこちらもただでスペースを譲ったわけじゃないのだと、
後腐れの無い感情に落とし込むことができるものだから。
受け取ったそれを、もぐもぐ。手を付けるのは早かった。

「んく…んむ、んむ……んぐ。けふ。」

美味かった。でも、感想なんか言ってやらない。
そのままズバリを言ってしまうと、ちょっと悔しい気がするから。
でも、このままでは口寂しい。せめて話題を変える方向で、何か言葉を見つけようと。

「…おめー、ここの学生なわけ?」

ふと、彼女?の立場が気になったから、頭に浮かんだ言葉をそのまま放ってみる。

萌良 さだめ > 今のは、寝てるところを起こしたお代だよ。
俺だって寝てるの起こされ…早ッ。 お腹すいてたのか…?
(素早く受け取られたサンドイッチはあっという間に相手のお腹に収まった。
 ちょっとびっくりして二度見シつつも、袋から次のサンドイッチを取り出す。
 食べっぷりを見て、年上としてなんとなく庇護欲が湧いた。
 ぺりぺりとパッケージを開けて、また相手に差し出す。
 餌付けみたいでちょっとおもしろい。)

ああ、学生だよ。 もう10年やってる。
見た目からして10年って嘘くさいと思うだろ。
ところがどっこい、事実なんだなあ~。
(質問に答えた後、楽しげに笑いながらサンドイッチを口に運ぶ。
 うまい。 相手と同じように特に感想を言うわけじゃないけど。)

そっちはどうなんだい。 まだ始めたばかりかな。
(なんとなく吹かせたくなる先輩風。
 見上げるような形で相手の顔を見つつ問いかけた。)

レナード > 「お腹はすいてるし。寝起きなんか大概そうだし。
 体質上、お腹はすきやすいんだし。」

自分の異能によるもの、とは言わない。
無意味に自分の情報を開示することもないだろうと思ったから。
それでも、渡されたサンドイッチは受け取る。
お腹すいてるんだもん、絵面がどう見ても餌付けだけど、仕方ない。

「はむっ、…んむ、んふ、んぅ~……んく。」

頬張る様は、小動物のそれを彷彿とするだろうか。
睡眠欲の後に食欲を満たす、なんとも怠惰で幸せな過ごし方である。
そうして話を聞きながら食べ進めていると…

「―――んぐっふ……、…!?
 お、おめー…10年もここで過ごしてるってわけ!?」

そのナリで、ここで10年過ごしてる。
見た目は実年齢とそぐわないなんて、かくいう自分もそうなのだが、
いざ実例を目の当たりにすると驚きは隠せない。
思わず吹き出しそうになるのを堪えてから、その事実を復唱した。

「あー……僕はー……まあ、それなり、だし。」

そっぽを向きながらも、具体的な年月は答えなかった。
先輩後輩関係を絶対視しているわけではないが、新参者であり立場が弱いのは分かっている。
それをなんとか悟られない術はないかと、さっきとは別の形で頭脳が回り始めるも、多分無駄だろう。

ご案内:「第二教室棟 屋上」にレナードさんが現れました。
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萌良 さだめ > なるほどなあ。 腹が減ると何も出来ないもんな。 
俺も気合入れるとなにか食べないとやってられないんだよなー。
(いいぞ、とばかりに遠慮なくサンドイッチは差し出すし、
 食べてもらうたびにものすごく嬉しそうに笑った。)

おう、10年だ。 ずーっと魔術を研究してる。
(サンドイッチ2つ目を口に運ぶ。
 相手のなんとも言えない態度に、ニンマリ笑った。)

とはいえ、だ。 別に先輩だからどうこうってわけじゃない。
見た目幼女でも何百歳とか、セクシーな美女に見えて製造後5日とかもいるぐらいだしな。
(ワハハハ、と元気よく笑いながら相手に語りかけた。
 先輩後輩のなにかが常世にあるわけでもないし。
 お食べ、と3つ目のサンドイッチのパッケージを開いて差し出した。)
 

ご案内:「第二教室棟 屋上」にレナードさんが現れました。
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レナード > 「……まあ、人は見た目で判断しねー方が賢明だし。
 僕自身、それくらいは自負してるつもりだし。」

ただ、目の前の先輩が男であることには思い至ってないだろう。
見た目で判断しないと言いつつも、やはり異性同性で考えるところが変わってきてしまうのは、思春期の性とも言うべきか。
ともかく、食べかけのサンドイッチは残さず口に収めてしまおう。

「…むぐ、んぐぐ……けふ。
 しっかし、ほんとに色んなやつらが集ってるとこだし。
 僕自身異邦人って立場だけど、色んな世界から来てるってこと、過ごしてたらよくわかるし。」

三つ目を受け取るなり、まず一口パクついて。
すっかり餌付けされてるけれども、もうそんな意識はない。

「おめーは魔術を学んでるって言ってたし。
 僕は魔術は何にも知らねーわけだけど、おめーのいう魔術って一体どんなやつなわけ?」

分かる人なら、あまり首を突っ込みたがらないかもしれない話題にも、こうして乗り込んでいく辺り、
本当にここに来て間もないのだろうと、彼女?は気づくだろうか。

萌良 さだめ > えらい! そうなんだよなー、みんなつい見た目に騙されちゃうもんな。
(相手の言葉にものすごく頷いた。 可愛らしい衣服を身に着けている自分が言えた義理ではないが。
 そう口にするからには、彼もおそらくなんらかの…少なくても、
 外見と内面の年齢差があるのだろう。そんな気がする。)

学園は本当に混沌としているからなあ。 未だにびっくりすることが多いよ。
異邦人しかり、異能しかり、魔術しかり…。
(驚かなかった日なんてないぐらいの生活だった。
 相手の言葉が染み入るとばかりにしみじみと答える。
 問いかけにはうむ、と軽く頷いてみせて。)

”門”を開く魔術だよ。 しかも、自在にコントロールできるやつだ。
危険な魔術であるから、研究にはどうしても時間がかかるんだが…。
行きたい場所があってね。
(微かに声に憂いが乗る。 ある日突然”穴”に落ちて、
 姿を消した姉のことは忘れようにも忘れられない。
 サンドイッチを口に運ぶ手が、一瞬止まった。)

レナード > 「門………。」

彼女の言葉が、少し陰りを帯びたのを感じる。
並々ならない念が、その言葉には込められていたようにも。
…それが、ここで10年を過ごした理由とも思えば、
不思議と少しだけ、自分のことも話したくなる。

「僕も、さ。先祖がやらかしたおかげで、ちょっと呪われてるわけ。
 そのせいで、この見た目でもう何十年も過ごしたけど……呪いを解く方法は、まだ見つかってないし。
 だから、僕はこの世界に興味があるわけ。」

自分と、彼女の、それぞれの想いは違うはずだ。
でも、その結末に至ろうとして、並々ならぬ努力をしたことにも違いないはず。
…そういうところは分かりあえるかなと、言葉を続ける。

「…自分の手で、何とかしたい。だから、ずーっと努力を続けている…
 やってきたことは違うかもだけど、その気持ちは、分からなくもないし。」

いつの間にか、手からはサンドイッチがなくなっていた。
だが、そっぽを向きがちだった彼は、いつの間にか彼女の方を向いて話すようにもなっていた。

萌良 さだめ > どうしても、”門”を自在にコントロールする必要があるんだよ。
未だに緒すら見つかってないけどな。
(世界では断続的に発生しているけれど、人為的なコントロールはできていない”門”。
 言うなれば自然災害を支配しようとするようなものだけれど、そうしないといけない理由があるのだ。
 どこか決意に満ちた調子で答えてから、相手を見やる。)

先祖がかあ…。 自分に罪があったわけでもないのに、大変だろう。
呪いに関しては…俺もスペシャリストじゃないけど、
数十年かけて解呪方法を探してるってことは、かなりのモンだろうな。
(自分に咎があったわけではないのに、”呪い”で数十年過ごしている。
 ずっとなにかを探し求めているというところに、なんだか親近感が湧いた。)

うん、うん…。 
わかる。 お互いものが違うから、全く同じってわけじゃないけどさ、
長い間、この状況をなんとかしようとして抗い続けてきたんだろ。
(しみじみとした口調で答えながら、真剣な眼差しで相手を見つめた。)

レナード > 「…かたやコントロール可能なものなのか、かたや先祖のやらかし……
 どちらにせよ、情報が足りてない…というのは、共通してそうだし。」

だから、図書館に通ってる。ここにはそれらしい本もあるかなと期待していたから。
禁書庫にも出入りしていたりして、本当は褒められたことでもないのはわかっているのだけれども。
ただ、彼女はもう靴が擦り切れるくらいに通ったはずだと思ったから、それを口にはしなかった。

「門、か。色んな世界に繋がってるんだっけ。
 向こうに何が広がってるのか、見えてしまえばいいんだろうけど…
 そんな偶然を待てるかと言われると、アタリを引く前に寿命が来るし。
 やっぱり、どこに開くか…それを制御できなきゃいけないわけ……」

彼女の状況を聞くに、自分の力でも助けになりはしない…
下手に口だしするのは無粋だろうと思った。
ただ、お互いに年月をかけて苦労している事実を、共有するだけでも少し気が楽になった気がして。
真剣な眼差しの彼女を、こちらも見つめ続けてみる。

「……お互い、苦労してるし。」

萌良 さだめ > そういう意味じゃ、この学園を選んだのは正解だな。
異邦人はいっぱいいるし。
禁書の類だって、毎月、いや、毎日蔵書が増えている。
今日や明日じゃないにしろ、かならずどこかで…。
望みが叶う瞬間が来るんじゃないか、そう思ってるんだよな。
(相手の気持ちが、文字通り痛いほどわかる。
 少しだけ眼が潤んでいるのは、感動のためではなくて、
 相手の気持ちが自分のそれとどれだけ近いかを思い知ったからだ。)

門、大変でなあ。 大変なのはわかってるんだけど、
望みの次元、世界、場所に到達できるように指定したいんだよ。
(もちろん、それがどれだけ大変なことか、つらいことか、
 彼も感じているだろう。 自分ののぞみだけを伝えると、
 見つめ合いながら…。 不意に相手の太ももを小さな手で叩いた。)

まあ、しんみりするのもココらへんにしておこうぜ。
さっきの言い方からすると、あんたも成人してるんだろう?
飲みに行こうぜ、いいところ知ってるんだよ。
(眼に浮かんだ涙を指で拭いながら、努めて明るく彼に持ちかける。
 まだ日は高いだろうけれど、今日ぐらいそんなことをしてもバチは当たらないはずだ。)

レナード > 「……感慨にふけるのは、全部終わった後でもいいはず…だし。
 でも、まあ……たまには、いいけど。」

話していると、彼女の声色が少し震えているような気がした。
どういう感情を抱えているのか、根の部分までは知りようがない。
ただ、そんな気持ちがわかる気がする自分だからこそ、こういう言葉はかけてあげるべきだと思ったから。

「…子供を作れば、僕の時間は回り始める。
 呪いを解く方法として、そういう手段があるのは…ほんとは、知ってる。
 でも、呪いは子供に伝搬して…そのまま、先も、ずっと……
 だから、それに屈するのは、悔しいから。僕は………」

彼女の語る、苦労。どこがつらいのか、実感の持ちようがない。
でも、似たような立場の自分だからこそ、その気持ちに寄り添ってはあげられる。
…だから、自分の立場をもう少し、言葉にした。
太腿に添えられた手には、何も言わないでおく。少し、どきっとしたけど。

「……成人っていうか、身体の時間が止まってるだけだし。
 まあ、でも、…過ごした時間はウソをつかないから、
 それくらい…付き合ってやってもいーけど…」

飲みなんて、ましてやそれに誘われるなんて、初めての経験だった。
いつまでも自分は子供のままだと思ってた部分があったから、本当は遠慮していたのだけれど。
不思議と彼女の誘いに乗ることに、悪い気はしなかった。

萌良 さだめ > そうだなあ、まだ早いよな。 ちょっとだけ寂しくなっただけだよ。
(小さく笑う。 自分より相手のほうがやはり大人だ。
 相手の呪いについて聞くたびに、ぎゅっと眉をひそめた。
 呪いの悪辣さと、なによりそれを打ち払おうとしている悲痛な思い…。
 その2つを考えると、なんとも言えない顔になるのだ。)

ああ、そうなんだ。 そこら辺も似てるなあ。
俺もなー、妖精の血が入ってなければ、きっと、こう…。
雄々しくなってたんだろうけどなー。ナイスバルク!!みたいな感じのな。
お、付き合ってくれるってか! 流石だぜ先輩。
俺は萌良 さだめだ。 さだめでいいよ。
(よろしくな、と太ももをぺちぺち叩いてから手を差し出して、握手を求めた。)

レナード > 「…おめーの方が先輩じゃん!」

ぺちぺち、太腿を叩かれながら。
やたら距離が近いとは思うけれども、似た境遇の相手だし…いいかなとあきらめがついていた。

「…へぇー、妖精の血が入ってるわけ……ファンシーでいいじゃん。
 僕なんか、蛇だし?蛇。スネークだし、ヴァイパーかもしれないけど。」

そして、まさかの混ざり血仲間だった。
ナイスバルクに見えないということは、多分、その見た目にも多分に影響しているのだろう。
自分の場合は眼と呪い以外に恩恵がないから…とも思いながら、ようやく自己紹介の時間となる。

「……僕はレナード。レナード・ウォーダン・テスラ。
 まあ、全部覚えなくていいけd…………ん?待って。
 おめーまさか、男なわけ?」

そして、この質問にようやく至ったのだった。
ナイスバルクの時点で頭にぼんやり残っていたひっかかりが、ここで出てきた。

萌良 さだめ > 年齢はそっちのほうが先輩だろー。いいだろ人生の先輩なんだから!
(在学年数と人生で比べたら、たぶん人生の方が大事だ。
 ツッコミにもまけない感じに答える。 血統について言われると、照れくさそうに笑った。)

ファンシーっていやあ聞こえはいいけど、いたずら好きと淫蕩…いや、惚れっぽいなのは親譲りだ。
そっちこそカッコイイじゃんか、蛇。 不滅の象徴なんだしさー。
(いいね!と元気よく相手に答えたところで、相手の名前を聞いて満面の笑みを浮かべた。)

おお、レナード、よろしくな! うん…?
(問いかけには少しだけ固まってから、頬に指を当て、ぺろりと舌を出してからウインク。)

可愛いでしょ☆
(可愛いアピールをした後に、すっと素に戻った。)

外見ちっちゃいままだから、男っぽいの着ても似合わないんだよ。
頑張ったところでボーイッシュな女児みたいになるからな。
それならいっそ…ってわけよ。
(女の子の格好をした自分が、いなくなった姉によく似ているから、とは言えない。
 色んな意味で誤解されそうだし。 もうひとつの理由を並べて、相手に納得してもらおうと企んだ。)

レナード > 「………」

めっちゃあざといポーズでも、やっぱりかわいい。
これで、男?マジか…って驚愕にひきつった顔をしてる。
さっきまで、見た目で人は測れないとか言ってた奴の反応では決してない。

「……あー、…そういうわけ。
 まあ、それならそれで、余計に安心だし。」

何が安心なのか、言わないでおく。妙な意味で捉えられてもかなわないと。
それに、男の飲み友達…なんて、あんまり想像したことがなかったもので。
それ自体は、嬉しい。そんな実感がふつふつと沸いてきた。
彼の用意した、もう一つの理由だけで、この少年が納得するには十分だったようだ。

「……で。
 これから、行くわけ?」

なんて、本当にこれから行くのか、改めて聞いてみる。
目の前の彼は軽い気持ちでそういう話をしただけなのかもしれないが、
ここまでくればいよいよもって意欲が湧いたものだから、ついていくつもりでそう尋ねてみる。

萌良 さだめ > なんか言ってよ、そんな顔しないでさ…。
あ、あれか? 猫耳とかついてた方がよかったか?
(文字通り「なんともいえない」相手の表情をドン引きと見て、
 ちょっとだけ悲しげに声を上げる。 場をなごまそうと思っただけだもん。
 頭に手をやり、変成術を自分に行使する。 手を離すと、頭に可愛らしい猫耳が生えていた。)

そうだろ。 それに、この姿だと男だとわかってても良くしてくれる人も多くてな。
(ワハハ、と軽く笑った。 何より、同じような境遇の相手が見つかったのは、
 内心割と、否、かなり嬉しかったのだ。)

おお、じゃあ行こうぜー! ちなみにレナードは何が好きなの?
俺はねえ、日本酒が好き。 あっ、ワインもいいな。 エールならIPAで…。
(エイヤと立ち上がって伸びをすると、盛り上がってきたとばかりに気合を入れる。
 鼻息荒くお酒について語りながら、二人で屋上を後にするのでした。)

レナード > 「や、失礼な話最初は女の子かなーと思ってt――ぅわっ!? すげーし!!
 そんなこともできるわけ!?」

まさか目の前で見た目が変わるなんて思ってもなかった。
そこは少年らしく興奮を交えた驚きを見せる訳だけど、この感情は純粋なものに他ならず。

「僕、酒飲んだことねーし。今まではこのナリだったから、信じてもらえないことがあったし。
 ……興味があるのはー……蛇酒、だし。同族食いみたいになるけど。」

二人して、見た目は明らかに20歳以下。それでも話の内容は酒が飲めるようになった歳の若者のそれ。
酒を飲む…なんて、ちょっと大人になったような気がして、少しどきどきする。
そんな期待を秘めながら、彼と連れ立って屋上を後にするのだった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から萌良 さだめさんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 屋上」からレナードさんが去りました。