2020/09/28 のログ
暁 名無 > 「リフレッシュか。」

そうか、と簡潔に答えられればこちらも簡潔に返すしかなく。
まあ自分も似たようなものだったし、人にとやかく言う理由もなし。

「そんじゃ、俺は戻るからこれは返すぞ。」

羽織らされていたカーディガンを脱いで返し、一度大きく伸びをする。
明日からまた授業授業と業務盛り沢山な日々。早いとこかえって英気を養おう。

セレネ > 「えぇ、残暑もなくなって私にとっては過ごしやすい季節になりましたもの。」

怪異についてを口にしたとてどう口を出されるか分かったものではないのだし。
暑さに気を取られる事もなくなった今、風を浴びながら考えるのも良いかと思った程度で。

「もう戻るのですね?」

一服が目的だったか、返されたカーディガンを受け取り羽織りつつ。
ほんのりと煙草の香りがしないでもない。

暁 名無 > 「だろうな。」

ついでに首をぐるっと回したら関節が思ったよりも鳴った。
こりゃ帰り際にスーパー銭湯くらい寄っても良いかもしれない。

「ああ、戻って帰り支度だ。
 お前さんもあんまり遅くまで残ってるんじゃないぞ。
 ……要らん事するのもほどほどにな。」

それだけ告げてセレネの横を抜けて扉へと向かう。
すれ違い様に頭をひとつ、ぽんと撫でようか。

セレネ > ゴキっと鳴った相手の首。
これは己のマッサージの出番かと思ったがそれは本職に任せるか
温泉に行った方が疲れが取れるだろうと思い言い出す言葉を寸での所で止めて。

「――…はい。」

相手が己の横を通り過ぎる直後、頭に触れた感触に。
目を伏せ一つ、頷きを。
もう少し話をしたかったし、どうせなら帰り支度をする相手を眺めていたいけれど
そこまですれば迷惑だろうから大人しく己は此処に留まるつもりで。

暁 名無 > 「じゃ、また明日な。」

どうせ学校で顔を合せるのだし、もしかすると研究室に来るかもしれない。
そう思って挨拶としたが、何だか生徒同士の挨拶っぽくてどうも変な感じだ。

ひらひらと片手を後ろへと振りながら
俺はセレネを残し、ひとり屋上を後にしたのだった。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から暁 名無さんが去りました。
セレネ > 講義があるなら顔を合わせるし、そうでなくとも毎日の日課としていくつもりだからどちらにしてもほぼ毎日顔を合わせに行く事に違いない。

頭に残るぬくもりに目を細め、背を向けて手を振る相手を見送っては。

「……生徒一人が消えたとしても、貴方はどうとも思わないのかしらね。」

呟く言語は異国の言葉。
彼は教師で、己はただの生徒の一人でしかない。
どうしても、それ以上にはならないのだ。
ほんの少し歯噛みするように表情を歪ませれば。
背から淡い蒼に輝く双翼を生やし、床を軽く蹴って宙に羽搏こう。
そのまま寮へと身体を向ければ、一直線に帰るとしよう。

ご案内:「第二教室棟 屋上」からセレネさんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 保健室」に史乃上空真咬八さんが現れました。
史乃上空真咬八 > 「――――…………」



眼を開いてすぐ、目の前に見えたのは天井だった。
……身体を起こそうとする、中々痛んで、顔を歪めた。
ゆっくり左腕をあげた。包帯が巻かれている。
その手で頬や身体を探る。やはりあちこち治療の後だ。

――傍らの棚に置かれたスマホを取り、
画面を見て、ようやく分かった。


風紀委員として動いていた時、数名の同じ風紀委員を庇い、
善くない輩に滅多打ちにされた。
幸いどうやら自分もその後できっちり反撃をしていた『らしい』。
酷く痛む頭と拳から意識を離していき、やっと思い出した。

連絡してきていたのは、自分が庇った他の風紀委員たちだった。
現場でのあれこれが終わったらすぐ見舞いに行く、とのこと。

「……」


『カミヤ、助かった』

『史乃上くん、ありがとう』

『空真、悪かった』

「…………恐縮、スよ」

自然と笑みが浮かんだ。
――痛みに慣れてるが、感謝には慣れてない。
むずがゆいが、嬉しかった。
こんな自分でも、こういう風に認めて貰えることが、嬉しい。

史乃上空真咬八 > 「……ッたく」


ぐい、と、無理やり身体を起こす。あちこちが痛むが、慣れがある。
上半の服は脱がされ、包帯を巻かれている。
……右の腕の切断面は幸い隠れている。無くなってから随分と経つそこを、
左手で擦る。幻肢痛も忘れた頃だから、相当昔なものだ。

それ故に、あまりそこを気にされたくない気持ちもある。
羽織るものを探るが、辛うじて自分が着ていた上着が、丁寧に畳まれて、
傍に置かれていたのでそれを羽織ることにした。

「……この程度で気ィ飛ばすなンざ、鈍ったか、"空真咬八"」

溜息混じり、自虐じみた呟き。

史乃上空真咬八 > 「…………」



身体を揺らし、上着をしっかり羽織る。
……痛みには、慣れている。慣れている。

通知に既読をつけ、手短く返事を返す。


『怪我の治療、有難く』

『別にて用有り。今日は帰宅する』




本当は待った方がいいのだろう。だが、
正直、身体がむずついた。
それに、彼にとってひとつ、気掛かりがあった。

それは。



「……ボズヤの夜の分の餌、夷弦にァ任せたかねェ」

――飼っている犬へ餌をやるのは自分だ。
強い決意で、痛みと共に、保健室を後にしていった。

ご案内:「第二教室棟 保健室」から史乃上空真咬八さんが去りました。