2021/11/22 のログ
大鋸 奏 > 「そう? まあ納豆は身体にいいっていうからさ、普通に混ぜて食べてもおいしいよね!
 あ、うん、そうだよ。 血が良い燃料になるんだなー。 それで…こいつを動かすってわけ。
 なになに? 興味あったりするの? お弁当に気づかないぐらいにか~。
 今度見せてあげるよ、派手にやるところをさ!」
隣においてある大きなケースをぽんと軽く叩く。
すごい勢いで異能に食いついてくれる相手にちょっと驚きながらも、頬を指し示して見せた。 

「なるほど、知り合いがね。 やっぱり身体に関わるものだから、わりと発現しやすいのかな。
 いやー、だってさ、怪我してるってすごく大変なことだよ。 気も滅入るしね。
 少しでもしっかり食べて早く元気にならないと辛いでしょ!
 仮に芥子風くんに全部あげたとしても、自分の分はもう一回頼めばいいしさ。」
気にしないと言わんばかりの調子で元気よく話をしていたけれど、
相手の言葉にちょっとだけ考えるような仕草をしてから、口を開いた。

「しろ!とは言わないけどさ、たぶんだけど…。 どこかのタイミングで、
 きっと芥子風くん自身が考えないといけないことが起きると思うよ。
 そのためにちょっとづつ練習しておいたほうがいいかもね!」

「面白いっていうか、いい食べ方だね。 笑いものにしたわけじゃないよ。
 うん、大丈夫、喉に詰まったりは……………………………………………………………………」
言いよどんだわけではない。 喉に詰まったのだ。
おとなしく相手から麦茶を受け取って、ぐっと喉に流し込む。

「フー…ありがと! 助かったよ!」 

芥子風 菖蒲 >  
「血が燃料に……」

文字通り、命を燃やすという訳か。
成る程。確かにそれは"失血"もする。戦うために、自分を犠牲にしてるわけだから。
生きる為に命を燃やす奏に、死に体を動かす為に命を燃やす先輩。
全く関係の無い二人なのに、因果を感じずにはいられない。
箸を咥えた表情も、何処となくアンニュイだ。

「ソレが奏の武器、って事?
 興味が無いワケじゃないけど、オレと仕事する時は無茶はしないでね」

どのような獲物かは想像出来ないけど、"特製"ならエンジンは彼女自身だ。
少年は自分が前に立つ時は、誰にも無茶はして欲しくなかった。
飽く迄矢面に立つのは自分。きっとその武器は、"派手"になれば同時に彼女の危機と少年は思ったからだ。

「まぁ、大変かはともかく面倒くさいのはそうかな。
 気が滅入るのは確かだけど、それなら奏もいっぱい食べないと戦えないんじゃないの?」

大変というよりは面倒のが勝つ。
少年は無茶はするが無理はしない。自分の命の扱いは心得ている以上、犬死など以ての外だ。
気づけばどんぶりも笊もすっからかん。手を合わせて、しっかりと"ごちそうさま"。

「オレの事を気遣ってくれるのは良いけど、奏も女の子だから自分の事もっと考えた方がいいよ?」

謂わば盛大なブーメランなわけだが、こういうのを投げるのはそうだと気付かないのが世の常だ。

「……そうかな」

そんなタイミングと言われても、想像できない。
一体誰と、何を話せばいいんだろうか。
目の前に立つのはきっと"敵"しかいない。倒す方が手っ取り早い。
そうじゃないなら、自分に任せる事自体が間違っている。
少年は釈然としない様子で、箸をおいてヨーグルトを口に入れる。
仄かな酸味と甘みが丁度良い。たくさん食べた口には丁度良い甘味だ。

「ん、このヨーグルト美味しいね。
 奏が食べればよかったのに……、……あ」

あーあ、言わんこっちゃない。
フリーズみたいに喉に詰まらせちゃったよ。
ぐぃっと流し込んだ麦茶で事なきを得たようだ。ほ、と胸をなでおろす。

「これ位、お安い御用」

大鋸 奏 > 「そうそう、ガソリンなんて比べ物にならないぐらいすごいんだから!
 そ、これは武器。 特別に作ってもらったやつだから、大事に使ってるんだ。
 無茶は~……約束はできないね。 大体、わたしが行く場所って鉄火場だしさ!
 でもなるべく怪我したりしないように頑張るよ、ありがと!」

少なくても、自分を心配してくれているのが嬉しい。
元気よく相手の言葉に答えはしたものの、げがをしないことは”努力目標”でしかない。
自分のチェインソーを振り回すような状況が発生するなら、少なくても”安全”な状況ではないからだ。

「もちろん! しっかり食べるのは大事だよね。
 けど、今は運動してきた直後だからね。 ちょっと落ち着いてからまた少し食べるんだ。
 いつでも出撃できるようにしておかないといけないってのも楽じゃないよね!
 それに、ご飯を食べるのも風紀の仕事は男とか女とかじゃないからさ。」
気遣ってくれる相手にちょっとだけはしゃいでしまった。
優しくしてくれてるのは嬉しいから、ぐっと親指を立てて答えてみせる。

「ふー……ありがとうね。 わたしも…これで終わり、と。 ごちそうさま!
 うん、よく噛んでしっかり食べた。 わたし偉い!
 芥子風くんもしっかり食べて怪我を治してえらい!」
自分百点。相手百点。 ふたつ合わせて1万点だ。
食べ終えてしっかりと両手を合わせてから、ぐっと拳をにぎって力強く相手を褒め称えた。

「さて、じゃあそろそろ午後の授業が始まるかな?
 芥子風くんもそろそろ行くでしょ?」
立ち上がってケースを背負い、トレーを両手で持つ。

芥子風 菖蒲 >  
「ガソリンと比べ物にならない、か。
 ……けど、血を出すんだから痛いとかしんどいとか、あるのかな」

ぼんやりと考えるのはあの時、先輩といた保健室だ。
血が出るなら痛くないはずがない。単純なイコール。
少年なりに嫌な事だよな、と連想をしてしまう。

「じゃぁ、オレが一緒の時はオレが前に出る。
 二人でやれば早く終わるし、怪我もなるべくしない。どう?」

勿論任務の性質上、常に一緒になる事は無いだろう。
けど、お互い前線に出張るなら、何時かきっと一緒になる。
だったらその時に、彼女の代わりに己が血を流せばいい。
誰かの為に体を張るのが自分の役割なんだ。人を守るなら、同じ風紀委員を守ったっていい。

「それは確かにそうだけど、女の子ってそう言うの気にするんじゃなかったっけ?」

何だか前にそう聞いた気がするけど、彼女はどうなんだろう。
怪我とか見てくれとかを気にするとは聞いたが、違うのだろうか。
きょとりと尋ねて、首を傾げた。

「偉い……偉い……?そうかな」

そんなに食べ終えた事が偉いのか。
こんなの何時も通りなのに。そのエネルギッシュさに、思わずぱちくり瞬きだ。
けどまぁ、確かに暖かいもの。自分にはないものだ。
こういうのを守るために風紀になったんだと今一度実感できるのも、悪くは無い。
自然と口角を吊り上げたまま、少年はうん、と頷いた。

「勿論行くよ。学生のうちにサボるのはマズいでしょ」

ゆっくりと立ち上がれば、軽く伸びた。
黒衣が揺れ、向かいの奏を青空の様に青い瞳が見据える。

「じゃ、食器返したら一緒に行こうよ」

せっかくだし、もう少しその温かみには触れておきたい。
同じくトレーを持って、食器を返した後は他愛ない会話を繰り広げながら、互いに教室へと向かうのだろう。

大鋸 奏 > 「しんどい…そうだねえ。 失血しかけるとちょっとしんどいね。
 こう、文字通り血の気が引くみたいな感じでね!
 倒れるほどまでは流石に使ってないから、大丈夫だとは思うけど。
 けど…必要な時必要なことをしてるだけだから、そのときは辛いとは思わないんだよねー!」
問いかけのようなつぶやきのような、相手の言葉に明るく答える。
するべきことにどれだけ犠牲を支払えるかどうかは、きっと人によるわけだし。

「あっ、それグッドアイディアだね!フロントマンが二人なら迅速に行動できる。
 一緒にやるときはそれでいこう、頼りにしてるよ! でも、まずは身体をしっかり治して!」
心強い相手の言葉に力強くうなずいた。彼の、まさしく身を粉にするような活躍は記録で見ている。
そんな相手が一緒に立ってくれれば、戦いやすいのはまちがいないだろう。

「わたしはあんまり気にしないタイプ。まあでも複雑なところだね!
 男でも女でも尊重するのは大事だってことだよ、たぶん。
 よし、じゃあ一緒に行こう!」
相手にウインクしてから、元気よく二人でトレー返却口へと向かう。
もちろんそのあとは授業だ。
風紀以前に、学生の本分を果たさねばならない。

ご案内:「第三教室棟 食堂」から大鋸 奏さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 食堂」から芥子風 菖蒲さんが去りました。