2021/01/15 のログ
ご案内:「商店街」に冬城 レイさんが現れました。
■冬城 レイ > 夜も更けてきた。
飲み帰りだろうか。中年ほどの層が千鳥足になりながら我が家を目指していく。
彼女もまた、アルバイトを終えて家まで向かう途中であり、そこで明かりの灯った店を発見する。どうやらコーヒーを販売しているらしい。
この客足の少ないこの時間だからこそ、その店を運営している叔父さんは、暇を潰すように、椅子に座りながらラジオに耳を傾けている。
さて、遠目でメニューにひと通り目を移せば、カウンターへ向かい
「ああ、オジサン。サイドメニューのソフトクリームを一つ」
この季節のこの時間帯、冷えた風は肌を突くような錯覚すら思わせる。そんな中で、屈託の無い笑顔でオーダーするので、正気か?と言いたげに眉間に皺を寄せていた。
■冬城 レイ > 揶揄っているとでも思われたか。必要最低限の会話のみで、商品の受け渡しが多少雑にも見えた。…彼女には一切関係無いが。
心の中で合唱を唱えた後に、豪快に齧り付き、舌触りと口溶けを堪能している。
「うーん、イケるよ。実はコレって、結構拘ってたりする? いや、冬に食べるアイスもオツだってことわざもあったっけ?」
飲み込んだ後に、考えなしに感想を述べる。教養の無さが露呈する発言に、相手はイロモノを見るような目線を向けるしかないみたいだ。
ご案内:「商店街」にユラさんが現れました。
■ユラ > 今日の星を見る前の買い食い途中に見てしまった、アイスクリームを食べる人。
おいしそうだな、と目を引かれる。
「……あの、アイスクリームいっこ」
横から入ってきて、同じくアイスクリームを頼む。
待ってる間に、先客の少女に目を向けた。
「……ミルクティーあるけど、飲む?」
カバンから魔法瓶を取り出して、尋ねてみた。
■冬城 レイ > 「オジサン、ここでコーヒー。まあ、アレ、無難なやつ」
コーンへと到達し、咀嚼している口元を隠しながら立て続けにオーダーする。曖昧な注文であるが、だいぶ手慣れた手付きで淹れたコーヒーはブレンド。
口へとコーン全てを放り、軽やかな音を立てながら飲み込み、受け取ったコーヒーを流し込み、冷えた口の中を一気に温めて
「熱っつ…、苦っが…」
なんて、一変して冷静ながら、当たり前のコメントを残すのだった。
■冬城 レイ > 表情を豊かに変化させる様が滑稽なのか、意地悪く鼻で笑われた気もしたが、無意識のうちに客寄せに貢献したのか、多少機嫌が和らいだ様にも見えた。彼女は知る由もないが
さて、一気に流し込んだコーヒーは、忽ち甘みを打ち消して、苦味を込み上げてくる。
そこに、横から別の客の好意を受けて、こくこくと何度も頷いた。
「うん、この味はやっぱり慣れないから。その、ミルクティーっていうの?一杯貰ってもいいかな?」
■ユラ > 「ん、どうぞ」
魔法瓶を傾けて、フタ部分のコップにそそぎ、それを渡した。
砂糖とミルクをきっちり聞かせた、甘いミルクティー。
その間にソフトクリームを受け取り、ぺろぺろ舐めまわす。
気温が低いほうが溶けなくて食べやすいじゃん、とか思ってる。
「うまうま。ミルクティーにも合う」
コップを渡したので、自分は直にミルクティーを一口。
■冬城 レイ > 「ああ、そうだ。コーヒー代。それと…もう一個ソフトクリーム」
思い出した様に叔父さんに銀貨を渡すが、じゃらりと額が上乗せされている。ソフトクリームの追加注文だった。
「ありがとう、これで仕切り直そう」
と、片手にソフト。もう片方にはミルクティーを。舐めるという選択肢は無く、ぱくんとまた渦巻きのてっぺんから豪快に、そして形が残っている間に、ミルクティーを啜っていくと…
「ふぅあ…、これには私も溶けてしまうかもしれない…」
と、頬を朱色に染めて蕩けた表情を見せ、ひと息付いた。ソフト本来の味に、ミルクと砂糖をたっぷり使用したミルクティーが織りなす甘味の暴力。思わず背徳感すら湧き出てしまいそうだ。
■ユラ > 「めちゃくちゃ幸せそうな顔してる……」
ミルクティーを渡してよかったと思いながら、ソフトクリームを舐め尽くす。
後はコーンをのんびりかじっていくだけ。
「気に入ってもらえてよかった。
あったかいものと冷たいものを一緒に食べるのっていいよね」
ミルクティーをすすりながら、少女の顔を見つめている。
表情が時折変わるのが面白い。
■冬城 レイ > 「甘味をコーヒーでキリリと引き締める。このメリハリは悪くないけれど、甘さを倍増させるこのミルクティーもかなり良かった。 見知らぬキミ、凄く良いセンスをしていると私は思う」
評論家を気取って感想を述べてはいるが、貧相な語彙力に、眉を釣り上げて自慢げに語る様もまた滑稽に写り、中々決まらない。
相手を称えてはいるが、僅かに上からの物言いで、多少小物臭くも見えてしまうだろう。
「しかし、私は一つ突破口を知っている。…マスター、これを…」
再び料金を払って、気障な口調でオーダー。叔父さんも多少乗り気になって来たのか、足取りが軽い。
そして、出て来た品は
「ココア。 君も、これをシェアしよう。新たな扉を開こうじゃないか」
そう告げれば、最後にひと口ソフトクリームを齧り、クイッと一杯。
コーンだけとは言えど、真似してみろと言わんばかりに、残り半分のココアを相手に差し出して。
■ユラ > 「オレも甘いものをおいしく食べる方法には結構自信がある」
褒められたのでどやがおをしておいた。
案外単純な男である。
「……ココア……なんかココアパウダーとかって苦いイメージがあるんだけど……」
大丈夫?と相手を見るが、美味しくいただいている様子。
勇気を出して、ほんの少しのソフトクリームの残ったコーンを口に入れ、ココアをぐっと口に入れる。
「……うまうま」
こちらも幸せそうな顔になった。
お気に召したらしい。
■冬城 レイ > 「甘党からすると、さっきのミルクティーには劣るかな?けど、こっちの組み合わせもまたマッチしていると思うな」
気に入っている様子を見れば、その顔は少々自慢気にも見える。
しかし、砂糖を効かせてある分、甘味としてはミルクティーの方が優れている。と言うのが率直な感想。ただ、糖分が過剰である上に、食べ比べを繰り返して、自身の舌が麻痺している可能性があるのだが…。
「けど、こうやって比べてみるのも悪くはないかもね。 というか、寒くない?」
自身は体質上平気であるが、何気にここまで付き合ってくれた相手に対して、素朴な疑問が浮かんでおり。
■ユラ > 「思ったより苦くなかったし、結構おいしいね。
……自分で頼む時は砂糖入れたいけど」
よかった、と首を縦に振った。
苦そうな物を避けてきたが、これならおいしいと思える。
「オレは寒くない。暑さ寒さには強いから。
これからもっと暗くなるまで星空観賞するし。
キミはどうなの?」
星の見える空を指さして答えた。
むしろ相手の心配をしている。
■冬城 レイ > 「って事は、君はドが付くほどの甘党なんだ?」
まさか甘みが足りなかったとは。相当な甘党ぶりに眉を下げて呆れている様に見えるが、物珍しい人物なので、口角を上げて面白味を感じている。
「ふぅん、やっぱここの人って、変わった人が多いんだ? あ、いや、私はアルバイトが終わった後だからね、今日はもうゆっくり休む予定かな」
どうやら、この気候でも特に平気な人種は珍しくないらしい。何か一つ学んだ気がしたが、その独り言をはぐらかす様に、相手の誘いには手を横に振った。
今夜はこの後、ゆっくり身体の疲労を癒す予定らしい。
■ユラ > 「オレは甘いものがあれば生きていけると思ってる……」
至極まじめにそう答えた。
甘いものを摂取しない日は無いと思っている。
「異邦人だし、そもそも人間じゃないからね、オレ。
……ああ、仕事帰り……それならこれ以上邪魔しちゃ悪いか」
魔法瓶を片付けながら、これは失礼と謝っておく。
仕事の疲れはしっかり休まないと取れないものだ。
■冬城 レイ > 「うーーん………、規格外!」
シンプルながら非常に力強い返答。
依存なのか、何かの反動によるものだったりするのか。様々な可能性を考えてみるが、挙げてみれば終わりが見えず、だからと訊くのは野暮だと判断し、自己完結で留めておいた。
「ああ、だからか。驚かないぞ、その返答…。 いや、こっちこそ、甘いミルクティー振舞ってもらったんだし、何もお礼出来ないけど今夜はありがとう」
異邦人ならば仕方ないの精神。自身も異邦人だし、常人から離れた体質を持っている。似た様な境遇は知らないだけで、きっと沢山いるのだろう。
謝る相手に、寧ろこちらが謝り感謝せねばならないと礼を述べる。
さて、そろそろか。それじゃあね、と彼とお店の叔父さんに手を振った後に、そのまま真っ直ぐ、自身の家まで向かっていった。
ご案内:「商店街」から冬城 レイさんが去りました。
■ユラ > 「ん、いやいや気にしないで。
おいしいものは共有したいんで。
それじゃまたね」
立ち去る背中に手を振り、お店の人にも小さくお辞儀をして、その場を去る。
満天の星がユラを待っている。
楽しい時間のために、ユラもまた歩き始めた。
ご案内:「商店街」からユラさんが去りました。