2019/02/21 のログ
■倉間とろみ > 「んー…………………………………………………ん〜〜〜……………………………うん、わかるわかる」
魔王、或いはより広範に『王』の在り方について語るギルゲイオスのセリフには、空返事めいてカクカクと頷くが。
「………『魔』の『王』だからと言って、悪いことしかしないわけじゃ…………………ない。
悪いことしたくなければしない……………それで王様ができるなら、それでいい。…………うん、そうだよね〜〜」
一応は論旨を理解しているようだ。
実のところ、寝ぼけているようにみえて話は聞いているし、勉強も結構できるほうである。
この『魔王』が地球の人間のことをよく理解していて、かように好青年めいて振る舞っているのであれば……。
無理にとろみの『魔王像』を押し付ける、そんな義理や筋合いはない。
………一瞬、ギルゲイオスがこの島の人間を怖れているような雰囲気さえもちらりと感じたが。
どうなのだろう。この島に来て日の浅いとろみには、島の情勢はまだまだ飲み込めてない。
「……………うん。頼らせてね、『魔王様』♪
いつか……………ふふっ、ギルゲイオスの怖いところ、見てみたい。痛いのは嫌だけど、怖いくらいなら平気。
怖いことも乗り越えて…………………わたし……………………行きたいところ、あるから」
地に脚をついたまま、再び瞳をうっすらと開いて男を見つめあげ、ニコリと柔らかく微笑む。
瞳は相変わらずの薔薇色だが、妖しい輝きはもう帯びておらず、光量の少なさに応じた暗い紫である。
決意めいた台詞を語る口調はなおもトロトロで詰まり気味だが、その行間には確かな黙考が挟まっている。
「…………ん、ふぁぁぁぁぁ…………………ね、ねむく、なっちゃった。久しぶりにいっぱいお話……した………。
そろそろわたし、帰るね。学園の女子寮…………………」
くたり、と再び背が曲がり、魔王の眼前で大あくびをかます少女。そして三度、地を蹴ってふわりと浮遊した。
「お話できて、たのしかった。また、会おうね……………怖いこわーい『魔王様』………♪」
ばいばい、と手を振りながら後ろを振り向き、音もなく宙を滑って去っていく。大きなお尻を揺らしながら。
ご案内:「常世公園」から倉間とろみさんが去りました。
■ギルゲイオス > 「なんとなく、そんなモノって位に聞いてくれればよいのだがな。
そもそも、とろみのイメージする魔王というのは、本当に悪い事をするために、世界征服をたくらんだりしておるのかな?
人間から見れば確かに悪だが、魔族から見れば種族を繁栄させようとする偉大な王かもしれぬ。ま、仮定の話であるが。
ごく一般の人間だって、悪い事をせずに済むならそれが良いと思っておるだろうし、意外と大差はないのだよ」
(思いっきり寝ぼけた姿に見えるものの、此方の意図は問題なくと通じているらしい。なんとも不思議な雰囲気であるが。
もちもちと頭を撫でて褒めてやりたい所ではあるが、流石に子供扱いが過ぎるかと。
上げかけた手をすいと下げた)
「例え守る為であっても、力を振るう様は恐怖にも映るだろうからな。期待してくれて良いと思うぞ。ソンナ万が一が起こらぬに越した事は、ないがな。
ほほう、行きたい所。目的や目標があるか、それは素晴らしい」
(パチリと小さく、両手を打つ。願わくばそこに至る事を、と。祝福めいてもいて)
「女子寮か、我も学生とやらの身分なのでな。学校で出会う事もあるだろう。うーむ、恐怖のひとかけらも感じられぬのであるが、まぁ良し!
…………気を付けて帰るのだぞ! 人通りとか車とか、何か色々とか!!」
(ずっと眠たそうだったのに更に眠くなるのかと、驚きを隠せぬところではあるが。
相変わらずの浮遊移動で去っていく後姿に、声を張り上げて。まぁ、さっきの回避からして大丈夫だとは思うのだが。
手をふる代わりに左右に揺れるお尻を見送った後に、ふぃっと息を吐き出し)
「さて、我も帰る……前に、何処かで食べ物でも調達してくるかな」
(頭を左右に傾ければ、首の骨を鳴らし。
そのまま緩い足取りで、魔王の姿も公園から消え去ってゆくのだった)
ご案内:「常世公園」からギルゲイオスさんが去りました。