2019/06/13 のログ
■鳩森 速都子 > 夢の中…にはまぁ入れると言っちゃ入れるような、入れないと言えば入れないよう……な?
(カミングアウトしたのがそんなに意外だったのだろうか。また驚いたというよりは不意を突かれたような表情を浮かべるし、親猫の刺さるような視線を感じてはまた苦味を含んだ笑みを浮かべるだろう。)
そんなに驚く事かな?とも思ったけど確かにまぁ、人間であるキミからしたら驚く事かもしれないけど……一応ボクはそんなに何っていうかその…節操が無い訳じゃないと自分では思ってるんだけど。それにそんな取って食ったりもしてない筈だから!
(頬が朱に染まっていく様子を見ては男は少し困ったように頬を軽くかいてからまた言葉を選びながら返していくだろう。尤も彼女が動揺するのも無理は無い事だとは思ったし、以前図書館で話をした彼とはまた違う反応を見てると失礼だが少し面白くもあった。少しでも安心でもさせようと言葉を続ける姿は明らかに隠しきれない動揺が含まれていて。)
ある事にはあるんだけど、今日は家に置いてきちゃった。どうせ委員会の呼び出しとかで中断させられちゃう事も多いから…。
(話題を変えようとする彼女に合わせるように視線は睨みつけてる親猫の方へと移った。携帯電話を今持ち合わせてない理由は余り良い理由では無いがこれも隠すような事でも無いだろうと軽い調子で言葉を続けただろう。文字通り天使に見えるなんて夢にも思っていないが、もしかしたら悪魔だって人に良い印象を与えるように努力をしていたりするかもしれない。アドレス教えてくれる?という問いかけに対して男は、大切な物が入ってると言っていた地面に置いたトランクケースを不用心に開けると一瞬だけ困ったような表情を浮かべながらも中から一枚の紙を取り出した。トランクケースの中身は旅行者のように生活用品がメインだが、隅っこのスペースの所に金庫のような箱が入っているのが見えたかもしれない。名刺サイズの紙を差し出して)
これに書いてあるから、よかったら送っていてくれると嬉しいかな。
(紙は名刺で中身は名前とメールアドレスと電話番号等の連絡先、そして左上の空いたスペースに小さな鳩のアイコンが鎮座している。もし渡せたのならトランクケースを閉め、取っ手を持つと立ち上がり)
猫達の無事も確認できたしボクはそろそろ帰るよ。今日は話せて楽しかったよ、アガサさん…じゃあ、またね。
(軽く会釈をするような仕草をすると来た道を戻るようにトランクケースを持って歩いて帰っていくだろう。今日は不思議な生物も、可愛らしい女の子も見る事ができたし、動物ともし会話ができるようになったらもっと楽しみの幅が広がるのかもしれない、なんて漠然と考えながら帰路につくのであった。)
■アガサ > 速都子君の今までの印象は穏やかな少年。と言ったものだった。温和で、少し抑揚の薄い言葉はともすれば眠りを誘うような。
けれども今、言葉を早めて弁明する様はそういった様子とは違う。きっと赤くなってしまった私の顔をみて慌ててくれたのだろうと思うと、ちょっと申し訳なくもあった。
「だ、大丈夫大丈夫。確かにその~……夢の中に出てきたら大変だね、うん」
あはは、と努めて明るく声に出して、なんてことの無いように笑った。
速都子君が、委員会の呼び出しという、踏み込むには少し戸惑われるような言葉を口にしても、私はそうした。
「そっかあ。じゃあ何かメモでも……わお、物持ちいいなあ。それじゃあ後で送っておくね!」
彼のトランクケースの中身はトランクケースの中身然として宝物があるようには見えない。
けれども速都子君は悪魔なのだから、人とは基準が違うのだろうと納得しよう。
私はメモを受け取ると折り畳んでからポケットにしまった。
「私もそろそろ戻ろうかなあ。うん、私の方こそありがとう!悪魔の知り合いが出来た!なんてちょおっと魔術師っぽくて素敵だね」
それからのこと。礼儀正しく立ち去る速都子君の事を、小さく手を振って見送ってからのこと。
私は今暫く不可思議な親猫の姿を見て──
「……そういえば子猫は足、4本だけど……育つと生えるのかなあ」
──益体も無い事をぼんやりと考えていたのでした。
ご案内:「常世公園」から鳩森 速都子さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアガサさんが去りました。