2019/10/13 のログ
ご案内:「常世公園」に水鏡 浬晶さんが現れました。
水鏡 浬晶 >  
「………。」

涼しい風が吹く昼下がり。夏の猛暑が懐かしく思えるほど、すっかり熱は息を潜めた。
辺りの木々は早くもちらほらと黄色く色付いているものもあり…
そんな中、公園で遊ぶ島民を見ながら、缶コーヒーを啜る青年がいた。
眠いのか何なのか、だいぶ虚ろな目をしている。

ご案内:「常世公園」に春寺谷 れもなさんが現れました。
春寺谷 れもな >  
半袖では流石に過ごしにくさを感じる、この秋風の中。
缶コーヒーをすする青年の少し斜め後ろへ、よいしょと腰かけた女子生徒がいた。
肩だしの七分袖を着ているあたりは、まだまだ寒さに屈しないおしゃれ心を感じさせるだろう。
ホットパンツとカラータイツの足元も、季節めいて眩しい。なにしろ、女子学生なので。

ただ、そのひざ元にのっているのは―――そう、食欲の秋。ケーキボックスだった。
中からホールケーキが飛び出した。オータム・ホールケーキ・デー。今日です。

水鏡 浬晶 >  
「………何やってんの春寺谷。」

後ろも振り向かずに青年がつぶやく。もうおおよそ気配で分かってしまうようになった。
こちらは一方、さほど服装に色気はない。簡素なものだ。
頓着がないのか、意識してそうしているのか…何にせよ、服装自体はどこにでもあるような凡庸さだ。

「お前も他に友達作って俺に付き纏うのはウワッ何そのケーキ怖っ。」

振り返ったはいいものの光景までは予想していなかった。

春寺谷 れもな >  
「ケーキ食べたくなったから食べるの!
 え?友達とは既に遊んできたよ?徹カラしてきた~!」

女子生徒、もといれもなのマブシイ・スマイルがさく裂した。
よく分かったねえ~などぬかしているが、ひざ元にあるのはホールケーキだ。
大きさは5号。直径はおおよそ15センチ。フルーツがたっぷり乗っている。
見た目もキラキラ、宝石のような秋の味覚も盛りだくさんである。ぶどう1房使っちゃいましたケーキだ。

「んでね、ケーキ食べたくなってケーキ屋さん行ったら、テンション上がっちゃって…。
 食べたい気持ちが押えられないから公園で食べようかなあって来たら、先輩がいた…」

むしろなんで先輩がいるの?という顔である。

水鏡 浬晶 >  
「なんで部屋で食べないんだ……お前は空腹を抑えられない犬か?
 ……あっそう。」

そりゃ他にも友達居るよね、という顔になった。
そりゃそうだ。年頃の娘だし、明るいし。他者を遠ざけたがる自分とは違う。
……それはそれとして、凄まじい光景だ。

「テンション上がったからって普通ホールでケーキ買うか?
 ……俺は部屋にいると頭痛くなるから。低気圧だし。」

時折、頭痛からか顔を顰める。

春寺谷 れもな >  
「今日は外涼しいし、徹カラしたから登山ってほどじゃなかったし。
 ホールケーキ抱えて山登ってもね~、ちょっと変な人になっちゃから…」

ケーキ屋で貰って来たであろう、プラスチックのフォークを取り出す。
が、水鏡が顔をしかめているのが気になったのだろう。
ぶどうの山を崩そうとしていた手を止めて、バッグから小さなポーチを出した。

「なんだっけ、低気圧で頭痛くなるの。ナントカカントカみたいな。
 頭痛薬効くらしーって友達に教えて貰った気がする~。飲んでみる?」

優しさが半分入って無い方の、普通の痛み止めだ。
それから、ぶどうはひとつぶつまんで食べた。

水鏡 浬晶 >  
「お前のバイタリティはどうなってんのほんと。普通徹カラしたら休息一択だと思うんだけど。
 ……良い事を教えとくと、変じゃない人はそもそもホールケーキを外で食わない。
 っていうかホールケーキを一人で食わない。」

離していると余計頭痛がひどくなりそうだ。
でもなんだかんだで美味しそうと思ってしまうのもまた、生物として当然の道理である。
畜生。ちょっと羨ましい。

「……ナントカカントカってそれ結局名称分かってないんじゃないのか?
 …あー、うん。飲む。飲むけどこういうのって生理痛とかにも効くやつじゃないのか。」

飲むのは精神的に嫌だな、と思いつつやっぱり飲む。
コーヒーで飲む辺り雑だ。

春寺谷 れもな >  
「えっ、外でホールケーキ食べないの?!
 変じゃない人可哀想…それなら私、ちょっとくらい変でもいいや…」

ホールケーキが常識に打ち勝ってしまった瞬間である。
そしてぶどうをひと粒食べたことにより、なんとなくケーキにも手を付け始めた。
ふかふかのスポンジケーキに洋酒のシロップが香り、ミルク感あふれるクリームが幸せを届けてくれる。
やったーおいしい!どこで食べてもホールケーキは美味しいのだ。

「痛み止めなんだから、大体の痛みに効くように出来てると思うなぁ~。
 そりゃあ私も痛い時に飲むけど……って、えっ、先輩生理痛知ってるの?なるの?ケーキたべる?」

あーっ、水で飲まないでコーヒーで飲んだ~と、別のところでドン引きしている。

水鏡 浬晶 >  
「欲望を受け入れて順応を放棄するな!
 …ああ、常識、常識ってなんだ……」

躊躇わないことさ。でもちょっとは躊躇え。
でもなんだかんだで美味しそうと思ってしまうのもまた以下略。
特にさっきからコーヒーを飲んでいるせいで、口の中が苦味一色だ。
ここらで甘い物が恋しくなるのも、やはり生物として当然の摂理。

「やっぱりそうか……気持ち的に飲むの抵抗あるな……
 誰がなるかバカチンが。体験はなくても知識としちゃあるだろ。そこまで無神経じゃない。」

構わず流し込んだが、まぁ当然ながらそう早く効くはずもない。
まだまだしんどそうに頭を抑えつつ……

「…食べる。」

こっちはこっちで欲望に負けた。

春寺谷 れもな >  
水鏡に使い捨てのフォークを渡して、自分のフォークを咥えたままポーチを戻す。
そのまま流れるように2口、3口目を頬張った。ワーイ甘ーい!

「痛み止めは痛み止めなんだから、気にしなくていいのに…。
 むしろアキ先輩、女の人に間違えられたりするわけだし、なんかこう~~…
 平気?こんな場所でそんな話してて平気?やっぱりあるんだ…とか思われたりしない…?」

いらぬ心配がやってきた。
秋風がふっと空を駆けていく。

水鏡 浬晶 >  
「……どうも。」

ぷす、とケーキに遠慮がちにフォークを突き刺し、スポンジを引っこ抜いて口に運ぶ。
美味い。凄く美味い。苦味が口の中で甘みに押し流され、舌の上をリフレッシュしていく。
その中に洋酒の香りと、クリームの舌触り。やはり菓子類を見る目はある女だと感じた。

「まぁそりゃそうかもしれないが……
 ……うるさいな。…頭痛で休んでたら変な親父から生理かな~とか絡まれたことはある。」

相当に嫌な修羅場をくぐってきたようだ。本当に嫌だ。

春寺谷 れもな >  
「あるの?!私でも流石にそういう絡まれ方したことないよ?
 女性でもそうそう無いよ、そのセクハラ…。そのおじさんちゃんと通報した?」

こわーーーーって顔をしながらも、頬にケーキが詰まっている。
端からケーキが食べ崩されていけば、間に挟まっているのは洋ナシだ。
レモンピール入りのクリームチーズが、甘さだけでなく香りにもアクセントを与えてくれる。
でも食べている場所は公園だ。遊ぶ声も、まだまだ聞こえる。

「なんで変な親父にひっかかっちゃうのかなあって思ったけど、あれだね。
 むしろ引っかかられてるんだね…。先輩美人だから……」

大変そう……という憐みの眼である。

水鏡 浬晶 >  
「通報したよ。近くに交番あったから逃げ込んだよ。
 追っかけてくるおっさんの顔がすげー必死な形相だったのはちょっと笑ったかな。」

苦い思い出を肴に甘いケーキを食べている状態。
たまにフッと乾いた笑いをこぼすのは、自嘲なのか懐かしみなのか。
そしてここで洋梨。洋酒入りとはいえクリームとスポンジでは喉が渇く…
と言ったところに、瑞々しい洋梨が潤いを与える。
そして水分で口をリセットし、また新鮮な気持ちでケーキに向かう。初心忘るべからずである。

「……そうだな。顔が良いらしいからな。
 何回かあったよ、小さい頃から……ってのを人に言うと、自慢に聞こえるらしいんだよな。
 笑い事でも自慢事でも無いのにな。」

憐れみの目からは露骨に目を逸らした。それはそれとしてケーキめっちゃ食ってる。

春寺谷 れもな >  
「良かった~、じゃあ安心だねぇ。警察の人も困惑しただろーけど。
 自慢が得意な人のなかにさ、不幸自慢が得意な人っているよね。
 そーいうのが自慢に聞こえるって人は、そういう人なのかもかも~?」

変なところで嫉妬しないで、幸せ自慢すればいいのにね!とぶどうを齧る。
ここ数年は皮ごと食べれるぶどうがよく増えた。
お陰でケーキにそのままたっぷり乗せられる、という意味でもグッジョブなのである。れもなはそう思っている。

ケーキをめっちゃ食われている事は特に気にしていないのか、こちらもよく食べている。
食べ盛り2人ならホールケーキも形無しだろう。

「ま~、人の不幸ってあくまで人の不幸だもんなぁ~。分かりにくい事っていっぱいあるんだろなー。
 先日行ったらーめん屋さんで、店員さんの親指がスープに入ってたの。
 ちょっと悲しかったんだけどさぁ、友達に話したらめーっちゃ笑ってたし…」

水鏡 浬晶 >  
「春寺谷には縁がなさそうだけどな、不幸自慢。
 お前の自慢はポジティブなもんばっかりだし。」

ぶどうの粒を突き刺したフォークを軽くくるくると回し、少し遊んでから食べる。
歯で皮を噛みちぎれば、瑞々しい果実と果汁が口に溢れる。
色合いも楽しいし、マスカットと組み合わせればより良い。特に種無しだと食べやすくて助かる。

「……ぷ、はは…まぁ、そりゃわかりにくいな。気持ちはわかるが……
 良いんじゃないか、もしかしたら親指から出汁が出てるかもしれないぞ。」

…珍しく笑った。
ツボに入ったのか、それともあまりに下らない不幸に笑ってしまったのか…
何にせよ、愉快そうにスポンジを齧っている。

春寺谷 れもな > 「あ~~!先輩まで笑うー!
 ラーメン汚していいのはねー!ラー油とコショウだけなのに…。でもニンニクも場合によっては許す…」

プンスと怒って(?)いたが、水鏡が笑ったことに、ワンテンポずれた状態で気づいた。
夕焼け色の眼を見開いてキョトーンとしていたが、にへーとこちらも笑った。

「……まあ、先輩が笑えたならいっか!今回は許してあげましょ~~」

何故か得意げである。
喋ってる人が笑っているなら、それでいいらしい。

水鏡 浬晶 >  
「俺は塩なら柚子皮で汚すこともあるが、それはアウトか。」

くつくつと笑いつつ、その笑いも鳴りを潜めるころ。
ひょいと立ち上がり、近くの自販機へ。ベンチの近くに自販機があるのは良いことである。
そこで紅茶を2本買い、片方を差し出した。

「お許しどうも。……なんか上から目線なのが気に食わないけど。」

そう言って、蓋を開け……はたと気付く。
ケーキの上、瑞々しく美味しいぶどうが残りひと粒だ。
……さてどうしたものか。このぶどうは美味しい。実に美味しい。可能なら貰いたい が。
ここで人のケーキにがっつくのは、少々みっともない気がする。

春寺谷 れもな >  
塩らーめんに柚子皮と言われて、れもなはうーむと悩んでしまった。
確かにアリである。そうなると味ごとに許す汚しを考えなければならない。
これはらーめんを食べるにあたり難しい問題である。多分。

悩んでいると、紅茶を貰った。
最後のぶどうは、ぷすっとフォークに刺して

「わぁーいお茶!いただきまーす!」

水鏡に差し出した。ご機嫌度マックスである。
なのでぶどうはあげることにしたらしい。紅茶は片手で器用に開けた。

水鏡 浬晶 >  
「……お前、案外腕力あるっていうか器用だな。
 ペットボトル勝手で開けるとか結構難しいんじゃないのか…」

そう言って、こっちも片手で開けようとしてみる…
が、面倒なので早々に諦めた。
ついでにあーラーメン食いてえなとか考えている。

「まぁ…ケーキの礼もあるしな。チャラで。
 ……もーらい。」

ひょいぱく、とぶどうを口に運んだ。
やはりとても美味しい。……今度、ホールとは言わないから自分でも買いに行こう。
この風貌だと、一人でケーキを買っても変には思われない。数少ない利点だ。

「……ごちそうさん。…なんだかんだ、結構もらってしまったな。」

春寺谷 れもな >  
「はぁーい、私もごちそうさまでーした!
 ペットボトルのキャップねぇ、親指の付け根と手のここで包むようにして…」

ひねって、こう!ともう一度実演である。
そこそこ握力がないといけないが、コツはキャップの上面を手のひらにつけることらしい。
ボトルから数口飲んだ後、ホールケーキの後始末をした。箱をたたんで袋に戻す。
これを公園のゴミ箱に捨てていくかを若干悩んだが、大きくないしよいか!と思い至ったようである。

「ホールケーキだから食べ応えあったしね~。
 食べてる途中で眠くなったかもしれなかったし、ちょーど良かったのかも~」

最初「なんで先輩がここにいるの???」くらいの顔をしていたのだが。
それはすっかり忘れたらしい。ケーキと紅茶は偉大である。

水鏡 浬晶 >  
「えー、っと……あ、出来た。いや、一回開けてたからか?
 今度改めて試してみよ…」

くいくいと手を捻って動きを反芻している。なんかちょっと愉快な絵面だ。
それはそれとして、ちゃんと箱を持ち帰る姿に感心する。
頭の出来はともかく、礼儀や思いやり、マナーのない女ではないのだ。
…いや礼儀はたまに無いかもしれないが。あとマナーもないかも。

「今度何か埋め合わせするよ、紅茶じゃ足りないだろうし。
 ……ブ○ボンアソートでいい?」

お得なやつだ。

春寺谷 れもな >  
知り合いの家にベランダ伝い侵入をしたり、エロ本を発掘するようなマナーなら嗜んでいる。

ブル○ンアソートで良いか?と聞かれた。
良いかと聞かれたら答えは一つである。

「え?うん!やったーーーお菓子パックー!」

大変お安いのである。全然気にしないのである。
とりあえず色んな味やお菓子が入っているとご機嫌になるし、
そもそもチョコボールひと粒で機嫌が回復し始めるので、やはりお安い。

しかし、れもなはここで重大な事に気づいた。

「………しまった、お日様まだいるのに眠い………」

徹夜でカラオケの弊害が、今ここに。お腹もいっぱい、喉もうるおった。

水鏡 浬晶 >  
よく考えてみたが、そもそも保健室で焼き芋作るような女にマナーもなにもない気がした。
かなり毒されているな、といつの間にか傷まなくなった眉間を押さえる。

「はいはい、じゃあそんとき渡す。
 ……大丈夫かお前。寝るなら部屋帰って寝ろよ、昼とはいえ寒くなってきてんだから。
 あと変な奴も出るかもだし。」

すごく実感が籠もっている。
何にせよ、寝た娘をほっぽりだして帰るというのも心情的にだいぶ嫌だ。

春寺谷 れもな >  
「流石に公園で寝ない……多分…。
 こういうとこで寝ると、ツインテールに枝刺さってたりするし~」

くあっと欠伸をし、目をしぱしぱさせながら紅茶を飲む。
感情のこもった「変なヤツも出るかもだし」という言葉には、確かにと頷いた。
今この眠い状態で出会っても、警察に駆け込む前に寝そうな気がする。

「うむんむむ…お休みの日だけどお昼寝することにしましょー。
 というわけで私は帰るけど、アキ先輩」



「変質者に気を付けてね………」

言葉が返って来た。やまびこでしょうか。

水鏡 浬晶 >  
「そうか……それは避けたいな……
 あと多分それ悪戯っ子に刺されたりしてるんだと思うぞ……」

流石に、地べたで寝て転がったりしない限りは髪に枝は刺さらないだろう。
ちびっこというのは加減を知らない。寝てたらきっとそういうことをする。

「……俺も帰る。送る。
 っていうかお前、その調子で帰らせたらすっ転んでゴミ箱に突っ込んで寝てそうだし。
 変質者も厄介だしな。」

いいえ誰だってそーするおれだってそーする。
別にそこまで情がないわけではない。というより、なんだかんだ友人には甘いのだ。
そういう男である。

春寺谷 れもな >  
「さ、流石にゴミ箱には……うーん。
 どうだろ、まだしてないだけかもしれない…。あ、先輩も帰る~?」

自信が持てなかった。判断がつかない程度には、眠気が忍び寄ってきている。
いや、つかないというより、普通はまずゴミ箱睡眠をしないのだが。

「じゃあお昼寝しに帰りましょー。カラスは鳴いてないけど……あ、そういえばカラス君元気かな~…」

頑張って立ち上がり、よちよちと歩き始める。

水鏡 浬晶 >  
「そこは胸を張ってしてないって答えろよ。してたらだいぶ人間としてアレだぞ。
 格が獣まで落ちる。」

だいぶ辛辣だが致し方ない評価だろう。そうなったら関わるのを躊躇する。

「…あー、そういえば会ってねえな。
 あっ、ていうか春寺谷。お前カラスに俺の連絡先勝手に教えたろ。
 知らないとこからいきなりメッセ飛んできて詐欺かと思ったんだからな。
 妙に文体が丁寧なせいで余計に。」

ぶーぶーと文句を言いつつも、その横に付いて歩き始めた。
実情はともかく、はたから見ればかなり仲は良さそうに見える。

春寺谷 れもな > 「え~?あ、うんうん。そうだったそうだった。
 教えた~~って先輩に教えて無かったっけ?そういえば~…」

「詐欺はひどく無い?ちょっと分かるカンジするけど。打ち慣れてない感じするよね~」

焼き芋共犯者の一人なんだから大事だよ?と説得をする。
時々眠そうに欠伸をするが、お喋りを続けながら帰るのだろう。
少なくとも、れもなは仲が良いつもりである。突けば構ってくれるので。

ご案内:「常世公園」から春寺谷 れもなさんが去りました。
水鏡 浬晶 >  
「言われてない。……ったく、そういうのは教えた直後に連絡するもんじゃないのか。
 まぁ、良いけど。別にアイツは邪気がないし。」

顔もいいし、とぼそっと付け足した。
隣りにいると中和されて矛先が分散されそうなので。

「…たまに妙に饒舌になるんだよな、あのメッセ。
 保護者に代打ちしてもらってんのかな。」

そんなどうでもいいことを話しながら、アパートへ帰っていく。
秋の空は高く、嵐は去り晴天だ。爽やかな季節である。

ご案内:「常世公園」から水鏡 浬晶さんが去りました。