2020/07/13 のログ
ご案内:「常世公園」に227番さんが現れました。
227番 > 池の前のベンチに腰掛ける。
街灯の明かりで夜中でも前後を見失うこともない。
とはいっても、池のところは真っ暗であるが。

今日は悪い夢を見たとか、そういうのではなく
ただなんとなくで外に出てきただけだ。

理由はわからないが、どうも夜が落ち着くのだ。

今日も1日歩き回った。
沢山の知らない道を、知っている道にした。
案内板を見る限り、学園というものはまだまだ広いらしい。
明日もまた、続きをしよう。そんなことを思いながら。

227番 > 空を見上げる。

町中に比べれば、この公園は星が多く見える。不思議だ。
それでも、落第街で見上げた時と比べると、少ないものだが。
空は場所によっても違うものだろうか?

それから、あの一際大きい星?は昨日と形がほん少し違う。
毎日変わるもののようだ。

昼の空には、星が無い。どうしてだろう。
それともあの眩しい光も、星、なのだろうか?

227番 > 知らないことはまだまだ沢山ある。

いつか、あらゆる事を知れるのだろうか。
それとも、それ以上に知らないことが増えていくのだろうか。

そうだとしたら、それは、楽しみだ。
もっと、いろんなことが知りたい。

異能?だとか、魔術?だとかいう、よくわからない力も、
自分も使えるようになったりするのだろうか。

それとも、この身体、この爪が、私の異能なのだろうか?
それもいずれは知りたい。そう思う。

227番 > そのためにも。

自分にできそうなことを見つけるまでは、道を覚えることをやっていこう。
違う手がかりが見つかれば、それを調べてみるのもいい。

明日もまた知らない道を歩く。

新しい出会いがあるかも知れない。
嬉しい再会があるかもしれない。

地道で不毛な作業でも、少女はきっと意味があると思っている。

227番 > 「くぁ……ふ」

大きなあくびが出た。昼間散々歩き回ったのだから、まぁ当然だろう。
少女はのびーっと身体を伸ばして、ベンチから立ち上がり、帰路につく。

ご案内:「常世公園」から227番さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に三椏 そにあさんが現れました。
三椏 そにあ > ピクニックバッグを脇に置いた少女が、じっと地面を見つめている。

視線の先には蟻が1匹。
誰かに踏まれてしまったのか、千切れて潰れて。動かなくなっている。


「―――可哀そうに」


死んでしまったものを救うことは出来ない。

道行く人は気にも留めず通り過ぎていくような、そんな小さな命だけれど。
少女は、せめて弔ってあげようと小さな穴を掘って 指先でその体を掬った。

三椏 そにあ > 「―――え?」

指先で掬った途端、"磁石のS極とN極のようにくっつき、潰れていた体はふっくらとした元の様子に戻り、何事もなかったかのように動き出していた"。

少女は、目をぱちくりとさせて 指先から地面に降りていくその姿を見つめていた。

「あら……?どういうことでしょう、そにあの力はお怪我を治すことが出来るものでしたわよね」

広義的には怪我と言えるだろうが、まさかそこまでの回復力を持っているとは思わなかった。元気になったのは良い事なのだけれど。

「お体が小さかったから…?もしかしたら、そにあが強くなったのかもしれませんわねっ!」

にぱ、と笑えば 掘った穴を埋め直して。

三椏 そにあ > 「もっといろんなお怪我を治すことが出来るなら、おにーさまだけでなく他の方のお役にも立てるでしょうから…どんどん、強くなりたいですわね」

んー、っと後ろ手を組んで 伸びをする。

不思議な現象を目にした少女は、その事を帰ったら兄にお話するのだろう。
怪我を治す以外の効果が出たのは、この日が初めてだった。


最後にまたちらりと蟻が歩いていくのを見ると、手を振って公園を後にするだろう。

ご案内:「常世公園」から三椏 そにあさんが去りました。
ご案内:「常世公園」にスノーウィーさんが現れました。
スノーウィー > ぽてり、ぽてり。
しとしとと雨の降る日に雨宿りの様に木の下のベンチに座る少女が一人。
夏の日にしては少しばかり涼しく、風通りのいい今日は
少しだけ眠気も強くて。


うと、うと…と瞳を細めている。
あぁ、少し眠い。でも外で眠ってしまうのははしたないだろうか。

なんて思ってはいるものの体は睡魔に素直で

スノーウィー > 今は人も少ないから、少しだけ…
少しだけ眠ってしまおうか。
幸い薬で隠しているとはいえ獣人特有の耳の良さと気配察知。
元々知っている臆病さで察知できるだろう。

ちょっとだけ

「ちょっとだけ、…ちょっとだけ」

雨の音が心地いいからと
ちょっとだけ瞳を閉じた

ご案内:「常世公園」に金剛 経太郎さんが現れました。
金剛 経太郎 > 「わぁ傘くらい持ってくりゃ良かった」

今日の試験をどうにか乗り越え、帰ろうとすれば傘を持って出てくるのを忘れていたことを思い出す。
走ればどうにかなるかな、と帰路についてみたは良いものの、いよいよ本降りの様相を呈してきて。

「雨宿りだ雨宿りっ」

ぱたぱたと木の下のベンチに駆け込んで来れば、ベンチには先客がいた。

スノーウィー > 「…――ッ!!」

ビク、っと誰かの足音に雨音で微睡んでいた少女は飛び起きる。
今だ貴方の到着前だったためか、ドキドキと驚きでなる心臓を抑えてあたりを注意深く見渡して
少し先からこちらにかけてくる貴方を見つけては思った以上に振り始めていた雨と飛び起きたことで少し乱れた髪の毛を治している間に貴方と邂逅を果たすでしょう。

金剛 経太郎 > 「ひゃー、だいぶ濡れちゃったなあ。」

木の下に駆け込んでくるとまず自分の状況を確認。
鞄を雨除けに使っていたが、それでもズボンの裾はびちょびちょ。
シャツはそれほどでもなく、上着代わりのカーディガンも被害は少ない。
そして鞄はだいぶしっとりしていた。

「……これ少しは止んだりするかなあ。

 おっと、……あ、その、こんにちは?」

雨の具合を確認してから、ベンチの先客へと挨拶。
見た感じ同じ生徒っぽいけど、何年生だろうと訝しんで。
経太郎自身は見た目こそ子供だけれど立派な一年生。

スノーウィー >  
「ぁ…。」

やってきた。…同じ学園の制服をきた…青年。ではなく男の子。
何方かといえば初等部。よくて中等部の少年を見つめる。
ただ制服的にはおそらく高等部なのだろうか。自分が彼を認識した事は今までないので下級生、もしくは上級生なのだろうけれど…。
とはいえ、此方に来るにあたってずぶぬれになっている少年の為に
自分が座っていたベンチの片方を開ける様にずれる。

人になれていない少女はおずおずと会釈をして

「こんにちは…。…大丈夫、ですか?」

金剛 経太郎 > 「ん、だいじょーぶこれくらい。
 それより、えっと……お姉さんも雨宿り?」

その割には濡れてる様子が無い。という事は本格的に雨が降り出す前にはいたのだろう。
そんな風に目星をつけつつ、開けられたスペースへとちょこんと座る。

「ありがとーお姉さんっ。」

にぱー、と満面の笑みを向ける。
同学年で見覚えが無いから上級生だと踏んで子供ぶる事にした。
精神的に疲れるが、大抵受けは悪くないのでよく使う手だ。

スノーウィー >  
「…あ、えっと、いいえ。私は散歩の休憩です。」

雨宿りする前、もっと気持ちのいい子守唄の様な頃からここにいたため
思った以上に濡れている周りに逆に驚いたばかりだ。
貴方の濡れ方を見ても相当な量が降っているのだろう。
大丈夫、と言われても目の前でずぶぬれになっている可愛らしい小学生・・・の様に見える男子を放っておけるはずもなく。

どうぞ、と薄桃色の微かに甘い匂いのするタオルを差し出す。

「…。それでも濡れすぎると風邪をひきますから…。
お嫌でなければ使ってください。」

普段は人に対して怖がる彼女も
見た目が愛らしい少年に対しては警戒心を抱きにくいのか、少しばかり穏やかに話す事が出来るようだ。

金剛 経太郎 > 「そっかー、お散歩かあ。」

羨ましいなあ、さてはテスト強者だなオメー。
……と続けそうになるのをぐっと堪えてにこにこ笑顔を保つ。
前期末試験期間中につき絶賛修羅場の経太郎には散歩をする余裕なんて無かった。だって進級かかってるから。

「ふぇ?
 えっ、良いの?……で、でも、悪いよ。
 お姉さんのタオル濡れちゃうし、これから使うかもしれないでしょー?」

そんなそんな滅相も無い、と慌てて差し出されたタオルを拒む。
なんかめっちゃ良い匂いした、と頬を赤らめて。
直後、

「へ……──へくちぅ。」

と、細やかなくしゃみを一発。
あまりの細やかさにくしゃみをした本人も一瞬なにが起きたのか判断出来なかった。

スノーウィー >  
「はい。自習も終わりましたし…。」

勉強は好きだ。
けれど勉強ばかりしていても効率が悪いことも知っている。
より覚えるにはある程度時間を置く事も好きなことをすることも大切な勉強だ。
とはいえ、臆病で人見知りな彼女は読書や勉強、散歩くらいしかすることがなかったとはいえばそうなのだけれど。

「はい。私が今から濡れるより今濡れている貴方の体の方が大事ですから。
…ほら、くしゃみしてますし。…ね?」

くしゃみまで可愛らしいのか。
酷く細かいくしゃみも獣人である少女にはしっかり届いている。
どうぞ、と。貴方の頭へとタオルをかぶせる様に手を上にあげるのでしょうか。
勿論。いらないともう一度言うのであれば即座に彼女は手をどける。

金剛 経太郎 > 「そっかー。テストも余裕な感じ?」

凄く頭の良さそうなオーラを目の前の少女から感じる。
羨ましい。効率以前の問題レベルで勉強が出来ない経太郎にとっては大変羨ましい。
実際のところ頭が良いかどうかは置いといて、頭が良さそうなオーラを出せるのが羨ましい。
経太郎に出せるのは情けないくしゃみくらいだ。

「いやいやいや、お姉さんが濡れちゃうのも大変だから!
 ……うぐっ、き、聞こえてたのか……」

ふわぁっとタオルが頭に被せられたのがまだ救いだった。
現状耳まで真っ赤になっている経太郎である。あんなくしゃみ聞かれるのは想定外だった。クソ恥かしい。

「ぁ、ありがとう、お姉さん……」

スノーウィー >  
「どうでしょう…?平均点位じゃないでしょうか?」

言葉を少しだけ濁す。
平均点より取れる自信はあるけれど。それを言っていいのかはわからなかった
そう。頭がいい代わりに人とのコミュニケーション能力はレベル1に近いのだ。
ゲームで言えば魔法使い。神と人に仕える僧侶に離れない。つまり賢者にもなれないのだ。

「いいんですよ。これでも結構体は丈夫ですから。
…はい。聞いてしまいました。」

タオルは柔軟剤か何か。
花とも何とも言えない甘く優しい匂いがする。
彼女がタオルを貴方にかける時に同じ匂いが香ったかもしれない。
少女は貴方にタオルをかぶせた後、そっとベンチの低地位に戻って貴方を見ている

「どういたしまして。
そのタオルは持って帰ってもらっていいですよ」

金剛 経太郎 > 「そ、そっか……!」

強者の余裕だ……!
言葉を濁す少女にも頭良さそうオーラフィルターを着けた経太郎にはそう見える。
何て奴だ、これが上級生……!と、不要な畏怖まで覚える始末。

「いや、体が丈夫とか、そういうことじゃなくて……
うぅ、やっぱり?今の聞かれたかぁ……」

くっ、殺せっ。と言わんばかりの渋面もタオルに隠れてしまっている。
それよりほんのり香るこの甘い匂いは何だろう、と小首を傾げて。
タオルからはもちろん、目の前の少女からもするような……?

「えっ、それはダメだよ。流石に貰えないよ!
それよりもさっきのくしゃみ忘れよう?……うん、忘れて!」

視界がタオルでほとんどを塞がれながらも、ぐん、と少女へと身を乗り出した。
それほどに先程のくしゃみを聞かれたのは深刻な問題で。

スノーウィー >  
「えっと。はい。しっかりと…?
生まれつき耳がいいので…?」

そこまで聞かれたくないだろうか?
別に不快な事を思う事でもなかった気がするのだけれど。
むしろ可愛らしかった。
もしかしたら目の前の少年は初等部から飛び級でこちらにやってきたのだろうか。
それならこのかわいらしさも納得だ。

なんて勝手にそんなことを考えつつ。
グン、っとこちらにやってきた少年が近くなると幾分か安心していたとはいえ
人見知りの少女は少しだけ体を固くして。
あわ、っとどもってしまいそうになるのを貴方の頭に乗っているタオルを使って貴方の頭を拭く事でごまかそうとするでしょうか。

「ぁわ…。え、えっとっ。そ、それより頭拭きましょう…?ね?
ふきますから、ふ、拭きますから。」

金剛 経太郎 > 「忘れよう!?
そ、そうだ!今から違うくしゃみするからそれで上書き──」

出来るわけがない。
高校一年生、しかも齢18にもなる男子があんなくしゃみをするのがどれだけ恥ずかしいか。
これが利かれた相手がクラスメイトとかなら、きっと夏休みまでイジられ倒される。間違いなくそんなくしゃみだった。

「へ?わっ。
ちょっ、大丈夫だって!それは自分で出来──」

身を乗り出したは良いものの、突然の申し出に身構える。
しかし少女がタオルで経太郎の頭を拭き始めれば、傾きかかっていたバランスが崩れ。
少女に真正面から倒れ掛かる事となり。

スノーウィー >  
 
「――――ぁ、あぶな…ッ」

少年が倒れてしまう。
だが両手は頭上のタオルで手一杯だ。
だがこのままでは濡れて滑ってベンチから落ちてしまうかもしれない。
咄嗟に、自分から体を寄せて受け止めようと態勢を近寄らせた結果

普段はぶかぶかの冬物カーディガンで隠れている
高校生…いや、女性の平均より大きいその二つの柔らかく甘い匂いのする部位
胸で受け止める結果になるでしょうか。
人をダメにするクッションで受け止められたことにホっとしたのか
はたまた可愛らしい容姿の少年に油断しているのか。埋まっていた手は貴方の頭を拭き始めるでしょうか。

「びっくりさせてしまってごめんなさい。
…少しだけこのままで居てくださいね。」

金剛 経太郎 > くっ、と身構えて転倒の衝撃に備える。
ベンチに転べば御の字、最悪目の前の少女の膝の上にでも転べばラッキーくらいで考えていた経太郎。
ぼふん、と弾力性の高い何かで受け止められ、それが自分の体勢的に太ももでは無いと察して。

「わぷ……へ?あ?え……?」

しっかりと少女の胸で受け止められている事実を理解するのに数秒を要した。
同時に外見では分からないほどの豊かさも理解した。

「えっ、あ、うん……」
(いや、めっちゃ良い匂いするけど、これ、え、このまま……?)

しかもこのままで居ろと言われてしまい。
為す術も無く姿勢を維持したまま頭を拭かれる経太郎である。

スノーウィー >  
「(動けなくて)苦しかったらごめんなさい。
痛かったら言ってくださいね?」

そういいつつ、手はひどく優しく。
壊れ物を扱うかのように貴方の頭を濡らす水滴達を拭きとっていく。
時折ふき取るときに小さな吐息と心臓のトクトクとした鼓動が雨音と共に聞こえる。

「拭き終わる頃には、きっと空も晴れると思いますから」

それまでは、風邪をひかない様に
体と頭を拭いてあげようと静かに決意していた。

金剛 経太郎 > 「ぅ、だ、大丈夫……っ
どこも痛くないので……!」

とはいえ体勢はちょっときつい。
もう少し相手側に重心を寄せてしまえば楽になるのだろうが。
そうすると多分、完全に埋もれてしまう。

(……それも良いか……?)

試しに少しだけ身を寄せてみたら、少しだけ顔が沈み込んだ。
同時に甘い香りが少し強くなり、少女の心音まで聞こえてくる。
これは非常に宜しくないのでは、と身を寄せるのを留まって少女が頭を拭き終えるのを待つことにした経太郎だった。

「そ、そうかな……えへ、あ、ありがとうお姉さん。
 そういえば、お姉さんのお名前は──?」

そういえば聞いてなかった、と今更ながら思い出して訊ねる。

スノーウィー > 此方に重心を寄せられても。
自分にコンプレックスはあっても関心の無い少女は気にしていない。
だからこそ、大丈夫だと伝える為に時折タオル越しに貴方の頭をトントンと撫でる。
そのままある程度の髪を拭き終わる。
この陽気で乾く事はないけれどある程度はマシになった。

ふと空を見ればまだ空はぐずついているものの少しだけ雨脚が遠のいている気がして

「…今なら、帰れそうですね…。
…ぁ、すみません。失礼いたしました。


私はスノーウィー。高等部2年生の、スノーウィー・ラビットラビィと言います。
…貴方は?」

金剛 経太郎 > なるべく無心を保つ。経太郎が至ったのはそんな境地。
しかし時折頭を撫でられ、小さく揺れる頭がそのまま相手のクションも揺らす。
そうすると今度は反動が帰ってきて──
無心になれるかこんなもん!!と内心涙目の経太郎である。

そのまましばし、甘い匂いと少女の心音とふかふかに包まれながら大人しくしていたのだが。
無事(?)に髪を拭き終えられて。よろよろと身を起こせば、

「あ、ありがとうございましたぁ……
俺は経太郎。金剛経太郎でふ……。」

少しだけ酸欠で頭がほわほわしている。
まだ鼻の奥に甘い匂いが残っている様な気がしつつ、こうして経太郎は少女──スノーウィーとの邂逅を終えたのだった。

スノーウィー > 「はい。金剛さんですね。

……ばいばい。」

ひらひら、と少女は手をふる。
まだしばらくは此処に居る様だ。

そのまま貴方を見送ってしばらくしてから少女もその場を立ち去った

ご案内:「常世公園」から金剛 経太郎さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に金剛 経太郎さんが現れました。
ご案内:「常世公園」からスノーウィーさんが去りました。
金剛 経太郎 > 「う、うん。金剛。

……ハハ。またね、スノーウィーお姉さん!」

此方へと手を振るスノーウィーににっこりと笑みを向けて。
大きく手を振りながら、雨上りの空の下、寮へと帰っていく経太郎であった。

ご案内:「常世公園」から金剛 経太郎さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に日ノ岡 あかねさんが現れました。
日ノ岡 あかね > 黄昏時の常世公園。
出店で購入したクレープを食べながら、ベンチで休むあかね。
既に今日は各庁舎に報告書も提出し、落第街での活動も終えた。
『トゥルーバイツ』の他の面子はまだ頑張ってくれているかもしれないが……すくなくとも、今日のあかねの仕事は一先ず此処まで。

「たまには早上がりもしないとねぇ」

学生らしからぬ発言をしつつ、クレープを食べる。

ご案内:「常世公園」に羽月 柊さんが現れました。
羽月 柊 >  
これから夜がやって来る。
茜色の空は点々と明るい星が目立ち始める。

どこかで今日の別れを告げる声が聞こえ、
まばらにヒトはそれぞれの帰路へとついていく。


そんな流れに逆らうように、一人の男が公園へと入る。

2匹の鳥のような何かを連れ、
長い紫髪と使い古したのかくたびれた白衣が、夕刻の湿った風に揺れた。
手にはコンビニの袋を引っ提げている。

「こら、座ってからだ。」

そう傍らのモノに語り掛けていたが、ふとその桃眼があかねを見るだろう。

日ノ岡 あかね > 「ここ、空いてますよ」

ニコニコと笑いながら、ベンチの隣を勧める。
周囲に他のベンチはない。
夕過ぎの少し生ぬるい風が、ゆったりと園内を吹き抜けていく。

「女生徒と相席が嫌じゃなかったらですけどね?」

紫髪の男の装いから……あかねは教師か研究者と当たりをつけて、そう小首を傾げる。

羽月 柊 >  
質の良い革靴の音が止まる。
黄昏の光が、右耳の金色に反射した。
 
「……ああ、ありがとう。
 君こそこんなおじさんは嫌じゃあないなら良いがな。」

あかねの言葉の後にチラリと目線を周囲に向け、
座る箇所がそこしかないことを認めると、頷いてそう言葉を返した。

学園は部活動でも単位を認めている。
あかねが『トゥルーバイツ』での活動のみで、
学園に顔を出していなければ分からないが、そうでなければ、
男の姿を学園内で見たことは今の所ないだろう。

男はあかねの座るベンチまで歩いてくる。
近付けば傍らの2匹の鳥のような何かはふわふわとしており、
長い尾と、頭に宝石のような角を持っていた。