2022/09/20 のログ
■芥子風 菖蒲 >
「砂漠の魔物?へぇ、そうなんだ。聖獣?って奴」
砂漠の世界ではありがたい魔物らしい。
砂漠に住む猫。サンドキャットでも言うのかな。
どうにも知識が微妙に偏ってしまったぞ!
スフィンクスことうめちゃんをあやす少女。
自分で作ったものだ。相当お気に入りらしい。
「好きなんだ、スフィンクス。
あ、オレは芥子風。芥子風 菖蒲(けしかぜ あやめ)。宜しく、リタお姉ちゃん」
そういえば名前を覚えておいて名乗っていなかった。
改めて名乗れば軽く周囲を見渡す。
こう見えてしっかりと風紀委員。話してる間にも油断はない。
何か起きれば、すぐに対処できるつもりだ。
「一応風紀委員やってて、見回り途中。
リタお姉ちゃんは散歩途中とか?」
平然とお姉ちゃん呼びを続ける少年。
少年は素直なので、嫌と言われない限りは望む形で呼ぶものだ。
■リタ >
おっと、そういえば自己紹介を忘れてしまっていた!
「菖蒲くんね! 私はリタ! リタ・ラルケ! 今みたいにお姉ちゃんって呼んでくれると嬉しいな――あ、えっと」
そこで一度言葉を区切る。
「えっと、今の姿のときは、ぜひお姉ちゃんって呼んでほしいんだけど……もしまた別の場所で見かけたときに、私の髪の毛が別の色だったりしたら……とりあえずリタって呼んでくれるとびっくりしないかなー?
お姉ちゃんって呼ばれて喜ぶのは、この姿の時だけなのだ」
我ながらめんどくさい異能だぁ。
「私は、そうだね! お散歩……というか、遊んでた! ついテンションが上がっちゃってね! 菖蒲くんは風紀委員なんだ! おつとめご苦労様です!」
へへっと笑って、敬礼の真似事。目に尊敬の色が浮かぶ。
「でも、じゃあお仕事の途中ってこと? 私とお話してて大丈夫なの? ショクムタイマン……とかになったりしない?」
お姉ちゃんは心配なのです。
■芥子風 菖蒲 >
「リタね、宜しく。……?」
何とも不思議なことを言うものだ。
少年はきょとんと、瞬き数回。
「それは別にいいけど、どうして?リタお姉ちゃんはじゃない、とか?」
そういえばふと思い出すのは友人の事。
彼女は所謂"二重人格"、というものだったはず。
思い当たる節があるとすればそのくらいなので何気なく口にした。
「楽しかったんだ。……ん、ありがとう。職務怠慢……は、どうかな。
ちゃんと時間とかは計算してるし、休憩するつもりだったから、丁度良かったかも」
「確かに最近ピリピリしてるけどね。特に歓楽街の方とか。
あっちの外出は暫く控えたほうがいいかもね」
その辺りは割りとのらりくらりしてるが、仕事はする。
歓楽街での出来事。破壊活動と生徒を襲った争いが起きたと聞いた。
"裏側"ならまだしも、表で派手にやる輩は久しぶりだ。
だから一応、諸注意。と言っても、眠らない街である歓楽街は
あの程度で止まるわけもなく、平常運転なのだ。だから、諸注意程度。
■リタ >
「隠すようなことでもないから言っちゃうとね。私、異能を使うと姿が変わるんだ。チェーンジ! みたいな感じで。といっても髪と目の色が変わるくらいだけど!
でね、その時性格も変わるの。そりゃもう……今の"私"とは正反対の性格になっちゃったりもするんだよ!」
その数、驚異の十重人格! 多重人格もここじゃ珍しくないとはいえ、ここまでたくさん人格があるのも珍しいんじゃないかな?
「うん、節度を守って休憩するなら全然おっけー! いつも頑張ってばっかだと疲れちゃうしね! にしても、歓楽街ね。私はあんまり行くことも少ないと思うけど……うん、気を付けるね、ありがと!」
何かの拍子に、「ふらっと」訪れちゃう可能性が、ゼロってわけじゃあないんだもの。気を付けるに越したことはなし!
「風紀委員のお仕事も大変だと思うけど、キミもあんまり危ないことしすぎちゃ駄目だよ? たとえやむを得ないことだったとしても、キミが傷ついて嫌な思いをする人はいるんだからね!」
そこはしっかり言っておかないといけません。何て言ったって、私はお姉ちゃんなんだからね!
――なお、実際の年齢はといえば――言うまでもなく。
■芥子風 菖蒲 >
「ふぅん、そっか。じゃぁ今と違う色の時は言わないようにする。
オレはお姉ちゃんとも、"リタ"とも出来れば仲良くしたいしね」
元々そう言った人物と付き合いがあるから驚きもない。
それもあるが、少年の性分だ。あるがままにそれを受け入れる。
その数がまさか10もあるとは思わないけど、誰に対してもきっと少年は同じことを言う。
それを含めて"リタ・ラルケ"という人物なら、それを受け入れよう。
「……どうかな?危ない事をするのが仕事だから、約束は出来ない」
担いだ刀は伊達や酔狂のアクセサリーじゃない。
異能者同士の戦いは、簡単に命のやり取りに発展する。
そして、その立場にいるのは少年が何より知っている。
そして、そこが自らの立つべき場所だと弁えている。
「けど、大丈夫だよ。リタお姉ちゃん。大切にしてる。自分の生命も、皆の生命」
そうするために何が大事かは、ちゃんと知っている。
皆を護るために、自分が生きなければ意味はない。
ふ、と僅かに口元が緩んだ。
「ありがとう、リタお姉ちゃん。じゃぁ、オレそろそろ行くから。
ちゃんと砂場は片付けないとダメだよ?他の人も使うから」
だから今日も小さなことで一歩から、だ。
軽い別れの挨拶を告げれば少年は踵を返し、その場を去っていった。
ご案内:「常世公園」から芥子風 菖蒲さんが去りました。
■リタ >
「うん、ばいばーい! 頑張ってね!」
その場を去っていく背中に、手を振る。
綺麗ごとで収まらない世界じゃない――っていうのは、何となく、わかる、けれど。
それでもせっかく出会えた相手なのだから、心配だってする。
知った相手が傷つくのは、誰だって嫌だもの。
けど、かといって心配ばかりもよくない! お姉ちゃんだもの、弟を信じるのもお仕事!
うん、これで良し! しんみりおしまいっ!
「さて、じゃあ片付けないとね! 公園は、皆のもの! 綺麗にしてから帰りましょうっ!」
――その後。「てぇいっ!」という言葉と共に(ノリで)振り抜かれた左足が、砂の城を七割削り飛ばして。
――それはそれで、まあ豪快かつ見事な一撃だったとかなんとか。
あ、ちゃんとうめちゃんは砂場の端っこに移しておいたからね!
次、砂場に遊びに来てくれた子が、可愛がってくれますように!
ご案内:「常世公園」からリタさんが去りました。