2019/03/04 のログ
桜庭 美月 > 「やるかバカ! そんでもってストレートだな相変わらず!
 んな展開そうそうあるか! 誰が試すか!
 20歳相当で若いリビドー出しっぱなしか!」

ノーダメージの魔王にがー!と頭を抱えてツッコミもだんだん荒っぽく素になっていく。
怒涛のツッコミを入れながらとぼける相手に溜息をついて。

「お前なー、こっから誘う相手なんて私知らないぞ。
 宿もいらん。あと自堕落言うな。間違ってないけど喉潰すぞ。」

ぎろりと睨みながらも、本気で怒っている気配はない。
ぶー、と不満げにしている程度だ。

「はっはっは、120だか何だか知らんがここでは先生と生徒!
 センセー舐めんなよ!
 わひゃんっ!? ちょ、ばか、反撃とかルール違反!」

恐ろしい自分ルールを掲げながら、つんつく突き合ってわめく。
恐ろしい緩い空間になってしまう。

「………とにかく。
 飲みなおすにしても店は任せるかね。
 店でセクハラ発言したらグーパンだかんな、わかるだろ。
 センセとしての外面もあるの。」

そとづらってはっきり言った。

ギルゲイオス > 「おぉう、怒涛の反論である。
何をおっしゃる、コレでもむしろ加減している方であるよ。
本気で出しっぱなしにしたら、それこそ今頃、抱きかかえてお持ち帰りである」

(はっはっはっは、と一方コチラは余裕のある笑い声とともに、片手をパタパタと動かす)

「所々脅し文句が非常に的確な急所狙いである。
これはもしや、教師から生徒に対する脅迫では?」

(そして唐突に、生徒という立場を逆手に取ってみる。いや、今までの言動からして今更すぎるのだが。
こわいわーと、ばかりに。ちらちらと様子を伺っているようだ)

「くっ、金も権力もない現状が憎いのである!
ほぅれほぅれここが弱いのであるかー、素直に負けを認めるのであるー。
反撃は魔王ルールで認められているのであーる」

(ふははははは、と自分ルールに自分ルールをぶつける謎合戦。
するすると上下に、脇腹辺りを指一本でなぞったり)

「内面なら良いのか……良いのか。
まー周囲に気を使って呑むのも楽しめぬし、区切り位ある所が良いか。
我も詳しくはないが、ま、そう見つけるには苦労すまい
……所で、今までのやり取りはセクハラ判定であるかな?」

(ちょいちょいと手招きしてから振り返り、ゆったりとした歩幅で歩きはじめ。
不意と振り返れば、しごく真面目な顔でそんな事を聞いた)

桜庭 美月 > 「やらせるわけないだろー。
 そんなことしようとしたら、魔王だろうとなんだろうと。」

じとー、っとにらんだまま。

「教育。 教育的指導。
 愛が籠ってるでしょ?」

にひひん、と笑いながらその程度では動じない。
乱暴な物言いは昔からの癖で、変わらないものだ。

「やめんか、ちょ、ふひゃっ!?」

そんな彼女も、脇腹をするりと指でなぞられると、ぴょん、と飛び跳ねて回避するのだ。
拳を握るところまでいった。うん。あとちょっとで手が出てた。

「………あったりまえでしょー。
 店でんな会話できないからね。いや本当に。

 へいへい、まあ、この辺りの店は見て回ろうとは思っていたから、別にいーんだけどね。」

頭をぽりぽりとかいて、まあいいか、と後ろについて歩き始める女教師。
とりあえず手には気を付けるとしよう。うん。

居酒屋のお店選びは任せながら、その少しの間でも道を覚えようと周囲を見回し続けて。

ギルゲイオス > 「一応、悪い魔王ではないのでな、流石にお縄に掛かりそうな手は使わぬがなー。
おぉっと、愛の説教部屋であるかな。気をつけぬと、大変な目にあってしまいそうである」

(へふっと息を抜けば、肩を竦め。片目を僅かに閉じれば、口の端をあげるのだ)

「ふふふのふ……っと、この辺りが限界くさいのであるな。降参、降参である!」

(とまぁ楽しそうに攻撃していたのだけれど。握りこぶしが見えれば、最初の遭遇でそうしたように。両手を広げて頭上に掲げる)

「なるほど、気を付けるとしよう。そして、此方の言葉にこういうモノがあるらしいな。酒は呑んでも呑まれるな、と。
ではまぁ、程々に気を付けてついてくるがよい」

(魔王様と言えば、特に警戒しているような雰囲気もなく。むしろ堂々と。薄暗い路地を歩いてゆき、暫しとすれば表通りの明かりが――)

(と言う訳で、結局は条件を考えれば元々呑んでいた店へと戻ってきたらしい。
仕切りのある掘りごたつという、良くあるパターンの居酒屋である。
ヒトのにぎわいも、まだそれなりにとあるらしい。所々から談笑の声が漏れてくる。
適当な席に誘導されれば靴を脱いで、畳に登れば腰をおろし)

「さーて、何を呑むかな。ワインか、ビールも良いが」

(早速にメニューを広げるのだった)

桜庭 美月 > 「ふん、あんまりセンセ舐めてると怪我するからね。
 敬意! 敬意をプリーズ。」

拳をすぐに引っ込めながらも、ふー、っとちょっとだけ威嚇。
何度目とも知らぬまったくもー、を呟けば、すぐに怒った気配は引っ込める。
はー、っと溜息をつくのも何度目か。

店に入れば、くっつかないようにしつつもすぐ後ろを歩いて席まで案内され。
向かい合うように座ることにして、履物を脱いで。

「酒は割と強いから、別に大丈夫だけどね。
 生一つでいいや。あと何か適当にサラダ。」

メニューも見ないでさくっと頼んでおけば。スーツを脱いで立ち上がってハンガーにかける。
約束通りというか、結果的にワイシャツ姿になって後ろ姿のまま振り向いて。

「かける上着とかある?」

手を差し出しながら、一応聞いておこうか。 ほれ、あるならかけてやろー。

ギルゲイオス > 「ははー、せんせーの言う事はちゃんと聞くのであるー。なのでたまにご褒美プリーズであるー」

(神像でも祈るかのように、妙に神妙な――訳がなかった。前半は兎も角として、後半はむしろ今まで通りだ。
本当に、何度ため息をつかせたか数えるのも無駄になってきた)

(色とりどりのメニュー表に、なんだか目を輝かせている魔王様。
元の世界の――特に魔族は食のこだわりが薄いせいでだいぶ雑な食事だったが。
此方といえば、こんな店でもまるで魔法のように食べ物が並ぶ)

「別に酔いつぶれても、ちゃんと送り届けてやるので安心してよいのである。
では、グラスワインと、ウィスキーのロックをダブルで。おつまみは、チーズの盛り合わせとから揚げ、を」

(適当に分ければよいかなと、二人分を考えて最初に注文しつつ。
セクハラ回避のためにどうとは言わないものの、しばし様子を眺めていた訳であるが……視線はバレるだろうけど)

「あぁ、済まぬな。やはり室内に入るとちょいと暑いのである」

(ジャケットを脱ぐと、長そでのTシャツ一枚姿に。ぬーっと身を乗り出せば、上着を相手に預ける事とする)

桜庭 美月 > 「ご褒美ねぇ、じゃあそのうち褒めてあげる?」

からりと笑ってウィンク一つ。にししと悪戯に笑いながら。
こちらもこちらで溜息だけではない図太さも持っている。これでもまだ鼻歌交じりだ。

「誰が潰れるものかい。それに家知らないだろ。
 むしろ潰れたら私が送り届けてやるから、どこに送ればいいのか言っときな。」

二人分の上着をハンガーにかけつつ。

「どこ見てんだよ。」

顔だけちらと振り向いてぼそり。視線は感じてるぞ。言いながらもよいせと座れば、やってきたグラスを手にとって。

「ほい、乾杯。」

軽く掲げて、グラスを合わせよう。今日であった生徒といきなり飲み屋ってどうなのかな、なんて思わなくもないけど。
そこはそれ。犯罪につながる匂いが全くないから、まあいいかー、と軽いもの。

ギルゲイオス > 「たっぷり甘やかして褒めるがよいぞ。実際問題、王様というのは褒める側であり、褒められる事は普通無いのである。良き行いが普通であり、悪き行いは責められる、どっちかであるな」

(料理が来るまで、掘りごたつの下で足をプラプラさせる。
褒められるのはくすぐったくもあるが、悪い感覚ではない)

「それもそうであるな、いっそ我の部屋に……掃除はしておいたかな?
常世寮の男子寮であるよ。教師なら説明せずとも大丈夫であるよな」

(イチイチ道順を言わなくても、これで通じるだろう。
ハンガーを掛ける間に、足元からすいーっと視線を上に動かしていたのだが。
相手が振り返れば、丁度視線がかちあう)

「……全体的に?」

(何が、とは言わない構え。バレバレである。
一先ずと酒がやってくると、ワインのグラスを片手に取り)

「乾杯であーる」

(此方からも掲げると、軽く触れ合わせ、澄んだ音色を響かせて。
グラスに口をつければ、赤い液体を含み、喉を鳴らした)

桜庭 美月 > 「ここにいるなら王様の前に先生と生徒でしょ。いい時には褒めるっての。
 それとも、王様扱いの方がいい感じ?」

こっちも足をぷらつかせる。時々ぶつかるが、気にした様子もなく。

「………へいへい、私は職員寮だから、道は同じか。
 潰れたら運んであげるから安心しなさいな。

 ………こーストレートに言われると気恥ずかしいわ、さすがに。
 あんまじろじろ見ないの。」

グラスを鳴らせば、ぐい、っと強めに喉に流し込んで。
……ふーーーー……っとゆっくり息を押し出す。
割と強めの飲みっぷり。

「魔王がなんだか知らないけど、そういう意味じゃこの島は暇なんじゃないの?
 それとも、何か目的があるとか?」

サラダを分けつつ、他愛もない話を振ってみて。

ギルゲイオス > 「さらに言えば、ただの一市民と変わりないのである。少なくとも、権利上は。
いや、元の世界で王様扱いは飽きる位にされておるのでな、此方に居る時位は、此方の一個人としての扱いを願うのである」

(ふーっと、ゆっくりと息を吐けば。唇が弧を描く。王様は王様で、苦労は多いのだ。
例えば、こんな風に脚をブラつかせてたまに当たる、なんて遊びなんて出来る時はない。
触れた辺りから軽くと、ぐっぐ、と押し返してみたりもして)

「お互い割とあっさり把握できてしまったのであるな。
その時は素直に甘える事とするよ……お姫様抱っこは勘弁していただきたいがな」

(ちびりと、また一口。アルコールと、少し甘みのある香りが鼻から抜けてゆく)

「隠しても仕方があるまい。実際、魅力的であるぞ。こうやって二人で酒を呑めるというのも、光栄な事である」

(双眸やや細めると、手の動きに合わせてワインが円に波打つ)

「おー、良い呑みっぷりである。やるな。
いやいや、違う世界の、違う文明の、違う文化であるよ。暇な事など無いのである。
ん~?強いて言えば帰り道探しが目的であるな。不意に元の世界から此方に、門でおっこちて来てしまってな。
実は二度目なので、以前よりかは余裕であるが」

(一度戻れたのに、また来てしまった魔王様。幸運ではないだろうが、まぁ不幸とも言い切れない。それなりに楽しんでいるので。
分けられたサラダをチビチビと合間にツマミながら、割とあっさりとした口ぶりだった)

桜庭 美月 > 「はいはい、王様扱いなんてしたことないから、それはありがたいけどね。
 失礼なことされたら、王様だもん仕方ないね、って態度すればいいのかしらね。」

押し返されれば、ぺふんと優しいローキック。
じゃれつけばじゃれ返すくらいの緩さを持ったまま、グラスをあっというまに空けてしまう。

「はいはい、ま、なんとなくどっちも潰れない気もするけどさ。
 はーいはい、ありがと。 褒められてるならそれはそれで受け取っとくわ。」

照れを隠すのか、はいはいはい、とさらりと受けてしまうことにする。
真正面から見れるか恥ずかしい。こういう時はセンセの顔をするズルさくらいはある。

「二度目かよ。
 まあ、そういうことならすごく困ってるとかそういう感じでもなさそうね。
 いやほら、不安になってたり寂しがってたり荒れてたりって聞いてたからさ。

 二度目なら、そういうこともなさそうね。」

ギルゲイオス > 「この世界の決まりと規則には、基本的に従う心算なのでな。その辺は気にせずともよい。
はは、そうであるな。王様は基本的に我侭で世間知らずであるからな。うっかりと胸にダイブとかしても、王様なので仕方ないのである
むぅ、こしゃくな」

(一市民として、とか言いつつ。都合よく、王様だから我わかんなーい、的に都合のいいことを言いだす魔王様。多分説教部屋送りにされる。
そして微妙にわちゃわちゃしている足元。ローキックに、脚からぐぬぬって感じが漂ってきて。両側から挟み込み、動きを奪おうとする)

「我も別に弱くはないのでな。ま、分からんが。
……遂に耐性が付いてしまったのであるかな。流石に攻め過ぎたか……空になっておるな、次頼む?」

(内心どうなっているか分からないものの。さらりと流されてしまったかん。
つまらぬ、とばかりに頬が僅かにぷぅっと膨れた)

「我自体の生まれや育ちが特殊なのでな、苦労は確かにあったが――そういう精神的不安はあまり無かったのである。
帰りについても、どの門が通じているか大体把握はしているのでな。前程は、苦労するまい。
では逆にであるが、何故この島で教師をしておるのかな?相当大変ではないのか?」

(応える次に、此方から聞き返す。
異世界の存在がわんさかいるのだ、普通に人間相手に教師をするよりも、苦労は多いのではないか、と)

桜庭 美月 > 「じゃあ従いなさいよ私に。気にするわよ。
 ほーぅ、この私がうっかりで済ませると思うなら?」

にっこりと笑顔を返しながら、足をがっちり挟み込まれれば空いているもう片方の足でぺちぺちしていく。ローキックで地味にダメージを蓄積だ。
ゆるーい攻撃だけど。
直球で褒められる攻撃をまともに受けてたら身が持たない。
ちょっとズルく逃げたとは思うが、悪いとは思わないズルい大人。

「あ、そーね。 同じのもう一杯。
 ……ふーん、ま、そうね。魔王を名乗るくらいならそういう経験というか。
 不思議な経験くらいは豊富そうよね。

 ……ん、私? ああ、元警官だったんだけど、そういう能力的な何かに目覚めてね。
 警官って武器を持ってることが多いじゃない?
 んで、そういう怪しい力持ってるとなると、割と問題が出るわけ。
 前の上司に、この島で同じような仕事ができるように斡旋してもらったんだけど。 まあ、教師って柄じゃないのよね。」

あっはっは、と明るく笑い飛ばしながら、次のビールに口をつける。

ギルゲイオス > 「教師と生徒位の感じには従うのであるよ?特に学校の中では。しかし、酒呑みながらその関係性でいくのも野暮ではないかな。
ひろーい心で済まして欲しいのである……駄目であるか?」

(身を屈めて、上目遣いで赦しを乞う姿勢。元がデカいので見た目が非常に窮屈である。
ふっふっふっふ、と両足が自信満々に捕まえていたが。別方面からの奇襲に驚いて、うっかりと解放してしまう。魔王様後退、隙を伺う)

「この日本酒を、冷たいので追加である。
妃もおらんしなぁ。そもそも、我は血のつながりが無いのでな。早めに帰って王としての務めを果たさねばならない、コレぐらいのモノであるよ。

ほう、警官……警官?」

(遅れてワインを飲み干せば、此方も追加の注文。から揚げを口に放り込んでもっきゅもっきゅと咀嚼していたが……警官、と聞いて首をかしげる。いや、どういう立場の存在かは知っている。ただ、意外、という感情が全開になっていた)

「まー、武装せねば鎮圧できぬからな。
ほう、問題とな。取り締まるのに力が過剰とかであるかな?犯罪者に対する優位性は必要だと思うのであるが。
教師と警官はだいぶ違う気もするのであるが……なるほど、だから見回りであるか」

(ウィスキーが喉を通ると、刺激が胃へと落ちてゆく。
いっうコチラと言えば、色々事情があるものだなと、神妙そうな顔つきで)

桜庭 美月 > 「………まー、そうねぇ。
 いいでしょ、この時間くらいは許しましょ。 ガッコにいる時は別よ、別。」

お願いされれば断らない。まあいいか、で済ませてしまうのだった。
足戦争は一端休戦。こっちもするすると引っ込めて。

「……ふーん、じゃあ、早めに帰らないとダメな奴ね。
 大変そうねえ、そっちも。」

相手の目線は当然だ。肩をちょびっと竦めて…己の目の下をとんとん、と指で叩く。

「目ね。私の場合は。
 訓練したわけでもなければ、長年働いてきたわけでもないぽっと出が、すっごい遠くからでも人を撃てるー、ってなったら、銃なんか怖くて渡せないでしょ。
 私でもそうする。
 本来ならこっちでも警官、だったんだけど。ここの警察機構は学園の中に組み込まれてるわけよ。
 いきなり外部の警察でーす、って来ても困るから、センセってことにして同じことやってろってさ。
 でもまあ、体育くらいは教えられるだろ、って言われたけど。」

まあそれくらいしか無理なのも事実だけどさ。とまたからりと笑う。
悲観した所作は一切ない。

ギルゲイオス > 「学校におる時は、それこそ立場あるからな。分かるのであるよ。
なるほど、ではお許しを頂いたと言う事でさっそく」

(すっと腰を浮かべれば、もそもそもそ。
隣の位置へと座ろうとする。休戦を先に破るは魔王。脚そのものを近くに寄せる作戦だ!)

「ま、そうなのであるがな。呑気に出来る理由が見つかってしまってな。
此方で数年過ごして戻ったのだが、なんと、元の世界では数分も経っておらんかった。
で、元の世界で10年程過ごした後また来てしまったのだが、此方での経過は2年程かな?
なのでま、それなりにのんびりであるよ」

(ウィスキーをきゅーっとあおると、吐きだした息に酒気が籠る。顔が少し赤い。
目元を指図されれば、じーっと見つめる)

「千里眼、というやつかな?便利であるな。
ほう、此方の世界ではそういうモノの考え方をするのであるか、武力を持った組織であっても。危険、という感情が大きな判断基準になるのであるな。
我なら、長距離狙撃部隊とかに勧誘するのであるがなー。まぁ、此方がそう判断するのであれば仕方がないか。
外様は何処でも余りよく思われぬしな。そういう意味では妥当な所か。
体育……なんと、暴力的な光景!!」

(頷いたり、不思議そうにしたり。真面目に考えて、言葉を紡ぎ――そして、オチがコレである。
走っている姿とか、なるほど、これは危険である)

桜庭 美月 > 「そんな許しは出してないんですけどー?
 ……はいはい、ほんと自由ね、まったく。」

ジト目をお返ししながらも、はいはい……と、あきらめたかのように少し横にズレてくれる。
仕方ない人ねぇ、なんてジト目。

「……あー、なるほどね?
 それならまあ、年齢が積み重なるだけと。
 んで、人間とは違うから結構数年くらいいてもあんまり変わらないってとこかしら。
 便利なもんねぇ………。」

ま、そうでもなきゃこんなにのんびり酒なんか飲んでないか、とつぶやき、グラスを傾ける。

「ま、そんな感じ?
 こういう組織に「多分イケるだろう」ってものを組み込むのは確かによくないのよ。
 技術的に培われたものでもなけりゃ、突発的にできるようになったことだしね。

 かといって普通の仕事もアレだし。
 ここに来て同じような力を持った人同士で仲良くやってろってことでしょう。
 まあ、こっちでも楽しくやってるけど。

 なぁに、何か言いたいの? 隣に来たってことはリーチの中だけど。」

にっこり微笑みながら言ってやろう。あぁん? って目が言ってた。

ギルゲイオス > 「王というのはな、民を見なければいけない。しかし、民に縛られてはいけない。
不自由であるが、同時に自由な存在でもあるのだ」

(なんとなく、それらしく、もっともらしい事を言っておく。
さっきから随分とじっとりした視線を向けられ続けているが、気のせいだろうか。人によってはご褒美だろうが。
隣にまでやってくれば、そのまま遠慮なくくつろぎモードに)

「左様、アチラと此方で年齢にズレが出来るが、逆に言えばその程度である。
例え10年でも、人間の尺度なら少なくないであろうが。我にとっては大した月日ではないのでな。問題はない。
以前来た時は焦りもあったが、今はご覧の有様である」

(はっはは、と呑気な酒盛り。ぐびりとウィスキーを飲み干すと、日本酒のグラスを手繰り寄せていた。
酔いもやはり多少と、見えている)

「そういう特殊な力に対する経験値も、我の世界と此方の世界では違うであろうしな。
不確定なモノを触りたくないって気持ちは、分からぬでもない。

生物というのは、未知を恐怖と感じるのでな。しかし、この島は未知ばかりである。
そう言う意味では、お主が愉しめておるなら、それでよいのかも知れぬな」

(やや下から見上げるような姿勢のまま、コップを傾け。特にどうと未練がないのであれば、良かろうと)

「ふ……言葉は無粋であるな。
例えこの魔王、無謀無茶と分かっていても、やらなければならない時が、ある!」

(何かかっこいい事を言った、つもり。無駄にきりっとキメ顔で、そんなセリフを口にして。
まるで決意するかのようにグッと拳を握ると――ふらぁっと、倒れ込むようにその胸元へと顔からダイブをかまそうとする。
迎撃するなり回避してテーブルの角に叩きつけるなり、自由自在な隙っぷりだが)

桜庭 美月 > 「誰が民だ。せめて私を臣従させてから同じことを言え。」

ジト目のまま相手に言葉を投げるも、くつろぐ相手に肘鉄をくらわすほどでもない。
ふー、とため息を一つついて、その状況を受け入れる。

「あんまりにも感覚が違うから、同じ尺度でしゃべっちゃダメなんだろうけど、羨ましいもんだよ。
 10年も経ったら人間なんぞ、別人になってることが少なくないからさ。」

こっちはグラスをまた空にしながらも、そこまで酔っぱらった様子はない。
ほんのり肌が赤くなった程度だ。

「そういうこと。 まあ、そのうち理解が及べば呼び戻すのかもしれないし、戻されないかもしれないな。
 状況が変わっても、やりたいこともやってることもそんなに変わってないからね。
 未練をいちいち抱けるほど暇でもないしね、この島。

 ………ん?」

やんややんやとツッコミはしつつも、どうしても非情ではない女教師。
ぱふん、とひとまず柔らかい胸で受け止めることになる。



少しの間。



「チョークと地獄突きとどっちがいい。」

相手の襟首を摘まんで埋もれた胸から持ち上げながら、選べや、と魔王に迫る女教師。

ギルゲイオス > 「金も無く、土地もなく、財宝も無い……どうしたモノであるかな。
労働力ぐらいなら提供するのであるよ」

(むしろそれは、立場が逆転してしまっているのではないだろうか。しかし実際に、身体で払う位しか出来ないのだが。
悩ましげに、身体が左右に揺れている)

「個人の感覚で言えば、そうかも知れぬな。余り油断しておると、人間は本当、いつの間にか死んでおるからな。
とはいえ、その早さがまた人間の強みでもあるからな。成長が早いと捉えれば、悪い事ばかりでは、ないと思うが」

(考えようによっては、隣の芝なのかもしれない。実際、自分の世界でも人間の発展力には目を見張るモノがある。
透明で、それでいてアルコールの度数はそれなりにとある液体。それでいて、舌を包む様な柔らかさも、感じられる。
元の世界には無い、酒だ)

「ま、そこは自分のしたいようにすればよかろう。出来る範囲で、になるかも知れぬが。
何にせよ、居場所があるのであれば、良いのではないかな。
くっくっく、本当、目まぐるしい場所であるよ」

(色々と思い起こせば、肩が笑みに合わせて揺れていた)

「ぬぉー、この硬さは多分机ッ!ってあっれー?」

(最初からオチを予想して言葉を準備していたのだが、意外、それは弾力!
暫くの間、顔をうずめてフカフカとしていたのだが。そろそろ、死ぬときかな、と。そんな予兆が脳裏をよぎっていた)

「…………………強いて言えば、チョークで。優しく殺してください、である」

(みょーんと猫か何かのように釣り上げられた魔王様。
双眸には、全てを悟ったような光が宿っていて。柔らかな笑みと共に、結末を受け入れる心算のようだ)

桜庭 美月 > 「自分の足でこんだけ歩き回ってパトロールしてる時点で労働力は足りてまーす。」

は、と笑いながら臣従のお誘いを蹴る。元からあんまり何かに忠誠を誓うタイプでもなかった。
気にした素振りもなく、次のビールに口をつけて。

「ま、そういうのはあんまり深く考えない方がいいだろうね。
 この島にいるなら、それ考え始めたらキリがない。

 そうさね、目まぐるしい……。 全く本当に。」

口にして、なんだか遠い目になる。
ここ最近であったことが全部酒関係だと思った。ダメだな私。

「チョークな。大丈夫大丈夫、首をちぎったりはしないから。」

はっはっは、と笑いながら手をすっと伸ばす。
冷酷な、殺人マシーンの目だ。 感情すら見せずにただ屠る、魔王なら見たことがあるであろうその瞳。

「………ばーか。」

ぺちん、と先ほどよりも少しだけ強く、軽く小突く程度のデコピン一つ。
ったく、と少しだけ呟きながら片方の肘をついて自分の頭を支えつつ。
見れば、にしし、とちょっとだけ悪戯な笑顔。
脅すは脅すし、怒るは怒るけど、結局は許して。

ギルゲイオス > 「せやな、である。体育教えてる元警官とか、どう考えても体力ありあまっておるだろうし
――ハイボール一つー、である」

(対価にならないというのは、最初から分かり切ったお話である。
また適当に店員を捕まえれば、次の注文に)

「はっはっは、なるようにしかならぬし、割と何とかなるモノであるよ。
……なんか遠い目をしておるな。ま、酒でも飲んで忘れるのであるよ。チーズ食べる?」

(何があったか知らない魔王様。酒をすすめるのはむしろ追い打ちか。
そっと、半分ほど残ったチーズの皿を、相手の前へともってきた)

「首を千切る程の剛腕は、流石に予想しておらんかったなー。
うむ、構わぬ。ヒトオモイにやってくれ……」

(魔王様の感情を一言で表すなら、悟り。あ、これヤられるなって感じの。
50kgの剣を片手で楽々と振り回せる魔王様。女性の力であれば、異能やら魔術で強化していなければ、振りほどくのも容易いだろう。
しかし、甘んじて受ける心算、ノーガード、無抵抗に。
それが、お約束、というモノだ。
発生の由来はヒトとは違うものの、構造的な面でいえば共通点も多い。つまり、ちゃんと入りさえすれば、チョークスリーパーも有効である。
そしてそっと、両目を閉じた)

「あふん!」

(ペチコンときた衝撃に、ぐいっと頭がのけ反って。デコをペタペタと手で触る。どうやら、まだ生きているらしい)

「ぬー……よく、反則くさい性格してるって言われぬか?」

(てろんと机に伸びると、視線を相手に向けて。
ある意味で、色々とかなわない良い性格をしている様だ。お陰で懲りずに、また同じような事を、してしまいたくもなるのだけれど。
そんな感じで、若干尻に敷かれてしまった感さえある魔王様。
今日の所は以降、割と大人しく酒を呑み――多分、先に潰れたのも魔王様だったと、思われる)

桜庭 美月 > ぺちこん、と指で額を打ってから、からからと笑う女。

「反則くさいって何よ、褒めてるのかけなしてるのか。 あ、チーズはたべるー。」

引きずる素振りもなくチーズを口に咥えて。
鼻歌交じりに次の酒を頼んでいく。

「……いやまあ、揉め事に首を突っ込みに行く仕事だから、大変なことはそりゃああるさね。
 だいじょぶだいじょぶ。」

そうしてから先ほどの話題にゆっくりと戻って答えて。
実際、無理をしているというよりは、ただただお気楽に過ごしているようだ。

相手がまたやりたくなっているなんて思いもしないのか、変わらぬ姿勢で二人して飲み散らかして。
お互い顔を真っ赤にしながら二人で寮に戻っていくことになる。
教師と呼ぶにも警官と呼ぶにも自由が過ぎる女は、最後までからからと笑って明るいまま職員寮へと入っていって。

次の日出会えば、悪戯なウィンクくらいは返してくるのだろう。

ご案内:「歓楽街」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から桜庭 美月さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > 狭く薄暗い店内は、BGMとボタンを叩く音が常に響く。
春休みであってもそれは変わらず、一定の熱気を保ち続ける紳士の社交場。
常世ランキングファイターズ。通称、TRF。いわゆる対戦台専門のゲームセンターだ。
水無月斬鬼丸はすみっこのかなーり古い対戦筐体に座ってガチャガチャとゲームプレイ中。
ここ数日ずっとこうだ。
試験中の記憶?そんなものはない。
ないのだ。

そもそも学力試験なんかでなにが測れるというのか。
……学力か。
普段から努力をセーブしていることが災いしてか、今季の試験に関しては…あれだ。セーブしすぎたといっていい。
たぶんひどい点数が帰ってくるだろう。
説教する人間がいないだけマシだが、少しばかり憂鬱だ。

「ぁー…」

唸り声にもにた声を上げつつ淡々とプレイするも、ゲーム筐体の画面では、自キャラが緑色の軍服の男にボコボコにされている。

水無月 斬鬼丸 > 異能の試験の記憶も曖昧だ。
まぁ、適当にスパーッとやりはしたが、あれに関しては、どうすれば高得点なのかはわからない。
正直この島に来てはじめての試験ということもあって勝手がわからなかったこともあるが…
それにしたってこう…なんというか…試験というものはどうも苦手だ。
そういえば、段位のあるゲームの昇級試験もだいぶ苦手意識が強い気がする。
緑色の軍人にストレート負けを喫したところで席を立ち、近くの自販機へ。
そろそろ気分を切り替えて、楽しく遊びたいところだ。
さてさて…な・に・を・飲・も・う・か・な?

水無月 斬鬼丸 > コーヒー?ていうか、カフェオレもいいかもしれない。
せっかくの春休みだし。
夜通し遊び回るのも学生の華というやつだ。
だが、寝床を寮に依存しているとなると、そうもいかないのが常世学生の辛いところだ。
なんか、家を持ってるものもいるらしいがそれはそれ。
仕送りとバイトをしたとしても、家が買えるわけがないじゃないか。ただの学生が。

「よそはよそ、うちはうちーっと…」

世知辛さを口に出しつつポチッと押したボタンは
炭酸飲料といえばこれという例の赤い缶にはいったコーラだ。
缶を取り出し一口。
シュワシュワとした感触が意識を現実に引き戻してくれる。

ご案内:「歓楽街」に玖美・E・Aさんが現れました。
玖美・E・A > 「ほぇ~……ゲームセンターってこういう感じなんだ……なるほどなるほど」

ぶつぶつと独り言を呟きつつ、キョロキョロと物珍しそうに辺りを見渡しながら、いかにも危なっかしい足取りで歩き回る。いわゆるゲームセンターに遊びにくるのは玖美にとって初めてのことで、その雰囲気と騒音に圧倒されそうになっていた。

「あっごめんなさい……あいたっ!ご、ごめんなさぁい……」

それに加えて生来の注意散漫。さっきからあちこちにぶつかっては、迷惑そうな顔をされたり、心配そうな顔をされたりしている。よろよろと、休息を求めるようにジュースの自販機に近づく。

水無月 斬鬼丸 > コーラをちびちび飲んでいると…
この場にはおおよそ似つかわしくない雰囲気の少女が自販機へと近づいてくる。
ふんわりとした髪と、薄暗い中にもよく分かる緑の瞳…人のことは言えないがなんか眠そうにすら見える。
一歩下がって自販機の前を空けてやるが…なんというか…

たわわだ。

男子学生として、極めて正常な感想だと思う。
非難は受け付けない。ちょっとどんくさそうな少女であるが…。

「はー…」

思わず感嘆の息が漏れたわけじゃない。
傾けていた缶を戻し、一息ついただけのこと。ただそれだけのことなのだ。本当に。

玖美・E・A > 「あっ、どうもー」

自販機の前を空けてくれた彼に、ぺこりとゆったりした動きでおじぎ。にへら、という笑顔もつけて。さて、自販機に来たはいいものの、何を飲むか。オレンジジュース?スポーツドリンク?コーヒーもありか、甘いやつで……と、十秒くらいかけて考えて、

「それ、おいしいですか?」

と、青っぽい髪の彼に尋ねてみる。困ったときは人に聞けとお父さんがよく言ってた。

水無月 斬鬼丸 > 「あ、ども…」

つられて会釈。ゆる~い動きにゆる~い笑顔。
なんか暖かそうな雰囲気の少女である。こういう対戦筐体専用のゲームセンターよりも
プライズ系のゲームやらシール印刷機がおいてあるような場所が似合いそうなものであるが…
いや、人を見た目で判断してはいけない。
こうみえても実は世紀末な男たちが闊歩する格闘ゲームの下位鉄仮面で永久コンボがキメられる玄人かもしれない。
などと考えていると…なんかたずねられた。

「それ?」

それって…これ?と、飲んでいた赤いコーラ缶を軽く掲げてみる。

「あー、おいしい…とおもうっす、はい」

何を持って美味しいとするかは個人で違いはあると思うが…自分は適当に買って飲む程度には好きだ。

玖美・E・A > 「そうですか~、じゃあ私もそれにしーようっと」

きっちり金額分の小銭を入れて、コーラのボタンをぽちり。出てきたコーラを屈んで手に取る。そして立ち上がる。その一連の流れを相変わらずゆったりした動きでこなすと、

「ここには良く来るんですかー?」

当然のように会話を続けて、それから缶のプルタブを……やや苦戦しながら開けた。プシュッという炭酸の音にビクッと背筋が伸びる。

水無月 斬鬼丸 > コーラを買う動きすらもどこかゆるーっとしている気がする。
やはり重いのだろうか?
どこがとは言わないが、なんか2つの大きなあれが。
横目で見つつもコーラを消費。いや、余り見るのも失礼かと一旦顔を伏せて視線を切って…

切って…切ったのに、なんで声をかけてくるのだろう。
思わずビクッとしてしまった。

「へぃっ!?あ、ああ、そうだな。よく来る」

なんかそっけない感じになってしまったかもしれない。
だが、会話が続くと思っていなかったために気が動転してしまったのだ。
おっぱいの大きい海外系の少女に話しかけられるなんて言うのは流石に未経験なわけで。

「あー、えっと、あんたは?」

玖美・E・A > 向こうも何やらビックリしているようだけど、きっとコーラの『プシュッ』にはみんなビックリするんだろう、と勝手に納得すると、コーラを一口。

「私は初めてなんです~。みんなすごく熱中してて楽しそうですよねー。……あ、私、玖美っていいます。玖美・エルメスティーネ・アドラスヘルムです。長いんで玖美でもティニでもお好きに呼んでくださいー」

自己紹介をするともう一度お辞儀をした。
自分の名前を聞くと日本系の人は大抵面食らってしまうので、親しみやすいようにといつもニックネームのことまで自分から言うようにしている。……目の前の彼が日本系なのかは、ちょっとわからないのだけど。

水無月 斬鬼丸 > どうやら自分の考えはハズレ…というか、まぁ、なんとなくそんな予感はしていた。
立ち居振る舞いが、『初めて来る場所』感あったし…
人混みもあまりなれていないのではないだろうか?

「まー、ゲームやるとこだしなー。あ、おう、ごてーねーにどーも。
オレは斬鬼丸。水無月斬鬼丸…っつーんだけど…わかるか?ざんきまる」

なんかすごい名前が飛び出てきた。
たしかに長いが、ミドルネームって初めて聞いた気がする。
なんだか知らないがとてもかっこいい。そしてニックネームはティニというらしい。
玖美がなんでティニになるのかと思ったが、そうか、ミドルネームのほうかとかってに納得する。
むしろ、海外系の方にとっては、自分の名前のほうが伝わらなさそうな気もする。
言いづらいし。

「つか、えーと玖美?さん?はなんでこんなとこ来てんの?
騒がしくて薄暗くてなんか怖くね?」

一般的に見れば近寄りがたい空気のある店だと思う。

玖美・E・A > 「みなずきざんきまる…なんだかカッコいいですね!」

と、言ってから、みな『づき』か、と頭の中で訂正する。発音は変わらないけど。『みなづき』は『水無月』なんだろうけど、『ざんきまる』はどんな漢字を書くのか見当すらつかない。とにかくカッコいい、と思った。

「え?えっと……あっ、そうだ、新しいゲームを探してるんです。新しい格闘ゲームの、ええっと……なんだっけ……剣とか銃とかで戦う……かわいい女の子の出てくる……」

タイトルが思い出せないので身ぶり手振りで表現しようとするが、悲しいかなヒラメのフラダンスか風に揺れるミノムシのような動きにしかならない。

水無月 斬鬼丸 > 「あ、はは、そりゃどーも」

巨乳ふんわり系美少女に褒められて悪い気はしない。
むしろ、それで気を悪くするようであれば男子学生とは言えないのではないだろうか。
自分はその存在を疑う。
空になったコーラの缶を自販機の横に設えられたゴミ箱に捨てつつ少女の言葉を聞くが…
振り向いたらなんか変な身ぶり手振り。
なんだろう…昔海で見た変な海藻を思い出した。
もしくは、あつあつのお好み焼きの上に乗っけた鰹節。

「あー、なんかそういうゲームはいくらでもあるけど…あれじゃね?」

新作であるならおそらくはあれだろうという筐体を指差す…のだが
さすが新作。立ち見のギャラリーに順番待ちと人だかりができている。

玖美・E・A > 「えっ?えーっと……」

おかしな(という自覚のない)動きを止めて、彼の指差した方向を見てみると、そこには人だかりというか人のかたまりというか、とにかく近づき難い空間があるのがわかった。
いかに『空気を読まない力』に長けた玖美でも、あの中に割り込んで素人が席を取ることは出来ないだろうことは察しがついて、

「あれみたいですねー……うーん、残念だけど諦めた方がいいかな……」

と、少ししょんぼりしてコーラをまた飲んでいたのだけど、

「む、いやでも、それだけ人気のゲームならますますやる気が出てくるというものです!」

急に元気を取り戻すと、ぐっとガッツポーズをしてみせた。虚空に向かって。

水無月 斬鬼丸 > 流石に自分でも、あそこに突っ込む程の勇気はない。
むしろ、順番に並んだところでプレイできる頃には結構な時間になってしまうだろう。
このゆるゆるーい少女が危険な目に合わないはずがないような時間帯に。
普通のゲームセンターではそんなことも少ないだろうが、ここは常世島。
殺人があったりもあるようだし、危険なところはものすごく危険なのだ。

「そうだな。まぁ、朝早く来れば空いてんじゃねー?よくわかんないけど」

流石に朝からゲーセンに入り浸るようなことはあまりないために自分でもわかっていないが
並ぶにしたって早い時間のほうがいいだろう。
春休みなのだし、昼から遊んでもバチは当たらないはずだ。

「玖美さん、あのゲームそんなにやりてーの?」

たしかあれって人気シリーズではあるのだが、結構なコンボゲーではなかっただろうか?
彼女の様子を見ると…追いつけるだろうか?と心配になる。

玖美・E・A > 「朝早く……苦手です……」

さっきまでのガッツはどこへやら、頭を抱えて縮こまる。苦手なことは数多いけれど、早起きはその中でも一番苦手なことの一つだ。普段でも夜十時に寝て朝八時に起きるというのに。

「え?えーっと、そうですねー。プレイしたいというよりはー……ちゃんと見ておきたいっていうか……あの、知ってますか?あのゲーム、新しいキャラに……エル……エルなんとかっているらしいんですけど」

と言いながら立ち上がると、水無月さんの方に向き直って、

「その子の、コスプレをするんです!」

ここまでの会話で一番大きな、気合いの入った声で宣言した。

水無月 斬鬼丸 > 「そうだろうなー……え?」

朝は苦手そうだ。なんかこう、目つき的に。
自分もそう思われがちではあるが。
だが、続く言葉に、その眠たげな目を丸く見開いて彼女を見つめてしまう。

いまなんつった?コスプレ?レイヤーの方?
まじかー…

「え?あー…なるほど」

あのゲームの彼女の言うキャラクター…たしかに驚くほどおっぱいがでかいので彼女には似合うだろうが…
結構胸元大きく開いた服を着ていたと言うか、技のカットインでもすごくこう…なんというか…強調されているのだが…
いけません、お客様。あー、いけません。

「まじで?」

思わずその彼女の胸を見ながら質問してしまった。

玖美・E・A > 「マジですよー!だって、すごくかわいくないですかあの服?耳みたいなのがついててー、ドレスがフリフリしててー…うーんでも私はあんまり背が高くないからそこはちょっとネックかなぁ…でもそこも含めて実力の見せ所って言いますしー」

玖美的にはかなりの早口(一般的に「ちょうど聞き取りやすい」くらいの早さ)でそこまで言い切ると、

「でも、私格闘ゲームって全然やったことなくって…レイヤーが原作全然知らないって、なんだか嫌じゃないですかー?」

またゆったりした口調に戻ると、やや自嘲気味な笑みを浮かべながら、コーラの最後の一口を飲んだ。…目の前の相手の困惑には気づかない様子で。

水無月 斬鬼丸 > 「かわいい、たしかにかわいい。ぶっちゃけ見たい。けどなんつーか…」

早口になった彼女を尻目にこれ以上言っていいものか悩む。
さっき顔合わせたばっかりの人間が
『あの服めっちゃおっぱいのとこ開いてるけど大丈夫?』などと言えるわけもない。
流石にそこまで無神経ではないのだ。

「そ、そりゃ一理あるけど…後ろで見せてもらうとか…あー、いや、だめか」

それくらいなら可能そうではあるが、今は結構なすし詰め状態。
あの状態で彼女が突っ込んでいけばどうなるか。まぁ、想像に難くはない。

「たしかあれ、PC版も同時発売してなかったっけ…」

玖美・E・A > 「ですよねー、かわいいですよねーえへへ……」

緩んだ笑顔で相づちを打つ。というかいつもこんな顔だけども。そして彼の実際言いたいことには欠片も気づく様子もない。
が、続く言葉を聞いて表情が変わる。

「……そうなんですかっ!?PC版なら私の部屋でもできるし…というか、100円とか200円とか入れるよりもメーカーさんへの感謝になるんじゃ……」

と、真剣な顔でぶつぶつ呟き出したかと思うと、

「あ、あの、ゲームができるパソコンっていくらくらいでしょうか……」

おずおずと、改めて彼に尋ねた。良く考えたら、調べものなどはだいたい学校でやってしまうので、部屋にはそもそもパソコンがなかった。

水無月 斬鬼丸 > 「それにしても…あー、なんつーの?結構過激な衣装とか着るんだなー、玖美さん
少し驚いちまった。たしかに可愛い衣装だけどよ」

少し視線をそらしつつも、オブラート八十枚重ねくらいでそれとなく聞いてみる。
まぁ、レイヤーである彼女にはそうでもないのかもしれないが
このボリューム感をあの衣装で見せられた日には、わりと、いろいろ、青少年の何かがヤバイ気がする。

「え?PC版?買うの?すげーな…」

しかも、メーカーさんへの感謝とか言ってるし、思った以上にガチ勢な気がする。
リスペクト精神が見えるのはとても好ましいし、応援もしたいのだが…

「えーと…少なくともアレが動くってなると15万以上の買い物になるんじゃね?」

学生として大丈夫なのだろうかと心配になる。
見たところ、同年代だし。