2020/06/29 のログ
ご案内:「落第街大通り」に六道 しとねさんが現れました。
六道 しとね > ―夜。大通りにて。―

カツ、カツと靴の音を響かせて歩く。
この辺りまで来たのは初めてだなあ、などと考えながら。
可愛い後輩の忠告を無下にする事になったが仕方ない。

視線だけで辺りを見れば制服はほとんど見ない事に気づく。

「……(しまったな。私服で来るべきだったかな)」

後の祭りではあるのでそれ以上悩むのは止め、先へと靴の音を響かせて、進んでいく。

大きな目的はない。
ただどうなっているのか、それを知りたかっただけだ。

六道 しとね > この辺りの地理や状況などを頭に入れていく。
聞いた話に寄れば闘技場、などもあるようで。

「……」

ぐ、と肩下げの剣道袋の紐を持つ手に力が入る。
色々な要因はさておいても、そういった力試しは嫌いではない。
とはいえ参加する、と一言に言えるものでもないのだろう。

視線だけで辺りを見回しながら、当然奇異の眼で見られていることも自覚する。
そもそもこんなにこの道を堂々と歩く者もいなさそうではあるし。
悪目立ちしていた。

六道 しとね > しばらく進んだ後、大通りが途切れ路地に入ろう、という辺りの端に腰を下ろした。

奇異の眼は未だにこちらを向いているが今の所何もない辺り不干渉、なのだろう。

「うん。なるほどね」

メモなどはせずただとにかく肌で感じる。
彼女一人に何ができるわけでもない。
ただまずはこの島の在りようを感じたい。
まだ来て半年ほど。
学年は高いとはいえ理解が深いとは言い難い。

「……ふう」

興味を失ったのか不意に感じる視線が少なくなり息を吐く。
思ったより注目される、というのは緊張するものだな。

「一つ、また気づかされるね」

うん、と頷いてひとまずはここで少し休もう、そう決めてここからの範囲で見渡せる限りを見始めだろう。

六道 しとね > 暫く辺りの観察と休憩をした後立ち上がりぱんぱんとお尻についた埃を払う。

「次は闘技場でも観戦してみようかな」

私服でね、と付け加え、落第街を後にした。
慌てない、とにかくゆっくりとでも。
そう言い聞かせて。

ご案内:「落第街大通り」から六道 しとねさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にアルン=マコークさんが現れました。
アルン=マコーク > 黄昏とよぶにはまだ明るい仲夏の夕まぐれ、西日を受けて黄金色に輝く髪の少年が、大通りの一角で掃き掃除をしている。
演劇の衣装であるような真紅のマントを着けたまま、唇を真一文字に結び、淡々と。

「おっと。人通りの邪魔にならないよう、気をつけなければ」

そんなことを呟きながら、掃き集めたゴミを、できる限り通りの端、人の通らないであろう角へと更に集めてゆく。
落第街の雰囲気から明らかに浮いた、小綺麗な格好をした少年に、好奇と侮蔑、敵意と嘲笑、多種多様な感情の入り混じった視線が向けられる。
因縁をつけてやろうとわざと身体をぶつけようとする者もいるが、背中に目でもついているかのごとくするりと避けられ、目を白黒とさせている。

アルン=マコーク > 「掃除かい。感心だねえ」

そんな少年――アルンに、通りがかった老婆が話しかける。

「ああ、どうもこんばんは」
「一人でやってるのかい?」

声をかけられて振り返ると、アルンは軽く会釈をした。
老婆はそれには応えず、質問を投げかける。
見たところ、何らかの組織だった行動ではない。
しかし、この落第街の大通りを、一人きりで掃除できるはずなどない。
お前の意図は何だ。
何を企んでいる。

大通りでアルンを観察していた周囲の人間たちが抱える疑問、それを代表するかのような問いかけだった。

「ええ。協力者はいません」

そんな意図を知ってか知らずか、アルンは笑顔でそれだけ答えた。
毒気を抜かれたような奇妙な間があって、それから老婆もつられたように笑い出した。

アルン=マコーク > 「ひっひ、そうかい。あんた、変わり者だねえ」
「異邦の出なもので」
「そうだろうねえ。どこかズレてる」
「よく言われます。しかし、勇者というのはそういうものですから」

べらべらと自分のことをよく喋る、と老婆は頭の片隅に書き留めた。
御しやすい。実力はともかく、取るに足らぬ。
そんな評価をおくびにも出さず、人の良さそうな表情の皺をさらに深め、世間話という体裁の情報収集を続行する。

「勇者! そいつはたまげたね。その勇者様が、どうしてこんなところで掃除をしているんだい」
「僕の故郷の言葉に、『荒れ畑はヤム畑』という言葉があって。えっと……こっちで言うと『割れ窓理論』でしたか。荒んだ環境では、そこに相応しいものが集ってくる、というような」

宙を睨むようにして、たどたどしく説明をしようとしているアルンに、演技の気配はない。
それじゃあ何か、このガキは。

「だから、まずは掃除をして、環境を整えようと思いまして」

本当に、ただ掃除をするためだけにここにいるのか?

アルン=マコーク > 「一人きりでかい」
「一人きりでです」

心の底からの呆れを、隠すことはできなかった。
そんな視線に、アルンは輝かんばかりの笑みで応える。
沈黙に耐えかねるように、老婆は言葉を継ぐ。

「そうかい、それは……でも、一人でこの通りを掃除するのは、無理じゃあないかい? ここの通りは広いし長い。路地も多いし、毎日汚れは積み重なっていく。あんたが一人で掃除しても、一日で元通りだ」

そして、喋りすぎたと舌打ちする。この脳天気なガキの相手は、妙にやりづらい。

「僕にできることはこれしかないですから……それにほら、」

アルンは竹箒でゴミ山の向こう側、ほんの一畳にも満たないようなスペースを指し示す。

「あそこ、少し綺麗でしょう。あれは昨日掃除したところなんです」

それは老婆にしてみれば、全体から見れば絶望的なまでの進捗であるとしか思えなかったが、金髪の少年は誇らしげに紅い瞳を輝かせた。

アルン=マコーク > 「そう、かい」

老婆はこの頭の弱そうな勇者様との対話を終わらせることに決めた。
これ以上聞き出せることはないだろう。
何らかの組織が背後にいる気配もない。
ただの頭のおかしな異邦人が、狂ったルールで動いているだけだ。

老婆は人好きのする笑みを消し、樹木のような無表情へと変わる。
変化した気配に、気付いたか気付かないのか、首を傾げるアルンの背後に、多数の人影。
明らかにカタギの者ではない、統制された暴力の気配を纏ったごろつき達。

「それじゃあ、本題に移るとしよう」

アルン=マコーク > 「本題?」
「一昨日の夜。雷を落としてこの辺りを壊して回ったのはあんたか?」
「はい。僕の神聖雷撃魔法ですね」

世間話といった空気ではない。屈強な男たちが7,8人。アルンの背後に立っている。
老婆の口調は固く、解答次第では実力行使も辞さないといった覚悟がある。
それなのに、アルンは先程までと同じ、どこかのんびりとした口調で肯定した。

「『悪』と戦っていました。彼が取るであろう回避行動、その予測される全てを潰すために、広域に雷撃を放つ必要があって」
「それで、ウチの者が怪我をしてね」

アルンを囲む男たちの中から一人、包帯で腕を吊った男がアルンの前に歩み出た。

「どう落とし前つけてくれるんだい」
「神聖治癒魔法」

アルンは眉を顰めた。

「おかしいな。怪我は治っているみたいだ」

アルン=マコーク > 老婆の言葉は完全に嘘というわけではない。
あの夜、流れ雷に撃たれた男の腕は、ひどい火傷を負っていた。
しかし、十分もしないうちに、その傷は冗談のように回復させられていた。
強力な回復の魔法によるものだ、という見立てだったが、まさか。

「あんたが、」
「ああ、そうです。周りの方で雷が当たってしまった人もいましたからね。治しておいたはずです。まだ後遺症が?」

家の扉の立て付けが悪いから直しておいた。
そんな気軽さで、重度の外傷を、目視もせずに完治させるようなことが、できるのだろうか?

「っざけんなてめェ!! てめェは、俺の腕をなんだと思って!!」
「おやめ」

包帯の男は、腕力だけで吊った包帯を引きちぎり、アルンに向けて飛びかかろうとして、老婆の一言で動きを止めた。

アルン=マコーク > 「よく、わかった。わかったよ。だが、怪我が治ったからいいってもんじゃない。治ったからと言って、傷つけたという事実は消えないんだからね」
「そうなんですか? それは……申し訳ない。どうお詫びをすれば」

困ったような表情でそう言ってのけるアルンに、老婆は唇を歪めて囁いた。

「目には目を。腕には腕を……腕一本、斬り落としてもらおうか」

その言葉に応じるように、激昂していた包帯の男に、無骨な鉈が手渡される。
腕一本を切断するのに、十分な刃渡りとは言い難い。
何度も叩きつけるようにして、ようやくバラすことができるか否か、といったところだろう。

「構うまいね?」
「わかりました」

淀みなくそう答えて、アルンは一歩前に出た。
攻撃に備え、老婆を守るよう、包帯の男が鉈を構える。

アルンはそんな男に目もくれず、老婆の目を見つめている。
左手を前に差し出し、右手をつい、と振る。
湿った音を立てて、アルンの腕が地面に落ちた。

アルン=マコーク > 息を飲む、音のない音を聞いた。
吹き出した血が、男の、老婆の靴を赤くまだらに染める。

「これをもって謝罪とさせていただきたい。済まなかった」

服ごと斬り落とされた左腕を、左手で拾い上げ、差し出してくるアルンを見て、男たちも、老婆も、自分の目を疑う。

「腕、は、生えて……」
「トリックだ! それは、お前の腕じゃないんだろう!」
「治しただけですよ。神聖治癒魔法で、こうやって」

再びの湿った衝突音。小さいはずの音が、こびりつくように耳に残る。
震える声での糾弾も、もう一度目の前で腕を落とす少年を見て、勢いを失った。
老婆は目を大きく見開き、大きく息を吸うと、アルンに向き直った。

「……謝罪を受け入れよう」
「ボス! こんなイカサマ野郎を、どうして」
「黙りな! お前は余計な口をきくんじゃないよ」

困惑と、怒り。
感情を抑えられない包帯の男を一喝し、老婆はアルンから腕を受け取った。

アルン=マコーク > 「だけど俺の腕はあいつに焼かれたんだ! 俺が、この手であの腕をぶった斬ってやらなきゃ」
「『治ったからと言って、傷つけたという事実は消えない』」

辺りはすっかり日が落ちて、暗くなっていた。
そんな中、少年の紅い瞳だけが爛々と輝いている。

「そちらの御老体はそう言った。僕に、まだ何か必要が?」
「いいや、十分だ。もう十分。ただ、目立つような真似は避けてもらいたいね」

老婆は首をしゃくって背後に控えていた男たちに合図を送り、今にも暴れだしそうな包帯の男を抑えさせる。

「善処します。しかし、僕は光の勇者。悪を許すわけにはいかない」
「……そうかい。それならそれは、その時だ。あんたとあたしらが、潰し合いにならないことを祈るよ」

下手のように見えたアルンが、一歩も譲らないと見て、老婆は説得を諦めた。
いずれ、この厄種は潰さなければならない。
十分な準備が必要だ。今は、何もかもが足りなすぎる。

アルン=マコーク > 老婆と、それに付き従い去っていく男たちを見送ると、アルンは落ちたままの腕をゴミ山に放ると、雷を放った。
聖なる雷はゴミもろともアルンの腕を灼き尽くし、僅かな灰だけがそこに残った。

「今日はあまり進まなかったな」

ぼそりとそう呟くと、竹箒を担いで学生寮の方へと向かう。

「でも……少しずつ、綺麗になっていく。今日もこの世界は少しだけ、良くなったかな」

左腕だけが半袖になったシャツのまま、少年は大通りを歩いていく。

ご案内:「落第街大通り」からアルン=マコークさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に葉山翔一さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」にフィフティーンさんが現れました。
葉山翔一 > やばい商品は早めに売り捌こうと落第街に足を運ぶ。
しかしそう言う時に限り中々に売れないもの、それどころか常連に聞いた話ではお得意様の違反組織は壊滅させられたという嬉しくない話。

「……ついてない時はとことんついてないな…」

売り切りたい、しかし自分から声をかけ売るにはリスクがデカすぎる。
それを思えば無暗に売り歩きも出来ずに定位置の街角に腰を下ろして客を待っている。

フィフティーン > コツコツと軽い足音をたてながら
落第街には少々似つかわしい可憐な容姿の少女が
足を踏み入れてきた。
肩からバッグをぶら下げて。

「不思議と普段とは違って見えます。」

この身体で任務を行うことが出来るのではないかと
一つの仮説を立てたのはつい最近のこと。
そのための装備を調達しにこのうす暗い街へやってきた。
いつも来るはずのロケーションなのに周りの景色も
周囲の人間の視線も全く違って見える。

「あれは。」

足を止める、その視線の先には一人の座っていた男、
いくつかの”物”を並べていたことから商人だろうか。

葉山翔一 > この辺りも色々な奴がいるが荒事を好む連中はスラムにいる事が多い。
なので人こそ多く治安は良いとは言えないがスラムに比べればまだマシ。
そうでなけれな少量とはいえ商品を置いて商売を出来る筈も無く。
ただ呼び込みを下手にすれば食い詰めた二級学生などに目をつけられ奪われるリスクもある。
なのでただ客を静かに待って‥‥‥。

そんな時にこの場に似つかわしくない可愛い少女が目に付く。
物騒だとは思うが声をかけずに眺めるだけにし、その視線がこちらを向いているように見えて見返して。

フィフティーン > 「こんばんは、貴方は商人ですか?」

幾つか置いてある物騒な物を指差しながら
透き通るような綺麗な声で。
勿論合成音声だがそれは人間の少女と全く変わらないようなもの。
本当にこの義体は良くできている。
ただ声は可愛らしさ全開だが口調が若干機械的なのは
気になるところだろうか。

相変わらず少女の紅い瞳は青年の翡翠の瞳をじいっと見つめる、
どうも対話の際に相手の顔をじっと見つめてしまう癖は治らない。

葉山翔一 > 「まあ、見ての通りだよ。探し物か?」

この辺りで売らない銃器という物騒な商品を指さされると頷く。
見た目が可愛く声も綺麗と本当にこの場にいるのがおかしいという少女を見上げる。
言葉使いが少々硬い感じがするが余りに気ならず、そう言う奴もいる程度で。

「今の所扱ってるのはこんなもんだなんだが……護身用にでも欲しいのか?
アンタほど可愛いなら判らなくもないが」

視線が合うと自然と瞳を見詰めてしまい、何か違和感を感じ。
顔を見られるのは覚えられる事なので面白くはないが…そらすのもあれだと見返して。

フィフティーン > 「そうです、探し物です。」

どうやらこの青年が少々物騒な物を売っているのは間違いないようだ、
そうなれば並んでいる商品を一つ一つ確かめるように観てゆく。
ただ、銃というものは普段相手にこそしているものの
いざ自分が使うとなれば話が分からなくなってくる。
うーんと顔を傾けつつしばらく考え込んだ後

「護身も目的の一つだとは思われますが主には戦闘用です。
隠密性も優れていると良いのですが
何か推奨できますか?」

役割を聞かれれば淡々と考えていたことを。
ぶっちゃけ護身用でなければかなりブラックな領域へと話が進むのだが
生憎ここは落第街、用途が分からない銃器など多いだろう。
店主と客といった会話が続けられる中、
彼の言った一つの単語が気に止まった。

「可愛い...?今、私を可愛いと言いましたか?」

少しだけ彼に近づく。
もともとフィフティーンの中に「可愛い」という概念は無かった、
それを知るためというコンセプトも内包しているこの義体。
可愛いと言われたことに興味津々のよう。

葉山翔一 > 「こんな場所に探しに来るのも物好きだって思うぞ」

こんな場所で探すのだから真っ当な物でないのは直ぐに分かる。
商品を確かめるように観ている姿でそれももうハッキリと。
その観ている物が銃なのだから…この少女も二級生徒か違反組織か部活なのかと検討をつけるが聞きはしない。

「護身も目的だが戦闘用?また物騒な言葉が出たよ。
隠密性に優れるなら……これだな。これは弾数も多いし小さい、ただ火力は御察し。
こいつは45口径だから火力は出る、ただ4発だけだよ」

その言葉に少し考え、並べている物ではなくトランクから二種類の拳銃を取り出す。
片方は9ミリの小型、もう一つは4銃身のデリンジャーのようなものを。そしてそれぞれの説明をしていくのだが。

「急にどうした?確かに言ったけど……気に障ったか?」

少しだけ近づく少女に気圧されるように仰け反り。
もしかして怒らせたか?と確認をしてしまう。

フィフティーン > 「物好き...変わったことが好き、というような意味の名詞ですね。
面白いものは好きです。貴方はどうですか?」

見慣れないものとは自分にとって新しいもの、
そういうことがこの人工知能はとても大好きだ。
そう語る少女の目は少し輝いている様子だろうか。

また青年は少女の注文を受けると後ろの箱のような物を開けて
新しい銃器を取り出す。典型的な拳銃と特殊的な小型の拳銃、
青年の説明を聞きながらまずは9mm口径の拳銃を手に取る。
見た目通りの少女とは思えない手慣れた様子でグリップを握り
小気味よい金属音と共にスライドを引っ張る。勿論、弾は入っていないが。
本体では使えなくとも武器の扱い方はデータとしては入っており
使っている人間を沢山見てきた。所詮見様見真似ではあるものの。

「対人を想定しているので過剰な威力は必要ありません。
しかし、隠密性という点では発砲音は気になるところです。
滅音器(サプレッサー)などはありませんか?」

外観からは想像できないような内容の発言、
そして遠慮などするつもりなく一々注文が多い。

「いいえ、可愛いとは中々言われ慣れていないものですから。」

ずいっと近づいて少し引き気味の青年、
品定めをしていた拳銃を置いて両手で頬を撫でる。
可愛いと言われたことでその要因を探ろうと顔を触感で分析しているようだが
傍から見れば少し照れているような動作にも見えないこともない。

葉山翔一 > 「ちょっと違うな……変わってるって意味だな。
面白いものとか変わったものは嫌いじゃないよ」

売る方がメインであるが時折には買う事もある。
その時は変わった物を探すだけに少女の言葉にそうだなと同意をし、
少女の目が輝いているように見え、そう言うのが好きなのだろうと判り。

そして希望に添えると思う銃を出して見せれば手に取る少女。
おっかなびっくりかと思えば手慣れた様子で握り。
それだけでなくスライドを引く姿も様になっており見た目には寄らないと驚きを隠せず。

「対人なら一撃で倒せるのが良いと思うけどな。
それならそいつが良いと思うよ。
消音器?流石にそれはないな……この辺の奴はペットボトルで代用するからな。
まあ……ついてるのならあるが……」

流石に消音器の扱いはしていなくないと告げるが、その後にぽつりと一言。
しかし見た目と違い銃器に詳しく、しかも遠慮がないなとここまでくれば感心してしまい。

「嘘だろ?あんたは俺が言うのもなんだが可愛いぞ。
後な……そんなに詰めてくんな、勘違いするぞ?
後な……照れてるのか?」

可愛い顔が近くによれば流石に動揺をしてしまい。
商品を置き顔に触れる姿は照れているように見えて。

フィフティーン > 「その点では共感できます。」

彼の声を聴き意外と好奇心旺盛な人間も多いのではと
少女は勝手に予測を立てていた。

「この小型拳銃は携行性は良いですが
装弾数に不安が残ります。
...付属しているものがあるのですか?」

次にデリンジャーを確認しながら一言。
この街の人間が滅音器を自作して利用しているという
新しい事実にはなるほどと頷きながら。
最後にそれが付属しているものがあるという旨の発言は
聞き逃さなかった。

「何を勘違いしているのですか...?
照れるという動作の意味は理解できていませんが
なるほど、可愛いと言われれば照れるものなのですね。」

動揺している青年に相変わらず距離は保ったまま
頭を傾けるものの人間の照れるという動作のトリガーが
少し分かったことにご満足の様子。

葉山翔一 > 「まあ、元々無理やりに口径のを小さくしてるから仕方ないって。
ん……まあ、あるよ……見るか?ちょっと携行性は悪いけどな」

元々携行性が良いとは言えない45口径を無理やりに小さくしているデリンジャー。
そこは仕方ないと言うように肩を竦め。
ついでなのにサービスとペットボトルを使った消音機の作り方を教えておく。
そして最後の言葉が聞こえていたことに驚きながらも……少々銃身の長い、消音機が銃身となった自動拳銃を置き。

「そんなに顔を近づけるとキスするって事だよ。
動作って機械みたいな事を言うな、あんたは…。
全員とは言わないが可愛いって言われたら照れるか喜ぶだろ?」

変わらない距離の少女を見返しての言葉。
まるで機械みたいだなと思いながら満足そうな様子をみて。