2023/06/27 のログ
エボルバー > 雲の影から照らす月光が闇に澱む落第街へ微笑みかける。
夏の到来を感じさせるじめついた湿気が路地裏特有の嫌な臭いと合わさり
言いようのない不快感を醸し出す...。

ここが不快な場所と言われればいつものことだが
今日のこの時間だけは異なっていた。

それは不快というよりは不可解というような。
虫の声すら聞こえぬほどの異様な静まり。
「キーン」と形容できるような耳鳴りのような高い無機質な音が
どこからともなく響いてくる。

路地の裏を歩く少女の背後に音もなく現れていた一人の男。
落第街に似合わぬ小綺麗な身なり。
ただ生気の無い虚ろな瞳で貴方を見つめていた。

寝刀シロ > (……“右目”に反応   何?)

まさか、本当に出てこなくていいというのに
気のせいかな、いや認識しなければいい。
視線を感じるのは当たり前だ、女日照りそうな男も
同姓でも構わんという感じの女を侍らせた大女もついさっき見かけた

胸のサイズだけは、自惚れと自嘲しながら
己の此れは魅せれる程のモノと自負はある。
だから、多分そういうアレな目線の延長で
或いは食い物にしやすいカモかどうか見定める視線で。

強者のオーラ、こいつは絶対ヤバイと思わず言ってしまう様な存在が
恐らくまだきっと、誰とも縁も因縁も結んでいない
白紙の様な存在(私)を。そんな恰好の相手と看做す道理はない

故に背後の気配、視線というのは恐らく私、寝刀シロという女の
陰キャ拗らせ自意識過剰自惚れが過ぎに過ぎた癇癪と被害妄想
そういうものと同じようなものなはずで……

(だから気のせい、そう気のせい
  だからさ、私。  なんで警戒に意識を向けて)

この世はシュレディンガーの猫だ、背後に在ると感じてるだけで
実際に見たわけじゃない。だからそれはなにもないのと同じ
見ていなければ、視界に納めなければ無いのと同じ
漫画じゃない現実なんだから出会って数秒で鉄火場などとあり得る筈が

足を進める、進めろ。前を見て歩こう。後ろに問題は無い。そう何もない。
一歩、また一歩。背後の存在から離れる為に足を動かす

エボルバー > 路地の裏はまるで外の世界から分断されてしまったかのような
明らかに大通りとは違う空気感がそこにはあった。

路地の裏を進む少女は確かに感じる背後の違和感を振り切るように前へと進むことを選択した。
違和感が気のせいであると願って。

風の音すら鳴らず只々甲高い奇妙な耳鳴り音のみが少女に伝わるだろう。
まるで現実感を奪うように。
そして背後から足音は聞こえない、が確実にその存在が少女を追う。

もし振り向かずに少女が歩き続けるのならば、行き当たるは一つの曲がり角。
しかし、その曲がり角は地理的に矛盾している。
在るはずの無い曲がり角。

寝刀シロ > 「──はは…」

ご冗談でしょうと、胸の内で呟く
生憎、己は新参だ土地勘あるわけもなく
今現在進行形で養っている途中、だからこそ

 この先に曲がり角があるわけがない

“嗚呼、此の認識そのものが間違い”である
土地勘もない自分に何故そんな違和感に気付ける道理がある?
答えは単純──“何かされている”

「此れは独り言なのですが。
 私を誰かと勘違いしているのではないでしょうか?
 お恥ずかしながら無学を自らひけらかすのですが
自分は余所者かつこの島に来たばかりの新参。
  けれど目障りな事は、何もしていないと思うのですけれど」

振り向きはしない。一定の距離を保って追跡してくる存在に
背を向けながら独り言と嘯いて投げた、其れは明らかな最終通告


( 途中で見かけたギミックは──撃てば落とせそうな看板、ステンレス製ゴミ箱
 ビール瓶(空)と…… )

この怪現象の原因は女の中で背後の存在と断定しつつあった
背後にいる存在がただの“数字(スコア)”扱いとなるまであと僅か──

明確な敵と見做した存在にまで躊躇するような人間性は
此の常世の世界に降りる前に存分にアスファルトに擦って削って来ている

エボルバー > 少女は振り向かない。しかし背後で淀む異様な空間へ言葉を投げかける。
...背後から迫る存在がその声に答えることはない。

余所者...新参...
彼女から紡がれた言葉は少女がこの落第街に濡れた存在ではないことを表す。
外来の存在が環境を変えうることをソレは知っている。

次に異変が現れたのは少女の前に聳え立つ曲がり角そのもの。
壁面が異様に黒ずみ始める。黒い砂のようなものが蠢いたかと思えば
シミのような模様が形成される。
その模様は意味を持った羅列であった。

         <だからこそ、興味深い。>

寝刀シロ > 「(うんざりと言った風のため息)」

 最終通告はした、恨むなよ。と心の内で呟いた
 背後の存在はもう“数字”だ
 此の世界での──初の“キルスコア”!

 ( 消 え ろ ッ ! )
「──Get the f■■k out!」

尚も女は背後の存在に背を向けたままの状態で
かつてイングラムM10と呼ばれた短機関銃が在る
其れに酷似したブツを二挺、インベントリ(異空間)から
不気味な彼にとっては恐らく不意に何もない所から突然
引き出した得物を手に構えて
やはり振り向くことはしないまま背後の方へと伸ばし発砲した

だが銃弾が向かう先は敵と見做した存在ではなかった
銃弾の雨全てが、君の左右脇をとくとご覧じろ、その直ぐ横には
両方の脇に、特別でもないプロパンガス缶……!
それは正確に撃ち抜かれ、火花が起こり、不穏な音が新たに鳴り
────爆ぜた。

(で、この壁はッ)

撃って意味あるのかわからないからとにかく
背中に“視える”本体そのものへダメージを与えるのを狙ったが
これ触れてもいいやつか?模様の意味は知らない
意味を持っているのだろうけれど恥ずかしいかな
私は未だ勉強不足らしい!
 (それとして触れないようにその壁に目を向けたまま私は距離取るんですけど)

エボルバー > 少女の雰囲気が変わる。それは正に豹変と言っても良いだろう。
彼女の手には銃器が現れる。まるで虚空から出現したかのようなそれは一切の前兆を見せなかった。

振り向く事無く放たれた銃弾が缶の可燃性ガスに引火させ
路地裏を紅い爆炎と衝撃波で彩る。
それは背後の存在を完全に飲み込むのに十分なほど。

熱波が収まらぬまま、未だ聳え立つ壁にまたもや異変が起こる。
壁面の羅列が変わる。それは文字へと、彼女が叫んだ言語へと。


<You are interesting.>(キミは、面白い。)



それは一瞬だった。
壁は光を吸い込むかの如く漆黒へと染まり
形が崩れていき不気味な幾何学的な構造体に変化しながら
無数の棘のような物体を少女に向けて複数発射した。
その速度は人間にとって限界域ギリギリで反応出来る絶妙なもの。

寝刀シロ > ──タンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッ

 『だからこそ、興味深い。』
その文字自体はしっかり捉えていたし、
頭も日本語と理解はしていたのだけれど
その言葉の意図はなんなのかと思いを馳せることはせず
ただただ背後の存在を敵と断定、身体は排除行動に踏み切っていた
──タンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッ

意味を持っているのだろうがわからない。…とは
とどのつまりそういう事。どういうつもりかがわからない
解りたくもないともいえるか
仮にその文字を気にした所で展開に変化はなかっただろうが
──タンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッ

「──日本語でオケェイッ!」

それとしてランゲージはJPに戻せ
自慢じゃないが英語は通信簿で毎度1だったぞ
──タンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッ

嗚呼、そんな茶化し思考は名残惜しいがここまでだ
どうせ結末は恐らく2つに1つで寝刀シロが生きるか
アレが生きるか。セーブデータをロードしようにも
残念なことに悲しいことに此のゲームの仕様は1つ制──
──タンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッタンッ

先程から両足で足踏みを刻み続けてるのは
無論、特有のアレ行為ってわけじゃない
ちゃんと意味を持つ儀式、私にとっては
この間数瞬、壁から目を離してないお陰で
壁の豹変はしっかり視認できた。
脚に溜め込んでいた速度を解放する

其処で初めて背後へと振り返って、火に焼かれる存在(そいつ)を見た
ふん、中々絵になるじゃあないかロメオ。

視界に収めた存在との距離が急速にぐんと近づく
攻撃から逃れるため地を蹴ったからだ
収まらない熱波など無視、多少の火傷など問題にはならない
速度とついでに巻き上げた焔を乗せた銃剣にてその存在を寸断しようと右手を振るった
( ──ダッシュ斬りッ! )

我ながら捻りもない技の名前を胸の内でシャウトする
こうすると威力が上がる気がするから

エボルバー > ソレと少女の間には距離があった。その距離は決して近くはない。
だがそれは正に一閃の如く。
エネルギーを溜めたバネが解放されるように。

凄まじい勢いで彼女がソレとの距離を詰める。
その手には余す熱を宿す銃剣。
振り下ろされる灼熱の刃先に
奇妙な黒色の構造体は微動だにせず。
ある程度の硬度を持っているその構造体は
人間が振るう程度の刃物で傷つけられる代物ではない。

...そのはずであった。


>想定外の負荷を検出


只の人間とは思えない異常な力。そうか、やはり彼女はーーー・・・
とても、面白い。これは、価値がある。


彼女の刃を受けた構造体は火花と共に、二つへと分かれることになる。


>経験をフィードバック


両断された構造体は破裂するようにその形を失い
黒い砂山となって路地に夥しく堆積する。

寝刀シロ > \/
(──この手応えは、金属!?)
即席の溶断ブレードと化した銃剣にて
切断する最中、感じた手応えの違和感
パワードスーツでも着込んでいたというのか
いやそれにしてはあまりにも“肉質”が無さすぎる

この存在を定義付けるため脳裏に上がった候補は
そう多くない。機械人形(オートマトン)、もしくは
それに近い存在。そこまで考えた所で
労災だと猫が雷を墜とすであろう不意の切断作業が終わり。
余った勢いのまま自らの身体が前方に転げ回り
至る所をぶつけた

予想だにしていなかった手応えに面食らったのもあって
受け身を取るのが不覚にも遅れた
溶断途中に飛び散った燃焼した金属の火花等にも肌が焼かれて、火傷も少々負っている

「痛ッ……。 
 ったく何が差し向けた刺客なんです…此れはッ」

愚痴りながら痛み泣き言を叫ぶ身体に喝を入れ。立ち上がる
敵対存在は今やただの黒い砂鉄(?)と為り果て
ワケを聞き出すこともできまい、己に出来るのは速やかにこの場から
立ち去ることだけ、誰かに見られでもしてみろ
面倒のお代わり希望と無条件に取られることだろうから

(これが落第街、或いは常世学園流の新人歓迎の儀式…と 
 全く、血の気の多い。 実はこう見えて
 とても緩やかかつ穏やかな場所なのではないか
 どこかでそれを期待していた私はとんだ平和ボケだったわけですか
 ハハッ、笑えない……!)

エボルバー > <キミは、とても、足癖が悪い。>

<可能性、そこに、メカニズムがあるかもしれない。>

唐突に無機質な男性のような合成音声が
そのような言葉を紡いだ。
先ほどの攻撃を振り返っているのか
それは空気を伝わるのではなくまるで目の前の少女の頭へ
テレパシーのように響き渡る。

堆積していた黒い砂山が脈動する。
大部分は路地裏のあちらこちらへと散っていき、
一部はそのままどんどん高く積もっていき
やがて、筒状、ヒト型へと変わっていけば
最終的に小綺麗な整った一人の男の姿へと。

寝刀シロ > ……未だ死んでいないのかよ、と。思わず絶望で笑ったよ私は
「…………本当に笑えない」

リロードモーションを入れてから銃口を
再び顕現したそいつに向けた
不死身かと仮定する、本当にさっさと離脱すべきだった
抜かった、殺し切れる、切れたと思ったのは致命的なミステイク
是正する。嗚呼、延長戦か、嫌いな展開だ。

「……女性に脚の良し悪しを語るのは
 セクハラですよ。 Mr.オートマタ
 知らなかったならこの機会にどうぞ記憶してください」

また壁が迫って来るのではないかと前方を警戒しながら
少しずつ、否。元来この様な使い方をしないのを知った上で言うなら
微かずつと言った遅さで距離を離していく。路地裏の外へ
出たところで、落第街という曇天の如く暗がりには変わらないが
此処よりはマシというもの

「何が目的なんです、本日はどの様なご用向きです
 所属する組織は。
──今生の別れをする前に聞いておきたいのですが」

逃走かやはり■すしか道は無いのか。
どちらが有力な一手か考察する手がかりを引き出す為に
今すぐにでも、即刻排除スベシと叫ぶ殺意を抑え、あえて言葉を紡ぐ
相対する彼が聞けばきっと鼻で笑うだろうが。こんなザマでも
寝刀シロという女は本来“暴力を好まず侮蔑している”女だ

エボルバー > 彼女の返答を受けて奇妙な男は少し考え込む。

「どうやら、これは失礼な発言だったようだ。
記憶しておく。君の脚については、言及しない。」

先ほどまで脳味噌に響く不気味なものであった合成音声は
空気を伝わる会話という形へ変わる。

「所属組織、僕は特定の組織に属する存在ではない。
目的、僕は可能性を探している。変化に繋がる可能性を。
その観点において、君はとても面白い。普通ではない。」

警戒する少女とは裏腹に生物らしさを感じさせぬ様相で
一切の乱れを見せず立ち続ける男は淡々と少女の質問に答える。
彼女の殺意など意に介することなく。

「別れは好ましくない。この機会は掛け替えのないものだ。」

男、いやソレが紡ぐ言葉。
彼女の殺意を意に介していない、というよりは
殺意に気づいてすらいないというのが正確な表現か。

寝刀シロ > 新手のナンパ法ですか。やり方複雑骨折過ぎる
一昨日のヤリチャラ男どもの方がまだわかりやすかったぞ

「……貴方様を面白がらせるコンテンツ
 そのようにふるまった覚えはありません
 第一に道化役は二度と御免なンですよ私は」

新手の口説き文句か、こんな出会いでなければ。尚且つ、もっと昔の私であれば。
彼と同じく面白いと話ぐらい興じたに違いない。
然し今現在の私はその様な純真さはもう既に。
彼岸の彼方に追いやっている、ので。結局のところ、私にとって此奴は
めくるめく独り才筆家となる為の思索の旅を。 勝手に頼んでもいないのに邪魔しうる存在な訳で

 だから嗚呼、やはり此処で殺すべき存在なのかと強く思った。

「貴方にとって掛け替えないものであっても
 私には平穏を脅かす厄日と言うべき遭遇ですよ。

──好ましくないとまで言ってくれるのならば。
 どうして、“こうなる”ずっとずっと前に出会ってくれなかった」

…大分精神が揺れているらしい。俗な言い方すると“ヘラっている”
嗚呼、最後の二行は出来れば忘れてほしい。
 今更、此れは本当に意味のない過ぎ去った事の癇癪
しかも今日が初対面に向けるには余りにも手違いで今しがた。
 殺し合いした相手に向ける様なものでは絶対無い

 この場は下手に戦闘継続するより
さっさと離れた方がいいな此れと私は思った。いや本当に
表の方が騒がしくなってきた気もする。
いい加減、野次馬がなんだなんだと集まりつつあるのかもしれない
不味い──。 末端から有力者に伝わって目を付けられでもしたら今後に響く

「……ですので御機嫌よう、もう次など無いように願います
 不死身を殺すのは私でも。 手間、ですから」

大分見栄張った。不死身を殺した記憶はあるが此処で手段が手に入るかもわからない。
そう言って大通りの方へと足を急がせようと私は──

エボルバー > ナンパという概念は”機械”には存在しない。
ソレは彼女の複雑な精神を現状では理解できない。

「君は、君としてふるまっている。
だからこそ、僕にとって君が興味深い。」

戦闘前後に見せた豹変、そして彼女の力、....その目。
精神を理解できぬともその片鱗は随所で数値として現れる。
虚ろな瞳と表情は飾ることなく彼女を見つめる。

「過去は、変えられない。未来を、決めることは出来る。」

過去は変わらない、そんな当たり前のことを冷たい機械は
簡単に割り切ってしまう。彼に揺れ動いて生きる魂は見えていない。
だからこそ紡がれる無機質かつ冷酷な一言。

「僕は、次の機会を願っている。君との機会を。」

ソレは名も知らぬ彼女を追うことも止めることもしない。
彼女が足を急がせるならその旅を唯々見送るだろう。

寝刀シロ >  望んだところで
 私に都合のいい未来(コト)は
 絶対に起きやしない、だからもう期待しない

 だから二度と、会わないのが互いにとって
 一番幸せな道。残念なことに、皮肉なことに。

「……起刀クロ(オキガタナ クロ) はそうは思いません!
 さよなら!」

あとしれっと嘘の名前叫んでおいた
よし、これでしばらく時間稼げるだろう
脱兎の如く立ち去るのだった。
 ……地図屋は後日ほとぼりが冷めてから尋ねよう…。

ご案内:「落第街大通り」から寝刀シロさんが去りました。
エボルバー > <起刀...クロ...>

その名が真実が偽りか知らぬまま。
いや、名の真偽はそれほど重要ではないだろう。
大事なのは記録、記憶、結びつき。

存在せぬ人の名を反芻し、ソレは黒い砂塵となって落第街に溶けてゆく...

ご案内:「落第街大通り」からエボルバーさんが去りました。