2019/08/13 のログ
モルガーナ >   
「酔狂を字引で引き直せ。
 洒落さが足りぬ」

はぁと溜息を一つ吐くとこめかみをトントンとつつく。
頭痛がしているというよりは呆れているというのが近い。

「まぁ確かに。
 模している分熱には弱くなっておるかもしれんな。
 平熱が40℃と少しだったか……人よりは少し高いらしいが
 それでもだいぶ低くなっておるようじゃ」

そう造られているというのは不便な物じゃなと呟きながら腹部を撫でる。
元々は陽光と炎の化身なのだから、熱どころか炎でも本来問題はないのだが。

「文化の多様性に関しては目がくらむようじゃが……
 実に愉快で飽きぬ。
 ……その分気苦労も多いがの」

人が多いというよりこの命の多さは常に触れていると流石に疲れてしまう。
炎に当てないように気を使い続けるには少々体の変調が気にかかる。

「……むぅ。
 騙されておる気がしてきた。
 やめじゃやめじゃ。」

もう一度手を叩くと制服に変わる。
教師からすればこれが一番見慣れているだろう。

暁 名無 > 「こいつぁ手厳しいな。」

ケラケラ。呆れている少女の態度にもどこ吹く風。
軽薄に笑ってからふと眉根を寄せて。

「40℃か。人間なら体内のタンパク質が固まり始めるくらいだ。
 そう考えると多少は暑さに耐性があってもおかしくはないな。」

少女が元々どのような存在であったかは知る由も無い。
感心したようになんどか頷いて、改めて見た目というものは何の参考にもならないな、と思う。

「ははっ、そりゃ元からこの世界に居る人間も同じこった。
 まあ、お前さんなりの交流のしかたを見つけられれば御の字だな。
 人と触れ合うも、人から離れるも自由さ。」

名無にとっては前者が適していて、彼女にとっては後者は気が楽なのだろう。
その事に関して特に口出しする気も無いらしい。口出しされるのが嫌いだから、というのもありそうだ。

「んなっ!?
 騙してなんてないってばよ!
 ちょっと待ってろ……ええと……

 ほら!ほらこの通り!」

制服姿に成ってしまったのを見れば心底残念そうに口を尖らせる。
と、同時にタブレット端末を操作し、モルガーナへと見せた。
そこには確かに、名無が言った通りの姿の女性の写真が表示されている。
ただ、先のモルガーナが纏っていたものより、更に肌の露出は増えていた。マイクロ何とか、というレベル。

モルガーナ >   
「うむ、どうも実際の化学物質というより
 意識層の再現といった表現の方が近いようでの。
 本来であれば人のみでは耐えられぬ温度なのじゃが特には問題ないらしい。
 まぁどちらかというと特殊能力に含まれるのかもしれんな。
 実際の所何処まで機能が再現されておるのかは不明じゃな」

調整が出来ないわけではないのだが……とごちながらも
そんな事を意識しなければならなくなるというのも不便だと思う。
まぁ言っても仕方がない。

「一人宮廷に籠り世界を切り離せれば楽でよいのじゃが。
 こちらでは当たり前のことが我らにとっては酷く羞恥をそそる……などという事もあるしの」

此方の世界では相手に手ずから食べさせるのにあまり深い意味はないらしい。
……初めてやられた時には内心動揺で平静を保つのに苦労した。

「……主、これは主らの”趣味的”な画像ではないかと思うのは童だけかの?
 じっさいここまで布面積が少ないと作業時に体を守れまい。
 主らは直ぐに傷がつく体をしているのじゃから。」

呆れた様な声色と共に目を細め……いわゆるジト目で目の前の教師を眺める。
流石に機能性に問題があるというか、これは作業する気が無いようにしか見えない。

「……それともあれか?
 これは妾の裸体が見たいという遠回しの
 ”せくしゃるはらすめんと”のつもりか?」

暁 名無 > 「なる……ほど?
 半分くらいは分かった。」

実際は半分も理解しているのか怪しいところだが、一つ頷きながら告げる。
もっと深く理解出来ない事もないでもないが、流石に草臥れた頭で道端で聞かされる話でもないだろう。
それらを加味して、半分理解出来れば上々である、と名無は思う。

「ほほう、なるほど。
 確かにそういう差異があってもおかしくは無いな。
 文化の違いは常識の違い、前提から違ってても変じゃない。」

その発想は無かった、と目から鱗と言わんばかりに瞠目する。
裏返せば、こちらの世界で恥ずかしい事でも、彼女にとっては何という事も無いことがあるということか。
そういう事ばかり理解早いのが暁名無という男である。

「なあに、そんなことはないさ。
 犬を使役し馬を駆って牛や羊を追いたてる。
 その程度の作業なら、これくらいの軽装でも充分に行える。」

自信満々に言ってのける。
画像自体は名無の趣味であることに違いは無いが、だからといって疑われるのは心外だった。
教師が生徒に嘘を吹き込むわけにはいくまい、と片眉を上げて。

「えっ、見られるもんなら見たいが。
 流石にそんな回りくどい事をするわけないだろ。
 ただ騙してると思われたままなのは釈然としないんでね。
 ご理解いただけたかな?」

セクシャルハラスメント、なんて言葉どこで覚えたんだと疑問を抱くが、
普通に学校でだろう、と思い至って口を噤む。
今はただ、ホラ吹きの汚名さえ雪げれば良い、と。
それはそれとして見れるなら見たいが。

モルガーナ >   
「まぁ詳しい事が知りたければ生徒情報でも調べるが良い。
 大まかには記載されておるようじゃからの」

別に特筆して覚えておくべき情報でもない。
要は平気だと伝わればよいのだから。

「しかしこの季節感に対する行動の差には未だに慣れぬ。
 ひとなつのあやまち?やらあばんちゅーる?やら
 色々と言いながら活動的になるがあれは夏でなければならぬのか?」

言っていることのニュアンス自体は理解できる。
実際に子孫を残すために人とは積極的に活動するものだとは理解しているのだから。

「……それは平素の話じゃ。
 この格好だと道を歩くのも苦労するじゃろうに。
 混乱したものが飛び掛かってくる事もある上に
 身を守る手段をこやつらは持っておるのか?
 そもそも冬にこの格好をしておれば主ら人間は耐えられまい」

……なんといっても流石にこの格好をするのははばかられる。
元々肌の露出が極力少ない格好の方が落ち着く。
こんな格好をして往来を歩ける神経が理解できない。

「なるほど、遠回しではないという事なのじゃな。理解した」

暁 名無 > 「当人の説明の方が噛み砕きやすいんだが…まあいい。
 帰ったら時間がある時にでも調べてみるか。」

実際のところ、そのような時間は中々作れるものではない。
というより、優先度の高いタスクが多過ぎる実情がある。

「うーん……人間てのは暑過ぎても寒すぎても死ぬような生き物でな。
 そして死に際になると子孫を残そうとする意志が大変強まるらしい。
 ……そういう事なんだろう、多分。
 いっそ体験してみれば理解も早いんじゃないか?」

なんてな、とケラケラ笑いながら自分の見解を述べる。
割と四六時中活動的な人間も居ないわけでもないが、ややこしくなるから割愛で。

「そうさなあ、だからこれは夏専用の装束、ということになる。
 身を守る術に関しては武装、主に銃器という防衛手段もあるしな。
 往来を歩くのは……まあ、こういう放牧地専用のものと思ってくれて良い。四六時中はさすがに、な。
 ……何よりこの格好は仕事で体が火照った際に水を浴びたり、突然の雨に打たれても平気、という利点もある。」

こんな風に、と周囲の湿気を集めて水鉄砲よろしくモルガーナへと飛ばしてみせる。
にわか雨にすら及ばないような水撃だが衣類の濡れる不快さを身を以て知って貰おうと。

暁 名無 > ~諸般の事情により中断 続きはまた明日~
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「産業区/農業区」にモルガーナさんが現れました。
ご案内:「産業区/農業区」からモルガーナさんが去りました。
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地」にモルガーナさんが現れました。
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地」に暁 名無さんが現れました。
モルガーナ >   
「…ぅ」

ぱしゃりと浴びせられた水が髪を滴り制服を濡らしていく。
生暖かい風と相まって、何やら心地がよろしくはない。

「これ、乾かすのも手間なのじゃぞ?
 というより生徒に水を浴びせる教師が居るか。
 ……いやおるな、目の前に」

これって教育委員会とやらに抗議するべき案件では?と思いつつも
張り付く髪をかき上げる。
少々眉を寄せながらも呆れたような笑みはその顔からは消えていなかった。

「人間というのもなかなか大変じゃな。
 西に東に年がら年中……
 まぁ龍も人のことは言えんか」

とは言え……

「主よ、まじめに解説すれば誤魔化されると思うてはおらんか?
 教師としては多少は理解できるが内容と精度、あと相手に
 問題があるとは思わんのか」

熱い寒いと騒ぐなら猶更あの格好は非効率的であろうと。

暁 名無 > 「そうだろうとも。
 乾かすのが手間だから、極力布面積を減らしてるわけだ。」

ふんふん、と頷いてからせめて頭を拭く為に、とハンドタオルをモルガーナへと放る名無。
今は学校外だし、それでなくても業務時間外だし、そもそも休日であるからして教師と言う肩書きは今は無い。
そんな事を泰然とのたまいながら、名無はトランクに腰掛けたまま器用に足を組んでモルガーナを見上げる。

「ま、結局のところ薀蓄を並べてきたけれども。
 恥ずかしいと思う奴は恥ずかしいだろうし、恥ずかしくない奴は平然と着ているってことなんだよな。
 こいつの発祥は太平洋を越えた大陸の方だけど、あっちの人間は大体似たような格好で過ごしてる事が多いし。」

まあそこは知らなければ無理も無いよね、と言った顔である。
モルガーナはどうやら東洋寄りの感性持ちらしい、と結論付けて。

モルガーナ >   
「……主がある事ない事口にして煙に巻こうと
 懸命に励むことは理解した。
 その結果はさておき、の」

思ったよりも水の量が多かったらしい。
スカートまで濡れて張り付いているようだと裾を持ち上げ嘆息する。
全く、これなら先のラフな格好の方がよほどよかった。
まぁ小屋でブラウスとスカートだけ乾かせばいいと心を慰めるしかない。

「世間一般がどうこうより自身の感性と欲求に忠実な教師が言うには
 些か焦点のズレた結論じゃな。
 そういう講義は新学期にでも受け持った生徒にでもしてやるがいい」

残念ながら他者の感性にはあまり興味が無い。
自分が興味があるか否かがまず判断材料。
海の向こうがどのような格好をしようとも自分がするかは別問題だ。

「……まったく。こんな場所で聞く講義ではないな。
 何故このような事に付き合っておるのやら……まぁ良い。
 どうせ帰るつもりであったのじゃから」

ハンドタオルを投げ返すとやおら立ち上がる。
水の量が多すぎてこんな小さな布ではどうしようもなさそうだ。

「行くぞ。夜風で体が冷える前に」

暁 名無 > 「あることないことって。
 ある事しか言ってねえんだけどなぁ……」

うーむ、どうにも変な方向に頭が固くて困る、と思わず苦笑を浮かべる名無である。
まあ此処で言い合っても仕方がないと言うのは間違いが無いので、
今は素直に目の前の文字通り水も滴る美少女で疲れた目を癒そうと。

「俺の受け持ちは服飾科とかじゃないんでね。
 そういうのは専門の同僚に任せるとして、だ。
 せめて髪くらいは拭いておいたらどうだ、水を掛けた当人が言えた義理じゃあないけど。」

髪から滴る水滴が殊更にブラウスを濡らし、大変目に毒だと思う。
しかし毒を喰らわば何とやら、の精神で目を背けるような事はしないのが暁名無と言う男。
指摘された通り、欲求には忠実なのである。

「というか、さっき水着になったときみたいに着替えれば良いじゃねえか。
 便利そうだなアレ、どうやってるんだ?衣服だけ転移させてるとか?

 ……お、帰るのか。そうだな、もう暗いし。
 気を付けて帰れよ~、明日も牧場の手伝いなんだろ?」

へらりと笑みを浮かべたままトランクから腰も上げずに。

モルガーナ >   
「何を言っておる。
 事の発端は主じゃろうに。
 勿論責任は取ってもらう」

何を他人事のようにいっているのやらと肩をすくめる。
人にちょっかいをかけておいてただで帰れると思っているのだろうか。

「そのような布切れでこの量が拭ききれるか馬鹿者め。
 自分のかけた量も把握しておらぬのか。
 全く……寛容な妾でなければとうに張り手をくろうておるぞ。」

躰の感覚はないのでどこまで濡れているかは正直見て確認しなければならないが、
太ももや腹に張り付く服が体を引っ張る感覚からしてこれは一度選択しなければらちが明かないだろう。
元々下着をつける風習が無いので余計に張り付いてやりにくい。

「出来ぬことはないが
 あれは状態の更新まではせぬ。
 濡れたまま仕舞えば永遠に濡れたままじゃ」

パチンと指を鳴らすと同時に教師が腰かけているトランクに
軽く爪先でけられるくらいの衝撃が伝わるだろう。

「視聴料じゃ。
 後片付けをまさか嫌とは言わまいな?」

暁 名無 > 「えっ?俺も行くの?
 言うてそこまでの量掛けて……掛かってる、よなあ。
 おっかしーな、そこまで制御の利かない術式じゃねえ筈なんだが。」

疲れで感覚が鈍ってんのかな、と首を傾げてからモルガーナを仰ぐ。
確かにハンドタオルだけでは足りない程には濡れそぼってしまっているのは事実。
ブラウスが貼りついて露わになる曲線は、先の水着姿よりもよほど扇情的で。
以前会った時に下着はしていないと聞いていたが、まさか未だにそのままとは思わなかった。ちっとも。全然。

「まあ、お前さんの言う事も一理ある。
 一理というか、ほぼ全部に理があるのでぐうの音も出ないわけだが……」

トランクを小突かれれば渋々といった様子で腰を上げ、よっこいせ、と持ち上げて。

「濡れたものを一度仕舞って、その小屋まで行ってから撮り出せば良いんじゃないのか。
 一度入れたら二度と出せないなら話は別だけど……まあいいか。
 それで?後片付けってのは何をさせる気だ?」

トランクを担いでモルガーナを見下ろす。
ふむ、俯瞰するのも中々に悪くない、とぽつり。

モルガーナ >   
「そのままのうのうと帰れると思うておったことが驚きじゃ。
 ここが市街なら警察に引き渡すところじゃの。
 全く……」

ブラウスの裾をまくり上げてぎゅっと絞る。
まぁ水量に関しては一概にこの教師の所為とは言えないのだが
そこに関してはわざわざ伝える気もない。
日も落ち切り、藍色に染まった地道をゆっくりと歩きながら顔だけで振り返る。

「主も頭から滝でも降らしてやろうか。
 頭を冷やしたいのなら氷水でも降らせてやろうぞ」

其れこそ過冷却水を降らせばよいのか?と問いかけて。
同時に足元がぴきぴきと音を立て僅かに凍り付く。
何なら氷塊にしたってかまわないと思うのだが……

「洗濯に決まっておろう。
 ……この状態で服を着替えたらまた濡れるであろうが戯けめ」

はぁと溜息一つつくとその冷気も霧散する。
別段本気で怒っている訳ではないのだからそこまでするのはやりすぎだろう。

「ほれ、参るぞ」

そのまま虫の声を聴きながら再び歩き始める。

暁 名無 > 「お巡りさんとこって3度くらい同じ事で行くとその後はすごい怒られるんだよ。」

知ってた?と要らん情報を口にする。正確には警察というより風紀委員の詰所だが。
先生いい加減来ないでください、まで言われて放り出されること数回。学びの場で全く学ばない教師である。

「別にそこまでする必要は……
 というか、そんな事が出来るならあれしきの水鉄砲、簡単に防げたんじゃ?」

名無は魔術に秀でた才があるわけでもない。むしろ逆と言ってよいほど恵まれていなかった。
それでもどうにかこうにか初歩的な魔術の術式を、
色々と組み換えて扱う事で相手の虚を突く事が出来る程度の術者だ。
さっきの水芸じみた術式も、大気中の水分を集める過程で事前に察知できそうな物だろうに、と訝しむ。

「洗濯……、洗濯ねえ。
 いや、流石に言うほど濡れは……ああ、髪が水吸ってるからか。
 だから軽く拭いとけって言ったのにー。」

もー、と口を尖らせながらもモルガーナの隣を歩く。
会話の応酬の合間に、少女の一挙手一投足に合せ揺れ弾む膨らみで目を癒すことも忘れない。