2019/10/14 のログ
モルガーナ >   
「持つべきものの義務とは言え愉快な思い出がないものでな。
 あの伺うような目が好きになれん。どいつもこいつも面白みのない。」

確かに立場上仕方がないものではあるが面白味が無いというのは耐えがたい。
……だからこそその殆どを大樹のように眠っていたのだが。

「欲を持つ事ではなくそれに従うから節操なしと言われるのじゃ。
 それでも教師か。妾が美しい事は認めるが主を煽る為ではないわ。
 まぁ健康である事は褒めてやらぬこともないがの。
 小娘ばかり相手にしておるから雌の誘い方も忘れたようじゃな。」

吐き捨てるように言うと払った手を寝具に落とし、再び壁に凭れる。
意識を繋ぎとめようと喋ってはいるが……

「……喉が、乾いた」

永く喋っていたからだろうか。
其れとも全身を走るこの倦怠感からか。

暁 名無 > 「まあそれは致し方ない事なのかもな。
 今みたく好色の目で見られるのも嫌だろう?」

なんて宣いつつケラケラと笑う。
半信半疑と言うのもあるが、目の前の少女が真実女帝だったとしても同じ様な態度で居る事だろう。

「だから我慢してたんだって言ってんじゃないのさ。
 それこそビキニになって貰った時からずっと……いやまあ、さっきの治療中は流石に疚しい気持ちは無かったけどもな。
 組み敷こうと思えば簡単に組み敷けるのに、そうしないのが証左にならんかね?」

酷い言われ様だ、と口を尖らせつつ。
モルガーナの代わりに水差しを手に取るとグラスへと水を注ぎ、差し出す。

「ほら、飲めるか。」

モルガーナ >   
「何方も等しく面白味が無いな。
 立場上避けては通れぬがの」

今はその分気楽でいい。いや、気楽でよかったというべきか。
気楽でいられたのは少し前までなのだから。

「尚性質が悪いわ。
 つまりは主は何もせぬのに相手には心と体を捧げろと言うておるわけじゃ。
 目覚めか寝起きが悪いのかは知らぬが寝言は来世で言え。
 まだ組み伏せる方がましじゃろうて」

温かみの欠片もない口調で突き放す。
元々口は悪いが今は更に悪くなっている自覚はある。

「……済まぬな。」

グラスを受け取って口元へ寄せるとゆっくりと傾ける。
体に力が入っていない分僅かに零れるが喉に液体が流れる感覚。
飲み干して一息つくと再び目を閉じて。

暁 名無 > 「そりゃ難儀だな。
 ……ま、見られる側ってのは大抵面白くないもんだ。」

んんー、と小さく唸りながら首をぐるりと回す。
ちょっとだけ疲れを思い出していた。

「別に俺からも心と体を奉げたところで熨斗つけて返されるのがオチでしょうに。
 だから戯れ程度に手を出すのさ。最悪痛めつけられる程度で済むから。
 ……しかしまあ、その視点は無かったな。
 確かに、そう見ればあまりにも……あんまりだ。」

ふん、と小さく嘆息して頭を掻く。
いつの間にか搾取する側に居たんだな、と小さく零して。

「まったく、痩せ我慢してないで横になって休めばいいものを。
 そしたら俺だって心配こそすれど、変な気は起こさないのに。」

口の端から垂れた水の後を指で拭おうとしつつ、
目を閉じたモルガーナの頭をそっと撫でてみようと試みる。

モルガーナ >   
「同じ視線でも昔はもう少し種類があったように思うのじゃがな。
 いつからつまらぬものばかりになったのやら」

切っ掛けは判っていた。
彼方の世界では畏怖の対象であることを自ら選んだのだから。

「何処までも自分本位じゃな。
 しかもその相手が道理も判らぬ小娘ともなれば
 なるほど大した不干渉じゃて。
 主にとっての最悪は生徒の傷ではない訳じゃ。」

覚悟すらない搾取の末、後始末さえ世界がするわけだ。
全く楽な立場ではないかとごちて。

「横になっておるのも気分が悪い。
 それだけのことじゃ。
 何度も言うが変な気を起こすのは主の問題であって妾の与り知らぬ事じゃ」

撫でられる感覚に僅かに薄く目を開けるも直ぐに目を閉じて小さく息を吐く。

暁 名無 > 「さあてねえ、俺には分からんな。」

モルガーナが元居た世界の事など、名無にとってはそれこそ推察さえ出来ない事である。
が、まあそう思って然るべき事態があっただろうことくらいは、想像は出来た。

「ああ、そうだな。
 傷だろうと遺せる物なら遺したいだけかもしれないし、違うかもしれない。
 どのみち俺と言う存在の痕跡は一切無くなるんだから、無くなる物は最悪では無いさ。」

覚悟をしても、責任を負ってもそれらは全て無かったことになる。
最初から居なかった者が起こした、起きなかった事になる。
それが解っているから、傍目に見て酷な事も出来るのだろうな、と名無は他人事の様に呟いた。

「まったく、我儘な女帝様だ。
 はいはい、俺の勝手俺の勝手。生理的なものまでとやかく言われてもしゃーないでしょーが。
 ……ったく、ホントに。」

可愛い奴め。
おどけた様に肩を竦め笑いながらも、優しく少女の頭を撫で続ける。
どうせこれも無かったことになるのだから、と特段に優しく幼子をあやす様に。

ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」からモルガーナさんが去りました。