2019/11/23 のログ
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」にモルガーナさんが現れました。
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」に暁 名無さんが現れました。
モルガーナ >   
「他人事とおもうておるようじゃが主とて例外ではない。
 最もその自覚は無いようじゃな。」

この世界は、特にこの国はどうも、他者を気にしすぎるきらいがある。
他者の一挙手一投足にこれほどの恐怖感を持つ国とは実に人間らしく
同時にまた違った煩わしさもある。

「傷、傷となぁ。
 最早傷というより呪の類よな。
 こちらではそれを傷と一言にまとめるようじゃが
 それで許されるのであればなるほど、良い世界じゃな。」

何とも便利な言葉ではないか。と。
腕の伸ばされる感覚に閉じていた瞳を僅かに開け、
気だるげな様子に不釣り合いな皮肉を吐き出し
唇の端を釣り上げ笑みを形作る。

「阿呆。我らが身勝手でなければ他の誰がそれを成すというのじゃ。
 傲慢不遜は王たる者の責。そしてそれは理不尽の代名詞でもある。
 妾にしおらしく過ごせとな?相手を見て物を言え。」

暁 名無 > 「ええ……そう?
 まあ、特段否定はしないけども……そうかあ。」

ぽりぽりと頬を掻きながら首を捻る。
自覚は無いと断じられれば、そのような反応しか返せない。だって自覚が無いのだから。

「まあ、許されるのなら、な。
 ……その実、どうなのか判断出来かねるけどな。
 もしかしたら許されてなくて、与えた傷の分だけ地獄に落とされるかもしれない。」

ゆるゆると首を振ってから大仰に肩を竦めてみせる。
そっちの方が理に適ってる気がするけどな、と付け足して。

「はいはい、そうでしたそうでした。
 相手を見ろって言われても、こうして話す事なんて片手で足りる程度にしか知らないわけだしな……
 
 ……ま、いいか。
 それで、女帝様よ。そろそろ俺は此処に来た本懐を遂げたいわけなんだが……?」

洗濯しに来たんだよな、俺。と本来の目的を思い出し訊ねる。
これまでに何やかんやあり過ぎてすっかり忘れるところだった、と反省しつつ。

「ほら、学生服と……折角だし今着てるものと、女帝様自身も軽く汗を拭くくらいはどうだい。」

モルガーナ >   
「地獄とやらを信じてないものがそれを言うても何の意味もないな。
 因果応報など信じる性分でもなかろうに。
 故に自らの哲学と称して好き放題しておるわけじゃ。
 判断できぬ?する必要があると思うておらまいに。
 ……まぁ良い。妾は寛大じゃ。」

余り此処を追及しても仕方がない。
自覚がない所を責められたとて、本人は只心当たりのない事を追及されているようにしか思えないだろうから。

「一見して妾の偉大さが理解できぬとは嘆かわしい。
 その見識を生徒に教えるのが教師であろうに。
 いっそ憐憫を誘うな。主にお主の生徒にじゃが。
 それともこの国の教師は本でも読めば誰でも
 理解できるような事しか教えぬのか」

わざと棘のある言葉を選んでいる自覚はあるが
それだけの理由はあると思うのだ。
この教師それを理解しているのか否か中々判断し難い所があるが
何方にせよ軽く非難している事が伝わればそれでいい。

「……?ああ、これか?これ別に良いのじゃが……
 まぁ好きにするが良い。先ほどまで着ておったのは……
 ……これじゃな。」

気だるげに壁に凭れていた体を起こすと中空に腕を差し込み水浸しになった制服を引っ張り出す。
零れていた分が残っていたのかそれ自体からまだぼたぼたと水が滴っているが……
まぁ洗濯している最中に水気も抜けるだろう。たぶん。

「くく、馬車馬のように働くが良い。」

やはりまだ体は重石のように重く、
僅かに掲げた腕が震えているが口調だけは普段と努めて変える事無く。

暁 名無 > 「ははっ、違いないな。
 ……けどまあ、信じようと信じまいと成るもんは成るだろ。
 報いを受ける必要があるなら、いずれ必ず受けるだろうさ。
 それを決めるのは俺じゃないし、回避する道理もまあ、無いわな。」

成る様に成れ、だ。としゃあしゃあとのたまう。
それが当然であれば、当然の事として受ける。その姿勢に虚勢や諦観というものは無い。

「だーかーら、俺は本来研究者なの。自分に知識を溜め込めればそれで良い人種なの。
 教員なんて物のついででやってるもんなんだから、
 真っ当な教師の姿勢を糾されたところで他人事なんだってば。
 ……それこそ一見して判る類の事だろーに。」

全くもう、とぶちぶち言いながら濡れた学生服を受け取る。
どうせ仕舞い込めるなら乾燥も出来る様なとこに仕舞えば良いのに、
と内心不平を零しつつ水の滴るそれを一旦椅子の背に掛ける。
床掃除も後で俺がやるんだろーなー、と半ば諦め他人事のように思いつつ。

「夏風邪は馬鹿が引く、って言葉もあるくらいだ。
 女帝様が風邪でも引かれたら大変でしょーよ。逆説的に。
 はい脱いだ脱いだ。俺は身体拭く為の蒸しタオルでも用意すっから。」

と、トランクの中を引っ掻き回し始める。
明らかに容量を無視されているトランクだが、今更なので気にしてはいけない。

モルガーナ >   
「……なーにが他人事じゃ。
 主が厭おうが厭わまいが教師である事には変わりあるまい。
 妾が帝であったようにのぅ。」

そういうとこじゃぞと半眼……俗にいうジト目で呆れたような視線を送る。
どうにもこの教師、この現場を他の人族に見られたら明らかに危うい立場だという事を理解していないようだ。
龍族に視られたら?……熱耐性が高い事を祈るばかりだ。

「馬鹿は風邪をひいたことに気が付かぬから風邪をひかんと思っておるだけじゃ。
 火で炙ってやれば主ら人間は直ぐ炭になる。
 それに頭の出来はそう大した差を生まんでな。」

人と龍では繰りが違うと口では嘯くものの
確かにこの世界に来て一番困ったのは細菌、病気だったりする。
なにぶん人ベースの配分が多く、素体として造ったため
一般にある様な抗体や免疫がほぼ無い状態だった。
勿論病気程度で命を落とす程やわではなく、多少気怠い程度で免疫を付けはしたが……

「……場合によっては主らが我らにとって致命的な病を抱えておる可能性すらあるのじゃが?
 今更思い出したように……敢えて言うような事か。
 それに見てわからんか。脱げる物なら既に脱いでおる。
 こちとら腕をあげるのも億劫なのじゃ。
 脱がしたければ主が脱がせ。
 妾は今疲れておるでな。」

正直脱げるならさっさと脱いでしまいたい。
鋭敏になっている肌感覚が張り付く衣の質感をダイレクトに伝え酷く不快だ。
しかし、口でこそ平素通りを装っているが壁が無ければ
上体を起こしていられないほど体からは力が抜けている。
かといって横になれば吐き気が酷い今、余計しんどい。
結局、朦朧としながら壁に凭れかかっている以外対処法が無い。

「ああ、ヒトの躰とはかくも不便なモノよなぁ。」

暁 名無 > 「そろそろ教職の方は懲戒食らって研究一本で行きたいんだけどな……。
 俺より教師向きの奴なんて、それこそ生徒でもわんさか居るってのに。まったく。」

嬢ちゃんの立場とはまた違うでしょーよ、と口を尖らせる名無。
本音を言えば、免職されるなら免職されてサクッと本業に専念したい。
一日の半分以上を学校で過ごすなんてもう嫌だ。
一週間くらい島中をふらつきたい。
等々、不満を挙げればキリがないのである。
女子高生を間近で拝めるのだけが利点だと本気で考えている手合いである。

「はいはい、龍でも人でも衰弱時が危ないのはどこも同じでしょ。
 まったく本当にああ言えばこう言う。」

トランクから引っ張り出した金盥にお湯を張りつつ、その中にタオルを浸して同時にずぶ濡れの学生服も放り込む。

「だーからその手の研究をするのが俺の本分なの。
 とはいえ研究に非協力的な種族も居るから難航に難航を重ねてる訳だけど。
 ……って、え。俺が脱がすの?
 そんなにしんどいなら早く言えば良いのに、まったくもう。
 
 ……本当に脱がすぞ、ええと、し、失礼しまーす……。」

お湯で温めたハンドタオルを取り出し、絞ってからモルガーナへと近付く。
平時ならば躊躇いは見せつつも半ば嬉々として衣服に手を掛けるだろうが、流石に現状は心配が先に立つ。
壊れ物を扱うかのように薄衣に手を掛け、慎重に脱がそうと試みる。
が、身長が裏目に出て非常にもたつきが激しい。

「生来のヒトでさえ不便だと思うくらいだ、この形を取ったのが運の尽きってやつだな。」

ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」からモルガーナさんが去りました。
ご案内:「離島東側農業区 山中放牧地付近山中湖」にモルガーナさんが現れました。