2020/06/30 のログ
ご案内:「演習施設」に織機 雪兎さんが現れました。
織機 雪兎 >  
演習施設に乾いた音が響く。
パン、パンと数秒ごとに破裂音。
音が鳴るごとに、部屋の中央に建てられた板へ穴が開いたり開かなかったり。

「あったんないなぁ……」

ぼやくのは一人の風紀委員。
イヤーマフを付け、的を相手に射撃練習中である。

ご案内:「演習施設」にエインヘリヤルさんが現れました。
ご案内:「演習施設」にキッドさんが現れました。
エインヘリヤル > あまり人のいない訓練施設。
乾いた破裂音の残響。

ツインテールと高級そうな外套を揺らしながら、なんかめぼしい誰かがいないかと思って来たけれど。

……げ。
この間のアメリカンジョーク男。まあ、いいか、選り好みする立場でもなし。

それはそれとして。

「当たる当たらないで悩んでるなら、当たる条件を整理したほうがいいかもしれないわね?」

などと。
イヤーマフをしてるせいでなにも聞こえないかもしれないし、勝手に好き放題言う。

キッド > 演習施設に、白い煙が漂い始める。
煙の先は煙草。長身の少年が咥えた煙草。
煙草特有の臭みは無いが、煙なので普通にけむたい。

「……ヘッ。」

視線の先の射的の的を見て、明らかに鼻で笑い飛ばしたぞ。
目深にキャップで目元は見えないが、口元はにやけている。

「どうも。確か、アンタも風紀委員会の人間……だったかな?ああ、適当に名簿見ただけだから、俺もアンタも初対面だ。」

「ま、俺の指名手配書があった場合は知らんがね。」

くつくつと喉を鳴らしながら、雪兎に言うと……

「そうそう、丁度コイツみてーなモンだ。ほら、見ろよこの美貌。」

「何処に手配書出しても、目立つと思わないか?なぁ?」

見知った顔、エインヘリヤルを手で指してジョークを言ってのけた。

織機 雪兎 >  
匂い。
くん、と鼻を鳴らし、そちらを見る。

「――ちょっとここ禁煙なんですけど!?!?!?」

少なくとも禁煙の演習場を使っていたはずだ。
吃驚して叫ぶ。

「ふぇ。はぁ」

なんかよくわからんことを言われた。
んで示されたもう一人を見て、

「んんんッ!!!!!!!」

めっちゃ美人やん。
かわいッ。
やっばかわいッ!!
胸を抑えてぎゅっと目を閉じ、濁った叫び声。
彼女からの最初の声は聞こえていなかった。

エインヘリヤル > キッドに示されればまあ、やれやれと言った感じで不承不承。
こういう手合は基本、放っておくしかない。

「まあ、この格好で目立たないほうがどうかしてるとは思いますけれども」

一応、お互い誤解は解けたものの、話をはぐらかすタイプはエインヘリヤル唯一の苦手とも言える。
要するに話し合いをする気がない相手に話す意味はないからだ。

「……??」

そして彼女からは謎の反応。
コレはどういった反応でしょうかしら。
とりあえずにこやかに微笑んでおく。

……エインヘリヤルは、その。
褒められるのも綺麗と言われるのにも別に慣れきっているが。

キュン死するとか尊死するみたいな反応には付き合い的にあまり慣れていなかった。

キッド > 「そうかい?」

煙草を二本指で掴み、遠慮なく白い煙を上に吐き出す。
人にかけない辺り、その辺の気遣いは出来ているらしい。

「じゃ、今度から『禁煙可能』って事でね。宜しく。」

が、此の言いよう。俺が法律だと言わんばかりだ。

「にしても、アンタ。中々射的上手いじゃないか?……アー……。」

何だ急に。色々忙しい女だ。
雪兎とエインヘリヤルを一瞥しながら、やれやれ、と肩を竦めた。

「よぉ、お嬢様が一目惚れらしいぜ?ちょっとかまってやったらどうだい。」

と、エインヘリヤルに言ってやった。
そう言うのはわかるらしい、この男。

「……で、だ。話を戻すけど……アー、そこのなンか、こう」

「ほっといたらときめいたままイっちまいそうな、アンタだ。」

あ、言葉選んだぞ。

「ちょいと、銃をお借りしてもいいかな?俺も一つ、アンタに肖ってみたくてね?」

織機 雪兎 >  
「ンゥッ……ハウンッ……」

身体を折り曲げ貧相な胸を抱きしめながら悶える。
落ち着け落ち着け、確かに可愛いけれどここでいつもの調子でいるとドン引きされてしまう。
可愛い女の子は好きだが、可愛い女の子にドン引きされるのはつらい。

「――いやだから禁煙だって言ってんでしょうが!! しょっ引くぞアンタ!!」

尚も煙草を燻らす男へぐぎゃあと叫ぶ。
自分だけではなく色々な人が利用する施設だ。
中にはアレルギーだったり敏感だったりする人も使う。
その言い方は風紀じゃなくても見逃せない。

「……やだ」

ジトっとした目つきで銃を身体で隠すように。
煙草は別に嫌いではないが、喫煙マナーの良くない人は嫌いだ。
そんな人に銃を預けたくない。

エインヘリヤル > キッドに説明され、なるほどと。

「一目惚れ……ああ、そういう」

エインヘリヤルには過去の記憶はあっても実経験はない。
そもそも過去設定で出会った人間に、そういうタイプはいない。 
故に、そういう体験にはあったことはないものの、言われれば流石に、挙動不審な様子の理由を理解する。

「ふふ、はじめまして。エインヘリヤルよ、よろしく」

優雅に微笑みながら、握手を求める様は、完全に一般校に転校してきたエリート女学院生のそれで。
どう見ても背景はキラキラ輝いていてバラが咲いていた。

そう、理由は理解はしたが、だからといって態度を変えるエインヘリヤルでもない。
むしろ、自分の長所を容赦無く見せつけるほうが上手いだけなのだった。

キッド > 「…………。」

男はキャップのツバをもって、目元を思いきり隠した。
"私は何も見てません"という気遣いだ……!
からかってやってもいいのだが
あんまりにも反応が"ガチ"過ぎて弄りづらい。
ギークって奴の面倒くささを知っているのだ。

「アー…………。」

あかん、ちょっと説明ミスったかもしれない。

「確かに一目惚れは一目惚れなんだけどな、その、なんだ。」

「恋とかそういうんじゃなくて、なんだ。"アイドル"と"ファン"みてーなもんだ。」

何だか理解があるぞ、この男。


「……ヘッ、ちょっとした喫煙如きで、"お仲間"一人しょっ引けるもんかい?」

「それに……まともの人に向けた事はなさそうだがねぇ、縄も、銃も。」

とはいえ、そう言う話なれば口元はにやけている。
このろくでなしの本質と言えば、この軽口だ。
銃器に精通してるからこそ、素人だと言う事もわかるし
人をまもとにしょっ引ける体裁きとは思えなかった。

「強情さは立派だな。好きだぜ、芯を譲らねェのは。……身の程を弁えない以外はな。」

男の腰に、手が伸びる。
ホルスターに携わった銀の大型拳銃。
キャップの奥の碧眼が、射貫くような視線で雪兎を見据え
ホルスターに手が置かれた。
……丁度拳銃の隣の携帯灰皿を取れば
咥えていた煙草をとって、ねじ込んだ。

「これで、満足かい?」

男は口元の笑みを崩さず、手を差し出す。
そう言う道理は、弁えれる男のようだ。

織機 雪兎 >  
「アッ!!!!!!!!!!」

織機 雪兎 >  
小声で致命的な致命傷を負った叫び声を放つ。
彼女のオーラがあまりにあまりで耐えきれなくなった。
ドシャァ、と崩れ落ち、膝を付く。

「織機雪兎でしゅ……ゆっきーってよんでくだちい……」

そして震える両手で差し出された手を握る。
ブルブルと震えたまま。

「……はい」

ホルスターに伸ばされた手、しかしその意味をまるで理解していなかった。
彼女に見せるのとは違う、不審者を見る目。
煙草が消されれば、しぶしぶと言ったように拳銃を渡す。

エインヘリヤル > 「アイドルならむしろ、夢を見させてほしいのがファンでしょう?」

余裕たっぷりに髪をかきあげ、キッドの説明に、全力で突っ走るエインヘリヤル。
そう、エインヘリヤルはそういうオタク的な態度くらいで基本的に動じない。

流石に抱きつかれるようなことでもあればそれなりの対応……
地面に転がして踏みつけるぐらいのことはしてやらなくもない。

が、距離を保っているぶんには自由。
ハートの浮かんだ視線ごときで揺らぐような女でもない。

つまり。
この間とは逆にキッドが説明に困る状態ではある。

「よろしくね、ゆっきー」

そしてそんな状態の彼女の目をしっかり見据えつつ愛称呼びからのシェイクハンド。
これであまり自覚はないのだから、とても容赦なかった。

キッド > 「……ど真ん中。」

綺麗にハート入ったなぁ。
これは中々立ち直れないぞ。

「…………そうでした、女王様。アンタの趣味を忘れてた。」

傲慢なその態度、此れは返ってハマりやくではないか?
キッドは訝しんだ。

「……おい、ゆっきー。アンタも調子乗ってると多分イカれるぞ。足で……。」

もう、エインヘリヤルの目が語ってる。
"地面に転がしてやろうかな"、と。
これはとんでもない磁石の出会いだな。キッドも思わず、クソデカ溜息。

「……まぁ、別に俺をどんな目で見ようが構わないがねぇ。」

受け取った拳銃を指先でクルクルと回しながら、お手上げのポーズ。

「俺が言うのもなんだが、アンタ失礼極まりないぜ。」

二人のやり取りを呆れた様子で見ながら、グリップを握った。
直後、乾いた発砲音が空を切る。
弾は的、人で言う頭部へとしっかり命中した。"撃った分全て、よそ見をしながら"。
止まった的だ、動くわけじゃない。なら、一瞥すれば事足りる。

「……所で、訓練場っつって余計な訓練しないよな?アンタ等。」

織機 雪兎 >  
「グゥオアアアアアアアアアアアア!!!!」

仰け反る。
しっかり握手をしてもらい、しかもゆっきーと呼んでくれた。
落ちないわけがあるか。
この女やかましい。

「足……? この美しいおみ足が……何……???」

別に踏まれる趣味はないが、それはそれとして彼女の脚は美しい。
作り物の様に完璧なバランスだと思う。

「――禁煙の場所でタバコ吸う人に言われたくない」

失礼なのはどっちだ、と言いたげな目。
しかし次の瞬間、

「っ!」

発砲音。
いきなりのそれにちょっと身体が跳ねる。
的を見れば、見事なヘッドショット。
ぽかーん。

エインヘリヤル > キッドをからかうように、くす、と微笑んで。
笑み……そうはいってもだいぶ鋭いのだが、それを振りまくのは半ば通常行動だ。

「見られて減るわけでもないでしょう?」

そもそも好かれて困るものでもない。
誰かが勝手に溺れるぶんには知ったことではない。
そして、別にそういう連中が勝手に私の名前を借りてなにかするのでなければ、一切問題ない。

さらにタチの悪いことに。
エインヘリヤルのそうしたマイペースは、だいぶその手の人には願ったり叶ったりなのだ。


そして、銃撃の音。

「相変わらずね」

この間の、10%の獣でも避ける必要があったのだから。
万全であればさもありなん。

別に【やって当然】といった技術を一瞥し。

「なにかこの間見せてくれなかったネタでも披露してくれたりするの?」

と軽く挑発し。

キッド > 「いや、間違いなく減ったな。魂。」

魂と形容していいのかわからないが、多分減ってる。
間違いなく雪兎の中で何か減ってる。
此の場合もう捧げてるって言った方が良いのか?

「……煙草はダメで、奇声がオッケーかい?映画館じゃぁ摘まみだされるぜ?」

揚げ足とって、訓練用の銃を雪兎へと投げ渡した。

「ソイツはどうも、女王様。なあに、どっかの誰かさんが肩を揺さぶってこなかったからな。」

「おかげで"快調"って奴さ人の肩を揺さぶる癖は治ったかい?ありゃ、中々いい迷惑だぜ。」

前回の異能の不具合、間違いなくエインヘリヤルのせいだとは踏んでいる。
肩にじゃれつく小動物と例えて一つ此処で軽口交じりに言ってやった。
相変わらずの減らず口だ。

「……で。」

キャップの奥の碧眼が、雪兎へと映った。

「どう見ても素人のアンタが、今更射撃訓練かい?随分とまぁ……」

懐から煙草を取り出し、口に咥える。

「"へっぴり腰"だったな。」

口元を手で覆い、ジッポライターで火をつけた。
臭いのしない煙が、瞬く間に広がっていく。
未だにこの目は、彼女の射撃を網膜に焼き付いている。

「今更武器の扱いを習おうって感じでもねぇ。テメェの手で撃ち殺したい相手が出来たか、それとももっと別の目的だ。」

「……アンタ、"こんなもん"使って何やろうってんだい?"どういうもん"かわかんねぇほど、馬鹿じゃあねぇだろ?」

鷹の様に鋭い視線が、雪兎に突き刺さった。

織機 雪兎 >  
大丈夫、何も減っていない。
むしろ増えている。
推しと尊みが。

「わ、わ」

投げ渡された銃を受け取る。
受け取ると言うか、多少お手玉したが。

「エイン様はこのクソ失礼なクソヤニカスとお知り合いなの? 友達は選んだ方がいいよ???」

なんか知り合いっぽそうな会話をしている二人。
そして早くもエイン様呼びである。

「――だから、禁煙だ、って!」

右手を伸ばす。
抵抗されなければ煙草を奪うつもりだが、如何せん運動の苦手なただの女子高生の動きだ。
避けるも防ぐも思いのままである。

エインヘリヤル > お互いにこの辺の軽口程度に関してはある程度似ているのかもしれない。
ただ、エインヘリヤルのがだいぶ真面目で直情的、キッドのが隠したいことが多いだけかもしれないが。

「ふふ……肩を揺さぶられた程度であんなに乱れるなんて。
 偉そうに言ったところで、まだ修行が足りないっていうやつじゃない?」

そして、ゆっきーに対する態度を見て色々納得する。

ああ、なるほど。
銃に関しては色々思うところがあるらしい。

そうでなければ、このタイプの男がこれだけ言うのも珍しいといえる。
もしくは、そういった地を隠すためにこうなったか、だ。
見た目より繊細なのかもしれない。


知り合いかと聞かれれば。

「そうね、だいぶ不本意ながら。
 落第街を歩いてたら因縁つけてきた上に、ほぼ無警告で発砲するのよ、この人」

クスクスと苦笑するように。
何事もない普通の失敗談みたいに悪行をばらして、風評被害を広めつつ。
……一応事実ではあるのだが。

キッド > 「ふ、アンタに合わせてやったのさ。女王様、俺ァ、女に花を持たせる主義だからな。」

ふふ、と含み笑い一つに言い返す。
当たらなかったのは事実だが、続けていれば当てる自信があった。
自惚れじゃない。止めた以上はアンタッチャブルなものだ。
大袈裟に両手を広げて、おどけてみせる。

「まだ根に持ってんのかい?アンタ。今度は気をつけるよ。なにせ、"悪党には無警告"だって、習ったもんだからな。」

少なくともエインヘリヤルの思想や目的など男が知るはずも無い。
だが、あの場であの態度、あの目、躊躇なく異能を行使した躊躇いの無さ。
敢えて言えば勘だが、自分以外にも向けてる可能性があると言えばそれは立派な"悪党"だ。
法で裁くべき存在だ、と男の中では位置付けている。

さて、雪兎が迫ってくればあーあー、と呆れたように声を上げて、上空へとペッと煙草を吐き出した。

「そうそう、俺は随分なニコチン中毒でね……吸ってなきゃやってらんないのさ。」

勿論、この煙草はそんなものではない。
話せば深い事情になるが、そんな事は口にしない。
ましてや、"悪党"の前で弱みを吐くなら、"汚名"を被るのが余程ろくでなしとして丁度いい。

「……しかし、随分と人の話を聞かないなァ。ゆっきー、人の質問くらいには答えるべきだぜ?」

携帯灰皿のふたを開ければ、すとん、と煙草が中に納まる。

「……ほらよ、ミスマシンガン。これで満足かい?」

皮肉一つ述べて、エインヘリヤルにやったようにおどけてみせた。

織機 雪兎 >  
なんか難しい話をしている。
と言うか置いてかれてないか???
なんだこのヤニクズヤロー。
だんだんむかっ腹が立ってきたぞ?

「何やってんだお前えええ!?!? お前それでエイン様が怪我でもしたらお前アレだぞ、ほら、あの――アレだかんな!?!?」

無警告で発砲。
いくら落第街だからって、そんな世紀末みたいなことが許されるのか。
知らんけど。

「見ればわかんでしょぉ!? 練習してんだよ銃の!! なんだよヘタクソは銃の練習しちゃいけないってのか!! じゃあどうすればうまくなるんだよ!! 練習だろうがよ!?!?!? 銃の練習せずに銃がうまくなる方法あるんなら教えてみろよオァアンン!?!?!?!?」

なんだかとことん馬鹿にされた気がしたのでギャンギャン吠える。
しかも煙草取ろうとしたら避けられたし。
クソッなんだこいつ!!!

エインヘリヤル > ……若干、妙なこだわりの気もする。
そこまで銃に一家言があって気配りが繊細であれば。
この場所での火気厳禁についてもプロフェッショナルになるべきで。

もしタバコに何らかの意味があるのなら、この間のあの行為も理由があったということになる

それはそれとして、なんにせよ、乙女の肌を灰で汚したのは許しがたいのだけれど。
だからまあ、印象を落とすくらい構わないだろう。

「花を持たせるっていうのは、吸いかけのタバコを女の顔に吐き出すこと?
 ずいぶんレディーファストなことで」

くすくすと楽しそうにナチュラルに煽るあたり、まあどっちもどっちかもしれない。

「話を聞かせたいなら、相応の対応があるんでないかしら。
 どうせいつもすぐ手が出ちゃうタチなんでしょう?」

実際にどうかはしらないが、相手を散々煽っておいて話を聞かないもなにもない。
挑発しておいておとなしく話を聞かせる場合は屈辱まみれにするようなものだ。
私もよくやるのだけれど。

などと思いつつ様子見にすこし引いて。

キッド > 「おうとも、立派な"灰被り姫<シンデレラ>"だったぜ。アンタ。
 裏路地に、ガラスの靴は落としてねェよな?今からでも取りに行くかい?」

ああ言えばこういう。灰をつけた事だって微塵も悪びれていない。

「そりゃあもう、煩くなる前に黙らせた方が────……。」

雪兎の金切り声に、遮られる。

「……な?早そうだろ?」

ヒステリックと言わんばかりに吠える雪兎を両手で指し、
両手を広げて"お手上げのポーズ"。
『何とか言ってやってくれよ』と言わんばかりにエインヘリヤルを横目で一瞥するが
そこまでの期待はしていない。火に油でも注ぐほうが得意なタイプだと睨んでいる。

ともあれ、エインヘリヤルの言葉は否定しなかった。
警告なしの発砲。其れは独断の領域であり
規則に則れば罰せられてもおかしくはない。
一重に、彼の"過激な思想"が見え隠れしているだろう。



「アー……落ち着けよ。アンタの音量設定何処でするんだ?首か?そこまでいってねェよ……。」

感情表現豊かのは結構だが、本当に忙しい女だ。
自慢の減らず口も、珍しく淀み気味だ。
"このヒステリック女が"、と胸中吐き捨ててやった。

「アンタ、銃ってモンが何か知ってるかい?当てりゃ"必ずソイツが死ぬか傷つく"、殺意をこれでもかって形にしてくれたモンだ。」

「ソイツを練習してまで、眉間に穴を開けたい連中がいるのかって聞いてんだよ。」

よく言われる。殺意の簡易化、殺人の簡便化。
人を殺す、この一点にかけて此処まで機能美が整ったものは存在しない。
だからこそ、それを"練習"する意味と言うのは、決して穏やかなものではなかった。
……男の腰には、その中でも特大の殺意がぶら下がっている。
そう言ったものを茶化すような男ではない。
真意を口に出さねばならない。真剣な声音で、雪兎に問いかける。

織機 雪兎 >  
「ハァアアア!? ハァアアアアアアアアアアアア!?!?!? お前エイン様の顔に!?!?!? 煙草を!?!?!?!? 吐きつけた!?!?!?!?!? お前わかってんのか!?!?!?!? エイン様のお美しいお顔にもし万が一のことがあればお前!?!?!?!?!? アレだぞ!?!?!?!? その――アレだからな!?!?!?!?!?!?」

尚も音量が上がる。
女性の顔に煙草を吐き付けるとは何事か。
眼ん玉ひん剥いてバンバカ唾飛ばしながら叫ぶ。

「そんなこと知ってるよ!!!! なんなら目の前で頭吹っ飛ぶところ見たよ!!!!!! 一生モンのトラウマだよ!!!!!!!!! だからそうならないためにこうやってうるさい音と反動で痺れるの我慢して練習してんでしょうが!!!!!!!!!!! なんだお前!!!! なんなんだお前!!!!!!!!!!!! ちょっと人より銃が得意だからってお前!!!!!!!!!! クソが!!!!!!!!!!」

ギャンギャンギャンと尚も叫ぶ。
目の前で自身の頭を打ち抜いたセンパイ。
そのセンパイから言われた言葉。
人を撃たなくてもわかる、これはものすごく怖いものだと。
だから震える腕で、引けたへっぴり腰で、少しでもそれを扱えるように、それでうっかり人を殺してしまわないように練習していると言うのに。

「あーっ!!!!! あああーーーっ!!!! どいつもこいつも人を殺すとかどうとかなんとかばっかり!!!!」

織機 雪兎 >  
「これは!!!! 僕らみたいなクソザコナメクジでも人を守れる、人を守るための道具でしょうが!!!!!」

エインヘリヤル > 「ふふ……その殺意をこれでもかって形にしたモノを私に向けて振りかざしたんだから。
 あの対処で間違ってなかったでしょう、やっぱり。

 それに、あいにく最近は、王子様がそうやって銃を向けてくるから自力でやるものみたいよ?」

真面目なことを言ってるところに余計な茶々を入れて、多少ややこしくするくらいは別に構わないだろう。
自業自得だもの。

実際、彼にとって、私は【殺意をこれでもかって形にしたい相手】なんでしょうし。
ここですこし黙っておけば、また違うんでしょうけど。
でも、それではお互いつまらないものね……そうでしょう?


そしてゆっきーの慟哭じみた絶叫。

まあ、正直なんのための道具かはどうでもいい。
所詮、暴力装置でしかない。
人を殺すような力でぶん殴るだけの代物。

あとは飾って眺めるか、サバゲーで振り回すのがせいぜいだ。
そういう使いみちの道具。

さて、もう少し成り行きを見ようかしら。

キッド > 「ま、次あった時は綺麗な血化粧を添えてやるよ。お姫様。
 ……眉間に一発、顔は綺麗なままさ。」

"BAMG!"
人差し指で銃の形を撃って、エインヘリヤルに発砲の真似事だ。
……だが、その視線だけは笑っていない。
次で会う時は、己の正義を執行させてもらう。軽口に乗せた、宣戦布告だ。
ややこしくされようが、何処吹く風。
雪兎の金切り声にも慣れたのか、反論することなく、ごく自然と腰のホルスターに手が伸び、"ソレ"を抜いた。
直後、まさに爆発音と呼ぶにふさわしい音が訓練場に鳴り響く。
訓練用の銃とは比べ物にならない怒号。
まるで、豆腐の様に軽々と的が粉々になってしまった。
その向こう側には、銀色の銃口を的へと向けたまま
雪兎へと視線を向ける男がいる。

「……人を護る為の道具、ねぇ。」

トントン、、と軽く足で床を踏んだ。

「そりゃ、"撃つ側の都合"って奴だ。そりゃ、アンタの後ろにいる連中や、アンタ自身は守れるだろうけどな。」

「"撃たれる側"から考えりゃ、人殺しの道具以外何者でもないぜ?」

「急所を外す?時間がたちゃ、普通の人間は出血だけで危ういもんだぜ?」

「かすらせてみるか?ハッ、脅しが通用しなきゃ、もれなく護れるモンも護れねェ。」

「ストレートに"殺しの道具"だよ。テメェの都合のいいように解釈すんじゃねェよ。」

放たれた弾丸が出来るものは破壊以外何者でもない。
彼女が護る者が背中にあれば、その言葉は正しい。
だが、客観的に見れば違う。"護る為に殺す"。
それを実行するための道具だ。人を殺す以外何者でもない。
口元は既にニヤけてもいない。言葉は僅かに、怒気を孕んでいる。
長く銃を扱ってきたからこそ断言できる。"その事実"は揺るぎないと、断言する。

「……それでもまぁ、まだ半べそでも掻いてでも護りてェッて言うなら……。」

銀の大型拳銃をホルスターへと戻し、雪兎へと一歩踏み出す。

「────そのバカさ加減は、嫌いじゃねェ。」

ニヤリ、口元が楽しげに笑った。

「確かにストレートに破壊しか出来ねェが、弱い奴を一定以上の戦力にするって言うのは間違いじゃねェ。」

「護る為に、効率的な武器の選択は間違いじゃねェ。差し当たって……使うのは22口径。それも、護身用の銃が良い。」

「威力はしょっぱいがな、その分"軽いし、殺傷能力も低い"。アンタみたいな女性でも、軽々扱える。」

……心なしか、男の額に薄ら脂汗が滲み出る。

「……ッ。……で、狙いは"手"か、"肩"……一応"足"を狙うのもいいが、ミスってモモ撃った日にゃァ地獄みるかもな。」

護る為に、殺傷が一番少ない部分を狙うように指示する。
手を、肩を、自らの部位をトントン、と叩き指差し、徐に手袋を外した。

男の手は、歪そのものだった。
歪んだ指先、ごつごつと膨れ上がった手のひら。
何度も疲労骨折と脱臼を繰り返した男の努力の証。

「的は小さいがね……まぁ、相手が余程貧弱じゃない限り死にはしないし、最低限の戦力は削げる。」

「ま、飽く迄相手が"普通の人間の耐久性"に限るがね。…ッ…異能者相手にゃ、思い切って胴や頭を狙う事も必要かもな?的は小せェが……」

「"努力すりゃ、ちゃんと当たるんだぜ?"頑張んな。」

手袋をすぐにはめた。
人に見せびらかすものじゃない。
その手もやんわり、震えてきた。
……そろそろ、タイムリミットが近そうだ。

織機 雪兎 >  
がるるる、と歯をむき出しにして威嚇。

「だからっ――」

尚も人殺しの道具について語る彼に対し、尚も噛み付こうと口を開きかけたが、

「っ!!」

轟音。
彼の持つ、自身のそれとは比較にならない破壊力が炸裂した音。
粉々に砕けた的を見て、ぶるりと震えた。

「――僕は、あんた、嫌い」

それでもなお震える眼で彼を睨みつける。
どんなものでも使い方次第だ。
車だって人を殺せるし、だったら銃でも人は守れるはずだ。

「手、肩、足……」

身体の中心から遠いところ、と言うことだろうか。
そして彼の手。
ごつごつした、歪な形。
その原因までには頭が回らないが、きっと自分よりも、もしかしたらこれから先の自分よりももっともっと努力したのだろう。

「……? どうしたの、大丈夫?」

彼の様子がおかしいことに気付く。
なにやら汗と身体の震え。
体調が悪いのだろうか、と一歩近づく。

エインヘリヤル > ん……なるほど。
やはりタバコには意味があるみたい。

まあそれがいい意味か悪い意味かまではわからないけれど。
それでも、本人が望んでいないものではあるのだろうことくらいは読める。
そして、その分……真面目で本気であることも。

正直、そんなの彼本人の都合でしかないのだけど。
本気でなくても真面目でなくてもいい、必要が伝わるかどうかでしかない。

だってそうだ。
あんな銃で眉間を抜かれたら頭ごと吹っ飛ぶのだし。

「言ってることとやってることが噛み合ってないわよ?
 まるで自分だけは許されるってそう言ってるんだから」

腕を組みつつ、サラリと受け流す。
まあ実際そうなのだろうし、それは自分もあまり変わらないので。
お互い様みたいな話し合いになるわけだわ。

それはそれとして。

ゆっきーは私たちに関係ない。
少しばかり補足しておこう。

「まあ、彼も言ってることめちゃくちゃだけど。
 あんな言い方するってことは誰か殺したか死んだんでしょうし。
 
 実際、銃っていうのは、他人を殺すほどの腕力でぶん殴るっていう、喧嘩するための道具。
 誰でも使いやすい、ね。
 代わりに、誰でもついうっかりやもののはずみで、意図せず殴り殺すかもっていうだけ」

弱くても使えるということは、コントロールしきれない暴力を手に入れること。
実力以上の力を手に入れること。

見かけ上強くしてくれる代わりに、アクシデント率も誤操作率も上がる。
道具は、正しく使うにもなかなか技術がいる。
めったに使わないものならなおさら。

「だから。
 場合によっては、意図しない誰かをうっかりで殺してでも使う気がなければ危ない道具。
 ……そう言ってくれてるのよ」

そう、流れ弾だって、外れて味方を殺すことだってある。
キッドの提案はその偶然を減らすための話。

時間がなくて説明下手のキッドのために。
まだ未来のあるゆっきーのために。

ふたりとも、熱くなりすぎだ。 

キッド > 「ソイツはどうも。こんなろくでなし<キッド>を好きになってくれる奴のが珍しくてね。……ッ…フゥ……。」

「ま、俺はアンタの事が好きだぜ?ゆっきー。」

それは動悸を隠すためのものか、高鳴る動悸が止まらない。
そのための減らず口を何度も重ねた。
何度も何度もでも重ねてやるとも。
一歩近づいた雪兎に、両手を突き出して静止を促す。

「なぁに、ただのニコチン切れさ……。」

「補足どうも、お姫様。……ま、俺は"殺す気"で使ってるからな。出なきゃ、誰が55口径なんてオーダーするかよ。」

それは異能者に向けられたメイドーダー製の拳銃。
平和の担い手の名を冠した割には、拳銃の最大口径。
敵意と殺意だけを鋭利に塗り固めた、曰くの一品だ。

「……それじゃ、一本吸いに行くか……。」

「ああ、それと……お姫様……。」

懐から取り出した煙草を、口に咥える。

「────余計な事は、吹き込むなよ?」

妙にくすぶっている言葉の悪意。エインヘリヤルに釘を刺した。
特に、雪兎みたいなのは心配だ。
ヘンな事を言われなければいいが、これ以上面倒は見切れない。

「あばよ。精々、頑張りな。」

そのまま踵を返し、ろくでなしは去っていく。

ご案内:「演習施設」からキッドさんが去りました。
織機 雪兎 >  
「はい!!!!!!!! 肝に銘じておきます!!!!!!!!!」

彼女の言うことはあっさり聞く。
だってエイン様優しいし。

「言われなくたって頑張りますよーだ」

大丈夫そうなら心配することもない。
べー、と舌を出し、演習施設を後にする彼を見送る。

「……エイン様は何をなさりにここへ???」

彼はともかく、彼女は何しに来たのだろうか、と。

エインヘリヤル > 見るからになんかマズイやつが切れたっていう、そういうキッドの雰囲気。

「ふふ……だって、生き急ぎ過ぎなだけでしょう?」

人のことは言えないけれど。
時間がないからやることを増やしてるだけ。

他人の代わりに死ぬまで罪をかぶるっていう。
ふふ、同族嫌悪かも。

「ああ、せっかくの訓練施設だもの。
 誰かめぼしい人材でもいないかなってね?」

まさか、あんなのとはち合わせるとは思ってなかったけど、と。
苦笑しながら。

エインヘリヤルが優しいかどうかはともかく。
マイペースで自信家故に多少の変態ムーブごときでは動じないのは、ある意味優しいかもしれなかった

織機 雪兎 >  
「じん、ざい……?」

一体何の。
なにがしかの偉い人だろうか、と首を捻る。
風紀――いや同僚にこんな綺麗な人がいたら流石に知ってる。
となると公安だろうか?

エインヘリヤル > 「ああ、申し遅れたわね。じゃあ改めて。
 特殊異能調査機構、特別顧問のエインヘリヤルよ。

 こんな格好しているから、噂ぐらいは多少流れているかもね?」

最近、常世に来た外部組織だ。
公安や風紀と協力関係にあるらしい。
どう考えても、ラフな格好が多いこの常世では、だいぶ珍しい恰好なのは確かだ。

ゆっきーにはぜんぜん別の意味に映るかもしれないが。

織機 雪兎 >  
「とくしゅいの……えっ?」

聞いたことない。
そう言う組織関係の話は小難しいので全部聞き流している。
とは言え特別顧問、と言うことは。

「せんせい……?」

顧問だからと言って先生であるとは限らないのだけど。
背景に宇宙が浮かんでいそうな猫みたいな顔。

エインヘリヤル > 「先生とかの立場じゃないわね……。
 要するに、ある種の責任者みたいな、そういうものよ」

知られてなかった。
まあ風紀も色々だしね、などと思いつつ優しく諭す。

知らないことは知るしかない。

風紀委員と言っても、実際は自警団に毛が生えたようなもので。
正直、質そのものはバラバラ過ぎて目も当てられない。

権限の割に責任能力も低いため、キッドのように怪しいと踏んだら殺人も辞さないみたいな連中も多い。
あかねのアレも様々な事故が起きるだろうなどと、思いを馳せて。

織機 雪兎 >  
「ほえー……」

なんかよくわかっていない。
とりあえずなんかの組織の責任者、と言うことなのだろう。

「それで、そのとくしゅいのうなんとかって組織は何をする組織なの?」

特殊な異能を調査する組織なのだろうけれど。

エインヘリヤル > 「異能とかを調べたりとか、そのついでに風紀や公安に協力したり。
 そういう組織ね」

異能を調べる以上、主に調べるのは人間なのだけれども。
言葉上、どちらも一緒。

その関係で治安を守るためにも協力体制になる部分がある。

「ただ、協力してくれる人とかはこっちで集めないといけなくて。
 それで、今は色々探してる状態なの」

有能ならばそれでいいが、これと言って有能でなくてもいい。
協力者がいるだけで信用度が上がるから。

そして微笑。
「……特にこれと言ってなにかをお願いするわけじゃないけれど。
 協力してくれる?」

織機 雪兎 >  
「ふほへぇぁん」

よくわかったようなわからないような、曖昧な返事。
とりあえずなんか異能を調べてなんかする、と言うのはわかった。

「んああああああああああああ!!!!!!!!エイン様のためならなんでも協力しゅるうううううううううう!!!!!!!」

笑顔を向けられて跪く。
両膝付いて両手を胸の前で握り、神に祈るようなポーズ。
女神はここにいた。
ゴッドイズヒア。

エインヘリヤル > 「ふふ、そこまで大げさでなくても。
 まあ、気が向いたら協力者を集めてくれるぐらいで構わないわ?」

この大げさな感情とポーズがどれくらいの意味なのか、いまいち測りかねるけども。
それはそれとして、適度にはやってくれるだろう。

少なくとも、彼女の誰かを守りたい想いは本物だもの。

とりあえず、大げさなポーズに苦笑するでもなく、やれやれという態度でもなく。
それはそれで好きに任せた上で、お願いね、と立たせてやって。

織機 雪兎 >  
「うひゃあああああああエイン様しゅきいいいいいいいいいいい!!」

両腕をばっと広げてそのまま前に倒れる。
土下座に近いが両手は伸ばしたままだし、ケツも高く突きあげている。
ブザマポーズ。

「――ところで協力って何すればいいの? あいやまだ特に何もないのか」

そう言えば何をさせられるんだろう。
顔だけ上げて聞いてみるが、さっきそう言えば特に何もないって言ってた。
あっぱんつ見えそう。
眼が泳ぐ。

エインヘリヤル > 「ふふ……そうね。
 さしあたって、風紀や公安と同じことを。
 そのついでに、二級学生なんかで面白い異能をみつけたら報告してくれるくらいで構わないわ」

実際、クズどもを一掃するという以外は、主な業務はそういうファミリアじみたことだ。
取り敢えず、数がいる。

なお、聖域は覗き見ることは叶わなかった

織機 雪兎 >  
「面白い異能……」

さて、今まであった中で面白い異能を使う人はいただろうか。

「ええ、でも一応異能って個人情報になるから……あ、僕の異能は反応性の高い魔力をしこたま溜め込む異能だけど」

これでも一応風紀委員なのだ。
人の異能、個人情報を教えると言うのはコンプライアンスとしてどうなのだろう。

エインヘリヤル > 「人物を教えてくれるくらいでも構わないわ?」

別に異能そのものまで知らなければいけないわけでもない。
候補を絞れるだけでもぜんぜん違う。

そういった部分ではお決まりの交流が多いファミリアを総動員しても限界があるため、人間同士のネットワークに頼るのは有効なはず。

「それはそれですごく素敵そうな能力ね?
 自分で思ってるより素晴らしいんじゃないかしら」

異能の話を聞けば、コレはまた素敵そう。
だって、操作は自分でする必要がないかもしれないのだし。

なにもかも一人でしなくても良い。
その実例は、昼間に氷架が事件のあらましで教えてくれたもの。

少しだけ、妖しい瞳で微笑んだ

織機 雪兎 >  
「ふうん……?」

面白そうな異能を見付けたらあとは自分で、と言うことだろうか。
まぁそのための組織なのかもしれないし。

「そうかなぁ、毎月魔力抜きしなきゃいけないし、それで下手すると死んじゃうかもしれないし。反応性高いから、対策無しで近くで魔術使われるとそっちに魔力いっちゃうし」

誰かに使ってもらうにしても、結構扱いが難しいと思う。

エインヘリヤル > 「逆よ。
 たまたま一人で何でもしようと思ってたから苦労してたかもだけれど。

 大事なのは、いつだって方法と必要性でしょう?」

そう。
本人はそれが当たり前過ぎていまいちわかってないみたいだけれども。

魔力を必要としているところだってあるし、貯めることも出来るかもだし、タンクとして誰かと組めば心強い。
場合によってはその手の能力は他人によって何倍にも増幅されることもある。

組み合わせでどうなるかわからないのだもの。

勇気づけるように優しく囁いた

織機 雪兎 >  
「そ、っかぁ……」

わかったような、わからないような。
とりあえず誰かの役に立つかもしれないと励まして?くれていることはわかった。
そう考えるとちょっとだけ嬉しくなる。

「じゃあうん、せめて自分は自分で守れるように頑張るよ」

そう言って銃を構える。
的を狙って引き金を、

「――ありゃ?」

スライドが上がっていた。
弾切れ。

エインヘリヤル > 「まあ、銃って自分が砲台の土台になる道具って考えればいいわ。
 だから、腕で狙うんじゃなく、体幹を使う感じね」

微笑ましい様子を眺めつつ。

「いつだって無理はしないこと。
 出来る範囲にしか手が届かないんだから」

今日は、そろそろかしらね。

織機 雪兎 >  
「うーん……」

マガジンを交換、と思ったのだが、持ってきた分はなくなってしまった。
ちょうどいいし今日はここまでにしておこう。

「じゃあ、無理せず今日は帰ることにするよ。エイン様は? おかえりになるのでしたらお送りしましょうか?」

クールな笑顔で右手を差し出して見せる。
今更クールぶってもさっき散々失態を晒してるからなお前。

エインヘリヤル > 「くすくす……じゃあせっかくだから、お願いしようかしら」

この分であれば、放っておいてもそれなりに活動してくれるだろう。
そう思えば、必要な投資でもある。

なんにせよ、今は手札を増やす時期。
そう考えれば悪くない収穫でもある。

実際、きりはなどとも会わせると面白いかもしれない。
そんな事を考えつつ、誘われるままに。

織機 雪兎 >  
「ウヒョァ」

クールな笑顔はどこへやら、一気に推しと手を繋ぐオタクになった。

「え、えへへ、フヒ、あ、あはは……」

怪しげな笑いを漏らしながら、彼女と一緒に演習施設を後に。
手を繋いでいる間ずっとフヘヘフヒヒと気持ち悪い笑いを浮かべていただろう――

ご案内:「演習施設」から織機 雪兎さんが去りました。
ご案内:「演習施設」からエインヘリヤルさんが去りました。
ご案内:「演習施設」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > 「うむむ、このベルトの力をもっと知らねば。」

と言いながらベルトを手で持ちながらプラプラしながら。

(おい・・・)

「うん?、誰かいるでござるか?」

(目の前だ。目の前)
「・・・?うお・・!?」

と危うく声を出しかける。見るとベルトが喋りだしていた。

「ベルトが・・・しゃべ・・・!?ってよくあることでござったなうん」
(それでいいのか、お前。)

とベルトが呆れた声を言いながら、悪そうに

(お前のことを知ったが、「童貞」を卒業した気分はどうだ?)
「(初めて人を殺したことだよ)」

持流 童男 > 「某は、この手で、確かに、あの怪人を殺してしまった。」
(だろ・・?気分はどうだ?)
「胸がムカムカして最低だったでござる。」
と本気で苦しそうに言いつつ。

(だったらどうする。このまま俺の力を、使えば、お前は守れるものを守れるだろう。だがしかし、自分の道は踏み外すだろうなぁ)」
と嘲笑いながら それに対してニット笑い

「だったらお主のことを知って、加減を知るでござる。だから」
とベルトに言いつつ。

「力を貸してくれでござる。」と懇願するように言った。

持流 童男 > (まぁ、妥協点だ。それなら、俺を腰につけて変身して見ろ)
「分かったでござる!・・・ところでこれ拙者変なやつに思われないでござるか」

(大丈夫だ今お前の回りには人はいない)
と言い切り、
「分かったでござる。加減と本気を見極めるでござるよ。この演習施設で、といいつつ。
ベルトがひとりでに巻き付く。
一息ついて。

持流 童男 > 「変身!!!!」

ダイスロールゥ!!!と甲高い声とともにベルトのダイスが回る。 

闇が持流を包もうとしたが、

重低音と、勇ましい曲が流れ、闇が光になり、輝きが持流を包む

その直後に、勇ましい声で、

『RISE UP ヒーロー!!!』 『シャイニング ヒーロー!』『サンライトヒーロー!!』「ライトニングヒーロー!」

ヴァアアアアアアジンンッ!!!!!!!イズ・ザ!!!ヒーロー!!!!

「輝きの英雄:ヘラクレスぅ!!!!!! イェイ!!サイッコー!!!」

そして温かい輝きから晴れると同時に、中から、角と赤いマント、そして筋骨隆々の見るものに勇気を与えるかも知れない勇ましい姿の異形が

立っていた。

持流 童男 > [1d6→2=2]
持流 童男 > 2本の豪壮な光が、差し込む。 

「よし、とりあえず、仮想エネミーを10体、だすか。」

とシュミレーターを起動させた。しかし、「あっ」ッと言った瞬間、10体のハズが、0を一つご操作して100体としてしまった。

「ままままあ・・?取り消せば・・!?」

また指が滑ったらしく、そのまま実行を押してしまった。
見ればベルトが笑いながら

(甘いこと言ってるなよ、そんなんじゃ失うぜ)

「ま、まじでござるかぁああああ!!!」

持流 童男 > 100体の仮想エネミーに囲まれた。

だがしかし、目の前にいるのは異形のヒーロー、負けるわけがない!

「ヴァージン!ミリオン!!!!ライトニング!パンチぃ!!!!!」

1000の高速のパンチが、仮想エネミーを10体ほど倒す。

「これで10体でござるかぁ!!!しんどいなこれ!!!」

と言いながら縦横無尽に施設内を駆け回りつつ、エネミーの一撃を食らう!だが

「あっぶねぇ・・!受身とってなきゃ危なかったでござる・・!」
と受け身を取ってダメージを分散!だがしかし、痛い!

持流 童男 > 「殺さぬように、加減はしてやるのはシンドいでござる」

だが諦める気はないでござる!
うおおお!!といいつつ

「ヴァージン1000%!!!サンシャイン・・!ラッシュぅ!!!」

と言いつつ、1000%の光速のパンチが、エネミーたちの顎をかすめる!。
50体ダウンした!!

「うおおお!!!後、何体・・!?」

(残り、40体だ頑張れ)

「ぬおおお!!やってやるぅ!!!」と言いつつ

飛び蹴りの構えになりつつ

「これで決めるぜ」

2つの光がヘラクレスの足に集まる。

演習生 > 「よーし!今日も、練習するぞー!!」

「ん?」
とシュミレーターを見る。

「”最高難易度””100体”?なにこれバグか・・?」
と言いつつ設定を変更した。

持流 童男 > 「RISE UPヒーロー!!」
「サンシャインオールキック!」
と言いつつ、40体の仮想エネミーに、分身しつつ、二本の光の豪壮な飛び蹴りを顎に食らわせ、ダウンさせる。

(見事だ、これで終わりだ)

「し・・・死ぬかと思ったでござる・・!ガチで死ぬかと思ったでござる・・・!」
変身解除しながら。焦ったように
(だが、力の使い方と戦い方は分かっただろ?)
「うむ!なんとなく分かったでゴザる」

と言いつつ、ヘロヘロになったので
「お風呂入って帰るでござるか・・・」
と疲れた様子で、演習施設を出ていった。

ご案内:「演習施設」から持流 童男さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に六道 しとねさんが現れました。
六道 しとね > 鍛錬の為に訪れた演習施設。
ぐいぐいと準備運動をしながらまずはグラウンドへと出る。
実に広いグラウンドで有り難い。
ここに来る前はここまで大きなグラインドなども無かった。

「ふー……んっ……し」

大きく深呼吸し、屈伸。
身体が温まるのを感じてから。

「よし」

タッと駆けだす。
まずはランニング。
折角の演習施設だし色々したいがまずはここからだ。

六道 しとね > とっとっとっと……とリズムよく一定の速度で走り続ける。
ゆっくりと、急がずに。

辺りを見回しながら。
焦らず。

施設の壁やら天井やら。
何気ない位置にあるものなどを見ながらとにかく一定の速度を保ち走り続けた。

しばらく走ればじわ、と汗が滲んでくる。
額の汗を拭い、速度は上げず落とさずひたすら続けている。