2020/09/30 のログ
■日下 葵 > 「なるほど?
その辺のお話は私には少し理解しがたい部分も多いですが」
好みの相手……
いや、確かに虐めたら面白そうな子にはよくちょっかいかけているから、
そういう意味で彼女の言うこともわからなくはない、のかもしれない。
「ええ、ではそれでいきましょうか」
殺しそうになったらやめ、というルールを聞いて、
”殺せるものなら”と内心ニヤつく。
両手に三段の特殊警棒を持つと、勢いよく降りぬいて警棒を伸ばす。
「ジーンさんですか、覚えておきましょう。
では、よろしくお願いしますね」
両手の警棒を軽く振って手ごたえを確認すると、一礼。
そして両者の間に投げられるコインを見て、落ちる瞬間――踏み込む。
相手の得物は薙刀、間合いとしてはこちらの警棒よりも数倍長い。
だからまずは彼女の懐に潜り込む必要がある。
身体を低く低く落として、彼女の腹部に入り込もうとする>
■ジーン・L・J > 「そっか、となると私達の共通点は血の気が多いことぐらいか。まぁそれでも接点になるから嬉しいね。」
薄ら笑いを崩さず、握り心地を確認するように軽く指を開いて握り直す。
「こちらこそよろしく、ミズ日下。」
こちらも礼で返すと、薙刀を構える。間合いを悟らせない、穂先を体の奥へ隠し石突を向ける脇構え。
間合いからすれば相手が振り、当然突っ込んでくる。合わせて自分も歩みを進め。
地面ギリギリの低姿勢の突撃、ジーンの笑い顔が邪悪に歪み、突如相手の顔先で大きな閃光と音が放たれた。その発生源は先程のコイン。遠隔爆破の魔術を仕込んでおいたそれは、不意を突けていれば相手の認識能力を削ぐだろう。
「卑怯、とは言うまいね?All is fair in love and war.恋と戦いでは全てが正当化される、って昔から言うだろう?」
いうと同時に顎を狙って叩き上げるように、薙刀の刃先を振り上げる。
■日下 葵 > 「ッ!」
間合いに入り、警棒を振り上げようとした瞬間、目の前のコインが弾けた。
閃光と甲高い音が視覚と聴覚を奪う。
相手の位置を把握できなくなってしまえば、
こちらは最後に見た相手の位置から予想して動くほかない。
左手の警棒を振り上げて、相手の腹部に向けて打撃を入れようとする。
無論、彼女が移動していれば警棒は空を切ることになるだろう。
「いいですねえ!実に実戦らしく汚い手を使いますねえ!」
彼女の言葉は聞こえなかった。
来たる反撃に備えることもせず、
打撃の成功の有無にかかわらず警棒を振りぬくと、
すぐさま自身の両耳に警棒を突き立て、耳をつぶす。
耳が正常に回復するよりも、
一度壊してしまったほうが治りが早いと判断したのだ。
そんなことをしている間に、彼女の薙刀の刃先が顎に当たる。
刃先が削ってあるせいで、切れ味は悪く、
切るといっても叩き切るような形で顔を顎先から鼻に向かって切り裂く。
「そこですかあ!
いいですねえ、目はまだ見えませんが場所はわかりましたよ!」
まだ完全に治りきっていない口許と耳をそのままに、
攻撃から彼女の場所を推測してそちらに飛び込んでいこうか>
■ジーン・L・J > 太刀筋からは明らかに相手はこちらが見えていない。踊るようにくるりと回りながら横に動けば警棒が空を切る。
「ハハハ!喜ぶんだ、君も好き者だねぇ!」
聴覚も平衡を取るのに必要な感覚だ、その動きから聞こえていないとわかるが、その対処法には唸らされた。
殺すつもりで来い、とはそういうことか。魔力の塊であり容易に身体を修復出来る自分以上の回復速度、魔術か異能か、まともな方法でこの相手が死ぬなんてことはないだろう。
薙刀で切り裂かれ、耳を自ら潰し、それもほとんど治りかけているが、全くダメージを気にかけないで更に突っ込んでくる相手。
ああ、どうやら同類らしい。なら…。
「ああ、ここだよ!ハニー!」
練習用の薙刀?そんなもので相手するのはつまらない、殺す気で行こう。これは手合わせじゃない、楽しい殺し合いだ。
牙を抜かれた駄犬
刃を潰された鈍らを捨てて、手元に魔力でトランプを作り出す。縁を鋭く研がれ、鋼鉄並の強度を持ったそれはジーンの切り札。
繰り出された警棒の一撃、目が見えていなくとも聴覚と攻撃方向から類推によるそれは避けるには十二分に鋭くて。
左手で受けざるを得ない、手の骨が砕ける感触を覚えながら、その腕に右手でトランプを突き立てる!
■日下 葵 > ようやく耳が聞こえるようになってきた。
耳が回復して最初に聞こえたのはここだよハニーなんて歯の浮くような言葉。
徐々に回復しつつある視力で朧げに彼女の身体をとらえると、
感覚で繰り出した警棒が彼女をとらえ、左手を砕いた。
その一連のやり取りで間違いなく彼女の位置を把握すれば、
続けて左手の警棒を振り上げようとする。
が、まだぼんやりとして像を結ばない視界が彼女の右腕に何かを見る。
「いいですねえ、いいですねえ!
喜ばしいですよ!そんなものまで繰り出してくれるとは!」
直感的に対処しなければと思えば、
攻撃の為に振り上げた右手の警棒を、突き立てられるトランプに当てる。
目がはっきり見えていれば防げたのだろうが、視界が満足ではない今、
突き立てられたトランプが左腕を掠めてしまう。
「こうなるなら私もいつも使っているナイフを使えばよかったですねえ」
トランプが掠めた左腕は、深く肉を抉ったようで血を流していたが、
あっという間に傷はふさがってしまう。
そして切り付けられた当人はその様子を気にする様子もなく、
防御の為に振り上げた警棒を、今度は振り下げて二撃目を放とうと>
■ジーン・L・J > 「それは良かった、贈るなら花束とかのほうが好みなんだけどっ!」
切断でもできれば止まるかと思ったがそれも不発、恐らくこの程度のコンディション不良に相手は慣れている。
再生速度と痛みの耐性、それを高いレベルで両立させているからこちらの攻撃など何事もないように攻撃を続けられるのだろう。
しっかりと握られた警棒と、指先で挟んだだけのトランプで打ち合えば負ける。振り下ろされる右の警棒に。折れた左腕を思い切り触り、フレイルのように叩きつけ軌道を外側へ反らす。警棒は左のこめかみから肩すれすれを通っていった。
いい加減視力が回復するだろう、距離を取るためにリング中央に向けて飛び込み回転、更に骨を砕かれた左腕から激痛が返ってくるが、その程度こちらとて慣れている。
「持ってるなら使いなよ、ナイフ。後で得物が違うから負けたなんて言われたくないからさ。」
挑発するのは自信の表れでもなく、時間稼ぎ。もし相手がナイフを取り出すために一呼吸でも時間をくれるなら、魔力を流して折れた骨を修復することが出来る。そしてこちらも武器を用意することが出来る。
■日下 葵 > 「私はあまり花とかに詳しくないので分かりませんが、
私は花束よりも9ヤードのベルトとかの方がドキドキしますねえ!」
振り下ろした警棒が、
折れている左手でそらされると驚きと喜びの色が目に浮かんだ。
「持っていないから警棒を使っているんですよ、
それに――使っている得物が違うくらいで戦力が落ちる私じゃありません」
トレーニングのつもりでここに来たのだ。
あいにくナイフをは持ち合わせていなかった。
しかしだからといってコンディションが落ちるタマではない。
くるくると警棒を取りまわして、さぁ来いと言わんばかりに対峙する。
リングの中央に飛んで距離をとる彼女。
すっかり視力も戻って、
お互い改めて機を伺うようにじり、じりと向き合おうか>
■ジーン・L・J > 「うっへぇ!二度とボクの前でヤードなんて言わないでくれないかな!君を嫌いになってしまうよ!」
苦虫を噛み潰したような顔で、いや、実際に噛み潰したかのように唾を吐く仕草。
あな悍ましやヤード・ポンド法、神の如きメートル法に逆らう悪しき単位よ!
ジーンは個人的な事情でヤード・ポンド法を憎んでいる。禁書である自分を記述された単位がそれであるという非常に個人的な理由で。
「いいね、いいねぇ。常に万全とは限らない、常に武器が手元にあるとは限らない、それでも戦わなきゃあいけない。私も似たような立場だよ。だから、こういう風に作ってある。」
ボキボキと音を立てて左腕の骨が修復されていく、それと同時に右手に魔力が凝縮されて現れるのは、鋭い刃を内側に、鋸刃を外側に持った凶悪な曲刀、刈り取り。背中に作った二つ折りの捻じくれた柄と合体させれば、凶悪な刃を持つ戦鎌へと姿を変えた。
また顔が薄ら笑いに戻り。刈り取りを両手で構える。長さを活かすために右手を石突近く、左手が半ば頃。近づかせず切り刻む腹積もりだ。
しばし睨み合いの後。
「行くよ。」
仕掛けたのはジーンから、腰の横に構えた刈り取りで足元を狙って突く。
「ほらっ!」
左右に避ければそちらに払い、奥へ下がれば更に深く突くつもりだ。長いリーチはそれだけで暴力である。
■日下 葵 > 「ヤーポンがお嫌いですか?
ええ、わかりますよ、私も正直メートル法を使えと思います」
でも銃器を扱うとなると避けては通れませんから。
そういって、大きな鎌のようなそれを構える彼女、それに対峙すると、
先に仕掛けたのは彼女。
足元を狙った突きを放たれれば、
左右に避けるでも、後ろに退いて距離を取るでもなく、
彼女に向かって距離を詰める。
「もうお気づきでしょうが、私の得意レンジは近接なんですよねえ」
近づかせないぞという意思を挫いてやると言わんばかりに。
さぁ、私を切り刻んでくれと言わんばかりに、
普通の人間ではありえない距離の詰め方。
死ぬつもりの特攻に、どう対処するのだろう。
こんな風に殺してくれる相手には、期待してしまう。
全力で殺してくれる相手、最高の相手に、期待の色を込めた特攻>
■ジーン・L・J > 「私も銃を使う、それに昔はバイクに乗ってたんだ。表記の違いやインチネジとミリネジの混同に悩まされて来た人生さ。いや、書生かな。」
殺し合いながらの世間話、こんなことが出来る相手と会えるなんて素晴らしい時代だ。まだヤード・ポンド法が残っているのだけは許せないけれど。
「君のことをまだ人並みに考えている部分があってさ。違うんだね、こんなもの相手に、平気で向かってくるんだからさ。」
捻じくれた柄を利用して手首を使って刃を回転させ、鋸歯を上に向ける。そのまま、右足一本で立ち向かってくる相手に合わせて上体を後ろに倒しながら武器を引っ張り、相手の足の間に突いた穂先が上へ振り上げられる、特攻を続けるのなら、足の一本を鋸が肉を削り骨を砕きながら切り落とすことだろう。
それでもなお近づくならば一緒に振り上げられたジーンの左足が牽制か肉壁になってくれるだろう。
■日下 葵 > 「私はむしろ武器を扱ってばかりの生活ですから、
ヤードポンド法の方がなじみは深いんですけどねえ?」
それでも、慣れない単位を使うのは不便だ。
彼女がバイクに乗るというのなら、その混同の悩みは深刻なものだろう。
タイヤの気圧を示すPSIなんかは滅んでしまえと思う。
「ええ、私を人だなんて思わないことです。
私はいわゆる”化け物”なんですから」
彼女が刈り取りを振り上げると、その鋸が右足の付け根をとらえて引き裂く。
骨が一瞬抵抗して、そのまま刃が抜ける感覚が柄越しに彼女の手に伝わるだろう。
「いいですねえ!現場にでてもここまでしてくれる人はなかなかいませんよ!」
片足を失ってバランスが悪くなると、
まるで予習していましたと言わんばかりに身体を屈伸して、
逆立ちするように身体を支える。
振り上げた左足の踵を、彼女が牽制の為に振り上げたその左足に当てて振るう。
そのまま振るった勢いで腕を畳んで転がれば、
右手に持った警棒で彼女の左足を叩こうとする>
■ジーン・L・J > 「馴染みが深い、思い入れがある、そんな理由で不便を飲み込むのは良くないんじゃないかな?ネジの間違いで落ちた航空機だってある、異世界との門が開いて異能や魔術が世界に溢れてるのに、どうして単位系一つ統合できないのさ。失望したよ人類。」
尺貫法からメートル法へ法規制で転換した日本は英断だった。殺し合いの最中に脳の数%も使ってそんな思考をしているのは、これが遊びだからだろう。血と痛みに溢れながら遊んでいるのだ。
「"化け物"ねぇ、私には君はバトルジャンキーな綺麗な人にしか見えないよ。ああ、これでも見えてるんだよ。わかってると思うけどさ。」
相変わらずの歯の浮く台詞を言いながら手に感じるのは肉と骨を切断する感触、足を切り飛ばした。吹き出す血の匂いが鼻腔を満たし、それに酔いかける。
それでも彼女は止まらない。なんてこった、四肢を失うことすら慣れている。どんな人生を送ればそんなことに学生が慣れてしまうんだ?
「喜んでくれてなによりだよ!こんな手段で喜ばせるとは思わなかったけどね!」
こちらの左足は肉壁の役目を果たしてくれた。踵がバランスを崩し、警棒が骨を砕く。ごめんよ私の足、今日は酷使しているね。
だけど、楽しくてたまらない。こっちは一呼吸で、相手は常時再生出来る不死身同士の殺し合い。こんな泥仕合初めてだ。
さっき決めたルールじゃいつまで経っても終わらない。でもそれでいい、こんな楽しいデート、終わらせたくない。
「それじゃあこれは、どうかなぁ!」
穂先と逆側に付いた石突、というよりは小振りなハンマーとも呼べる紡錘型の金具を地面を転がる相手の背中めがけて突き刺すように振り下ろそうとする!まともに当たれば脊椎がやられる、だけど君なら平気だろう?
■ジーン・L・J > ~一旦中断~
ご案内:「訓練施設」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」からジーン・L・Jさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に宇津木 紫音さんが現れました。
■芥子風 菖蒲 >
実習地区訓練施設。
『武術とは一日して成らず』、そんな父の口癖を今でも覚えている。
ただっ広い施設内。本来であれば殺風景な空間が広がっているが
現在は訓練用のプログラムが起動し、あっちこっちに障害物の群れが出現していた。
想定するは何処かの施設内部。日常的な雑貨物が所狭しと置かれており
その隙間を縫うように動く、ホログラムのダミー。
異能者のテロリストが、何かを探すように忙しなく動き────……。
「……!」
その隙間を縫うように動く、黒い風。
黒衣が靡き、二体のダミーが振り返り直前
"躊躇なく"ダミーの首を、一振りで斬り落とした。
柄さえ黒い銀の刀身が煌めく打刀。宙を舞う首と共に、ダミーの体は霞と消える。
「残り二人……」
見開かれた青い瞳、少年の静かな声音が僅かに響いた。
■宇津木 紫音 >
「………不合格。」
念力。しかもティッシュの箱を浮かすのがせいぜい。手品に使える程度ですね。
「…不合格ですね。」
魔術。とはいえ、彼女の目から見て目新しい魔術ではない。
「ふーん……、まあ、不合格ですか。」
炎を吐き散らす異能。派手だが、当人がほぼミノタウロスのような風貌。好みではない。
"ドクウツギ"という異名を持つ女、宇津木紫音。
人を人とも思わず、その能力と風貌だけを中心に、自分勝手に採点して自分勝手に所有しようとする、そんな女。
彼女は今日も、訓練施設で自分勝手な採点をしていた。
「………ふぅん。」
黒疾風に足を止める。目で追いきれない動き、は久々だ。
これが"速度"に特化した異能であれば、まあわからなくもないが。
それとは関係なくただ"速い"動きができるのならば、使えなくもないかもしれない。
まるで試験官か何かのように、外からその光景を眺めて。
薄く笑って、そっとその扉を開いて体を中に滑り込ませる。
■芥子風 菖蒲 >
ダミーと言えど、当然木偶ではない。
間髪入れずに、背後から襲い掛かるダミーのハンマーパンチに
素早く後ろ蹴りを浴びせ、ダミーの体が大きくよろける。
頬を掠めるハンマーパンチの威力に臆することなく、よろめくダミーの襟元を掴んだ。
瞬間、全身が僅かに青白く光る。ダミーとはいえ、設定は全て"リアル"だ。
自分より二回り大きなダミーを、残りのダミーへと投げつけた。
弾丸のように一直線、投げ飛ばしたダミーは"盾"の役割を果たす。
何方も互いに、"本来"剣の間合いではないが────。
「……"そこ"なら届く……」
────ヒュン────。
青白い光を纏う刃が、空を舞う。
横薙ぎに振るわれたそれは、僅かに軌道を描く刹那
二人のダミーの体も二つに割れた。異能を使った、"飛ぶ斬撃"。
全てのダミーが消失すれば、周囲の雑貨も何もかも消える。
殺風景な景色と、黒衣の少年だけがそこに残った。
例え訓練と言えど、"一切の躊躇い"はそこにない。
実に静かで氷のような殺意。それが収まると同時に、光も消える。
刀を鞘に納めて、一息。
「それで、俺に何か用?」
入ってきた少女に、顔を向けた。