2019/02/08 のログ
ご案内:「青垣山」に天導 シオンさんが現れました。
天導 シオン > 澄んだ空気と頬を撫でるような風。そして、自身の故郷を彷彿とさせる懐かしい匂い。
それを身体いっぱいに取り込んで、好奇心のまま足を進める彼女

「良いねぇ、こういう所」

鼻唄を口ずさむ程に上機嫌。
ふと手頃な木に目を向ければ、軽く跳躍して程良くしなり、それでいて強固な枝に手を引っ掛けて、器用にするすると登っていく。
体重を乗せられる大きな枝に跨って、幹に背中を預けて、先に見える小さな集落を発見すれば、建造物を観察するように見詰めていて

天導 シオン > 「なるほど、この道はあそこまで繋がっているかもしれないな。行けそうだ。立ち寄ってみようかな?」

集落の入り口にはしっかり、道が出来ており、その後その後を目で追ってみる。生い茂った雑草や木々に遮断されて、奥を見れば見る程、そのルートを確認するのが困難に。
それでも、自身がこれまで歩いた山道と似ているのは間違いない。恐らく、道なりに進んだ先に構えているのがあの集落だろうと、容易に推測できた。

「でも、着いたところでね、泊まれる場所も…あるのかここからじゃ分からないな」

道を確認して立ち寄れると確信した所で、次はどうするか頭を悩ませる。
宿くらいは恐らくあるのだろうが、どれも似たような構築がされている。それなりに山道を深く進んできたし、何の備えもしておらず、単身である。
野宿だけは避けたい…。

ご案内:「青垣山」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「おや、こんなとこに随分軽装な子が。」

フィールドワークの帰り道、人里からはだいぶ離れた場所だというのにも関わらず、妙に野生動物の気配を感じない事に首を傾げていれば。
低木の茂みを掻き分けた先、樹の上にひとりの少女が居る事に気が付いた。

「おぉい、こんなとこで何してるんだい。
 見たところ登山部ってわけでも無さそうだけど。」

迷子って感じでも、遭難者って訳でも無さそうだ。
でもまあ、一応声をかけてみる。

天導 シオン > 「おっ、人だ!」

さて、行くべきか引くべきか腕を組んで唸っていた所、自身の足下辺りから男性の声。
幹に手を添えた後、宙ぶらりんの足から放るように跳び降りて、足音を最小限に軽やかな着地を見せる。

「登山部?そんなのあるんだ。
でも、私はただの散歩だよ。つい見晴らしが良かったから…」

まずはこんばんはと元気に挨拶。
人が通るとは思わなかったので、はしたない所を見せたと照れ臭そうに。
そんな部活も存在するのか。しかし、ただの散策の為にその点は否定して

「君こそ何しにこんな所へ?人気も無いから危ないと思うけど?」

一見何もないのどかな場所だからこそ、獰猛な野生生物でも遭遇しそうだ。
その手の護身を得ている自身は大丈夫として、時間も時間なので相手を気にかける様に。

暁 名無 > 「はいはい人ですとも。」

そりゃあもう由緒正しく人ですとも。
軽業師よろしく木から飛び降りた少女は、散歩をしていたという。
こんな時間に、こんな場所を、散歩。いや俺も人の事言えないけどとんだ物好きも居たもんだ。

「俺は放課後のフィールドワークの帰りさ。
 ご心配どーも。まあ、慣れてるから大丈夫。」

獣除けの護符も一応身に着けている。
異邦人街のセールで買ったものだが、これが案外役に立つもんだ。
いやまあ、それは置いといて。

「心配するなら自分の身の心配もしなよ。
 小枝や笹でせっかくきれいな太ももに傷がついちゃうぞ?」

天導 シオン > 「何その反応!
そうなんだ、お疲れ様です。
それに、確かにきっちり準備してきてるな…え、効くの?それ」

薄いリアクションにはあしらわれた様に感じたのか、少しムキになって、何とも幼稚で間の抜けた面をみせる。
相手の苦労も知らぬ様な軽い労いを見せた後、相手の身に着けている護符をまじまじと見つめる。
商店街に立ち寄っては魔除けとして売られている護符には、あまり性能を信用していないらしく、興味深そうに。

「ちょっと、どこ見て言ってんの!
何が?その程度の傷、付いても唾つけて絆創膏貼ってりゃ治るから!」

露出は確かに多いが、機能性を考慮しているだけで、人に見せるものではない。語気を強めて訴える。
外遊びに傷は付き物。そして唾を万能の治療法と過信している田舎民特有の思考。頑丈で健康的な身体を誇る様なドヤ顔を浮かべて。

暁 名無 > 「まあ、人だ!って言われたら人です、って返すしかないじゃん?
 割と効くもんよー、俺も半信半疑だったけど。
 異邦人の創った奴だから、こっちの魔術様式とはまた異なってるのかね。」

首から提げたペンダント式の護符。黒曜石か何かで勾玉のような物が造られている質素なやつ。
それをまじまじと見つめる少女を、こちらもまじまじと見返す。
学校の生徒で見た覚えがあるような、無いような。

「どこってまあ、流石にそんな短い丈のパンツ履かれて頭上に居られたら自然とね。目に入るでしょ。
 ……ああ、うん。そういう人も、居るね。」

すっごい原始的な民間療法を信じきっている。
まあ、イワシの頭も何とやらというし、本人がそれで良いというなら、それで良いんだろう。

「それでお前さんは……名前は?
 ああ、俺は暁 名無。いちお学校の先生やってるんだけど。」

天導 シオン > 「何だかそういう御守りって、魔術を用いて邪気を払う力を対象に注入する。とか私も聞いたことはあるけどさ…。なんというか分からないじゃん。
私が適当に念動力を送って、魔除けです!って言っても分からないじゃんね?」

一応効くのか、その手に頼らない自身としてはなお興味深そうに。
というのも、そんな護符から不思議な力を感じた事も無く、胡散臭く思ってしまうみたいだ。
魔除けの力を送る手段も分からなければ、その効果を維持し続ける仕組みも分からない。現物に触れたくらいじゃ効能を探る事も出来ない為、魔除けと謳った詐欺行為も容易いのでは?と。

「それは、まあ…人が居るとはね。思わなかったからですねぇ…」

言葉を詰まらせ、あからさまに自覚がある事を悟らせる。
過去に似た様な指摘を受けた事があるのか、その声も非常に弱々しい。

「私は天導 シオン。
常世学校?ってとこの1年生!」

そして、自身の所属している学校名も曖昧な自己紹介

暁 名無 > 「まあ、確かに。素養が無けりゃおまじない以上の効果は信じられねえよなあ。
 まあでも分かる人間には分かるというか、こればっかりは説明が難しい。」

正直なところ、効果が無ければ無いでアクセサリとして身に着けておけばいいやと買ったものだとは言い出せない。
ちなみにこのペンダントお値段なんと1500円。一応効果があるわけだし、もうちょっと取っても良い気がするよなあ。

「ま、俺としては良いものを見させて貰いました、って感じだけど。
 なるほど、確かに見晴らしが良かったわけだ。」

何が“なるほど”なのかは言った自分でもよく分からないが、
まあそれはそれ、とにかく目の保養にはなった。今の時期スカート穿いてても下にジャージ、とかざらだしね。

「ふむ、テンドー……天導ねえ。
 そのうろ覚えっぷりから察するに、割と最近転入してきたくちか。」

やっぱり生徒だったわけだ。
見覚えが無いのはまだ学校に来て日が浅い所為だろう。

天導 シオン > 「なんかそれ、ウチの奴も同じ事言ってた。お前には一生分からないってバカにして!
だからシメてやったんだけど、その手の力が分かる人にも説明しようがないなら仕方ないか」

ウチの奴、とは自身の生前所属していたギルドメンバーの一人。
マジックアイテムは魔術に精通した者が触れた方が、やはりよく分かるらしい。しかし、細部までは説明つかないとなると、やはり効能は不透明で曖昧な代物なのだろうか。

「やかましい!今日見た物は忘れてよね!」

何がとなれば大抵察しが付く。
相手の言葉を遮る様に一喝して、しどろもどろになりながら懇願した。

「バレちったか。本当は入学する予定も無かったけど、行く宛もなかったしね。
机に座って話を聞き続けるより、やっぱりあちこちを回った方が性に合うわ」

浅い上に、学習意欲は皆無。座学とは縁の無い、というより拒絶し続けていたから、苦痛以外の何物でもないらしい。

暁 名無 > 「半分感覚的にやってる部分もあるから、説明、となるとかなり手間なんだよな。
 1+1がどうして2になるのか、っていうのと同じでさ。
 まあ、俺も昔は分かんなかった側だし、疑いたくなる気持ちも解るって事で。」

もっと魔術方面に傾倒してる先生なら多少は詳しいかもしれないが、生憎と俺の専門はナマモノである。
こればっかりはどうしようもない。大変申し訳ない。

「ええー、可愛い子の柔肌を忘れろだなんて殺生なー」

我ながらひどい棒読みが口から出てきた。
もっと他に言い様ってもんがあったろうに思う。いや、無いか。

「まあ、一日中居ろとは言わないが、多少は知っておいた方が良い事もあるもんさ。
 体動かすのが好きなら、俺んとこの講義をオススメしとくぜ。大半がこうやって山や荒野の中に行くからさ。」

それでもやっぱり座学はたまにやるけども。
だって上からのお達しだもの。出来れば俺だってやりたくねえもん。