2019/02/24 のログ
ご案内:「クローデットの私宅・試験期間前」にクローデットさんが現れました。
ご案内:「クローデットの私宅・試験期間前」にヴィルヘルムさんが現れました。
ヴィルヘルム > 試験。それは一般的な学生にとっては苦痛に感じるイベントだろう。
この青年にとっても概ねそれは同様だったのだが,一点だけ,嬉しいこともあった。

「……………。」

魔術書のページをめくり,術式構成の概念,魔術言語について学んでいる。
それだけならただの苦行だったが,今日は違う。
今日は,青年のためだけの先生が付いていた。
それは青年にとって,一人で学習するよりずっと気の抜けない時間だったが,
その反面,どんなに難解な内容を前にしても,何とかしてやろうと意気込める,幸福な時間でもあった。

クローデット > 真面目くさった表情の青年を柔らかい笑みで見守っている「彼だけの」講師は、気持ち青年の方に体を傾け、彼の学習の様子を伺っていた。傍らには、彼女がレポートを提出するためにきっちり解釈しなければならない専門書。
魔術ではなく、科学哲学に類するもののようだ。

「要素の組み合わせだけでなく、論理の接続の仕方でも術式が破綻する場合もございますので…よく、ご注意下さいね」

青い視線が青年の手元に落とされ、甘やかなソプラノで言葉が紡がれる。

ヴィルヘルム > 「…そっか,そうなると……。」

構成しているのは,単純な“火球”+“誘導”のスクロールを作成するための術式。
魔力の蓄積された物体に刻み込み,その魔力に属性を与えて,指向性をもたせる。
一つ一つの魔術言語は魔術書を読めばすぐに分かるが,その構成となると,初心者には非常に難解である。

「……あれ,こっち先だとダメかな…。」

相手に向かって飛翔する。という部分はある程度できている。
問題はこれだと,単純な魔力波になってしまい,即座に霧消してしまうことだろう。
貴女のアドバイスから,問題点には気付いたようだが…。

「…えっと…………。」

もうだいぶ長い時間,こうして机に向かっている。
そろそろ疲労の色が見え始めているだろう。

クローデット > 付与した属性をどのように維持するかはいくつか方法がある。
魔力効率を重視するならば…指向性に合わせて、属性の密度を調整したりするのも手だろうか。
青年ほどではないなりに魔力に困らないクローデットは、破壊力の上乗せも兼ねて色々おまけをつけてしまうのが好みだが…

「………お茶を、お持ち致しましょうか?」

あの表情では、彼なりの案も浮かぶまい。
少し緊張を解せないかと、柔らかく問いを投げかけた。