2019/03/10 のログ
アガサ > 短い言葉に明確な意思。
力に満ちたメッセージはそれだけで人を呪わんと……はしないけれど、私の顔が渋いものになるには十分なもの。
だけれども、メッセージの送信位置が煙の上がる箇所と言う事には目を瞠る事にもなった。
コクピット内に表示された頭部メインカメラからの映像には、半壊した機体の傍で元気に手を振る先生の姿があったんだもの。

「肉眼で視得る訳ないですって。ええ、はい。カメラがきちんと姿を捉えてはいますけどぉ……って引き分けはおかしくないですか!?
私の方あと3分もすれば動けるんですけどー。いえ、3分以内に先生がリスポンしてきたら負けますけど……まあ、そうですね。折衷案と言う事で平和的に?」

先に仕掛けてきたのは先生ですけど、ときっちり言葉のミサイルを先置きしてから溜息と共に告げる。
此処でオマケをしておけば内申点がすこうし良くなるかも、なんて思惑も多少はあったりするけれど、それは閑話休題《それはさておき》ってもの。

「それにしても桜庭先生がこういうゲームやってるの、意外といえば意外な感じしますけどー……私が言うのもなんですけど、アバターがそのままだと余計な攻撃とかされませんか?」

何しろ桜庭先生は先生で、しかも風紀を取り締まる側だもの。当人のあずかり知らない所で買う恨みとかも、当然あるだろうなあって私は首を傾げるんです。
あ、AIが気を利かせて私の機体の首も傾げてくれました。ういーん。

桜庭 美月 > 「リスポーン自体は3分ありゃいいけど、ここに来るまでに逃げられちゃうだろーな。
 冗談冗談、流石にここまできたら負けでしょ。
 まさかあそこでそんなギャンブルに出られるとは思いもしなかったもの。

 アガサちゃん、度胸あるねぇとか言われたことない?」

手をひらりと揺らしながら、相手の言葉もからからと笑って流してしまう。
多分、恩を売ってもあんまり覚えていないタイプだ。

「……ん? ああ、ゲーム自体はずーっとやってるよ。 そこらへんの有名ゲームなら一通り全部。
 ……あー、いやほら、余計に攻撃されるってことは、たくさん戦闘ができるってことじゃない。
 現実世界だと一対多数で囲まれてとかもあるけど、こっちだと一応制限もゲーム側でかけてくれるわけだし?」

にひひ、と笑う姿は圧倒的な自信が漂う。
まあ、本音としては、こんなところで襲撃されるより、異能を用いて現実世界で襲撃される方が100倍恐ろしいからだけれど、それはさすがに口にはしなかった。

「とりあえずアガサちゃん、動けるようになったら迎えに来てよ。
 私、機体をさくっと転送させるからさ。」

ついでに生徒をタクシー代わりに乗せて行ってもらおうとする女教師。
頼み方もまた、堂々としたもの。

アガサ > 「ギャンブルするつもりは無かったんですよ。でも手持ち的にやらざるを得なかったというか……このおもったい武器、売り払ってマイクロミサイルでも積んだ方がいいかもしれません」

レーザー機銃にチャフやフレア。そういった基本装備はあるけれどミサイルまでは積んでいない。もう少し探索とかで良い物を拾えたら、売り払って大型機に機種変換もいいかもしれない。
私がそう思案している間にエネルギーが戦闘こそ無理だけれど動ける程度には回復したものだから、私は人型から戦闘機へと機体を変形させてゆっくりと先生の元へと降りていく。

「ゲーマーさんなんですね、先生。私はあまりこういうのはやらないんですけど……ほら、春休みですし。せっかくだし色々やってみようかなって」

脚部を展開し、人型と戦闘機の中間のような状態で先生の墜落現場へと駐機し、キャノピーを開けて手を振るのは改めての御対面だから、と言った所。
ちなみに私の恰好はバニラ装備というか、最初に貰えるパイロットスーツです。無味乾燥な色合いと質感が特徴。

「一応来ましたけど、普通にログアウトすればそれで戻れる筈ですよ?」

ほら、と操縦席から立ち上がってホロ表示のメニュー画面を開く。すると右端にログアウト表示が……なんてことは相手も知っている筈の事で私の顔の眉がぐんにゃりと顰められるんです。

桜庭 美月 > 「それなら、まあ買い手はつくだろうし、上級者のサブ機体そっくり交換するとかもありかもねー。
 ……でもまあ、好きで選んだなら、同じレベルのレア武器と1:1交換がいいんじゃない? 機体に合う奴とさ。」

 近くに降り立つ相手に片手を振ってウィンク一つ。
 こちらはどちらかというと身体のラインがくっきりと浮かぶピッチリ系パイロットスーツ。光沢がしっかりある素材。

「ん、まあそうだけど。
 せっかく会ったのにただログアウトも面白くないからさ、乗せてもらおうかなって思うわけ。
 それともアガサちゃんもここで終わらせて、一緒に外出る?」

ふーん、こんな機体に乗ってるわけね。
あー、なるほどー。 なんて、ぶつぶつ言いながら無事だった相手の機体回りをぐるりと回って。

アガサ > 「そもそもが、そこまでやり込むかなあって疑問もあるんですけど……いやあの桜庭先生。これ、一人乗りです」

ハデな感じのパイロットスーツを着込んだ先生に呆れ顔を隠しもしない。
浮島群を吹き抜ける風は初夏のように爽やかな緑の香りを含んでいるのに、台無しにするような呆れ顔。

「私が先生の膝の上か足の間に座る形になっちゃいますよ。流石にそれは狭いと思うので……って動きが怪しいんですけど~?」

くるくる回る先生に合わせてレーザー砲塔もくるくる回っちゃいます。流石に撃ちはしませんけれど。

「……あ、そうだ。負けを認めてくれるならパーツは要りませんから、今度橘でケーキ奢ってくださいケーキ!」

ふ、とそういえば負けを認めていたことを思い出して私は言葉を跳ねさせる。
ゲーム内の出来事を現実世界に波及させるきっと非常識な行為を堂々と宣言しました。
同意の有無は後の話。今の話は、いざログアウトしようとしたら「ログアウト先がありません」なんてエラーメッセージが一度出て焦ったりしたってこと。

ご案内:「ACE Survival(電脳世界)」からアガサさんが去りました。
ご案内:「ACE Survival(電脳世界)」から桜庭 美月さんが去りました。