2019/03/02 のログ
ご案内:「クローデットの私宅・誕生日」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > 誕生日。約束の日。
クローデットはリビングで趣味の読書をしながら約束の相手が訪ねてくるのを待っていた。
台所では、ハウスキーパーが控えている。
今のところは、甘いものは「出てくる前」、飲み物はまだ準備すら始まっていない。
一応、名目上は飲み物の淹れ方について指導をする約束だからだ。
ご案内:「クローデットの私宅・誕生日」にヴィルヘルムさんが現れました。
■ヴィルヘルム > 約束の時間の数分前だろうか,扉を叩く音が響いた。
紙袋と花束を抱えた青年が,どこか落ち着かない様子で,そこに立っている。
こうしてこの扉を叩くのにも慣れたはずなのに,
今日は何故だか…理由は明白なのだが……心臓が高鳴るのを,自分でも感じていた。
■クローデット > 約束より早めの時間に扉を叩く音がする。クローデットは口元でくすりと笑んで立ち上がった。
(…さて、彼はどんな花を選んでくれたのかしら?)
「ようこそ、いらっしゃいました」
扉を開けた時のクローデットの笑顔の輝きは、単純に歓迎の礼儀を示すだけのものに留まらない、楽しみに溢れているだろう。
■ヴィルヘルム > 貴女の笑顔が,普段は何より安心するはずのその表情が,青年の鼓動をより早くさせる。
「少し…早かったかな。」
そう言ってはにかむヴィルヘルムが手にしていたのは,ガーベラの花束だった。
曇りない純白の花と,淡く可愛らしいピンク色の花が貴女の歳の数だけ散りばめられ,ラッピングは淡い緑色で,どこか神秘的で,優しい色合い。
「お誕生日…おめでとう,クローデット。」
緊張に声を僅かに上ずらせながら,貴女に花束を渡そうと,差し出した。
■クローデット > 差し出された花束は、なんというか、思ったよりも純朴であった。
(もう少し、情熱的なものを選ばれるかとも思いましたけれど…まあ、お互いに時期尚早、という認識なのでしょうね)
クローデットの笑みが、ふっと優しくなる。
「…ありがとうございます。大事に飾らせて頂きますわね」
そっと、優しい手つきで差し出された花束を受け取る。
「それでは、どうぞおあがり下さい」
それから、青年を家の中に招き入れた。
■ヴィルヘルム > 貴女の表情からその想いを読み取ることはできなかったが…
「そう言ってもらえて,良かった。」
…安心したように笑む青年は,すでに耳を紅色に染めていた。
貴女の想像の通り,この青年は敢えて,愛の告白に用いられるような花を避けた。
というよりも,避けざるを得なかった……それを,面と向かって渡す自信が無かったから。
「あ,待って待って……!」
家に上がる前に,ヴィルヘルムは手にしていた小さな紙袋から,可愛らしくラッピングされた,小さな箱を取り出した。
それを,貴女に差し出して…
「…お花だけだと,ずっとは残らないから…その……もし良かったら,これも!」
■クローデット > (…本当に、分かりやすいですこと)
安心したように表情をゆるめながら耳を赤らめる青年を見て、くすりと、嫌味のない笑みを零す。面白がる意図がないとは言わないが、好ましさの方が勝った。
まさか、今更「自信がなくて」という理由で愛の告白に使うような花を避けたとは思わないクローデットだったが…
(…ああ、そういえばこれはバレンタインの名目ではございませんでしたわね)
そんなことに思い至り、とりあえず納得をした。この辺の機微は表情の変化としては現れないが、瞳が思案がちに動いたかもしれない。
青年は、家に上がる前に焦り気味にクローデットを呼び止める。そして差し出されたものに…
「………あら、わざわざありがとうございます。
…でも、どう致しましょう。手が塞がってしまっておりますわ」
クローデットは楽しげに微笑んだ。先に渡された花束は、本当に大事そうに、優しく抱きかかえられている。
■ヴィルヘルム > 貴女が花束を両手で抱えているのを見て…その意味を察して,
「あぁ…それじゃ,もうちょっとだけ僕が持ってるね。」
小箱を袋に戻し,貴方について家に上がった。
実際のところ,貴方にお花を贈るなんて日が来るとは思っていなかったし,こういう場面に慣れていないのも事実。
そして何よりも,花束を贈る…という,ある意味で平凡だがそれ故に意味のある行動に,気負ってしまったのだろう。
「……正直,喜んでもらえるかどうか,ちょっと心配だった。」
そんな本音が小さく零れたり。
■クローデット > 「せっかくですし…落ち着いてから、ヴィルヘルムの前で開けさせて頂いても?」
柔らかく笑みかけながら問う。
そして、家の中に入ってから…
「ジュリエット、白の花瓶を使いましょう。準備して頂けますか?」
と、台所にいるハウスキーパーに向けて品良く、しかししっかりと声を張った。『はい、ただいま』と落ち着いた声が返ってくる。
「あら、ヴィルヘルムがわたしのことを考えて選んで下さった花が、嬉しくないわけがないでしょう?
よほど変な花言葉であれば、少し考えたかもしれませんけれど」
なんて言って、少し悪戯っぽく笑う。
■ヴィルヘルム > 「ちょっと恥ずかしいけど…そうだね,勿論。」
しっかりと頷いて,貴女の後をついていく。
ハウスキーパーのジュリエットに会釈をしてから,貴女の言葉に,内心で少しだけ安堵した。
貴女が花言葉を,きっと自分以上にはよく知っているだろうと,そう思ったからこそ,安易な意味のものを避けたのだ。
………でも,いっそそういうお花を持ってきてもよかったかもと,そんなことを考えて…
「結構迷ったんだ…こっちの方が,先に決まったくらい。」
小箱の中身は,どうやらあまり迷わずに買えた様子。
■クローデット > 「「合うもの」という指定をいたしましたから、少しは考えて頂きませんと。
…それをさしおいて決まった贈り物というものも、楽しみですわね?」
くすくすと、楽しそうに笑う。毒気は抜けたが、「いい性格」の部分は完全になくなっているわけではないのは…青年にとっては今更でもあろう。
そうして、青年をリビングに案内すると…そこに、ハウスキーパーがやってくる。
『お花を生けてまいります。お預かりしても?』
と、クローデットと…青年の様子を伺うように落ち着いた声を発した。