2019/03/20 のログ
ご案内:「クローデットの私宅・誕生日」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 【2019/03/02 Free3の続きです】

手順を一からさらって味を確認するのには、道具や材料もまっさらにしなければと考えたのだろう。飲み終わった後のカップも、お茶を淹れるのに使った道具も綺麗に洗われた。

『それでは、シュピリシルド様もご自身の手でお試しになって下さい』

再度準備された道具を前に、講師たるハウスキーパー、ジュリエットが促す。クローデットは、その様子を穏やかな微笑を浮かべて見ている…。

ご案内:「クローデットの私宅・誕生日」にヴィルヘルムさんが現れました。
ヴィルヘルム > 真剣な表情で実践に挑むヴィルヘルム。
この男はさほど器用な方ではなかったが,その分,愚直なまでに素直だという美点がある。
ジュリエットに言われたことの一つ一つを,言われた通りにこなすことはできる。

「最初に…」

ポットとカップを温め,お湯を捨ててから茶葉を量る。
それから,お湯を注いで,蓋を閉じた。すこしだけ控えめに注いだが,もう少し勢いを付けてもよかったかもしれない。

「…………。」

そして何だかヒットしている砂時計をひっくり返し,カバーをかけた。
砂時計の砂を見ていて,カップのお湯を捨て忘れそうになったりしている。

クローデット > 少し慎重すぎるように見えたが、概ね手順は正確に見える。覚えは良いらしい。
カップのお湯をまだ捨てていないのは…まあ、注ぐ前に気づけば問題はないだろう。

『良く覚えていらっしゃいますね』

ハウスキーパーの平静な声が、穏やかにヴィルヘルムの手際を褒める。
…その裏で、クローデットが冷蔵庫付近で何やら静かに動いている。

ヴィルヘルム > 砂時計の砂が全て滑り落ちるのを見守ってから,カバーを外す。
ティースプーンで中をやはりやや控えめ過ぎる程度に混ぜてから,茶こしを取り出してカップに注いでいく。

「……………。」

丁寧すぎるくらいに,最後の1滴まで注いで…ふぅ,と息を吐いた。
手順そのものはほぼ問題ないだろうが,動作の1つ1つがやや遅く,ほんの僅かに渋みのある紅茶になっているだろう。
もっともそれは誤差の範囲内と言っても間違いでない程度のものだったが。

「…慣れてなかったから,ちょっと緊張したかも…。」

ジュリエットにそう答えて,ヴィルヘルムは笑って見せた。

クローデット > 『手順が正確ですから…お嬢様とさほど変わりないくらいのお味は出ていると思いますよ』

表情はさほど動かないながらも、青年に穏やかな声をかけるジュリエット。
その横で…

「ヴィルヘルムが淹れてくれたお茶は、まずはそのまま味わいますけれど…その途中でお出しするのも不自然ですから、並べてしまいますわね」

そう言って、クローデットがケーキの乗った皿を3つ出してきた。
チョコレートのクリームを、デコレーションにたっぷり使ったケーキだ。

全員が位置につけば、ヴィルヘルムの淹れたお茶の試飲を兼ねた、お茶会が始まるだろう。

ヴィルヘルム > 「ありがとう…忘れないようにしないと……。」

実際に一度やってみたことで,多少は染みついた。
とはいえ,練習しなければすぐに忘れるだろう…まずは砂時計を含めたセットを揃えなければ。

「あ,クローデットどこに行ったかと思った…って………ありがとう,何だかホントにお茶会みたい。」

ケーキが出されれば素直に喜んで,椅子の1つに腰を下ろす。

クローデット > 「ふふふ…ヴィルヘルムが集中しているうちに、と思いまして」

楽しげに笑いながらそんなことを。
そうして、全員の席のところにティーカップとケーキ、カトラリーを揃えて…

「…それでは、まずはお茶から頂きましょうか」

そう言ってクローデットと…大差ないタイミングでジュリエットも、ティーカップに口をつける。
香気を楽しむ、ゆったりとした呼吸。静かに傾けられるカップ。
ジュリエットの方は淡々としているが、クローデットがティーカップから口を離す時の吐息はゆったりとしていて、表情の柔らかさと合わせて青年が淹れたお茶が十二分に「仕事」をしていることが伺われるだろう。