2019/09/23 のログ
■春寺谷 れもな >
わざとらしいほどのイチゴの匂い。お菓子のイチゴといえばこの味、この香り。
ご機嫌でチョコボールを貰ったその手にはエロ本。
もはやアレとかコレと言うのも面倒なほどにエロ本である。ぽいんぽいん。
「チョコボール貰ってたらお腹減ってきちゃったな~」
はい、と本人に2冊を差し出した。
能天気にニコニコぱわぽわした顔で、性癖の出る本を差し出している。
悪夢に見えるだろうか。現実に見えるだろうか。
■水鏡 浬晶 >
このわざとらしいイチゴ味。
こういうのってだいたい味が再現されてるけど、メロン味だけなぜかき氷のメロン味なのだろうか。
そんなどうでもいいことを考えて現実逃避したいくらいにはそういうもんである。
「…………何が望みだ……」
冷や汗ダラダラでエロ本を受け取る。もうエロ本でいい。エロ本。
悪夢どころかこの世の全てを犠牲にしても見たくない光景である。
■春寺谷 れもな >
「えっ汗こわっ。どったのアキ先輩……お腹痛いの…?」
れもな渾身のドン引き顔である。今日のドン引き分はここで使い果たした程度には。
そもそも自分がその胃痛頭痛冷や汗の元を手にしているとは、まず思わない。
「なんでいきなり魔法のランプみたいな事ゆってんのぉ。あれ?魔人のランプだっけ?
別に望みとかなんかそんなんないっていうか…なんでそんな冷や汗だしてるの……???」
逆におろおろしはじめた。
■水鏡 浬晶 >
「頭もお腹も痛いよ。ええ、お前の持ってる本のせいで。
マジでこうさ……プライバシーに配慮してくれ……」
そう、腹痛と頭痛はあるのだ。かわいそうである。
やんわり伝えた…というが嫌味っぽくなったが、果たして伝わるのだろうか。
「どっちでも良いよ、頼むからその本のことは忘れてくれ。
ほんとに…頼むから。一食分くらいは奢るから……」
げんなりし始めた。
■春寺谷 れもな >
しばし水鏡を見つめた状態で、ひじょ~~に不思議そうな顔を晒す。
何でこの人こんなに焦ってるんだろ。あ、マツ毛ながーい。鼻筋しゅってしてるすごーい。
でも手元にエロ本持って……ああ!そっか、そういう事か……。
「…お部屋、片づけたら良いんじゃ……??」
れもなの言葉が刃となって水鏡をえぐりに行く。
そもそも不法侵入をするなというところに立ち返ってしまったら、まあ、その。
しかしアホの子はそんな2段3段と言葉を考えないのである。そういえばおそば食べたいな。
ご飯は奢ってもらう気マンマンだった。ハンバーグでもいいかもしれない。
れもなは中腰で膝に手をあてたまま、首をちょこちょこ横に傾げる。
この嫌味なほどに寄せられた胸部のせいで、目がヤバめのチューリップのヤバ度もアップ。
■水鏡 浬晶 >
こめかみがズキズキしてきた。気絶したい。
ベッドに倒れ込んで気絶したら全部夢だったりしないかな。しないな。
「うぐええッ」
アホの子にド正論でぶん殴られた。どうしよう。
確かに片付けてれば不法侵入されても問題なかったし、ベランダの窓の鍵を掛けていなかったのも物臭ゆえ。
どうしよう、自分の非を否定できる材料が少ない。
そうして、はぁ~~~~っと大きくため息を吐き……
「……そば食いに行くぞ。終わったら片付ける。」
一人の女子高生の勇気と無神経さが一人の男の人生を変えたのだった。
多分変わった。変わったんじゃないかな。そう信じたい。
それはともかくとしてこのツラと体意外最悪なJKをとっとと部屋に叩き返したかった。
おさいふはコラテラルダメージである。
■春寺谷 れもな >
「おそば!やったーおそばー!いなり寿司もつけてね!」
アホの子は大喜びだ。その上追加注文までつけのたまう。
果たして、この何かが変わった…変わった?この空気は続くのだろうか。
エロ本が起点となった、アホの子の正論殴りの衝撃は…。
少なくとも、れもなは寝たら8割くらいリセットされる。完全に水鏡だけがダメージを喰い続ける事になるのは明利だ。
「あ、でもお部屋に鍵かけてなかったや。かけてきま~~す」
なにごとも無かったように、ベランダに向かう女子。
■水鏡 浬晶 >
「……はいはい……」
寝たら忘れる軌跡の頭脳のことはつゆ知らず、とりあえず物で釣って忘れるまで待とうというスタイル。
いずれにせよ、しばらく……いや結構……いやかなりスリップダメージを負い続けることになるだろう。
誰か助けてくれ。
「……いってらっしゃい。…………はぁ。」
未だに痛む頭と低血圧で揺れる体を引きずって、部屋を出ていった。
目当ては蕎麦だ。
ご案内:「安アパートの132号室」から水鏡 浬晶さんが去りました。
■春寺谷 れもな >
ベランダをてとてと歩く音が遠ざかる…。
「あ!帰りにアイスもねだろ。レインボータピオカバニラ……」
ご案内:「安アパートの132号室」から春寺谷 れもなさんが去りました。