常世学園の象徴である「橘」が文字盤に掘りこまれた巨大な時計塔。
鐘がついており、学園内のチャイムはすべてこの時計塔のものである。
非常に高くそびえており、登れば常世島が一望できる。だが、危険のため基本的には生徒は立ち入り禁止になっている。
しかし、特に警備がいるわけでもないので入り込むのはたやすい。
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Time:01:24:33 更新
ご案内:「大時計塔」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
■リョーガ・パレコルタ > 「ま、長居は無用かい。
夏になればここに見回りが来てもおかしくはないからねい。」
なんて立ち上がって。
その場を後にするのでした。
■リョーガ・パレコルタ > 「しっかし、あっついよい。
去年も思ってたけれどもねい。」
手で仰ぐようにパタパタ。
今日はあまり風はなさそうであった。
額には汗がにじんでいる。
「この調子なら冷たいもんがいいよねい。
蕎麦とか冷やしうどんがいいよい。」
外国人のハーフのはずだが、日本舌なのである。
■リョーガ・パレコルタ > 「…夏だねぇい。」
大時計塔の展望台で期末試験の告知プリントを右手に。
いつも通り風に当たりに来た男の姿が。
去年のこの頃にリョーガは転入してきた身だ。
「去年のこの頃は大変だったよい。
女子に持て囃されり、男子に疎まれたり。
まぁ今じゃそんなことはないんだけどねい。」
リュックにプリントを仕舞いながら。
今日はしばらくここでぼんやりしてようと。
胡坐をかきながら風に揺られ始めた。
ご案内:「大時計塔」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」からポーラ・スーさんが去りました。
■ポーラ・スー >
「――ego omnis mundum amare est.」
その言葉に導かれるように、右手に持った折れた刀に、青白く光る液体が何処かから染み出してきて、集まって来る。
そして再び、結集して刀の形になり、鞘に包まれた。
異世界から訪れた流体金属で出来た刀、『神山舟』の能力の一つだ。
「ねえ――そろそろ少しくらい制限を外してちょうだい?
この傷もこの痛みも、あの子がくれたと思えば愛しいけれど。
このままじゃ死ななくても、貧血になっちゃうわ」
そう言葉にすると、程なくして血は止まり、『傷も塞がった』。
「あらあら――これだけ?
ざんねんねえ、文字通り身を削ってあげたのに。
まあ――いいわ、とても素敵な時間だったもの」
『失った鼓動』が、一瞬だけ戻る。
それで充分で、右手と左肩の表面的な傷は再生した。
無論、全てが治るわけではなく、少女が残した傷は取り繕った下で痛みを訴えている。
「あーあぁ、どこでお風呂に入ろうかしら。
これだけ血だらけだと、お洗濯も出来ないわ。
これ、お気に入りだったのに、新しいの仕立てないと」
そう不満じみた声を漏らしつつも、やはり表情は楽しそうなまま。
ゆっくりと歩きだす。
「ああ――oms ego desidero amplec est.」
そして風が吹き、黒い姿は影に滲むように消えていった。
■ポーラ・スー >
「――やあねえ。
重傷の『捨て駒』にくらい、優しくしてくれないの?」
時計塔の上で、黒服の女は右耳の通信機を相手に話していた。
「わたしは、ちゃぁんと指示通りにお仕事したのに。
剣士ちゃんの力は、とっても強力だけど、ちゃんとコントロール出来ていたわ。
それに、技も異能も、成長するけれど、心だって育つものよ?
子供たちの成長は、とっても早いのだから――」
そう言いながら、黒服の女は左手を挙げる。
指先からは、ぽたりぽたり、と今も止まらない血が滴り続けている。
傷が塞がらない、血も止まらない。
けれど、それもまた――愛おしかった。
ご案内:「大時計塔」にポーラ・スーさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」から武知 一実さんが去りました。
■武知 一実 >
「そうか、じゃあなアージェント。
まあオレの方は何かと怒られ慣れてっからな、心配無用だ」
無事に時計塔から離れられても、帰るまでの道中で喧嘩しないという保証もない。
立ち入り禁止区域に入った事を怒られるのか、喧嘩して怒られるのかに然程差は無えんだ。
その場に残るというアージェントへとひらりと手を振って、オレは階段を下り始めたのだった。
ご案内:「大時計塔」からアージェント・ルーフさんが去りました。
■アージェント・ルーフ > 「あ~、別に呼びやすい方でいいよ!アージェントでもルーフでも!」
特段呼ばれ方を決めている訳でもないし、どちらで呼んでも良いと促す。
もっとも、ルーフというのは本当の苗字では無い訳だし。
小さい頃師から何かの意味を持って付けられたはずだけど…なんだっけな?
と、飴を受け取りつつ、一実クンが帰り支度をし始める。
確かに、放課後という事もあって傾いていた太陽がより一層傾いているように感じる。
「うん、ボクはもう少しだけここで風に当たってるよ~
一実クンこそ怒られないように、ね?」
少しばかりの間ではあったが、怒られるような場所に立ち入っていた者同士であるため、お互いの身を案ずる。
階段に向かう一実クンに手を振った後に、もう一個だけ残ってた飴を口の中に放り込み、再び振り返り景色を眺める。
■武知 一実 >
「まあ、気にすんな。 オレは別に気にしてねえから。
よろしくな、アージェント。 あ、名前で呼ばれんのが嫌だったら苗字……ファミリーネームで呼ぶけどよ」
一応確認はしておかないとな。 というかそもそも、ルーフの方がファミリーネームで良いんだよな……?
口振りからしてどうやらあちらさんは上の学年っぽいし、多分年上でもあるんだろう。 だからと言って別段、オレが気を使う様なことは無いが。
「ん……飴? ああ、ありがたく貰っとくぜ」
渡された飴を一瞥し、制服のポケットに仕舞う。
帰りがけにでも食うとして、さてそろそろずらからねえと風紀とかに見つかりそうだ。
「それじゃ、オレはそろそろ行くとする。
そっちはもう少し居んのか? 居るなら風紀委員に見つからねえよう気を付けろよ」
■アージェント・ルーフ > 相手からもお褒めの言葉をいただき、自己肯定感をまた持ち直した所で、自己紹介をされる。
大方、名刺に書いてあった名前を読み取ってくれたからだろう。名前も復唱してくれていたし。
「あっ、一年の人だったんだ!じゃあ、色々と恥ずかしいところを見せちゃったね~…
何はともあれ、よろしくね!一実クン!」
正直、身長的に同学年や年上かと思った。あぁ、ボクも身長高かったらなぁ…。
にしても、色々と人柄がちょっと怖そうと思っていたけれども、案外優しそうで安心した。
人は見かけによらないって言うのも大きく頷ける。
「こんな所で出会えたのも何かの縁だし…はいっ、どうぞ~」
そう言いながら、出会った時に食べていた種類の飴を渡す。これも赤いため、多分イチゴ味だろう。
やはり一期一会だし、こういった甘味でのコミュニケーションは大切だろう。甘味は全てを繋ぐのだ。